<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「TYPHOON」2

2008年12月12日 | ジュリーインタビュー
黒田「じゃ、先のこと、たとえば30代半ばの沢田研二というのは想定しています?」
J「あまり変わらんほうがええなという気持ちだけはあるんですけどね。いまのままで、あとは自然に変わる部分だけ・・・。」
黒田「流れにまかせてゆくということ?」
J「そうですね。それと自分は別に変わってなくても、人の見方はつねに変わってくるということもありますしね。それが、よく見られるか、悪く見られるかは問題だけど・・。」

ほんとに深いことを言うと、29歳のジュリーに感心してしまう。

人の目を気にするあまり、迎合したり、変わってしまうのが人間なのだ。でも、待てよ、自分が変わらなくても、人の見る目が変われば、それは変わったと同じことなのだ、と。
いつまでもやんちゃしてるジュリーじゃない、いつまでも歌が下手な子供でもない、確実にスターになり、歌もうまくなり、レコード大賞歌手にもなった、しかし、ジュリーは変わらない。
いつも努力を惜しまず、人に言い訳をせず、寡黙にがんばってきたが、イメージだけで、いろいろなことを言われ、決め付けられてきたのだ。
ジュリー自身は何も変わらないのに、レコード大賞を取ったというだけで、素晴らしい人、ジュリーという世間の評価になった。
そういう世間の事をだれよりもよくわかっていたのがジュリーだ。


人間は人によく見られたいという思いから、自分を偽ったりしがちである。まして、芸能人は人気が命。それなのにジュリーはファンと対等、というそのころでは珍しい意見を堂々と口にしていた。「お客様は神様です」と南春夫さんが言ってた時代だ。

僕はロッカーだからそんな考えをするんだ、と言っていたわけではない。ジュリーは生きかたそのものがロックなのだ。そして今もロック魂は変わらない。



最後にこの言葉を。

J「というか、いざとなったらガンバルという自信はありますね。」
黒田「死なへんぞっていうやつね。」
J「どんなにどん底になって、もう立ち直れんやろといわれても、もいっぺんやってみるというようなね。」
黒田「でも、楽しみだなあ、これから先、やっぱり自分でも楽しみでしょ。」
J「そうですね、どうなるんやろ。みんながどういう具合にみてくれるんやろ、という・・・。そして、このまま進んで行って、みんなにそっぽを向かれた時は、大方向転換でもなんでもして、びっくりさせてやろうかなとか(笑)。いざとなったら、何でもできるような気があるんですよね。」


そして言葉通りにまっすぐ生きて、60歳でドームコンサートを成功させたジュリー。
たとえば、この29歳のジュリーが今、ここにいたら、おーやっとるな、60のじいさんがしぶといな、て笑っているに違いない。
コメント (2)
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