明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2139)黒い雨訴訟勝利の意義を広めるために(小山美砂さん講演をお聴き下さい)

2021年12月31日 22時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211231 22:00)

黒い雨裁判についての小山美砂さんの講演録画をアップしました

12月8日に毎日新聞広島支局の小山美砂記者をお招きしたzoom講演会を行いました。
録画を編集してアップしたのでぜひご覧下さい。

主催は京都「被爆二世三世の会」と核兵器廃絶ネットワーク京都。守田がコーディネータ―を務めました。


小山さんの話を通して原告の方たちに触れて下さい

黒い雨訴訟の画期的な地平は、原爆による被爆影響がひどく過小評価されてきたことを暴いたことにあります。このことで長い間、見捨てられてきた黒い雨被爆者が、被爆者健康手帳を取得できるようになりました。
この判決を引き出したのは、黒い雨訴訟原告団の方たち。その多くの方が「福島の方たちのためにも」と頑張られたと聞いています。その原告の中に分け入って取材してきた小山さんのお話を通じ、原告のみなさんに触れて下さい。

またとくに高裁判決は、一審を大きく超えたものでした。ポイントは一審が被爆者認定の条件としていた11疾病を「失当」だとして退け、黒い雨の被害を受ける条件の下にあった全ての人を救済の対象としたことです。
そもそも11疾病とは被爆者と認定された方が罹患した場合、健康管理に労苦が生じるために出される手当の対象疾病のことで、認定の条件ではありません。高裁はこの点を明確に指摘したのでした。


国による高裁判決の無視を許さない

講演後の質疑応答でも充実したやりとりができました。原爆症認定訴訟やノーモア・ヒバクシャ訴訟、そしてまた水俣病訴訟に関わった弁護士の尾藤廣喜さんがコメントして下さったことで、今後の課題も鮮明になりました。
尾藤さんは「国は必ず高裁判決を無化するような態度に出てくる。正念場は今だ。今こそ力を集中しなければ」と語られました。未だ救済されていない黒い雨被爆者を掘り起こし、大きな集団申請を行うことが大事だと。


ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟報告会で話される尾藤廣喜弁護士 弁護団HPより

ところがこの年末に、国は尾藤弁護士が述べたとおりに、高裁判決の骨抜きを始めました。敗訴によって被爆者認定の幅を広げざるを得なくなったものの、高裁判決が退けた11の疾病を、黒い雨被爆者の認定条件としてきたのです。
さらに同様の条件で、被爆者認定を広げなければならないはずの長崎の方たちを、全面的に切り捨てようとしています。あまりにひどい!


黒い雨被爆者の救済はこれから。小山講演を聴いてポイントをつかみあらたな奮闘を!

この点で黒い雨裁判はまったく終わっていません。まさにこれからが正念場です。勝訴判決をきちんと国に守らせなければ。そのためにも小山さんの講演を聴き、ポイントをつかんでください。
取り残されてきた、未だ認定されざる黒い雨被爆者の認定を実現し、医療保障や補償を引き出していくことは、核実験や原発事故で被災したすべての核災害被害者救済にもつながります。

だからこれはあなたの、そして私の課題なのです。張りましょう。
この点について、2022年1月29日(土)午後2時から豊中市中央公民館でお話します。タイトルは「広島と福島をつなぐ希望の判決」です。お近くの方、ぜひお越しください。

#黒い雨訴訟 #広島高裁勝訴 #小山美砂 #高東征二 #京都被爆二世三世の会 #核兵器廃絶ネットワーク京都 #11疾病 #被爆者健康手帳 #福島原発事故 #尾藤廣喜

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12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

原発そして被曝から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます) 

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明日に向けて(2138)放射線被曝から命を守るために・・・『放射線副読本』読み解き会にご参加を(1月15日(土)午後2時から大津市にて)

2021年12月28日 22時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211228 22:00)

新春早々に『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会が行われるのでお知らせします!
全3回でBOOKの頭からしっぽまで読み込みます。1月15日(土)午後2時スタートです!大津市で行われますが、zoomも併設なのでリモート参加もできます。


メールアドレスが間違えてます。正しくはyomitokkiradiation@gmail.comです


『放射線副読本』に盛り込まれているテクニックを読み解こう!

『放射線副読本』は読むと多くの人が「もやもや」するBOOKです。放射線被曝の危険性を感じていれば感じているほど「もやもや」します。
何故なのでしょうか。僕が参加する「にょきにょきプロジェクト」が作った『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』でこの理由を説き明かしました。
一番のポイントは「それほど間違ったことも書かないけれど肝心なことも書かない」ことにあります。ウソはそれほどつかないけれど、真実を伝えない=隠しているのです。

第1回の読み解きでは、とくに半減期にまつわる真実を伝えない=危険性を伝えないテクニックをご紹介します。
これまで「読み解きBOOK」を読んだ方の多くが「目からうろこが落ちた!」と言って下さっているところで、必見です
例えばこれは、福島原発事故後に福島に入り込み、被曝の危険性がまったくないかのように吹聴した長崎大学の山下俊一氏が使ったテクニックです。

いや、もっと前に原爆で甚大な被害を受けた長崎に調査に入った、九州大学の石川数雄教授が同じことを語っていたことが、2021年8月9日に放映されたNHKドキュメント『原爆初動調査 隠された真実』の中で報じられていました。
まさに、原爆が使われた直後から繰り返されてきた、被曝影響を小さく見せるテクニックなのです。
反対にこのからくりをしっかり学べば、その分、騙されることが少なくなります。自分だけでなく、多くの人の命を守るために、ぜひみんなでこのポイントをつかみたいです。


第2回は2月19日(土)、第3回が3月19日(土)

「読み解き会」は3回連続で行われます。
月に1回のペース。第2回が2月19日(土)、第3回が3月19日(土)、いずれも午後2時から4時までです。
毎回、守田敏也がアドバイザーとなってみんなで読み解きます。

場所は3回とも滋賀県大津市・生涯学習センター
https://www.city.otsu.lg.jp/manabi/lifelong/c/index.html
資料代として1回あたり1000円(読み解きBOOKは別途)、全3回申し込みで2500円です。
zoomを使ったリモート参加も可能ですので、全国・全世界からご参加ください。

主催は『放射線副読本』読み解き会・有志の会
連絡・申し込み先 080‐3791‐5345(安斎) 090-8523-6857(石堂)
FAX 077-522-6359 Mail:yomitokkiradiation@gmail.com

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #にょきにょきプロジェクト #半減期 ナガサキ #フクシマ #山下俊一 #高村昇 #放射線防護

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12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この連続講演にも触れています。

原発や放射線被曝の危険性の暴露など、取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます)

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明日に向けて(2137)アメリカによる原爆の被爆影響隠蔽を暴いた大スクープが放映されました!(NHKBS1スペシャル)

2021年12月27日 20時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211227 20:30 1230 20:00改訂)

注目!NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」

みなさま。12月29日水曜日午後8時から、大スク―プが放映されました

NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/5WP52P5267/

アメリカが原爆でヒロシマとナガサキを襲った後に調査に入り、黒い雨被害をはじめ、被爆影響をかなり隠蔽していたことを暴いたものです。
極めて重要な内容で、今後、大きく、この国や世界の放射線防護のあり方の捉え返しにつながりうるし、つなげなければならないものです。

実はこの番組、初回放送は本年2021年8月9日でした。今回は放送時間を増やした拡大版でした。 (110分)
前回、盛り込めなかった内容があらたに放映されました。


すでに「明日に向けて」で特集

実は8月の時も、ある新聞記者さんから「NHKのディレクターの知人から「すごいスクープを流す」と聞きました。ぜひご覧になると良いです」と耳打ちされて観て、「これはすごい」と身体が震えました。
ちょうど黒い雨裁判での画期的な控訴審判決があった直後でもあり、これは世に広めねばと4回にわたって記事を書いて紹介しました。

明日に向けて(2086)アメリカは長崎西山地区などの深刻な被曝を隠していたーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー1
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a46794d83852e6ff3080a1bccc6fa493

明日に向けて(2087)グローブス少将が残留放射線をもみ消し被爆者を助ける努力も禁止したーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー2
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/03113ef43877c5320d1fe439d89a088d

明日に向けて(2088)長崎西山地区の人々は被爆されるままにまかされ観察され続けたーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー3
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b1b3aacffcfa60c991c57b254ff2db49

明日に向けて(2089)科学者たちは国の大義を優先し沈黙し隠ぺいに加担したーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー4 
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1d456f14f518a8c0d35d829fe261bb1d

NHKはせっかく良い番組を流しても、その一回で終わってしまうことが多いので、録画し、画像を切りだして、広く内容を紹介しようとしたのです。


NHKも放送後に番組を詳しく解説

ところが驚いたことに、これと同じことをNHK自身が行ってくれました。
過去にNHKがここまで詳細に放映した番組を紹介したことを見たことがありません。
とにかく画像をたくさん載せ、番組を振り返れるようにしてくれています。すごい力の入れようだと思いました。

原爆初動調査 隠された真実 前編、後編
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pGrz5p1yMG/
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pbWlL6vl7n/

そして今回の拡大版の放送。黒い雨裁判の控訴審での画期的な勝訴なども踏まえて、被爆被害に大きく踏み込んで放映しようとしているのだと僕は受け止めています。
多くのみなさんとしっかりと内容を把握し、放射線被曝から命を守る今後の私たちの活動、同時に被爆被害者の救済を進める活動に役立てたいです。とりあえずは8月9日に放送分の文字起こしをご覧下さい。のちに拡大部分もご紹介するつもりです。

#原爆初動調査 #隠された真実 #NHKスペシャル #残留放射線 #グローブス #マンハッタン管区調査団 #戦略爆撃調査団 #長崎西山地区 #黒い雨 #白血病

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12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

また今回の講演や放射線防護の活動に共感いただけましたら、ぜひカンパでお支え下さい。
講演時に示したウチら困ってんねん@京都の口座でも僕の口座でもかまいません。よろしくお願いします。

振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の銀行からの場合は 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615 名前 モリタトシヤ
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます) 

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明日に向けて(2136)核に向き合い、核を乗り越える被爆二世(オープニングギャラリートークをご覧下さい) 

2021年12月26日 21時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です (20211226 21:30)

ギャラリートークをご覧下さい

12月13日~19日にかけて、被爆二世の仲間である増田正昭さんの個展が開かれました。被爆者の肖像画で被爆体験を語り継ぐ第4弾です。
オープニングにあたってギャラリートークを行い、僕が司会をして絵の説明や、制作にあたっての思いを話していただきました。
京都「被爆二世三世の会」の仲間も参加してくださり、それぞれコメントしてくださいました。ぜひご覧下さい。

核に向き合い、核を乗り越える被爆二世

個展には、これまでの被爆者の肖像画や原爆ドーム、被爆あおぎりに加えて、長崎の母子像などの展示と共に、既にお亡くなりになっている被爆二世の仲間たちのお母さんの絵、さらに被爆二世の肖像画が加わりました。
それぞれの絵についてのエピソードや思いを増田さんからお聞きしました。
またこの日は、京都被爆二世三世の会に参加されていて、今回肖像画を増田さんに描いていただいた胎内被爆者の三山正弘さんも参加。ご自分の絵の前に立って増田さんと話を交わしました。なおそれぞれの絵につけられている年齢は描かれた当時のものです。

さらに私たちの会の仲間の國府幸代さんのお母様の國府孝(たか)さん、同じく仲間の米重節男さんと妹さんの萩原千津子さんのお母様、米重フジヨさんの絵も展示されました。
お二人ともすでに亡くなられていますが、増田さんが、娘、息子さんたちからの話をじっくりうかがった上で、写真をじっくり吟味して描きあげました。どちらも「まるでほんもののお母さんのようだ」と喜ばれていたのが印象的でした。
ともあれこれらを動画からご覧下さい。


お母様の國府孝さんのことを話される國府幸代さん


お母様の米重フジヨさんのことを話される米重節男さんと萩原千津子さん

なお個展のチラシもご紹介しておきます。
こちらから大きな版も入手できます。
https://toshikyoto.com/press/6984.html


被曝二世の肖像画が登場

今回の個展の特徴は先にも述べたように、被曝二世が登場していること。
日本共産党参議院議員の井上哲士(さとし)さん、被爆二世問題」のzoom講演を担い、「もりもり対談」にもたびたび出演してくださっている森川聖詩さん西河内日本共産党京都市会議員団長の井坂博文さんです。
森川さんと若き日に被爆二世運動を担われた西河内靖泰さん、日本共産党京都市会議員団長の井坂博文さんです。

このうち西河内さんをのぞく三人が、オープニング企画に参加して下さっていましたが、ギャラリートークの予定が伸びてしまう中、井上さんはギリギリでお話していただけませんでした。司会の僕の不備です。すみませんでした!



一方、zoomから参加していた森川さんも次の用事前のギリギリのタイミングでしたが、トークに参加していただけました。その後に井坂さんに現場で話していただけました。ぜひご覧下さい。



これらのトークの中でも、また長崎の母子像の絵の説明などでも、増田さんは「被爆二世は被爆者を支えたり、伝承していくだけの存在なのではない。被爆の当事者として、核を乗り越える存在としてある」と語られました。その自覚に至ったとも。
その思いが「核に向き合い、核を乗り越える被爆二世」というタイトルに凝縮しています。
ぜひギャラリートークをご覧になり、増田さんはじめ被爆二世の思いもシェアしていただけたら嬉しいです。

なお京都被爆二世三世の会編の『語り継ぐヒロシマ・ナガサキ』下巻が12月8日に発刊されました。この表紙に今回、ギャラリーの入り口に掲げられた増田さんが描かれた長崎の母子像の絵が使われています。
ギャラリートークの中で、私たちの会の代表世話人の平信行さんが、この書の説明を行われているのでそれもご覧下さい。

#核に向き合い核を乗り越える被爆二世 #増田正昭 #被爆者展 #被爆二世 #森川聖詩 #オープニングギャラリートーク #被爆の遺伝的影響 #京都被爆二世三世の会

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明日に向けて(2135)核と原発の時代をいかに越えるのか、何が大事なのか、思い切りお話しました。ぜひ録画をご覧下さい

2021年12月24日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211224 23:30)

核と原発の問題について大事なエッセンスをお話しました!

12月19日(日)に「ウチら困ってんねん@京都」「ヨウ素剤を配ってよ@京都」共催で僕の講演会が行われました。
「守田さんの核と原発についてのこの一年の集大成を話してください」と仲間に言っていただいて、練りに練って考えた内容をお話しました。
録画をご紹介しますので、ぜひご覧下さい。共感していただけた場合は、シェア、拡散もお願いします。


台湾からの朗報から話し始めました!

今回は嬉しいニュースから入ることができました。
台湾で12月18日に建設が止まっている第四原発の建設再開を求めるなど、4件の国民投票が行われ、建設反対派が約426万票、賛成派の約380万票を上回り運転再開が否決されたのです。
第四原発は、ゼネラルエリクトリック社が主契約者ながら、日立・東芝・三菱がほとんどの機材を納入した「日の丸原発」と言われるものですが、その建設再開が食い止められました。
このニュースに即して、台湾で作られた映画「演習」に僕が出演したエピソードもお話しました。


左 映画「演習(避難訓練)」の案内 守田が出演 右 台湾北部の原発直近の漁村で 監督、守田、通訳、田崎敏孝さん


左 今は廃炉となった台湾第一原発 原子炉は福島と同型 右 台北市のシンポジウムで発言、隣の通訳の方が素晴らしかった


原発のぜい弱性と危険性を語りました

続いて語ったのは日本の原発のあまりのぜい弱性。耐震性が極端に低いのです。どれぐらいかというとハウスメーカーの建てている家より一桁低い。このことをとても分かりやすく指摘されている、元福井地裁裁判長の樋口英明さんの説明と共に話しました。
しかも原発が事故を起こしたら、一つのサイトだけで日本の半分を壊滅させてしまうかもしれない。そんなものの運転など到底認められないのです。樋口さんは「裁判でも難しい話にしないでシンプルにここを強調すべき」と語られています。
しかしこの樋口理論でたたかった伊方原発運転差止仮処分訴訟が、11月4日にまさかの敗訴。これをどう捉えたらいいのか。樋口英明さんと小出裕章さんとの出会いのエピソードも交えて話しました。




詳細は講演をお聴き下さい!


原発で「不祥事」が重なっている理由を話しました

続いて柏崎刈羽原発で、運転員が他人のIDカードで中央制御室に入ってしまうなど、セキュリティの崩壊を思わせる事態が頻発している理由を述べました。
端的に言って、原子力規制委員会がきちんとした規制をせず、電力会社のウソや言い逃れを度々見逃してきたので、規制委員会は電力会社に「なめている」のです。
しかしそれで現場の職員のモラルも低下し、ひどい事態が頻発していること、だからこそ原発なかなり危険であることを指摘しました。




一部のものが良ければそれで良いという発想が原発に貫かれていることを示しました

こんな危険な原発の稼働を強行してきた人々は、一部のものが良ければそれで良いという発想に立っています。
だからこそ、未来世代に何万年にもわたって危険な核のゴミを押し付ける暴挙ができる。いや現代の世代だって、地球上の人口の約10パーセントで7割の原発を使っているのです。しかも核の汚染だけは地球上の全ての人を襲っている。
この点を考えるならば、核と原発の問題は「エネルギー問題」などではないこと、安全問題(国防問題)であり、倫理問題であり、命の問題であることを強調しました。



だいたいここまでが内容の4分の1から3分の1ぐらいです。
とにかく力を入れてお話しましたのでぜひ全編をご覧下さい。

#2021年の原発放射線被曝問題を振り返る #台湾国民投票 #第四原発建設再開ならず #原発の耐震性はあまりに弱い #原発で不祥事が重なっている #原発は未来世代への暴力 #原発は今の世代にも暴力 #一部のものが良ければそれで良いという発想

*****

今回の講演に共感いただけましたら、ぜひこの活動のためにカンパをお送りください。
講演時に示したウチら困ってんねん@京都の口座でも僕の口座でもかまいません。よろしくお願いします。

振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の銀行からの場合は 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615 名前 モリタトシヤ
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明日に向けて(2134)2021年の原発・放射線被曝問題を振り返ってお話しました

2021年12月18日 07時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211218 07:30 1224 22:00改訂)

この間、何度かに渡ってお伝えしてきましたが、12月19日(日)に「ウチら困ってんねん@京都」「ヨウ素剤を配ってよ@京都」共催で僕の講演会が行われました。
「守田さんの核と原発についてのこの一年の集大成を話してください」と仲間に言っていただいたので、練りに練って考えた内容をお話しました。
以下に録画をご紹介しておきます。



一部の人さえ良ければいいという発想を終わりにしたい

今回、何度もこの講演をお誘いするのは、福島原発事故から10年が経ち、僕の中で大きな思想的な発展を遂げられた、その内容をお伝えたしたいとの思いがあるからです。
この一年、いやこの10年、僕は核と原発のことと向かい合い続けてきました。福島原発事故についての考察を続け、それぞれの原発で繰り返し起こった故障事故などの分析を続けてきました。
その中で本当によく見えてきたものがある。核と原発に貫かれている価値観、思想です。

やはりどう考えてもその奥底には、「一部のものが良ければ、残りの多くの人々が悶絶の苦しみを得ようともかまわない」という発想がある。「残りの多くの人々」には未来世代も含まれます。
わずか数十年のエネルギー使用のために、核のゴミを何万年も管理しなければならない。「残りの多くの人々」が、何万年もまったくエネルギーを得ないのに、危険な核物質の管理だけを託される。
これが「エネルギー問題」でしょうか。そうではない。未来世代への巨大な暴力です。


原発は現役世代にも暴力

いや現役世代だってそうなのです。そもそも核エネルギーの恩恵を受けている人々は、ごく一部でしかない。
2018年現在、世界の原発数は443基。保有している国はわずか31か国です。このうち米、仏、日、中、露、韓、印、加、烏、英だけで362基。約82%を締めます。(烏とはウクライナのこと)。ちなみに他の国はみな10基未満です。
人口がかかなり多い中国(37基)インド(22基)の原発をのぞいてみると8か国で303基。人口は約8億3千万人。世界人口は2019年で約77億人ですから約10パーセントが世界の原発の約7割を使用していることが分かります。


世界原発地図 アフリカ大陸は南アに2基のみ ただし各地からウランが掘られている

原発が10基以上ある国はわずかに十か国

もちろん原発保有国の中でも、原発マネーで潤うのはごく一部の人々。しかも膨大なお金が動きます。日本でも関西電力賄賂問題で一端が露見しました。大多数の人々は恒常的な汚染、被曝労働、核事故のリスクにさらされ続けるだけ。
さらに核兵器を見るとそのほとんどをアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国が独占しながら、核の汚染を世界中に蔓延させています。度重なる核実験で、核施設の事故で、そして核廃棄物のずさんな処理によってです。
その点で核と原発の問題は、エネルギー問題などではないのです。大きな倫理問題です。「一部のものが良ければ、残りの多くの人々が悶絶の苦しみを得ようともかまわない」という価値観を許しておいてよいのかという問題です。

この点があまりに見過ごされてきたのではないでしょうか?その典型が、原発を「エネルギー問題」と捉えることではないか。私たちは、そういう巨大な騙しから、もう本当に自由になりましょう。
19日は、核と原発にまつわる数々の騙しの解き明かしも行いました。ぜひご視聴ください。

なお「原発世界地図」と「国別ランキング」は、尊敬する福島空さんのページ「福島原発事故の真実と放射能健康被害」よりお借りしました。
https://www.sting-wl.com/worldmap.html


12月19日(日)午後6時半からです

★すでに終了しました!録画をご覧下さい!

企画の詳細をご紹介します。
12月19日(日) 18時30分~21時00分  資料代500円
ひと・まち交流館京都3F第5会議室(京都市下京区) にてです。

Zoom参加お申し込みフォーム 
https://forms.gle/SAy8QjWav77sNXuo9
海外からのお申し込みの場合、送金が難しい場合はご無理されなくてかまいません!

主催 ウチら困ってんねん@京都と ヨウ素剤を配ってよ@京都
連絡先 090-5015-5862(守田)

チラシは以下から入手できます。
https://toshikyoto.com/press/6956.html

Facebookイベントページもご紹介しておきます。
https://fb.me/e/echn0l63S

19日午後6時半にお待ちしています!

#福島の今 #復興の今 #被爆問題の今 #2021年の原発放射線被曝問題を振り返る #原爆と原発はつながっている #被曝と正面から向かい合おう #原発反対 #核兵器反対 #原発は未来世代への暴力

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明日に向けて(2133)核に向き合い、核を乗り越える被爆二世(増田正昭個展オープニングギャラリートーク動画) 

2021年12月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です (20211216 23:30 1225 13:00改訂)

オープニングギャラリートークで増田さんにたっぷり語っていただきました!

被爆二世の仲間である増田正昭さんの個展が13日から19日まで行われました。
被爆者の肖像画で被爆体験を語り継ぐ 第4弾。

Gallery Take Two にて
京都市中京区御幸町通御池上ル亀屋町399 カーサ御幸1F
http://gallery-taketwo.com/

オープニングギャラリートークを14日に行いました。僕が司会をさせていただきました。動画をご紹介します。

核に向き合い、核を乗り越える被爆二世
2021年12月14日



飛躍を続ける増田正昭さんの絵をご覧下さい!

増田さん。今回の個展で4回目となりますが、その間に思想的にどんどん飛躍されています。
チラシにはこう書かれています。

今年からは被爆者・被爆二世と対話を重ねています。
被爆者のみならず、被爆二世の生きざまも肖像画で思いを受け継いでいきます。

チラシで取り上げた絵は、長崎平和公園にある母子像。
被爆者である母が被爆二世である子どもを高く掲げ平和への思いを託している・・・そんな絵です。
だから増田さんはタイトルを「核に向き合い、核を乗り越える被爆二世」とされました。

この絵はギャラリーの入り口に掲げられています。

チラシのアドレスはこちらです。
https://toshikyoto.com/press/6984.html

#核に向き合い核を乗り越える被爆二世 #増田正昭 #被爆者展 #被爆二世 #森川聖詩 #オープニングギャラリートーク #被爆の遺伝的影響 #Gallery Take Two

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明日に向けて(2132)福島4号機燃料プールは水蒸気爆発するかどうかの瀬戸際だったー核と原発について2021年を振り返る(12月19日に講演しました)

2021年12月14日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211214 23:30 1225 13:00改訂)

自衛隊ヘリは水蒸気爆発のテストのために水をかけた・・・あの時点で破局の可能性があった

今年2021年3月で、福島原発事故から10年が経ちましたが、今年になって明らかになった重大事実もありました。その一つが原発事故直後に行われた、4号機燃料プールへの自衛隊からの放水の真相についてでした。
実はあのとき政府が最も恐れていたのは、高温に達して核燃料がむき出しになっているかもしれない燃料プールに水をかけて、水蒸気爆発が起こってしまうことだったのでした。

これは、NHKのETV特集「原発事故”最悪のシナリオ”~そのとき誰が命を懸けるのか~」(3月6日放映)において明らかにされました。
番組に出演した戒能一成防衛大臣補佐官付(当時)は、水をかけた際、爆発が起こって、ヘリコプターも墜落してしまう可能性があったことを述べたのです。

ヘリからの放水そのものが、水をかけてどうなるかを確かめるためのものだったのですが、それで4号機燃料プールが吹っ飛べば、ヘリ墜落にとどまらず、核燃料が飛散して東日本が壊滅に向かう可能性すらありました。
これまで4号機は、シュラウドという部品の交換のためにはってあった水が、プールに流れ込んで破局が免れたとされてきたのですが、福島原発事故は、もっとたくさんの偶然の重なりで、破局を免れただけだったのでした。


同番組はNHKオンデマンドから購入して視聴できます。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2021112635SA000/index.html?capid=TV60


それでも原発を動かすなんてあまりに暴力的だ

ではなぜあれほどの破局寸前の事故を経験しながら、原子力政策を止めようとしないのか。答えはシンプルです。たとえ多くの人が悶絶の苦しみを味わおうと、一部の人々が潤い、豊かになればそれで良いという考え方が、まかり通っているからです。
私たちはこの10年の経験を経て、シンプルにこのことをつかむべきです。それが無謀な原発の運転につながっているわけで、だからもう本当に恐ろしいのです。

そもそも原発は地震に対して驚くほどぜい弱です。経済的な採算があう範囲内に、起こりうる地震動が見積もられ、建てられてしまったからです。それが地震大国のこの国に林立している。
しかも一度過酷事故に至ってしまうと、想定外のことだらけになってしまうことが福島原発事故で示されました。しかもそれで日本の半分が壊滅してしまうかもしれない。そんな危険なものが一部の人々の潤いのためにだけ、強引に動かされています。


福島原発事故の際、半径170キロ圏の強制、250キロ圏の任意移転が計画されていたことを報じるFNN

あまりに理不尽ですが、実はこれこそが現代社会を貫いている資本主義の特徴なのではないでしょうか。そして僕もそうですが、多くの人々の資本主義批判は、このシンプルな点の把握が充分にできてはいなかったのでは?
資本主義の基軸にあるのは原水爆を頂点におく兵器産業です。核兵器は実際に広島・長崎で大量虐殺に使われたし、その後も度重なる核実験や核事故でたくさんの人を殺し、傷害を負わせ、苦しみを与え続けてきました。

資本主義社会の中心に暴力がいすわっているのです。だからこの暴力の体系を越えていくことにこそ、私たちの最も大事な課題がある。なぜって他のすべての課題で努力しても、過酷な核事故が起こればすべての土台が失われてしまうからです。
だからこの問題との格闘の中にこそ、現代社会の矛盾を越えていく大きな道がある。そこまでを見通しながら、2021年、いやこの10年を振り返りたいと思うのです。


核と原発の問題について大きく振り返り12月19日に講演しました

以上の点などを踏まえながら、すでにお知らせしたように、12月19日(日)午後6時半より、京都市にて講演を行いました。
タイトルは「福島の今、復興の今、被爆問題の今、2021年の原発・放射線被曝問題を振り返る」です。

以下に録画を示します。

主催 「ウチら困ってんねん@京都」と「ヨウ素剤を配ってよ@京都」
連絡先 090-5015-5862(守田)

ぜひご視聴ください!

#福島原発事故 #ヘリ放水 #水蒸気爆発の危機 #東日本壊滅の危機 #危機を免れたのは偶然の重なり #破局寸前を経験しながら原発を止めない理不尽さ #資本主義の基軸は兵器産業 #核と原発こそ最大の脅威

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明日に向けて(2131)日本は必ず負けると分かっている戦争にのめり込んだ。誰もこの国を守ろうとはしなかった。-太平洋戦争の教訓に学ぼう

2021年12月08日 08時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211208 08:00)

2020年8月15日に書き、12月8日に書いた記事を再再度、リメイクしてお届けします。

● 日本の指導層はアメリカに勝てないことを知りながら戦争にのめり込んだ

80年前、1941年12月8日、大日本帝国政府はハワイ真珠湾の米軍基地を奇襲、日米戦争の火ぶたを切りました。
この日に、ぜひ参考にしていただきたい書籍とDVDがあります。NHKが2011年に「日本人はなぜ戦争へ向かったのか」と問うて作成したドキュメントが収録したもので、その4回目「開戦・リーダーたちの迷走」を特にご覧いただきたいです。

こレを見ると、開戦当時、天皇を囲んだ午前会議に出ていたすべてのメンバーが、日本はアメリカに絶対に勝てないと認識していたことが分かります。
アメリカとの当時の国力差は総合力で80対1。どう考えても勝てない。政府と陸海軍がそう考えていたのに戦争にのめりこんでいった。端的に言って誰一人、この国を本気で守る気を持っていなかったからです。

このエッセンスを僕の解説で作った動画にもまとめてあります。ぜひこの日にご覧下さい!


なぜ戦争を回避できなかったのか

絶対に勝てない戦争をなぜ回避しなかったのか、最大の理由は、自分たちがさんざん戦争熱を煽ったために好戦的になっていた日本民衆を恐れたことでした。
日本はアメリカに中国からの撤兵を要求されていましたが、それまで20万の兵士の死をもたらし、国家予算の7割をもつぎ込んでいたため、引き下がることができなくなっていたのでした。

しかしとても勝ち目がないことははっきりしていたので、海軍は、先に陸軍に戦争を回避を言いだして欲しいと考え、陸軍も同じように考えていました。結局ともに黙っていたのです。
そんな中で内大臣木戸孝一の推薦のもと、東条英樹内閣が生まれましたが、その狙いは戦争回避にあったそうです。天皇に忠実な東条なら天皇が戦争回避を命令すれば陸軍を抑えるだろうと考えられたのです。

しかし昭和天皇もまた「戦争を止めよ」とは言い出しませんでした。
その結果、絶対に勝てない対米戦争にのめりこんでいったのでした。


誰も国を守ろうとは思わず身体をはりもしなかった

この事態はなぜ生まれたのか。番組の最後で、佐藤賢了元陸軍省軍務課長がこう述べています。「独裁的な日本の政治ではなかった。だから(戦争回避)はできなかったんです」
「こうした日本人の弱さ ことに国家を支配する首脳 東条さんをはじめ我々の 自主独往の気力が足りなかったことが この戦争に入った最大の理由だと思います」

そうではない。単純に誰も命をかけてこの国を守る気概を持っていなかったからなのです。責任感や倫理感がまったく欠けていた。
もちろん昭和天皇もその一人です。大元帥であった天皇が「戦争をやめよ」と命令すれば、誰もが本音では喜んで従う状況だったのです。

にも関わらずこの国は絶望的な対米戦争に突入し、やがてアメリカに沖縄上陸、本土空襲、原爆投下と、暴力の限りを尽くされ、ものすごい死者を出して崩壊しました。


同じことを繰り返させない

その後、この国は平和憲法を持ち、戦争を否定して今日まで歩んできました。私たちの先達が懸命になって民主主義を育ててきてくれました。
しかし勝つ見込みのない戦争に国をひきずり込んだこの国の支配層は、戦後はアメリカに全面的に擦り寄ることで生き延び、その戦争政策を支えてきました。

このためこの国は、世界有数の地震大国であるにもかかわらず、アメリカに押し付けられた危険な原発を次々と建て、福島原発事故で、国の半分がなくなりかねない危機に直面しました。しかもそれでもなお原発にしがみついている。
なぜこんなことが繰り返されるのか。あの時も今も同じです。この国の支配層の誰もこの国を大切だとは思っていないし、この国の山河もいわんや人々をも愛してなどいない。いわんや命をかけて守る気などさらさらないのです。

ではあの時と今は同じなのでしょうか。違います!戦後、日本民衆はかつての侵略戦争を捉え返しつつ、アメリカの戦争政策への政府の加担に対しまざまな抵抗運動を作りだしてきたからです。
さらに福島原発事故後、より多くの人々が政府のウソに気づきました。原子力平和利用にだまされていた自分たちのあやまちにも気づき、世論の大半が原発反対を唱える状態を生み出しています。
この私たちの力こそが、この国の本当の安全を守り、平和を支えているのです。だから私たちはパワーアップしましょう。

開戦の日にこのことをあらためてみなさんと誓い合いたいです!


こういう地道な取り組みこそが平和と安全を守っている パワーアップを!

#開戦の日 #日米戦争 #太平洋戦争 #負けると分かっていた

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明日に向けて(2130)核に向き合い、核を乗り越える被爆二世(増田正昭さん個展へのお誘い 12月13~19日) 

2021年12月07日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です (20211207 23:00)

被爆者の肖像画で被爆体験を語り継ぐ 第4弾

12月13日(月)~19日(日)にかけて、被爆二世の仲間である増田正昭さんの個展が開かれます。
これまで被爆者の肖像画や原爆ドーム、被爆あおぎりなどの絵が展示されてきましたが、今回は被爆二世の肖像画も加わります。
この間、「被爆二世問題」のzoom講演を担い、「もりもり対談」にもたびたび出演している森川聖詩さんの肖像画も含まれています。

オープニングにあたってギャラリートークを行います。僕が司会をして絵の説明や、制作にあたっての思いを話していただきます。
京都「被爆二世三世の会」の仲間も参加してくださるのでそれぞれにもコメントしていただきます。

お申し込みはこちらから。折り返しzoomアドレスをお送りします。
https://forms.gle/Websz7TheYjASU3e9


展示は13日月曜日から19日日曜日

個展のオープンは13日月曜日正午(12時)、以降、毎日午前11時から午後7時までです。
最終日の19日のみ午後5じまで。

Gallery Take Two にて
京都市中京区御幸町通御池上ル亀屋町399 カーサ御幸1F
http://gallery-taketwo.com/

チラシのアドレス
https://toshikyoto.com/press/6984.html


飛躍を続ける増田正昭さんの絵をご覧下さい!

増田さん。今回の個展で4回目となりますが、その間に思想的にどんどん飛躍されています。
その一端を、この夏、8月3日に広島市で行われた「被爆二世の課題を考える」という討論会で披露されました。発言を抜粋します。

「昔は被爆二世という自覚はあったのですけれども、いまは二世というよりは自分は「被爆者」だと思うのですね。
自分にとって被爆二世という意味は、どちらかというと被爆者の第三者という表現というか、「被爆者を継承するもの」という感じだった。
でもそうではなくて被爆者そのものなのですよね。放射能の影響は二世に影響している。
僕もABCCに調査されたんです。比治山に連れていかれて。ちっちゃいころに。

実際は一世、二世関係なしに、放射能の関係では僕は一世なのですよ。(守田注 被爆当事者だと言う意味)
他人ごとではなくて自分自身の問題なんだ。」

抜粋は以下の記事より

明日に向けて(2084)被爆二世こそが被爆者運動の主役に!ー討論会「被爆二世の課題を考える ~今、被爆二世運動に問われていること」に参加して
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ea63d64a80efd6e8f109378cb06d842a


被曝二世の肖像画が登場

この飛躍を続ける増田さんの思いが今回の個展のタイトルに凝縮しています
「核に向き合い、核を乗り越える被爆二世」
そう。被爆二世は被爆の伝承者としてだけあるのではない。
被爆の当事者として、核を乗り越える存在としてあるのです!

この思いを込めて、増田さんは今回、被爆二世の肖像画も描かれました。
ぜひご覧になって頂きたいです。
会場にお越しください。遠方の方はWeb企画をご視聴ください。


2020年8月の個展のオープニングWeb企画で自ら描いた方 (近藤紘子さん)の説明をする増田正昭さん 守田撮影

#核に向き合い核を乗り越える被爆二世 #増田正昭 #被爆者展 #被爆二世 #森川聖詩 #オープニングWeb企画 #被爆の遺伝的影響 #GalleryTakeTwo

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