人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マックス・ポンマー+日本フィルのコンサートを聴く~フェスタサマーミューザ

2014年08月08日 07時00分32秒 | 日記

8日(金)。昨夕、またまた湿度の高い猛暑の中、性懲りもなく川崎まで出かけ、ミューザ川崎で日本フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれたものです。例によってチラシの中に、「ほぼ日刊サマーミューザ朝刊」が挟み込まれており、5日(火)のエッティンガー+東京フィルのコンサートの模様が写真入りで紹介されていました

 

          

 

さて、当日のプログラムは①C・P・Eバッハ「交響曲ニ長調」、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」、③ブラームス「交響曲第2番」です。指揮はマックス・ポンマー、②のピアノ独奏は小山実稚恵です

 

          

 

自席は1C10列15番、センターブロック左から2つ目の席です。会場は8割程度の入りでしょうか ステージ中央には2曲目用のスタインウェイが最初からセッティングされています。時短ですね

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります 大変申し訳ないのですが、コンマスをはじめ一人も顏を知りません 日本フィルはこういう機会でもない限り聴く機会がないので、顔に馴染みがないのです

ドイツ・ライプチッヒ生まれの指揮者マックス・ポンマーの登場です。何となく、同じドイツ生まれの指揮者カール・ベームを彷彿とさせる風貌です 最初の曲は生誕300年を迎えるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(J.S.バッハの次男)の交響曲ニ長調です アレグロ、ラルゴ、プレストの3つの楽章から成りますが、第1楽章の冒頭の単純なメロディーを聴いた時、「なんじゃこれ」と思いました。あまりにも単純であっけらかんとした音楽が切れ目なしに演奏されました。やっぱり父の大バッハには追いつかないな

さて、次のベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」のソリストは小山実稚恵です。いつものようにドレスの色を予想します。私は彼女のイメージから、ブラウン系の色を予想しました。果たして、長い髪をなびかせて登場した彼女はブラウン色のドレスでした またしても正解です。何も出ないですが

この曲は、いきなりピアノ独奏から開始されることから、当時は画期的と言われました 小山実稚恵のピアノが静かに入ってきます。そして次第に盛り上がって行きますが、途中、高音部の演奏で違和感を覚えました それが右手と左手のバランスの問題なのか、それとも違う理由なのか、まったく分からないのですが、まるで違う曲を聴いているような感覚に襲われました 何回も聴いて耳に残っている音楽と違うのです。酷暑の中「川崎詣で」が続いたので頭とともに耳までおかしくなったのでしょうか チャイコフスキーとショパン両コンクールに入賞した小山実稚恵が音を外すはずがありません それはともかく、第1楽章終盤のカデンツァは見事でした いったい誰の作曲によるカデンツァだったのでしょうか

第2楽章「アンダンテ・コン・モート」は小山実稚恵の魅力が最大限に発揮された演奏でした この人の緩徐楽章の演奏はとても良いです。そして第3楽章「ロンド・ヴィヴァーチェ」までくると、第1楽章で感じた違和感はすっかり払拭され、力強いベートーヴェンを堪能することが出来ました

会場一杯の拍手に応え、小山はアンコールにベートーヴェンの「エリーゼのために」をロマンティックに演奏しました

休憩後はブラームスの交響曲第2番ニ長調です。ブラームスは、ベートーヴェンの9つの交響曲がある限り、それを上回る曲を作るのは並大抵の努力ではできないと考え、交響曲第1番を完成させるまで20年以上もかかってしまいました しかし、ベートーヴェンの第9に次ぐ第10番と言われる交響曲第1番を完成させると、肩の荷を降ろしたかのように、わずか4か月間で交響曲第2番を作曲しました この曲はベートーヴェンの交響曲第6番”田園”になぞらえて、ブラームスの”田園”交響曲と呼ばれています。それは曲を聴けばよく分かります。明るくのびのびとしてリラックスした曲です

ポンマーのタクトで第1楽章が開始されますが、弦にもっと厚みが欲しいと思いました 第3楽章はオーボエのソロがとても素晴らしく、日本フィルもなかなかやるじゃないか、と思いました

ポンマーが選んだアンコール曲は、その第3楽章でした。もう一度、素晴らしいオーボエが聴けてラッキーでした

ポンマー(78歳)は来年4月から札幌交響楽団の首席指揮者に就任するとのことですが、はっきり言って、礼響にとってそれがベスト・チョイスなのかどうか、私には分かりません その昔、ビールのコマーシャルに「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」というのがありました。要するに3つの都市は地球上の同じ緯度にある、そこで作られるビールは美味い、というコンセプトのコマーシャルでした その伝でいけば「ポンマー+札幌交響楽団」も適度に苦みのあるビールのように旨くいってほしいと思います

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする