明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(293)世田谷の放射性物質はラジウム。原発事故とは無関係だったが・・・。

2011年10月14日 22時48分58秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111014 23:00)

12日に世田谷から発見された放射性物質は、民家の床にビン入りでおさめ
られていた放射性ラジウムであることが分かりました。原発事故とは無関
係です。しかしこんなものが民家にあったことは驚きです。特定はされて
いませんが、蛍光塗料に使われたものではないかと推論されています。

しかもビンの近くでは1時間あたり600マイクロシーベルトという値が出て
いたと報道されています。0.6ミリシーベルトですから1時間40分で年間
被曝量に相当してしまいます。距離を離れるだけ値は低くなりますが、
それにしてもこれが何十年もそこにあった可能性が高いのです。

また注目すべき点として、民家から放射性物質の発見は、これがはじめてで
ないことも報道されています。2000年6月には、長野県内の空き家や住宅の
敷地など3か所から放射性物質を含む鉱物「モナザイト」計17トンが。また、
2008年10月には、東京・文京区にある住宅の倉庫から核燃料の原料となり
得るトリウム232が見つかっているという。

これらは、いよいよ、市民がいろいろなところをくまなく測ることで、自ら
の安全を守った方が良いことを示唆しているように思われます。ともあれ
原発事故由来ではなく、したがってこの地域が避難を必要とするわけでは
ないことでほっと一息ですが、さらに多くの人による計測を続けたいもの
です。

なお、初期の報道からはよく分からないまま、明日に向けて(291)で、
3日の通報から発表まで9日たっていることを批判してしまいましたが、
その後、市民による通報があってからの世田谷区の対応は実に迅速で行き
とどいていたことも見えてきました。当初から、線量が地面の近くでは低く、
1mの計測値の方が高いことを的確につかむなどしていました。

また念のため、区内の砂場のある公園、約260か所もただちに計測を指示
するなど、市民の情報提供に敏感に応えて動いています。保坂展人区長
を中心とした世田谷区の行政の方々に感謝したいと思います。
これらについてより具体的に示すために、「世田谷区長保坂展人のどこどこ
日記」10月12日分を掲載しておきます。

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世田谷区内の局所的な「高い線量」計測について

世田谷区長保坂展人のどこどこ日記 政治 / 2011年10月12日

今日は8回目の記者会見だった。世田谷区内にピンポイントで「高い線量の
個所」を確認し、区としてその原因を究明し、また原因物を除去する対策
にあたっていることを発表した。記者会見ではあまり多くの質問は出なかっ
たが、夕方からテレビニュースで報道され始めて、NHKの9時のニュース
では冒頭に伝えられた。まず強調しておきたいのは、今回区で確認した高
線量の個所は狭く限定された空間(高さ1・5m×幅2m)であるというこ
とだ。10月6日に区が確認した最高の数値は「2.707マイクロシーベルト(毎時)」
で地上1mの計測値だが、直下の地上5㎝だと半減する。5~6m離れた公園
では、0.07前後の世田谷区の平均値の枠内となっている。

10月3日、携帯電話で受け取ったメールには、「区内に高い線量を記録して
いる場所があるので確認してほしい」と書かれていた。この日、定期的に
開催している世田谷区役所の放射能問題庁内連絡会議で「何かの間違いかも
しれないが、これまでの区内の放射線量とは桁違いに高い線量の場所がある
という情報提供があったので確認するように」と指示をした。夕方だったが、
簡易計測器で計測すると確かに高い値が出た。翌日、区議会で複数の会派
からこの点についての質問があり、「昨晩確認をしたので、より精度の高い
機器で再測定をして、なるべく早く対処していく」という趣旨の回答をして
いる。何人かの区議会議員が該当個所でそれぞれ測定をしての質問であり、
傍聴席には報道関係者もいた。

その後、何度か測定を重ね、9日には環境測定専門業者の立合いとアドバイス
を受けた。また、東京都と国・環境省に事実を通知して対処策を訊ねている。
今後は原因究明をしっかり行なって、すみやかに原因物を除去するという
プロセスに入る。報道後、区役所には問い合わせの電話が相次いだ。計測
された最高値が局所的であることを説明し、付近を通行することで顕著に
健康に影響があるとは言えないが、付近に保育園もあり、通学路にもなって
いるためにカラーコーンを置いて線源に近づかないようにした。これから
専門家を交えて、さらに詳しい調査を行い、すみやかな対策を進める。

今回の高い線量について、環境測定専門業者は「一定の所に雨水が集積したの
ではないか」という見方をしているが、更に詳しいことが判り次第公開してい
くことにする。今回の発表は、区民からの情報提供が発端だったが、区内の
砂場のある公園258カ所(※訂正します)を緊急に一斉調査することにした。
区のホームページの方でも情報掲載をした。

区内一カ所で比較的高い放射線量が確認されました

先日の文部科学省が発表した上空からの調査では、世田谷区内に異常値が認め
られたわけではなかった。福島第一原発事故以来、都内で初となる「今回の
高い線量」が何に起因しているのかを徹底して究明し、更なる情報開示を
行なっていく。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/bfe7006ac08a6a89abaa27582cbdeb21?fm=rss


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