人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ショーペンハウアー「幸福について 人生論」を読む

2012年04月05日 06時46分53秒 | 日記

5日(木)。昨夕は、仕事でE部長、テナントKの代表ご夫妻とFSビル地下のOで飲みました前日に次いで連チャンです 前日は日本酒がメインでしたが、この日はK氏に合わせて焼酎を飲みました K氏は法曹界のオーソリティですが、ダジャレのオーソリティでもあります 次から次へとダジャレが飛び出します。当方は、ただ口をあんぐりと開けて唖然として聞くしかありません。普段からK氏を陰に日向に支えていらっしゃる奥様の気苦労がよく分かりました

そのK氏が四字熟語の話になった時に「一石二鳥、二人三脚、三寒四温、五臓六腑、七転八倒までは続くけれど、九と十が続かない」 とおっしゃいました。私は一念発起して思考停止の頭を再起動させて「九十(苦渋)の選択ですね」と言いましたが、四字熟語になっていなかったせいか無視されました ともあれ話し合いが順調に進んだので、9時過ぎに気を良くしてお店を後にしました。Kご夫妻にはお忙しいなかお付き合いいただきありがとうございました

 

  閑話休題  

 

哲学者ショーペンハウアーの「幸福について 人生論」(新潮文庫)を読み終わりました 翻訳をした橋本文夫氏の解説によると、この本は、哲学者ショーペンハウアー(1788年生まれ)が1851年に著した「筆のすさびと落穂拾い」という随想集に載った最大編「処世術箴言」を全訳したもので、「幸福について」という表題は原論文にはないとのことです

私がこの本の存在を知ったのは3月25日付の朝日新聞に載っていた「売れてる本」のコーナーでした 瀧井朝世というライターが、「肩の荷が下りる名言の数々」と題してこの本を紹介していました。それによると、2月29日放送のテレビ東京系報道番組「ワールドビジネスサテライト」内の1コーナー「スミスの本棚」で、ゲストの小説家・劇作家・演出家の本谷有希子が、付箋をたくさん貼った私物の本を手に「幸福にならなきゃと思っている人は、ずいぶん肩の荷が下りると思います」などと語った、とのことです。放送後、アマゾンのランキングでいきなり総合ランキング一位に躍り出たといいます

「これはぜひ読まなきゃ」というわけでさっそく購入して読み始めました。はっきり言って、かなり手ごわい本です。こまかい章立てもなく、文章にはほとんど段落もない、ただ細かい文字がびっしりと何ページも続きます。最近の売れっ子作家のスカスカの推理小説とは違います。何度も途中で挫折しそうになったことを告白しなければなりません

こういう”難しい人”の本を読むときに心がけているのは、「繰り返し主張していることは何か」ということです。 それが理解に繋がります

この本の場合もいくつかキーワードがあります。「苦痛」、「退屈」、「名誉」、それに対する「朗らかさ」、「余暇」、「健康」です。彼の言葉を抜き出してみましょう

「人間の幸福に対する2大敵手は苦痛と退屈である

「種々の財宝のうちで最も直接的にわれわれを幸福にしてくれるのは、心の朗らかさである

「どの時代の精神的に優れた人物を見ても、自由な余暇を何ものにもまして尊いと考えている。誰の場合にも、自由な余暇は、その人自身の価値と等しい価値を持つからである ”幸福は余暇にある”とアリストテレスは言い、ディオゲネ―ス・ラ―エルティオスの報告によれば”ソクラテスは余暇を人間の所有するものの中で最もすばらしいものと讃えた”。アリストテレスが哲学的な生き方が最も幸福な生き方だと説いたのも、この趣旨に合致したことである

「われわれの幸福の基礎をなすものは、われわれの動物的な自然性である。だからわれわれの福祉にとっては健康が一番大事で、健康に次いでは生存を維持する手段が大事である すなわち気苦労のない生活の維持が大事である。名誉とか栄光とか位階とか名声とかは、いかに重きを置く人があるにせよ、こうした本質的に大事な財宝とは比肩しうべくもなし、またそうしたものの補いにもならない むしろ本質的な財宝のために、必要とあれば、惜しげもなく犠牲にされることであろう

要するに、極論すれば、幸福でいる条件は「心身ともに苦痛がない健康な状態で、地位や名誉などを気にせずに、退屈しないように余暇を楽しみながら、朗らかに生きることである」ということになるでしょうか。心がけたいと思います

 

     

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