<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「おばあちゃんの家」

2013年05月30日 |  映画
2002年 韓国映画

またもや韓国映画のパワーを見せつけられた名作。
女性監督でまだ2作目にして、韓国アカデミー賞受賞。

主役のおばあちゃんは、なんと素人さん。
観ていて、女優らしくないなー、腰曲がってるし、でも名演技だし、
しばらく女優をしりぞいていた人なのかな、と思ってました。

村人も素朴な人ばかりだったので???と思ってたら
こちらもほんまもんの村人さんたちでした。
だから、プロの俳優さんは主人公の7歳の少年とそのお母さん、くらい。

ドキュメントでもないのに完全フィクションなのに、
素人でこんな映画を撮ってしまうなんて驚き以外何物でもありません。

しかもおばあちゃんは耳が聞こえずしゃべれない設定。
声を発せず、感情を出すなんて、プロの役者さんにはできなかったことかも。
よけいな知識が邪魔をして。
おばあちゃんは、ただ、監督の言う通りに監督を全面的に信じた、と言ってました。
素晴らしい信頼関係だと思います。

物語は、
7歳のサンウを母親が田舎のおばあちゃんのところに預けに来たところから始まります。
シングルマザーなので、仕事を探す間、田舎に預けたのです。

サンウはわがままに育った都会っ子。
遊びはただゲームやおもちゃ。
田舎に来たら何もない。
年寄と接したこともないので、
しわくちゃのおばあさんを汚いもの扱い。
ごめんなさいや、ありがとうも言えず、ただいたずらを繰り返す。
ケンチキが食べたいと泣いたり、
ゲームの電池を買ってくれ、金をくれ、といっても
おばあちゃんには理解できず、頭にきて当たり散らすサンウ。

家には本当にお金がなく、
自宅の畑で採れたかぼちゃを町に売りに行く。
そこで新しいくつとお菓子を買ってもらうサンウ。

おばあちゃんは食事もサンウだけに食べさせて自分は食べない。
不思議に思うサンウ。
人に対する思いやりとか習ってこなかったのだ。

お金だって当然あるものと思っていた。

でも、何をされてもじっとサンウのことを見守るおばあちゃん。
無償の愛情がサンウに伝わる日がくるのです。
いやいや、これは号泣映画です。

最後に「すべてのおばあちゃんにこの映画を捧げます」とあります。
誰もが、自分のおばあちゃんを思い出し、涙がこみあげてくるでしょう。
おばあちゃんをほとんど知らない私でも
ああ、いいなあ、って思いました。

ぜひぜひ観てほしい1本。




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