人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

山下一史+N響+小林麻耶でプロコフィエフ「ピーターと狼」を聴く~フェスタサマーミューザ

2014年08月03日 08時39分55秒 | 日記

3日(日)。昨日、性懲りもなく酷暑の中、川崎まで出かけました ちょっと昼寝をしていてハッと気が付いたら午後2時半になっていました。川崎でのコンサートは午後4時開演です。ヤバイ、ギリギリかも と思いつつ急いで着替えて巣鴨駅に向かいました。幸い田端駅で京浜東北線の快速電車に乗れたので3時半には川崎駅に着きました

という訳で、ミューザ川崎でNHK交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ムソルグスキー/ラヴェル「組曲”展覧会の絵”」から「プロムナード」、②デュカス「魔法使いの弟子」、③ドビュッシー「交響詩”海”」から「風と海との対話」、④サン=サーンス「組曲”動物の謝肉祭”」から「白鳥」、⑤プロコフィエフ「ピーターと狼」、スメタナ「交響詩”モルダウ”」、⑥ムソルグスキー/ラヴェル「組曲”展覧会の絵”」から「バーバ・ヤガーの小屋」「キエフの大きな門」です。指揮は山下一史、司会と朗読はフリー・アナウンサーの小林麻耶です

 

          

 

自席は1C5列7番、センターブロック左から3つ目の席です。会場は文字通り満席 ステージを見渡すと、ティンパ二、大太鼓をはじめとする打楽器が所狭しと並んでいます。「展覧会の絵」シフトです 指揮台を見ると小型のモニター画面が置かれていて、画面の中央に10という数字が表示されています。何だろう・・・・と思いましたが、後で分かります。コンマスは篠崎史紀(通称マロ)、チェロ首席の席には向山佳絵子、ヴィオラ首席の席には佐々木亮がスタンバイし、オーボエの茂木大輔も健在です

指揮者・山下一史が登場し、1曲目のムソルグスキー作曲ラヴェル編曲「展覧会の絵」の「プロムナード」が始まります トランペットが会場一杯に鳴り響きます。そして、進行役のフリーアナウンサー・小林麻耶さんが濃いピンクのドレスで登場し、指揮者とオケを紹介します そして山下にインタビューし、次の曲の解説を促します 山下は、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」はディズニー映画「ファンタジア」でミッキーが箒に魔法をかけて仕事をさぼるシーンに使われた音楽であることを解説して、指揮台に上がります

私は指揮台の小さなモニター画面が気になるのでジッと見ていると、10の数字が9,8,7・・・・と減っていきます。それは演奏開始のカウントダウンだったのです 指揮者をよく見ると耳にイヤホンを付けています。これは何かやっているに違いない、と気をつけて見ていると、その画面に「ファンタジア」の「魔法使いの弟子」が映し出されていたのです つまり、指揮者はディズニーの「ファンタジア」画面に音楽を付けていたのです。こういうやり方は初めて見ました

それは次のドビュッシー「海」でも同様でした。演奏中の画面を見ると海の波の画像や、バレエで踊っているシーンが映し出されていました。どうもそっちの方に気を取られていて耳の方がおろそかになってしまいました。反省してます

休憩後の最初はサン=サーンス「動物の謝肉祭」から「白鳥」です。向山佳絵子が指揮者とともに登場します。オケは弦楽器のほかはハープとホルン2本のみに縮小されています。この曲は本当に美しい曲ですね。サン=サーンスはやっぱり天才だったのでしょう

さて、次はいよいよオーケストラ曲でのナレーション初体験となる小林麻耶のデビューです 指揮者の左サイドの椅子に座り、プロコフィエフの交響的物語「ピーターと狼」が、彼女のナレーションで始められます。ナレーションは曲と曲の合間に入れるだけでなく、演奏途中にも入るシーンがいくつもありますが、彼女は外すことなく絶妙のタイミングでナレーションを入れます しかも感情を込めて、ピーターはピーターらしく、おじいさんはおじいさんらしく、登場人物や動物に合わせて表現を変えます 楽譜らしきものをめくりながら朗読していますが(多分彼女は楽譜が読めるのでしょう)、そこにナレーションのタイミングが記されているのでしょう

 

          

 

はっきり言って驚きました。これが初めてのナレーションだとは信じられないくらい立派なパフォーマンスでした 終演後、オケからも客席からもたくさんの拍手をもらって、「ありがとうございます。もう楽しくって楽しくって・・・今回やってみて本当に良かったです・・・・」と感激の涙声で話していました オケのメンバーは「あら、感激で泣いちゃったのね、純だねえ・・・」といった表情で拍手を送っていました 彼女、とってもイイです 他のオーケストラの関係者の皆さま、「ピーターと狼」のナレーターとしてフリー・アナの小林麻耶さんを推薦します アイススケートのフリーは真央ちゃん、ナレーターはフリーの麻耶さんに決まり

次はスメタナの交響詩「わが祖国」から「モルダウ」が情緒豊かに、そして最後にムソルグスキー/ラヴェルの組曲「展覧会の絵」から最後の「バーバ・ヤガーの小屋」と「キエフの大きな門」が色彩感豊かに、かつ迫力満点で演奏されました 前から5列目の席で聴いていると、大太鼓やドラの音が直接、身体にズシンと響いてきます 凄い迫力でした

最後に、この日のコンサートで気が付いたことを一つだけ書きます それは、この日のコンサートは、指揮者の山下一史ではなく、コンマスの篠崎マロ氏の主導で進められていたということです

山下一史は1961年生まれに対し、篠崎史紀は1963年生まれとほとんど同世代ですが、山下は1985年から1995年の間、NHK交響楽団の副指揮者を務めています。その2年後の1997年から篠崎マロ氏がN響のコンマスに就任しています。カブる期間が無かったものの、篠崎+N響から見れば山下は副指揮者として”育ててあげた”という優位な立場にあるといえるでしょうか。そうしたN響の見えざるDNAが篠崎マロ氏の優位な振る舞いに表れていたと思います

 

          

 

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