明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2292)脱原発・脱戦争・脱資本主義のダブルウィーク連続講演を行います!(1月28日~2月13日)

2023年01月27日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230127 23:30)

脱原発・脱戦争・脱資本主義の太いつながりをお話します!

明日28日より、脱原発・脱戦争・脱資本主義を掲げた2週間あまりの講演ツアーに赴きます。
この3つの内容を軸にお話しますが、相互に太いつながりがあるのでそこも詳しくお話します。
キーワードは「原発推進」「ウクライナ戦争」「GX(グリーントランスフォーメーション)」「社会的共通資本」、そして「非暴力の可能性」です。

とくにここ数年、資本主義をいかに捉え返すか、自分の中でずいぶんブラッシュアップしてきたのですが、その中で原発、戦争と暴力、社会的共通資本などについての考察が進みました。
それらをなんとか一気に出し切りたい!それぞれの会場のみなさんとのやり取りの中で、新たな地平を切り開けたらと思っています。
可能な限りFacebookのLIVE配信やzoomの活用もしたいと思っています。


おもに岡山県内各地をまわります。

トップは兵庫県加古川市。
翌日29日は岡山市で3つの企画でお話します。

最終日の前、2月12日(日)は広島県福山市にも行きます。
最後の講演は岡山県笠岡市にてです。

以下、開催地、時間、タイトルを書き出します。
詳しい情報はチラシFacebookイベントページから把握されて下さい。
https://fb.me/e/3TufxQXYy

 

スケジュール一覧です!

1月28日
加古川市 13時半~16時半 原発は終わっている

1月29日 
岡山市  10時から12時 「核の問題から解き明かすウクライナの今、世界の今、私たちの今」
岡山市  13時から14時半「ウクライナ問題について考える」(この二つは教員組合の教研企画のためクローズド)


岡山市  15時~18時 「原発政策の転換」を考える

1月30日
備前市  14時~16時「放射能からの命の守り方」

1月31日 
総社市  15時~16時半「総社で「核」について考える」

2月1日
岡山市  13時~ 大塚愛さんと対談・収録) クローズド企画

2月2日
高梁市  14時~16時半「ふくしま原発事故から11年」

2月3日
岡山市  13時半~16時半「社会的共通資本」学習会

 

2月5日
倉敷市  14時~「原発のウソ、ホント。原発を動かしても大丈夫なの?」


2月6日
岡山市  18時~「今、核について~核利用がもたらすものとは」


2月7日
真庭市  19時~「原子力災害と岡山県北部の防災」


2月8日
和気町  14時~17時「軍備拡張ではなく国際平和を!!」


2月9日  
岡山市  13時半~ 19時~「核の問題を根っこから考える」


2月11日  
岡山市  14時~16時「世界の現状における非暴力の可能性」




2月12日
福山市  14時~16時「穏やかで安全な瀬戸内地方を子どもたちに引き継ぎたい」 


2月13日
笠岡市 

  

岡山県内のみなさん。近県のみなさん。
ぜひお越しください!

#脱原発 #脱戦争 #脱資本主義 #社会的共通資本 #非暴力の可能性 #GX実行会議 #原発は終わっている #核の問題を根っこから考える

*****

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明日に向けて(2291)長崎で被爆し諫早に送られて力つきた人々を思って・・・(続諫早の慰霊の碑を訪れて)

2023年01月21日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230121 23:30)

諫早の「慰霊の碑」の訪問動画、編集版をお届けします

諫早の慰霊の碑を訪れた記事の続編です。
まず前回、FacebookLIVE配信のアーカイブをご紹介しましたが、説明していただいた高屋忠義さんの音声が小さくしか収録できていなかったため編集しました。
画像の質は落ちてしまっているのですが、こちらの方が説明がよく聞こえますので、こちらをご覧下さい。


長崎市のホテルに戻って

続いてホテルに戻ってからFacebookに投稿した記事をこちらにも再掲します。
以下、15日夜の投稿です。

***

みなさま。長崎のホテルからです。

長崎駅からわずか1キロ。でも標高330メートル(京都大文字山の大の字の真ん中あたり)に建っています。古いホテルで安いですよ〜。
大浴場はボイラーの音がゴーゴーなっていて、さらに今宵はボイラー故障で入れる時間が遅れたりしましたが。

さて今宵、僕の心は乱れています。

昨日、長崎被災協主催の高橋真司さん主催の講演会に参加してきました。昨秋に続く参加でこころが震えました。
その午前中は永井隆記念館を佐賀県から駆けつけてきてくれたよーちさんという、長崎市出身者と訪ね、充実した時間を過ごしました。

さらに今日は諫早市を訪ね、そこにある慰霊の碑を取材してきました。
長崎の被爆二世の会・諫早の方たちとも実に有意義な会話をし、とても充実を感じてホテルに戻りました。

それで、「明日に向けて」を書こうと思ったら、なぜか筆が進まない。
理由はわからないけれど心身の疲労を感じました。それでブログも書けなかった。

なんでだろう?こんなに良い取材ができたのに?と思いつつ、ブログ執筆を諦め、親しい仲間たちに少し諫早のことを書き送っていたのですが、それで次第に心の疲れーと感じたことの理由が分かってきました。
この疲れの実態はー悲しみです。そう。悲しみなのです。誰の?被爆者の方のです。
僕はそれに強く共振、共鳴してしまっている。




長崎市内のホテルからの夜景 守田撮影


諫早に送られた方たちを思って

今日、訪れた諫早の慰霊の碑は、長崎で、今こうして高いところから眺めているこの街で被爆し、諫早に送られた方たちの霊を慰めるものです。
そこを訪れた時、僕はある種の清々しさと温かさを感じました。

「ああ、ここで眠られている方達は、諫早の被爆者、そして被爆二世の会の方たちがこうして慰霊をしてくれたことで癒されたのだな。ここにもう彷徨ってはおられないな」
そんな感じがしたのです。
そのため、慰霊の碑の建立に関わられた方に深くありがたいと思いました。感謝感謝でした。

それで僕は長崎市に戻ってきて、割と早めにホテルでゆっくりして、明日に向けてを書こうと思ったのだけど、なぜか心が休まらない。なぜか書けないものを感じる。
それがいま分かった気がしてます。
そう。僕はいま、あの時、この長崎市から諫早に送られた方達のあの時、亡くなるまでの、あの濃密な時間を追体験しているのです。

おそらくもはや霊として彷徨って、僕にそれを見せている方がおられるわけではないと思う。でも僕の心が、その悲しみ、苦しみを感じずにはおれなくなっている。それで強く共振しているのです。
そう。僕は今日、長崎駅から諫早駅までのあのルートに体を揺さぶられました。
同じ鉄路の上をあの日、多くの方が通られた。意識のある方はどんな思いだったでしょう。


長崎市と諫早市の位置関係 聖フランシスコ病院の南西1.4キロ付近が爆心地 Yahoo地図より


火脹れしたまま列車に揺られ・・・

熱線にやられ、放射線にやられ、火脹れした身体のままに、鉄道に乗せられ、運ばれた方たち。
痛かったでしょう。辛かったでしょう。ああ、その声が聞こえてくるようだ。その呻きが今そこにみえるようだ。
そうして傷口から湧いてくるウジムシまでもが目に見えるようだ。

辛いです。とても辛い。なんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。なんで!何か悪いことをしたわけでもないのに、一生懸命に自分の役割を果たそうと頑張っていただけなのに。
酷く焼かれ、身体中、火傷だらけで、火脹れし、ただ運ばれていく。
そう。辛い。そして悲しい。

ああ、この先、あの人に会うことはできるのだろうか。ああ、もうあの愛しい人には会えないのだろうか。
そして自分は誰にも知らないままに、ここでこのまま朽ちていくのだろうか。
辛い。悲しい。そして悔しい。

せめて自分がここで死んでいったことを知って欲しい。
お母さん、お父さん、妻よ、夫よ、子どもたちよ
どれだけの人がそう思ったことでしょう。そう思いながら鉄道の揺れに身を任せるしかなかったことでしょう。
そしてその思いのまま、やがて意識は薄れ、視界はかすみ、消えていったのです。


「慰霊の碑」のある百日紅公園の位置(諫早市天満町)


亡くなったの苦しみ悲しみを受け止めて平和に向かいたい

僕は今日、どちらかと言うと、そうした被爆者の無念の思いに応えようとし、一生懸命に慰霊をしようとした方達の方にフォーカスして取材していたのでした。
それは大切なことだったと思います。同時に大切なことをきちんと受け取ってこれたと言う自負もあります。
でも一方で無自覚なままに僕の心の中にあの日の悲しみが大きな流れとなって入ってきていたことをいま、強く自覚しました。

そうなんです。たとえ慰霊が進んだとしても、あの時の思いを私たちは受け継いでいかなくてはいけない。
それが心の中に飛び込んでくるのは、とても辛いことですが、その辛さをシェアしてこそ、大切な何かが見えてくる。
僕はそれは究極の優しさだと思います。

二度とそんな思いを誰にもさせないよ。もう二度と同じことを起こさないよ。だから、あなたをけして忘れないよ。
いつまでもあなたの痛みと共にあるよ!
と、そんなことを語り続ける力と言うか。

ああ、ようやく心の乱れがおさまってきました。
僕なりに大事な点に気づけたと思います。
うん。これでこそ、今回の旅の意義をきちんとまとめられるな。うん。明日、頑張って書こう。そう思います。

あー、レアなことを書いちゃいました。
うーむ、気恥ずかしくもありますが、このままに投稿します。
みなさま。犠牲になられた被爆者の方たちの思いを胸に、共に核と戦争のない未来へと共に歩みましょう!


「慰霊の碑」とご案内していただいた高屋忠義さん(長崎被災協・被爆二世の会・諫早会長)

#長崎 #原爆 #諫早 #慰霊の碑 #長崎被爆二の会諌山 #高屋忠義 #大宮美喜夫 #長崎被災協 

*****

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明日に向けて(2290)諫早の「慰霊の碑」を訪れて

2023年01月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230117 23:30)

再び長崎を訪れてきました

みなさま。13日から16日まで長崎を訪れてきました。
今回の訪問のメインの目的は14日の高橋眞司さん講演会への参加でした。とても実り多かったです。

この日は僕が昨年末に行った、夏と秋の長崎訪問の報告会を聞いて下さった、よーちさんが駆けつけて下さいました。
長崎市出身のよーちさんとまずは永井隆記念館を訪れ、その後、浦上天主堂や平和公園の中を歩いてから講演会に参加しました。

この過程について、よーちさんが素晴らしい報告を書いてくださっているのでご紹介します!
「平和の技法」
https://blog.goo.ne.jp/yo_ti/e/5ef257f434992822b49d5ebf623bddd9

よーちさんの素晴らしい報告に触発されて、僕もこの日のことを長崎滞在中に書きたいと思ったのですが、現地でパソコンの入力が進みませんでした。
翌日14日に訪れた諫早の「慰霊の碑」のインパクトが大きかったからです。とても素晴らしく、貴重な訪れだったのですが・・・。
それで長崎のホテルからFacebookに投降したことを、ここにも記しておこうと思います。


諫早の「慰霊の碑」を訪れて

まず紹介したいのは、14日の「慰霊の碑」の前から行ったLIVE配信についてです。
アーカイブをご紹介し、そこにつけたコメントを記します。
なおLIVEでは、ご説明をいただいた高屋さんの声が小さくしか収録されていません。申し訳ないです。ボリュームを調整しながらご覧ください。

諫早の「慰霊の碑」の前から
https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/1192275614752494


碑を案内して下さり、説明もして下さった高屋忠義さん

以下、この動画につけたFacebook上のコメントです。

***

長崎県諫早市を訪れました。長崎被爆二世の会の大宮美喜夫さんに駅でピックアップしていただき「慰霊の碑」へと連れて行っていただきました。
現場には、長崎被災協・被爆二世の会・諫早の高屋忠義会長が待っていて下さり、碑について説明していただくことができました。

長崎市と諫早市は20キロ以上離れています。このため諫早は原爆直爆から免れていますが、長崎市の被爆直後から、被爆者が続々と列車で運ばれてきました。
諫早に海軍病院があったためです。さらに大村の海軍病院に運ばれた方もいたそうです。
しかし搬送中、あるいは諫早に着いてから、多くの方が亡くなられていきました。そのためこの地に遺体が運び込まれ、ここで焼かれ、埋葬されたのだそうです。

その数、400体から500体。

しかしこの場はその後、きちんと慰霊がなされず、「なんだか怖い」ところだったのだとか。
それで前の被災協・諫早の会長だった清水多喜男さんがとにかく慰霊の碑を建てたいと思われた。
その気持ちを受け取った被爆二世の会・諫早のみなさんなどの尽力で、ついに2020年8月に碑の建立に漕ぎ着けたのだそうです。
裏を見てみると、碑の建立のために献金された方のお名前の中に!前の会長の清水さんや高屋さん、大宮さんのお名前がありました。

現場に立ってみると何か清々しいような温かい気持ちが漂っていました。「ああ、ここで眠る方たちに思いが届いたのだな。慰霊がされたのだな」と感じました。
その感想をお話ししたら、実はいろいろななんとも不思議なことがあったことを教えていただけました。この点は動画でご確認ください!

ともあれ素晴らしい訪問になりました!
ここに眠る被爆者のみなさん。案内していただいた高屋さん、大宮さん、そして碑の建立に尽力されたすべてのみなさんに感謝を捧げます。
なんとしても平和を守り抜くために努力し続けることを誓います!

続く

#長崎 #高橋眞司 #永井隆 #平和の技法 #よーち #諫早 #慰霊の碑 #長崎被爆二の会諌山 #高屋忠義 #大宮美喜夫

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明日に向けて(2289)「核時代の平和責任ー原爆と原発ー」について長崎で考える

2023年01月13日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230113 23:00)

再び高橋眞司さん講演会に参加します!

長崎のホテルからです。今日の午後のフライトでやってきました。
再び『長崎にあって哲学する』の著者、高橋真司さんの講演をお聴きするためです。

タイトルは「核時代の平和責任ー原爆と原発ー」
明日1月14日(土)午後2時から4時 長崎原爆被災者協議会(被災協)2階で行われます。
福島原発事故を受けて、これからの時代の平和責任について話されるそうです。

どなたでも参加可能です。お近くの方、ぜひ合流してください。


永井隆<浦上燔祭説>について考える

学習会の前に、今回は永井隆記念館(如己堂)」を訪問してきます。
永井隆氏は例えば長崎市が管轄するウェブサイトでこんな風に紹介されている方です。

原爆によって愛妻を亡くし、自分もまた被爆による白血病と戦いながら死の直前まで原子病の研究と発表を続けた博士。寝たきりとなってからは、如己堂(にょこどう)と名付けた2畳一間の部屋に2人の子どもと住み、そこで多数の著書を執筆した。
そして、余命3年と宣告されてから6年、昭和26年に永眠の時を迎えた。
http://www.city.nagasaki.lg.jp/nagazine/museum/040824/index.html?fbclid=IwAR1zytLofJfHUrwcXFJWb700Lp-4esV_8lBefGzP-Eh-BlKLIDPlEe6bi0w

その永井氏は「浦上燔祭説」を述べた。神が世界大戦を終わらすために長崎の浦上を選んで原爆を落としたといったのです。
僕は強い違和感を持っているのですが、実は高橋眞司さんは、その点をきちんと語られた方でもあるのです。
前回、11月に行われた2回目の講演会ではその点を話されました。動画をご紹介します。

爆者のあゆみを学ぼう 2回目「永井隆<浦上燔祭説 批判>への道すじ」高橋眞司長崎大学元教授 2022年11月26日 長崎原爆被災者協議会

明日はこの点も深めてきます!


長崎の被爆二世のみなさんと交流を深めてきます!

さらに15日は長崎被爆二世の会の諫早の方たちと交流してきます!
僕は諫早市に訪れるのは初めて。諫早にある原爆碑を案内していただきます。
京都「被爆二世・三世の会」で進めてきた健康調査アンケートのことなども話してきます。

今回も大事なことをしっかりつかんできます!

#長崎原爆 #高橋眞司 #長崎被災協 #核時代の平和責任 #永井隆 #浦上燔祭説 #如己堂 #永井隆記念館 #原爆と原発

*****

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明日に向けて(2288)原発を止めるために大事なのは被曝の危険性をきちんと知ること! 『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』の活用を

2023年01月07日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230107 23:30)

原発問題の本質は被曝問題

岸田政権があまりに無謀な原発推進策に踏み込んでいます。
しかもどう見ても、次に大事故が起こることを念頭に入れて、放射能安全キャンペーンを強化しています。

このため原発を止めるためには、被曝の危険性をきちんと把握し、広めることが最も大事。
そもそも原発問題の本質は、被曝問題なのです。

昨年12月から『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を全5回で読む会をスタートさせたのもそのため。
ぜひ文科省や原発を推進する人々の「被曝安全キャンペーン」から多くの人を守るため、読む会にご参加下さい。

お申し込みは以下からできます。
https://forms.gle/rQgpQbnXo5pTZM9X6

Facebookイベントページもご覧下さい
https://www.facebook.com/events/1246364605918560


まずはアーカイブをご覧下さい

今回はBOOKを5回に分けて読みます。ほぼ2カ月に1回開催し、問題意識の持続も図ります。
すでに1回目を終えましたが、とても好評でした!まずはこの1回目をアーカイブでご視聴ください。

参加者からこんな感想をいただきました。お読み下さい。

***

1回目の感想
あの日、お届け物等が山積みだったので、手を動かしながら、とりあえず視聴だけと思っていました。が、参加者の皆さんで読み合わせをしたり、意見を述べあったりして通常のセミナーとは違って、のめり込みやすい構成だったと思いました。守田さんの仕掛けスゴイ!!

お疲れさまでした。これは、参加型の面白いやり方であり、読本だけではスラっと流れてしまう所が、下澤さんの思い出で話が分厚くなり、途中で関連の話が入ることでも膨らみ、とてもとても良かったです。遠方の友にも勧めたくなりました。今日は無理ですが次回までにはしますね。

動画の感想
昨日頂いたアドレスで1回目を視聴しました。にょきプロよく練られていて何が問題なのか、とても分かりやすかったです。政府の悪意に近い暗?い意思がはっきりしますね。できればオンラインでリアルタイムで参加したいと思いました。古澤亨(京都市)

***

ちなみに「守田の仕掛け」ではなくて、にょきのメンバーみんなで考えた仕掛けです!ぜひ体感していただきたいです。
この動画は1000円でご覧になれますが、そのまま全5回をお申し込みいただければ、総額3500円(動画代1000円+2500円)で動画+後の4回に参加できます。
また各回を見逃しても、その都度、後からアーカイブでご覧いただけるので安心です。

2回目は2月26日(日)18時からと、28日(火)10時から。
放射性物質の「半減期」という性質を利用しつつ、被曝の危険性を隠すテクニックをすっきり読み解きます。ここの解説を受けた多くの方が「目からウロコが落ちた」と言われる箇所なので必見です!

お申し込みは以下から。
https://forms.gle/rQgpQbnXo5pTZM9X6

このページ(『放射線副読本』6ページ)に被曝の危険性を隠す重要なテクニックが!これを解き明かします!


特典付きのご寄付もお願いします!

にょきにょきプロジェクトでは、独自のクラウドファンディングを設定し、特典付きのご寄付もお願いしています。
以下をご覧下さい。ここから特典付きご寄付に参加していただけます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

特にいま、私たちが考えているのは、新たな「読み解き」へのチャレンジ。
文科省の『放射線副読本』の改訂版、放射能汚染水の海洋投棄を進めるためのチラシ。復興庁の『放射線のホント』『いまどきママパパの基礎知識<放射線について>』、原子力安全システム研究所の『はじめましてほうしゃせん』などについてです。
みんな、子どもと親を「被曝は大して危なくない」と丸め込むもので、命を守るためにきちんと読み解きたい。そのためのサポートをお願いします。




これらをきちんと読み解いて子どもたちが騙されないようにしなくては・・・

特典付きご寄付には3000円と7000円の設定があります。
ご寄付ではなくて議員さんサポートのサービスを購入していただく特別コースもあります。

特典は3000円の場合は、ビデオ解説の配信を受けられます。
7000円の場合はこれに加えて、不定期で開催しているオンラインサロンへの参加があります。
また今回のBOOKを読む会の参加費も3000円の場合、割り引いており、7000円の場合は無料(何回でも)にしています。

みなさん。
放射線被曝から命を守るため、読む会にご参加下さい。

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #にょきにょきプロジェクト #放射線防護 #被曝隠しのテクニック #原発再稼働反対 #放射線防護 #放射線のホント #いまどきママパパの基礎知識<放射線について> #はじめましてほうしゃせん

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明日に向けて(2287)国内避難民について、国際人権法について、学んで力にしよう!ー報告集会へのお誘いです(1月8日日曜日14時~17時半)

2023年01月06日 13時00分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230106 13:00)

1月8日京都弁護士会館大ホールで14時から17時 zoom併用です

すでにお知らせしましたが、企画が明後日8日に迫りましたので再度、ご案内を送ります。
「報告集会ー国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査について」にぜひご参加下さい。

2022年9月26日~10月7日に行われた「国内避難民の人権に関する国連特別報告者」のセシリア・ヒメネス・ダマリー氏による訪日調査に関する報告集会です。
あわせて国際人権法、とくにその活用の仕方について学びます。僕も司会で参加します。

以下からチラシを入手できます。
https://toshikyoto.com/wp-content/uploads/5d5b7c1b70602223b934c906c2dcd214.pdf

なお録画、録音はご遠慮いただいています。後からアーカイブも出す予定はありません。
ぜひオンタイムでご覧下さい。

お申し込みは以下から
https://forms.gle/akv87WsqWqVcCvse6

お問い合わせ 国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査を実現する会
代表世話人 田辺保雄 yasuo.tanabe@nifty.ne.jp 075-211-5631


二つの講演を行います!

講演は二つです。

講演「国内避難民の人権に関する特別報告者の『調査後のステートメント』の意義と内容」
徳永恵美香さん(大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター特任講師)

講演「武器としての国際人権」
藤田早苗さん(英国エセックス大学ヒューマンライツセンターフェロー)

「調査後のステートメント」は以下からご覧になれます。
https://onl.sc/gKF3k9G

各団体からのご挨拶もあります
◯子ども未来・愛ネットワーク 大塚愛さん
◯ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会) 武藤類子さん
◯会津放射能情報センター 片岡輝美さん
◯原発事故避難者住まいの権利裁判を支援する会 熊本美彌子さん
◯「避難の権利」を求める全国避難者の会 宇野朗子さん

みなさま。ぜひお越しください!

お申し込みは以下から
https://forms.gle/akv87WsqWqVcCvse6

#国連特別報告者 #セシリアヒメネスダマリー #予備的所見 #国内避難民 #福島原発事故 #避難者 #徳永恵美香 #藤田早苗 #武器としての国際人権

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明日に向けて(2286)新自由主義とはなにかー「やさしい経済の話ー社会的共通資本とは何か」-2、

2023年01月03日 21時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230103 21:30)

表題の連載の2回目をお届けします。以下の動画をご覧下さい。

なお全編は以下からご覧になれます。
https://youtu.be/z0GM1Mv4XGA

以下、動画の文字起こしです。


ポンド切り下げとフリードマン教授

ここで象徴的な人物を紹介します。
宇沢先生の一番の論敵であったミルトン・フリードマンという方です。
この方が現代社会をおおう新自由主義を言い出された方です。
「すべてを市場に任せよ」というので市場原理主義とも言われます。
ミルトン・フリードマンはノーベル賞もとっています。ばかばかしい・・・。

フリードマンを象徴する話があります。宇沢先生の言葉をそのまま読みます。
(『人間の経済』から引用)

「1965年6月頃のことだったと記憶しているが、ある日、ミルトン・フリードマン教授がおくれて昼の食事の席にやってきた。
その頃、経済学部の教授はファカルティ・クラブの決まったテーブルで一緒に食事をする慣わしだった。
フリードマン教授は興奮して真赤になって、席に着くなり、話しはじめた。
その日の朝、フリードマン教授はシカゴのコンチネンタル・イリノイ銀行に行って、国際担当のデスクに会って、英ポンドを一万ポンド空売りしたいと申し込んだというのである。
当時IMFが機能していて、固定為替相場がとられていた。一ドル360円、一英ポンド2ドル80セントの時代である。
それは、英ポンドの平価切り下げが間もなくおこなわれようとしているときだった。」

このこと、知らない方はおられますかね。
昔、1ドルは360円で固定だった。いつ変わったのかというと1971年です。
今は変動相場制です。実体がないんですよ。何が本当の信頼の基準なの?という状態です。

1ドル360円の時代は、ドルが中心で、世界の中でドルだけが金と交換できる「兌換券」でした。
ドルの後ろには金が控えていて、それがお金の価値を担保していたのですね。1ドル360円、1ポンド2ドル80セント。
ところが英ポンドがドルに対して少し高くなる。そんな時だったのです。また宇沢先生の文章を読みます。

「IMF理事会の決議事項は必ず一週間か二週間前にはリークされてしまうのが慣例で、そのときも英ポンドの平価切り下げはすでに時間の問題となっていた。
ただ、その切り下げ率のみが不確定であって、経済学部の同僚たちは切り下げ率について、賭をしていたほどであった。
実際にこのエピソードの一週間後に英ポンドが2ドル80セントから2ドル40セントに切り下げられることになった。」


空売りを行おうとしたフリードマン教授と拒否したコンチネンタル・イリノイ

この時にフリードマン教授は空売りをしようとしました。
これは株などの儲けのあり方の最悪の方法です。
空売りというのは元手がないのに儲けることで、自分が持ってないものを売るから「空売り」なのです。

1万ポンドの空売りするなら・・・まず1万ポンドを貸してもらう。
それをすぐに売ってドルにする。1ポンド2ドル80セントだから1万ポンドで2万8千ドルが手に入る。
次にポンドが切り下げられたら1万ポンドをドルで買う。すると2万4千ドルで買えて1万ポンドを返すことができる。それで手元に4千ドルが残る。
元手がないのに借りて売って、「4千ドル儲かった!めでたしめでたし!」-これが空売りの仕組みなのでした。

「それはさておき、『英ポンドを一万ポンド空売りしたい』というフリードマン教授の申し出を受けて、コンチネンタル・イリノイ銀行のデスクはこういったというのである。
No, we don't do that, because we are gentlemen.
外貨の空売りというような投機的行動は紳士のすることではないと。
そこで、フリードマン教授は激怒していった。
『資本主義の世界では、もうけを得る機会のあるときにもうけるのが紳士だ。もうける機会があるのにもうけようとしないのは紳士とはいえない』」

フリードマンはこういう考えの方で、それが新自由主義の根っこにあるものです。
この考えがいま世界を蔓延しているのです。本当にバカみたいなことです。


池袋リベロの倒産の例

例えば僕の本を出版をして下さった出版社の社長さんに聞いた話なのですが、ちょうどその本が出たときに、池袋のリベロという有名な本屋さんが倒産したのです。
なぜ倒産したのかというと、いまあちこちでコンビニなどが使っているバーコードシステムが流行っているそうです。
あのバーコードの読み取りで、モノを売買した瞬間に、全国で一番売れているものが何かが分かるのだそうです。

コンビニはそれに従って商品を並べるのですが、それがコンビニの中の本を売っているコーナーにも適用されている。
そうすると何が売れるのかというと「嫌韓本」とかが売れているそうです。
世の中がイライラしていてるので、誰かを激しく攻撃しているセンセーショナルな本が売れるわけです。
そのコンビニが使っているバーコードのシステムをリベロは入れてしまったのだそうです。

それまでは各フロアーに「書棚屋さん」と言う人がいたそうです。
たぶん僕に近いような人で、本を読みまくっているのです。それで「これは良い本だ」と思うものを並べるわけですよね。
だから僕なんかが「こんな本があったのか」と面白くなって、書店に行くようになるわけです。

ところがその方の首を切ると、その分でバイト二人とそのバーコードシステムが入れられたのだそうです。
それで瞬間的にリベロは売り上げを上げたそうです。
でも僕みたいな本好きがばかばかしくてリベロに行かなくなるわけです。
コンビニのように「嫌韓本」などが並んでいるのだったら行く必要がないわけです。
それで本当のコアなその書店のファンがどんどん離れていって、結局潰れてしまったのです。典型的な話ですね。

単純にこれと同じことが、世界で起こっているのですよね。
だからいま、会社で生きのびるために必要なのはスキルではないんですよ。
社長へのゴマすり力、忖度力なんです。
そんなことになってしまっている世の中を変えなくていけない。


コンチネンタル・イリノイもジェントルマンであることを捨てた

その後、アメリカはどうなったのかというと、投機が横行するわけです。
その結果、「資産20億円以上の上位0.1%が国の富の20%を所有している」状態になっています。
(ここで使ったデータは堤未果さんが著書『貧困大国アメリカ』などで示してくれたことで、もう10年以上前のものです)

コンチネンタル・イリノイ自身はどうしたのかというと倒産しました。
その後、彼らはジェントルマンであることを捨てて行ったのです。

1971年8月にニクソンドルショックが起こりました。
アメリカが「1ドル360円での交換を止めた。もうドルを金と交換しない」と宣言し、変動相場制が始まったのです。
このときコンチネンタル・イリノイは、東京外為市場で投機的ドル売りを大量に行って巨額の利益を手にしました。
つまりフリードマンが言ったことを、この銀行はやったのです。
それでその後、すっかり節度を失い、投機的取引に大きく傾斜し、1985年5月に事実上の倒産を迎えました。

これが銀行では戦後最大の倒産なのだそうです。
しかしこの時、レーガン政権が倒産させなかった。
「大きすぎて潰せない(too big to fail)」と言い出して政府が救済したのです。これ、東電にも適用されています。

本来の市場経済の考え方では、「不良な企業は倒産してなくなってね」となるべきなのですが、実際には大きいものは救済する。
市場原理主義なんてインチキなのですよね。

ともあれこれが今の大きな流れだということを知ってください。
こんな投機的な、ひどい儲けが行われている経済のあり方に、ストップをかけなければいけない。それが今日の話の一番の軸です。

続く

#やさしい経済の話 #社会的共通資本 #宇沢弘文 #新自由主義 #ミルトンフリードマン #コンチネンタルイリノイ #空売り #ドルショック #変動相場制 #リベロ

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明日に向けて(2285)「やさしい経済の話ー社会的共通資本とは何か」についての動画と文字起こしの連載を始めます! 1、投資と投機

2023年01月02日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20230102 23:30)

動画「やさしい経済の話」で社会的共通資本とは何かをお話しました

社会的共通資本に関する連載を始めます。まずは動画と文字起こしをお届けします。
全部で12本。毎回、6分前後ぐらいにまとめてあります。1回目はこれです。

もともとは2019年2月23日に宇治市で講演したもの。
宇治市政に挑戦し、その後、市会議員に当選された佐々木まゆみさんの応援の場でした。
「やさしい経済 うちらの暮らしと民営化」というお題をいただいて話しました。
その後、佐々木さんのYouTubeに上げていただいた後に、もりもりチャンネルにも動画を分けていただきました。

全編で約90分ですが、岸田政権が登場した時に、見やすいように僕の講演部分を細かく切ってアップしました。
「新しい資本主義」のまやかしの批判のためです。
2023年、みなさんと社会的共通資本についての論議を深めたいと考え、文字起こしを加えて連載することにしました。

ぜひご覧下さい。なお司会や佐々木さんの挨拶も入った全編(約90分)は以下からご覧になれます。
https://youtu.be/z0GM1Mv4XGA


やさしい経済のはなし (文字起こしです) 

今日は「やさしい経済のはなし」ということで、社会的共通資本についてお話します。
ここに本を示しましたが、宇沢弘文先生は有名な経済学者です。
もうお亡くなりになったのですけれども、僕はその最晩年の弟子なのです。
宇沢先生からたくさんのことを学びました。

今日は「やさしい経済」とありますが、「やさしさ」には二つあります。
一つはやさしく分かりやすく経済の話をするという意味。
もう一つは宇沢先生の経済学は人にやさしい経済学だということです。

佐々木さんもおっしゃったけれど、何か経済成長と命の問題が対立するかのように言われたりしています。
昨日も他のところで講演した時にこんな話を聞きました。
「お父さんと話すと論争になる。命が大事なのか、経済が大事なのか」みたいにと。

本来、これは一つなのですよ。経済って命のことなのですよ。
人が生きていく、そのためのものをどう豊かにすればいいのかということです。


社会を良くしようと経済学者になったけれど

それで宇沢先生はどういう方なのというと、もともと旧制一高の時にお医者さんになりたかったそうです。
お医者さんになりたい人は、ギリシャの医の聖人、ヒポクラテスと対話します。
そのヒポクラテスが「医療はアートだ」という言い方をしている。

宇沢先生は、その「アート」というのを本当の美術と勘違いしてしまった。
自分は美術の才能がないからダメだと思ってしまったのです。

それで数学者になるのですけれども、かなり天才的な力を発揮されました。
しかし戦後に人々が飢えていることを前に悩まれた。
こんな時に「数学なんて高尚な学問をやっていて良いのか」と。

それで「お医者さんは人を救うけれども、自分は経済学者になって社会を救おう」と考えた。
それで経済学者になったのだそうですが、この話の宇沢先生の「おち」はこうなのです。
「ところが社会を悪くしていたのが経済学だったんだね!」

宇沢先生の盟友でジョーン・ロビンソンさんという女性の経済学者がいました。
この方もずいぶん前に亡くなられましたが、ケインズという経済学者の高弟でした。
そのジョーン・ロビンソンさんはこう言いました。
「経済学を学ぶのはなんのためか。経済学者に騙されないためだ」。

今日のお話もそんな内容になります。
経済学(特にいまの主流派のそれ)ってかなりインチキな学問です。


投資とは何か

話のとっかかりとして、「投資と投機」の違いから見ると分かり易い。
この言葉で現代世界の矛盾をかなり説明できます。

この「投資と投機」に対し(とくに投機への)対抗概念として「社会的共通資本」を出しました。
どういうことかというと、投資というのは典型的には社会的事業、例えば鉄道建設をお金を集めて行うことです。
それを行う銀行はもともと儲けを目指してはいけないのです。

日本では古くはどういう方が担ったのかというとお坊さんでした。とくに禅宗のお坊さんでした。
鉄道はとても一人の資産では作れない。だからお金を集めてそれで事業を行う。

佐々木さんの選挙にお金を集めるのもある意味では投資ですよね。
ただし投資の場合は、「そこで儲かったらお金を返してね」ということですから、ちょっと選挙とは違いますけれど。

ともあれ鉄道を通じて社会に潤いを生み、その中で利潤を得る。
本来、これらを司るのが金融=銀行の役割なのです。

 


弁慶の勧進帳

カンパを募って社会的事業を行うことを勧進(かんじん)と言います。(仏教の言葉です)
行う人を勧進聖(かんじんひじり)といいます。
なぜお坊さんができたのかと言うと、お坊さんは自らを俗世間から絶っている人です。
だから俗世的な利益では動かないだろうということで、公共的なことはお坊さんがやる、となっていた。

これが歌舞伎で有名な弁慶の「勧進帳」の話になっています。
義経一行は、逃げていくときに山伏の格好をしていたのですよね。
ところが石川県の小松辺りの安宅関で検問にあってしまうわけです。

その時に「自分たちは勧進聖だ。燃えてしまった東大寺を再建するのだ」と語った。
「だったら勧進帳を読んでみろ」と言われて、弁慶が白紙の巻物を広げて朗々と読み上げる。
それが歌舞伎の演目「勧進帳」です。
(勧進帳に書かれていたのは寄付金をあおぐ趣旨。なおこのストーリーは後世の創作です)

この勧進は、典型的に社会的事業への投資を募る行為です。
古くから、つまり資本主義時代の前から行われていることなのです。


投機とは何か

これに対して投機はまったく逆なのです。
事業への投資とではなく、利ざやだけを目的に株を買い、上がったら売り抜いて儲ける。

例:鉄道会社の株を買う⇒経営陣にリストラを迫る⇒経営努力をしていると株価が上がる⇒売り抜いて利潤を得る⇒会社や事業が悪くなろうとおかまいなし。

これ、ばかばかしいことですが、労働組合を潰したり、正規雇用を減らすと「企業努力をしている」となる。
それで株価が上がるのです。上がったらすぐに売り抜いてしまう。
その会社がその後にどうなろうと「後は野となれ山となれ」なのです。
こんなことが今、横行しているのです。

特に優秀な社員の首を切るとその分だけお金が浮きます。そうすると一時的に利潤が上るように見える。
もちろん長期的に見たら、優秀な社員を切ってしまうわけだから、会社は地盤沈下してしまう。
でもその前に株を売ってしまえば、儲けだけが得られます。
それがアホみたいなのですが、全世界的に起こっていることです。

そんなことだから世界の名だたるブランド企業が、データの偽造をしたり、ごまかしをしたりするわけです。
かつてだったらあり得ないようなことが横行しているのです。

続く

#やさしい経済の話 #社会的共通資本 #宇沢弘文 #投資と投機 #勧進聖 #勧進帳 #ジョーンロビンソン #経済学を学ぶのは経済学者に騙されないため #佐々木まゆみ

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明日に向けて(2284)2023年、原発推進と軍拡と止め、資本主義の暴力を越える道を切り拓こう

2023年01月01日 18時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230101 18:30)

年頭にあたって

みなさま。2022年は大変、お世話になりました!今年もよろしくお願いします。
昨年後半より、岸田政権が原発推進と軍拡に踏み出しました。今年はなんとしても、この流れを食い止めましょう。

岸田政権はまた発足時に「新しい資本主義」を掲げました。新自由主義のもとであまりに矛盾が拡大しているからです。
しかし何もしていない。それならばこの資本主義の矛盾を越えていく道も、みなさんと切り開きましょう。


原発から命を守るため、被曝問題とより深く向かい合おう

原発を止めるために大事なのは危険性を繰り返し明らかにすること。そもそもたった一か所の原発事故で日本の半分が壊滅するほどの危険性があるのです。
しかもそんな原発が地震に極めて弱い。日本列島は地震の巣で、今も大地震が起こる可能性が高いから原発はもっての他なのです。この点を訴え続けましょう。

また原発事故が恐ろしいのは大量の放射能が飛び出してくるから。政府はこれに対し「放射能は思ったより危なくなかった」キャンペーンを進めています。
実際は正反対。原水爆や福島原発事故などで、深刻な健康被害が進み、遺伝的影響も明らかになっています。これと向き合い命を守ることが大事。それが原発を止める根源的な力にもなります。


軍拡を止めるため反戦の声を成長させよう

岸田政権の軍拡はウクライナ戦争を利用しています。ロシアの侵攻によって始まったものですが、今も継続しているのはアメリカが膨大な武器を送り続けているから。
ところが欧米や日本のマスコミは、ロシアの悪さだけを強調し、アメリカが一方の戦争当事者であることを批判しません。岸田政権はその論調に乗っかって軍拡を進めているのです。

この点を捉え返し憲法を輝かせましょう。憲法が掲げたのは戦争で紛争を解決することの否定。だから「陸海空軍およびその他の戦力はこれを保持しない」とうたいました。
そこに示されたのは正義があろうと戦争を支持しない信念で、世界を戦争から救う道はここにしかありません。この点の論議を深め、反戦の声を成長させましょう。


「あたらしい憲法の話」文部省より


資本主義の矛盾を越える道を切り拓こう

さらに原発も戦争も資本主義の暴力性の象徴です。だから資本主義批判を今こそ深めなくては。
そもそも原発は核兵器開発で生まれ、核戦略維持のため推進されました。そこには一部の人々の利益のためなら、多数の人を犠牲にしてもかまわないという恐ろしい価値観が貫かれています。

これはもともとの資本主義の暴力性です。資本主義の特徴は私有化を進めることで土地の強奪から始まりました。世界中で軍隊で人々を征圧し、植民地を増やしながら「成長」したのです。
現代ではその暴力性が社会主義の失敗のもとでより強まっています。これを正すため、僕は社会的共通資本の考えに可能性があると確信していますが、ぜひみんなで議論を深め、新たな可能性を切り拓きましょう。


宇沢弘文先生が提示された社会的共通資本のアイデアをみんなで生かそう! 2005年 守田撮影


本を出版するとともに海外への発信力を増します

これらのために、僕は今年は多数の論文書き、本の出版を進めようと決意しています。
実はこれ、ここ数年、何度か表明し、支援も受けながら十分に進められていない僕の壁です。今年はこれを必ず突破します。公言することで自分に縛りをかけます。

同時、核の問題を軸に日本から世界への発信を強化することだ大事。憲法の精神も発信したい。
そのため海外に赴くことも含めて発信力を増強します。これまた大きな壁ですが突破します。

ともあれ一心不乱に頑張ります!みなさん、明るい未来を切り開くために一緒に頑張りましょう!

#原発推進を止めよう #軍拡を止めよう #資本主義批判を強めよう #憲法を輝かせよう #正義の戦争にも反対しよう #社会的共通資本の考え方に可能性がある #資本主義の本質は暴力性 #資本主義の特徴は私有化

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