3年生 図工
運動会の絵が仕上がった。
時間をかけて、丁寧に取り組んだ作品だ。
互いに、思い入れがある。
それぞれ、作品票にその思いを書いて反省をした。
しかし、それだけではもったいない。
互いの作品を鑑賞することで、さらに友だちの作品から学ばせたい。
ただ「友だちの作品の感想を書きましょう。」と指示をするとすると、
作文力のある子は、そこそこの鑑賞文を書けるだろう。
でも、半分ぐらいの子どもは
「上手だね」とか、「きれいだね」とか、上辺だけをほめることになる。
全員がきちんと鑑賞文にまとめなければ、全員の学びにならない。
そこで、クラスみんなで鑑賞会をおこなった。
名付けて「ほめほめ大作戦」
徹底的に、友だちの作品を褒めてあげようという企画だ。
褒めなさいといっても、視点がなければどう褒めていいか分からない。
そこで、まず黒板に10人の作品を掲示した。
「この作品をほめてあげます。」
「褒めて、といわれてもどう褒めたらいいか困るよね。」
「だから、まず、何を褒めるのか決めます。」
「例えば、『下絵』を褒めることができますね。」
「他には、どんな所をほめてあげたらいいですか?」
S:色塗りについても褒めなくちゃ。
S:バックの点々もとてもがんばったから、色塗りとは別に褒めてあげたらいいね。
S:この絵は、手をかくことから始めたから、手がちゃんと描けているか褒めたらいいよ。
S:手もそうだけど、足も褒めたいよ。
運動会の写真を見て、足が動いていて、空を跳んでるみたいって感じたよ。
その、足が動いているように見えるかどうかも褒めてあげたいね。
S:顔の表情も大事だと思うよ。
T:まず下絵については、具体的にはどんなことを褒めたらいい?
と質問し、子どもたちの答えを板書していく。
爪をかいているかどうか、などは、その発表者がこだわって書いた部分だと思う。
カタツムリの線は、どの子も、写真を何度も何度も見ながら線を探した自負があるのだろう。
T:色についてはどんなことを褒めたらいい?
髪の毛は、細い線で一本一本塗ることを求めた。
頑張った自負があるから視点としてあげられた。
また、絵の具単色で塗るのではなく、必ず2色混ぜて色を作ってきた。
そうした、自分たちが頑張ったことについてが、視点としてあげられた。
同様に、バックについて、手足・顔についても視点を出し合った。
水の使い方について
顔の向きについて
竹を持つ指がつかんでいるかどうかについて
など、良い意見がでて、黒板には書き切れなかった。
これらを参考に、まず最初の10人の作品のなかから、褒めたい人を決めて褒めてみる。
どう褒めていいのか、分からないから、黒板をよくよく見る。
その作品にぴったりする褒め言葉をさがす。
黒板にぴったりの褒め言葉がないときは、自分で考えてみる。
それでも分からないときは、近くに行って良く見てみる。
S:筆の向きがいいね。
S:絵の具をべたっと塗らずに、点々に塗ってるね。
S:靴紐まで、ちゃんと塗ってあるのは細かい作業だね。
と、褒める内容を具体的に見つけていく。
最初の10人の鑑賞が終わると、次の10人の作品を展示した。
そこから、また自分が感じるものがある作品を選ぶ。
そして、同じように褒める内容を書き込んでいく。
次のの10人の鑑賞が終わると、残りの10人の作品を展示した。
そこから、また自分が感じるものがある作品を選ぶ。
そして、同じように褒める内容を書き込んでいく。
こうして、一人につき3枚の鑑賞文ができあがった。
内容は、そうはいっても3年生の内容だ。
でも、1時間飽きずにずっと作品を真剣に見続けた。
その集中はとても良かったと思う。
友だちの作品から、
よい作品を作ろうと思ったら、上手とか下手とかいう観点でなく
いかに、地道に丁寧に取り組むことが大事かを感じ取ってくれたと思う。
44回 | 7月12日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
45回 | 9月6日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
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