明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2223)大飯原発4号機「配管に水漏れ」で運転再開延期、再稼働した原発は故障を繰り返している

2022年06月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220628 23:30)(0720改訂)

大飯原発4号機「配管水漏れ」は故障事故 電気事情だけが問題ではない

昨日27日、関西電力が7月4日再稼働予定だった大飯4号機で、配管水漏れが発見されて交換が必要となり、再稼働を三週間延ばすことを明らかにしました。またしても故障事故です。
マスコミ各社がこれを報じましたが、故障がどう起こったのか、危険ではないのかを論ぜず「夏の電力事情がひっ迫しそうだ」と記事を閉じることばかり。これではダメです。肝心なのは何が起こっているのかなのです。


大飯4号機配管水漏れで電力需給がひっ迫の見込みと報道するMBSニュース

関電はこう発表しています。「2次冷却系統の水質調整を実施していたところ、6月24日に作業員が電動主給水ポンプミニマムフロー配管からの僅かな水漏れを確認」(関電pressリリースより)
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2022/pdf/20220627_1j.pdf



「水質調整」とは?

二次冷却系統の説明は割愛しますが、「水質調整」とは何なのでしょう?調べてみたら、国内の火力発電所420ユニットと全ての原子力発電所で「水質調整」を担っている日機装株式会社のHPにこう説明されていました。

「火力発電では、ボイラで熱せられた水が蒸気となり、タービン(原動機)を回転させる力で電気がつくられます。このとき、水に不純物が混じっていると、ボイラ内にスケール(金属酸化物)が付着しやすくなり、これが熱効率の低下や内壁の腐食、水管の破損といったトラブルを引き起こすことがわかっていました。その対策として、薬液によって水質調整を行うことになります。」
http://www.nikkiso.co.jp/technology/r_d/water.html

原発も仕組みは同じ。薬液を二次系配管の中をまわし、不純物を除去してスケール付着を防ぐのが「水質調整」です。しかし既に配管に穴が開いていたということです。


日機装ホームページより


同じことが蒸気発生器などで繰り返されている

ここで「スケール」と聞いて「あれか!」と思った方も多いのでは?高浜3、4号機で、蒸気発生器細管損傷を繰り返しているのも「スケール」とされているからです。
2018年9月から定期点検の度に発見され、関電は当初「異物混入」としたものの、途中からスケールへと原因を変更しましたが、問題そのものが解決できず、高浜3号機が3月に定期検査に入ったまま動かせていません。


細管傷はスケールが原因という関電の発表を報じる福井新聞 20201216

高浜4号機も6月8日から定検に入っており、再び損傷が発見される可能性が高い。実はこのため関電はいまは大飯3号機を動かせているのみなのです。
そしてその大飯3号機も2020年9月に一次系配管でかなりの損傷が見つかっています。要するに関電は、この損傷の連続を止められていないのです。今回も、かなり注意したはずなのに、またまた配管損傷です。

なお配管損傷の問題は「美浜の会」がHPで丁寧に解説しているので、ご案内しておきます。
https://www.jca.apc.org/mihama/


損傷の可能性は問題の配管だけにとどまらない

今回、穴が空いた「電動主給水ポンプミニマムフロー配管」は、原子炉起動の時にのみ使われるもので、タービン建屋の屋上にあるもの。
厚さ17ミリですが、そこに穴が開いたのだから、17ミリ全てが削られたわけです。恐ろしいのは、水漏れがあってようやく分かったこと。穴が開く直前だったら発見できず稼働していたのです。

同時に当然にも、全ての配管で同じ減肉が起きている可能性があり、これをきちんと調べるなら三週間の点検延長で足りるはずがない。
また配管損傷を発見しても、肝心の原因が克服できていないのだから、いつまでも危険性が除去できません。そんな中での美浜3号機再稼働など論外、他の原発も止めなければです。


学習を深めて現地集会を盛り上げて美浜3号機を止めよう

美浜3号機の8月上旬再稼働の動きに対して、7月24日(日)に美浜現地集会が呼び掛けられています。これを盛り上げましょう。
そのために緊急ZOOM学習会を企画しました。7月16日(土)午後7時から9時。ZOOM開催です。

【注記】学習会はすでに終わりました。以下から録画をご覧下さい!


ぜひみんなで問題をしっかりつかんで、美浜現地集会への全国からの参加、注目を作りだしていきましょう。
この企画と、24日の美浜現地集会のチラシも示しておきます。
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/fb43c674d5f83b88c731e36326217c8f
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/cbf2a3eebf8bd03b9e9f44069fc629c7

原発はいま私たちの目の前にある最大の危機!みんなで反対の声を大きくしましょう。

#大飯原発4号機配管水漏れ #再稼働延期 #水質調整 #スケールによる配管損傷 #蒸気発生器細管損傷 #高浜原発動かせない #電動主給水ポンプミニマムフロー配管 #17ミリが減肉 #美浜3号機再稼働反対

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チラシ 「美浜3号機、地震が頻発しているのに再稼働?」7月16日(土)午後7時~9時 ZOOM開催

2022年06月27日 22時58分39秒 | 明日に向けて(2201~2400)

申し込みにはこちらをクリックしてください!
https://forms.gle/KXJ9GESaDTQaRSVeA


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明日に向けて(2222)緊急ZOOM学習会ー美浜3号機、地震が頻発しているのに再稼働?にご参加を!7月16日(土)午後7時から

2022年06月27日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220627 22:30 0720改訂)

緊急ZOOM学習会にご参加を!

稼働から45年半も経過している老朽原発美浜3号機が、8月上旬に再稼働しようとしています。能登半島などで地震が頻発しているのにです。すごく危険。
「老朽原発うごかすな!実行委員会」から7月24日現地反対集会の呼びかけがなされたことにお応えして、守田敏也の解説のもと、再稼働の問題点をみんなでおさえようと緊急学習会を企画しました。
この日はアメリカで1945年に人類初の核実験、1979年にウラン精錬工場の深刻な事故もあった日なので、初めにそのことにも触れます。(2019年に双方の地を訪問したのでスライドなどもお見せします)

ZOOM開催。7月16日(土)午後7時~9時 お申し込みは以下のフォームから チラシのQRコードからも入れます!⇒【注記】すでに学習会は開催されました。録画を記事の末尾に貼り付けてあります!

主催 にょきにょきプロジェクト
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

連絡先 090-5015-5862 morita_sccrc@yahoo.co.jp (守田)


学習ポイントは7つ

1、1945年の人類初の核実験、1979年のウラン精錬工場事故に学ぶ
2、能登半島で繰り返されている連続地震はなぜ起こっているの?
3、能登地震につながる「ひずみ集中帯」が若狭原発の下にある
4、美浜原発は「蒸気発生器」という致命的欠陥も抱えている
5、特定重大事故等対処施設(テロ対策施設)は矛盾だらけ 
6、老朽化した原発はとくに、ここが、すごく危ない!
7、危険性をしっかり学べば「原発とめて」の世論を高められる

6つまでの点をしっかりと押さえた上で、再度にどうやって原発を止めていくのかについてお話します。
僕は原発を止めることに、かなり大きな展望があると思っています。ただしそれまでに深刻な事故が起こる可能性も大きくあるので、とにかく急がなくてはなのですが・・・。


福井原発銀座、柏崎刈羽原発はひずみ集中帯の上にありとても危険! ANN NWESより


 すでに開催しました。以下からご覧下さい!

緊急性と公益性が高いと判断して、参加費無料で行いました!
ただしできれば投げ銭をしていただけると、とてもありがたいです。可能な方は以下のゆうちょ口座にお願いします。
ゆうちょ銀行 記号14440 番号50074231 モリタトシヤ

みなさん。ぜひご視聴下さい。

#美浜3号機再稼働反対 #特定重大事故等対処施設 #能登半島地震 #蒸気発生器 #過酷事故は防げない #老朽原発うごかすな #ひずみ集中帯地震 #トリニティサイト #ウラン精錬工場事故 #にょきにょきプロジェクト  

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明日に向けて(2221)原発の特定重大事故等対処施設設置の道は矛盾だらけ。安全性無視そのもの!

2022年06月26日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220626 22:30)

美浜3号機は特重施設ができたから再稼働すると言うけれど・・・

美浜3号機が8月上旬にも再稼働しようとしています。昨年6月に稼働を強行したけれど、特定重大事故等対処施設(特重施設)建設が期限までに間に合わずに、昨年10月に停止していたのでした。
その後、一年の予定で設置するはずでしたが、夏の電力需給を憂慮した政府に、前倒しの稼働を依頼され、特重施設を8月頭までに完成させて再稼働させるのだそうです。

でも、「あれ?何か変だ」と思いませんか?だって美浜3号機は昨年6月には「特定重大事故等対処施設」などなしに稼働したのです。でも10月にはそれがないからと止められたのです。これなんなのでしょう?
ここに表れているのは、安全対策上、重要なはずの特重施設設置が延び延びになっていたこと。関西電力が安全対策のための期限を守らなかったのです。だからいったん止められたのですが、実は期限を守らないことは、今のところ再稼働したすべての原発で起こっています。


昨年6月、美浜3号機は特定重大事故等対処施設なしに再稼働を強行した NHKの報道より


何度も設置期限が延ばされてきた

この設備は「福島原発事故の教訓」によって、過酷事故に対応するため、新たに設置が義務付けられたもの。2013年7月の新規制基準で決められました。その施設がなんと今も建設中なのです。あまりにひどいと思いませんか?
ここには矛盾に満ちたカラクリがあります。まず規制委員会が、加圧水型原発について、当初から施設設置に5年の猶予を与えてしまったのです。福島原発と同じ沸騰水型原発はすぐには動かせないので、加圧水型から動かそうとしたからでしょう。

ところが加圧水型原発を所有している九州・四国・関西電力が、設備をまったく作ろうとしなくて、期限である2018年7月までにできないことが明らかになった。
そうしたら2016年1月に規制委員会が「この施設の設置申請を出してから5年」と期限を再延長してしまったのです。ところがそれでも電力会社が作らず、次々と新たな期限が来てしまった。追い詰められた規制委員会がやむを得ず原発を止めました。


守田講演スライドより


電力会社は原発が止められることもスケジュールに組み込んだ

最初に期限が来たのが川内原発。1号機が2020年3月、2号機が5月に止まりました。さらに高浜原発3号機が8月に、4号機が10月に止まりました。
電力会社は規制委員会をなめきっていたため、川内原発が止められた時は驚きましたが、この後はこの停止を定期点検に合わせ、スケジュール管理するようになりました。

川内原発1号機は、設備を完成させて2020年11月17日に再稼働しましたが、この時、マスコミは「新規制基準で全国初」と書きました。新規制基準は福島原発事故から9年半、新規制基準から7年4カ月で初めて適用されたわけです。
さらに関西電力は、この施設のない美浜3号機をあえて昨年6月に動かしました。老朽原発の稼働実績を一刻も早く作るためだったのでしょうが、この過程を見ていると、電力会社がいかにこの施設設置に、真剣に向かい合おうとしていないかが見えてきます。


2020年11月18日に初めて新規制基準が仙台1号機で満たされた ひどすぎる・・・西日本新聞の報道から

続く

#美浜3号機再稼働反対 #特定重大事故等対処施設 #特重施設設置期限延期 #特重施設に電力会社はやる気がない #過酷事故は防げない #川内原発 #玄海原発 #高浜原発 #大飯原発 #新規制基準

*****

7月24日(日)美浜現地集会が呼び掛けられています。以下からチラシが見れます。
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/cbf2a3eebf8bd03b9e9f44069fc629c7

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老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会 チラシ

2022年06月25日 23時35分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)





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明日に向けて(2220)美浜原発3号機再稼働はあまりにも危険な愚行 再稼働反対現地集会に参加or協力を!

2022年06月25日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220625 23:30)

老朽原発美浜3号機再稼働を止めるために美浜現地へ!

昨年6月に再稼働を強行しながら、4か月で停止した美浜3号機が、8月10日頃また動こうとしています。これに対し「老朽原発うごかすな!実行委員会」より現地反対集会が呼びかけられました。7月24日(日)正午から福井県美浜町にてです。
チラシを掲載しますのでご覧下さい。車での乗りつけ可能ですが、大阪・京都・滋賀からバスも出ます。ぜひご参加ないしご協力ください。



美浜3号機が停まっているのは、「特定重大事故等対処施設」が期限までにできなかったから。反対に言えばこの施設抜きで稼働を強行したわけで、それまた大変ひどい。
この施設の設置は今年10月ごろとされていましたが、夏の電力事情を理由に政府から前倒しを要請され、ヒロシマ・ナガサキの日ごろに再稼働しようとしていますが、本当に危険です。



加圧水型原発は蒸気発生器や配管に欠陥を抱えている

そもそも美浜原発3号機は、過去に死者5名、重傷者6名を出す事故を起こしています。2004年8月9日です。美浜2号機も1991年2月9日にメルトダウン寸前の事故を起こしています。これらを押さえるため、同原発の構造を説明します。
この原発は原子炉をめぐる水(一次冷却水)を157気圧に上げて沸点を高くし、たくさんの熱(325度)を運んでいます。これが「蒸気発生器」の中を通り、細管を通して「二次冷却水」と接して蒸気を発生させ、タービンを回して発電しています。

ところが「蒸気発生器」が致命的欠陥を抱えています。細管が高温高圧のためすぐにピンホールがあいてしまう。それどころか破断して水が漏れ出し、メルトダウン寸前になったのが1991年の事故。高圧の一次冷却水が55トンも漏れ出しました。
このため蒸気発生器は、その後に「改良」が重ねられ、設計当初の予定になかった「心臓移植」とも揶揄された「交換」まで行われましたが、それでもあちこちで故障事故が続いています。要するに技術的に未完成なのです。


死傷事故は配管の減肉を見逃して起こった

2004年の事故は二次系で起こりました。切断箇所から140度、9気圧の蒸気が噴出し、定期点検のために働いていた方たちを襲って死傷させました。後に配管が減肉し、切れかかっていたことが見過ごされていたことが原因と分かりました。
さらに何年もかけて関連会社が減肉を指摘していたのに関電が報告を握りつぶして稼働を続けたこと、また点検時にタービンを止めて安全確保をしなかったことも死傷事故につながったことが分かりました。しかし、なんと、誰も処罰されませんでした。


このことは二つのことを私たちに告げています。一つに加圧水型原発は、蒸気発生器やそれにつながる配管に、繰り返しトラブルを発生させている欠陥炉であるということ。技術的解決がなされおらず、いつまた深刻な事故にいたるか分かりません。
これに経営優先で、死傷事故にすらきちんと責任をとっていない関西電力のモラルハザードが重なり、一層、危険な状態に私たちは直面しています。こんな経営体質だからこそ、致命的欠陥の未克服を隠し、危険な運転が続けられてきているのです。


危険極まりない原発が老朽化している

さらに蒸気発生器細管の損傷や、配管減肉などは、老朽化すればするだけ進みますし、原子炉の鋼鉄が、中性子線を浴びて弾力性が失われていく「脆化」も強まっていて、その点でも危険性がより大きくなっています。
そもそも設計当初から「脆化」が進むことが分かっていたから、耐用年数が40年と決められたのでした。その上、予定してなかった蒸気発生器の交換のため、格納容器に大きな穴を開けていますから、当初の想定より劣化は進んでいるのです。

それやこれや、とにかく美浜3号機はものすごく危険です。実際にすでに2号機、3号機で相当に深刻な事故を起こしてきているのです。「3度目」となったらどこまで深刻になるか本当に恐ろしい。
みなさん。この暴挙を止めましょう!現地集会にご参加を!参加できない方も、この情報の拡散でご協力下さい。当日、現場から行うLIVE配信もご視聴ください。またそれぞれの地域でも声をあげてください。カンパにも協力してください。みんなの力で原発を止めましょう。

脱原発市民ウォークinしが近江八幡 から
https://onl.bz/vrwGDAM


それぞれの町でも声をあげよう! 近江八幡駅北口ロータリーにて 守田撮影

#美浜3号機再稼働反対 #加圧水型原発は欠陥炉 #老朽原発うごかすな #蒸気発生器 #特定重大事故等対処施設 #美浜3号機配管破断事故 #美浜2号機蒸気発生器破断事故 #メルトダウン #中性子脆化

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明日に向けて(2219)沖縄「慰霊の日」に思う すべての戦争を終わらせたいー沖縄から基地の撤去を!

2022年06月23日 14時00分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220623 14:00)

本日6月23日は沖縄慰霊の日です

「慰霊の日」を迎えました。沖縄戦で亡くなられたすべての方、傷ついたすべての方に、哀悼の意とお見舞いを捧げます。
またあの戦争の教訓から、二度と再び戦争を起こしてはならないと頑張り続けてこられた沖縄のみなさま、関係者のみなさまに深い感謝を申し上げます。

毎日新聞の記事と写真に胸を打たれたので、ご紹介します。
記事には動画も掲載されていて、この日を前に「月桃」の歌碑が西原町の運動公園に建立されたことも伝えられています。
この歌を作られた海勢頭豊さんのコメントも収録されています。ご覧下さい。

地上戦から77年、沖縄「慰霊の日」 世界で続く戦火の収束を祈る 毎日新聞 6月23日午前6時
https://mainichi.jp/articles/20220622/k00/00m/040/263000c


毎日新聞の写真を組み合わせてご紹介 20220623 06:00

また沖縄戦について、2019年2月に滋賀県の中学校でお話した動画もご紹介しておきます。



戦闘はさらに続き、たくさんの島民が殺された

この日が「慰霊の日」とされているのは、70年前の6月23日、旧日本軍の沖縄守備隊第32軍司令官、牛島満中将と長勇参謀長が自決し、組織的な戦闘が終わったとされているからです。
しかし牛島中将が「最後の一兵まで戦え」と命令したため戦闘は続きました。すべてが終わったのは8月15日も過ぎて9月7日に沖縄守備隊による米軍への降伏調印がなされてからでした。それまで牛島中将の命令が生き続けたのです。

沖縄戦では何人の方たちが亡くなったのでしょうか。
沖縄県南部戦跡にある平和祈念資料館のHPには次のような記載が見られます。

Q 沖縄戦による死亡者数は?
A 200,656人〔沖縄県援護課発表 1976年(昭和51)年3月〕
日本 188,136人(沖縄県出身者122,228人(一般人94,000人、軍人・軍属28,228人)(他都道府県出身兵 65,908人)
米  12,520人

沖縄県平和祈念資料館
http://peace-museum.okinawa.jp/heiwagakusyu/kyozai/qa/q2.html


沖縄平和祈念資料館ホームページより


なぜ島民がたくさん殺されたのか

一般人が94,000人も殺されてしまったわけですが、なぜだったのでしょうか?
この点で長い間、解明されていなかった事実を、2015年6月15日、NHKスペシャル「沖縄戦全記録」で報道されました。いまもご覧になれます。

沖縄戦全記録
https://www.nhk.or.jp/war-okinawa/


DVDも発売されている

番組が明らかにしたのは、島民がたくさん殺されたのは、日本軍が島民を守らず、むしろ島民に戦うことを強制したからだったという点でした。
アメリカ軍に竹槍や手りゅう弾を抱えて突撃する「斬り込み」に、10代後半の女性までもが動員されました。

また首里城周辺の攻防戦に敗れた日本兵が、住民の避難先だった南部へ押し寄せたことでも、住民がよりたくさん殺されました。
日本兵は衣服を変え、住民であることを偽装すらしました。住民を隠れ蓑に使って犠牲を拡大したのです。


軍隊は住民を守らない

沖縄戦の教訓が突きつけることは、軍隊は住民を守らないということ。それどころか住民を利用すらすると言うことです。
日本政府は一度もこの事実を捉え返していません。自衛隊の中にもこうした教訓は伝えられていないでしょう。

しかし住民を守るのなら、住民を戦闘に参加させるなど言語道断だったし、戦場から遠い地帯に住民を避難させ、軍が近寄るべきではありませんでした。
それどころか勝ち目のない戦いをアメリカに挑んだことそのものが、住民の命を軽んじていた証でした。そもそも日本は防空体制すら整っていなかったのですから。

基地と軍隊があると、むしろ攻撃を受けやすく住民が巻き込まれやすい。そのことをこそ沖縄戦は教えています。
だからこそ沖縄からの米軍と自衛隊基地の撤去を進めなければ。そうでないと亡くなられた方たちの霊が安らかに眠ることができないでしょう。あらためてこの日に、沖縄からの基地撤去を訴えます。


沖縄をいまも覆う米軍基地 ウキペディアより

#沖縄慰霊の日 #沖縄戦 #平和祈念資料館 #平和の礎 #沖縄戦全記録 #軍隊は住民を守らない #牛島中将自決 #沖縄からの基地撤去を #月桃の歌碑 #沖縄県南部戦跡

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明日に向けて(2218)日本は自然災害にも極めて脆弱。国防というなら原発を止め災害対策を強化しなければ

2022年06月22日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220622 23:30) 

なぜ日本が軍事的に防衛できないことを強調するのか

参院選が公示されました。この選挙に向けて、ロシアのウクライナ侵攻という事態に「便乗」する形の、軍備強化の声が起こっています。これに対し日本を軍事的に防衛することなど不可能なことを強調したいです。
そのため前回、旧陸軍の分類による「消極的防空」・・・都市構造を空襲から強くすることなどできないことを強調しました。戦後の日本は原発や石油コンビナートなど、攻撃を避けようのない施設を海岸線に林立させているのでなおさらです。すでに諸国民と仲良くする以外にない道をこの国は歩んできているのです。

このリアリティを無視して「日本を守る」と言いつつ軍備増強を図るのはもはや騙しのようなもの。その背後にいるのは軍需産業です。
「戦争で儲けようとしている産業」のすべてが「軍需産業」だと言えますが、これらの人々が「日本を軍事で守る」というできもしない空論を展開してお金儲けを続けようとしているのです。騙されてはダメです。


原発だけでも海岸線の僻地にこれだけ並べている。諸国民と仲良くする以外ない道をこの国は既に歩んできている


日本は自然災害に対してあまりに脆弱。しかも年々危険度が増している!

そればかりではありません。今の日本は自然災害に対してあまりに脆弱です。このことは、スイスの保険会社スイスリーが、世界の616の都市を水害の観点から比較して明らかにしています。
スイスリーは、世界で最も危険度の高い都市圏を東京・横浜だと指摘しています。ワースト4が大阪・神戸、ワースト6が名古屋です。以下にランキングと出典を示しておきます。

1位 東京・横浜(日本)2位 マニラ(フィリピン)3位 珠江デルタ(中国)4位 大阪・神戸(日本)5位 ジャカルタ(インドネシア)
6位 名古屋(日本)7位 コルカタ(インド)8位 上海・黄浦江(中国)9位 ロサンゼルス(アメリカ)10位 テヘラン(イラン)
http://news.livedoor.com/article/detail/8709053/
http://media.swissre.com/documents/Swiss_Re_Mind_the_risk.pdf

これを特集した東京新聞紙上で、元東京都職員の土木専門家、土屋信行さんが次のように述べられました。
「日本を攻撃するのに、軍隊も核兵器も必要ない。無人機が一機、大潮の満潮時にゼロメートル地帯の堤防を一カ所破壊すれば、日本は機能を失う」。
まさにその通りです。


台風19号(2019年)で東京は壊滅寸前に!

しかもスイスリーの指摘は、その後、恐ろしい的確さで当たりつつあります。例えば2019年の台風19号の水害で、東日本の河川が140か所で堤防決壊し、約300か所で氾濫しました。
利根川の水位も極めて危険な状態に達し、上流の河川が決壊しなければ、大決壊して東京が水没するところでした。そうしたら都市機能がダウンし、壊滅的な被害が出たでしょう。


決壊箇所を修復しても他が決壊するだけ。利根川の場合、次は上流が決壊しないと下流が決壊する 国土交通省の報告図より


より詳しくは以下の記事をご覧下さい。
「明日に向けて(933)東京は世界一危ない都市・・・警鐘「首都沈没」(東京新聞より) 2014年9月11日http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/974f310ea1faae553cb23b4ad71496a8


国防というなら原発を止め災害対策を強化すべきだ

このように2019年の台風19号で、この国の防災体制は底が抜けたに等しい状態に陥りました。にもかかわらずこの点が省みられていない!大洪水と大地震への備えがちっとも進んでいない。
そもそもミサイルやジェット戦闘機を増やして何になるというのでしょうか。そんなもの、台風ひとつ撃ち落とすこともできないのです。そうではなくて、一刻も早く自衛隊を災害救助隊へと再編し、災害への備えを刷新すべきです。

さらにひずみ集中帯地震が頻発し、南海トラフ地震や首都直下地震がかなりの割合で予測されているのに原発を動かし、老朽炉を再稼働させようとするなんて愚の骨頂。政府にリアルに国を守る気などないからそんな愚策が行えるのです。
この点をもっと選挙の争点にして欲しい。人々を守る気概のある野党のみなさん。ぜひ「国防のためにも原発を止めよ!災害対策を強化せよ」と訴えてください。


老朽原発の廃炉を求めた大阪行動 これこそが郷土と民を守る真の行動だ! 守田撮影

#国防のために原発を止めよ #自然災害対策を強化せよ #スイスリー #東京は世界一危ない都市 #首都沈没 #2019年台風19号 #140河川で堤防決壊 #自衛隊を災害救助隊へ #消極的防空

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明日に向けて(2217)石川県能登地方で群発地震発生中!ひずみ集中帯の動き?原発を止めないとあまりに危険

2022年06月21日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220621 23:30)

石川県能登地方で群発地震が

6月19日に石川県能登地方で震度6弱の地震が起こりました。翌日20日にも震度5強、21日にも震度4の地震が起こっています。
この揺れは2020年3月の震度5強の揺れ以降、連続して起こっているもので、震度1以上の揺れはこの1年半の間に160回。しかし近くに火山もないし、断層も確認されておらず、地震の原因が解明されていません。


能登の地震を報道するANN NEWS

国土地理院は全国1300カ所に設置したGPSで定点観測を行っていますが、そのデータによると、一昨年11月~今年5月に能登地方で4センチの隆起が起こっているとのこと。これと地震が連動しています。
京都大学防災研究所の西村卓也准教授は、日本列島に太平洋側からプレートが押し寄せてきて下に潜りこんでおり、その際に伴う水分が地震を引き起こしているとの仮説を立てていますが、「25年間GPSデータの中でも前例がない」事態だとか。


西村准教授の説を紹介するANN NEWS


ひずみ集中帯との関係は?

懸念されるのは、この地震と「ひずみ集中帯」地震との関係です。「ひずみ集中帯」とは、太平洋側から来るプレートでおされてできる日本列島のひずみが集中している地帯のこと。ここで地震が頻発しています。
確認されている「ひずみ集中帯」は幾つかありますが、中でも大きいのは神戸から新潟、そして東北の日本海沖から北海道に至るもので、能登半島の付け根辺りを通っています。


「ひずみ集中帯」について解説するANN NEWS

富山大学の竹内章名誉教授は、今回の地震が起きた場も「ひずみ集中帯」だと指摘しています。(チューリップテレビー富山県)
竹内名誉教授は、今回の地震が他のひずみ集中帯で地震が起きやすくすることはないとしていますが、それとは別に、他のひずみ集中帯で地震が発生する恐れがあるとも語られています。


チューリップテレビより


若狭の原発を止めよ!美浜3号機の再稼働を止めよ!

政府の地震調査委員会は「この地震は数カ月では終わる兆候はない」と述べていますが、要するに太平洋プレートの影響で、日本海側で様々に地震が起きていることは明らかなものの、実態が十分に解明しきれないのが実情。
それでもひずみ集中帯のどこかで、大きな地震が起こる可能性が十分にあることは分かっているのです。

その「ひずみ集中帯」が若狭地域の地下を大きく覆っている。実際に近くで1927年3月7日に北丹後地震(M7.3)が起こっています。
これらの地震を考えると若狭で大規模な地震が発生する可能性は十分に予見されるのですから、ただちに若狭原発を止めるべきです。ましてや老朽原発美浜3号機の再稼働などあってはならない。みんなで大きな声をあげましょう!


毎日放送より 2020年1月13日 能登地方地震についての西村准教授の解説を報道

7月24日(日)「老朽原発・美浜3号うごかすな。現地全国集会」が開かれます。正午に美浜町菅浜/弁天橋集合。可能な方はご参加を。僕も行きます!詳しくはまたお知らせします。

#石川能登地震 #群発地震 #ひずみ集中帯 #太平洋プレート #老朽原発うごかすな #老朽原発このまま廃炉 #若狭原発を止めよ #美浜3号機再稼働反対 #美浜現地集会

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明日に向けて(2216)日本列島を軍事的に守り切るのは不可能。「消極的防空体制」がとても築けない。

2022年06月15日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220615 22:30)

日本列島を軍事的に守り切るなんて無理!

ロシアによるウクライナ侵攻後、自衛隊増強論が強まっています。
自民党はこれまでの「国防費」の倍額にもあたる、対GDP比2%達成すらうたっており、これに日本維新の会や国民民主党が同調しています。

立憲民主党は2%達成には反対していますが、増額そのものは否定していません。日本共産党は増額に反対していますが、「いざとなったら自衛隊を使う」と志位委員長が言い出して、戦争に反対する人々を困惑させています。
この論戦を見ていて思うのは、根本的な問いが欠けているということ。そもそも日本列島を軍事的に守り抜くことはできるのかです。

答えは明解、まったくもって不可能なのです。海岸線にずらりと原発が並んでいることだけ考えても分かりやすいですが、実は原発がなくても、列島を攻撃から守り切ることは無理で、それは戦前戦中の、旧日本軍の中にもあった認識だったのです。
今回、この点を明らかにしたいと思います。(なおこの記事は2017年9月に投稿した「明日に向けて(1425)」のリメイクです。)


毎日新聞より


アメリカによる徹底空襲に日本は打つ手なしだった

日本列島を軍事的に守り切ることができないことは、第二次世界大戦末期に、すでに証明されてしまっています。諸都市が、アメリカによる空襲で燃やされ、破壊し尽くされてしまったからです。
アメリカは、軍隊対軍隊の戦いが、フィリピン・レイテ島をめぐる1944年秋の攻防でほぼ決着がついたのに、1945年になって大々的な日本本土空襲を開始しました。

攻撃の口火を切ったのは、1945年3月10日未明に行われた東京大空襲。死亡・行方不明は一晩で10万人以上。一晩の被害ではいまだに空前絶後です。
アメリカは続けて日本の諸都市に、連続空襲を敢行。東京は106回襲われ、死亡総数不明。名古屋は63回襲われ、死亡総数1万人以上。大阪は33回襲われ、死亡総数約1万人。神戸は128回襲われ、死亡総数約1万人でした。

全国200以上の他の都市も執拗に攻撃され、当時「内地」と呼ばれた領土の2割の戸数が焼失。死者総合計は東京新聞の発表で558,863人、米国戦略爆撃調査団の発表で252,769人でした。
この上にアメリカは沖縄に上陸戦を仕掛けるとともに、終戦直前に広島・長崎で原爆による大虐殺さえ行いました。日本の降伏宣言まで、備蓄した爆弾を使い果たす駆け込み空襲も各地で行われました。明らかな戦争犯罪のオンパレードです。


3月10日のことを報じる東京新聞(2018年) ちなみに守田の母はこの大空襲の奇跡的生き残りです


旧日本軍も防空は不可能と考えていた

さて日本が空襲で蹂躙されたことは、軍事的にどうとらえ返されているのでしょう。防衛大学教官で軍事研究家の柳澤潤氏が2008年に執筆した以下の論文がとても参考になりました。

『日本陸軍の本土防空に対する考えとその防空作戦の結末』
http://www.nids.mod.go.jp/publication/senshi/pdf/200803/06.pdf
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1282509_po_06.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

この論文によると、戦前から戦中において本土防空は陸軍の主要任務でしたが、防空は「攻勢的防空」と「直接防空」(積極的防空)と、「消極的防空」に分けて考えられていました。
敵攻撃地を先に叩くのが「攻勢的防空」、飛来した敵攻撃機を撃退するのが「直接防空」、他方で空襲への備えを民間の努力も含めて進め、建物の耐火性を強め、都市構造を火災から強くするなどが「消極的防空」でした。

陸軍は「攻勢的防空」に偏重していましたが、1930年代に大型爆撃機が開発されたことや、日本が火災に弱い家屋が多いことから、大都市であっても「100機あまりの爆撃機で焼夷弾をばらまかれれば容易に壊滅させられてしまう」という認識もあったといいます。
このため一部の軍人が都市構造改編を主張したそうですが、陸軍首脳は取り入れませんでした。そして日本はそのまま「太平洋戦争」に突入してしまいました。この時、軍部の中でこんなやりとりがあったことを柳澤氏が紹介しています。

「太平洋戦争開戦直前の12月2日、参謀総長杉山元大将は、国土防空の状況を参謀本部担当部員の神笠武登中佐に問うた。同中佐が『国土防空の現状では、戦争遂行はほとんど不可能に近い』旨を述べると、参謀総長は無言となったという」。

その後日本は1945年に、日本は「想定通り」に主要都市の多くを焼き尽くされたわけですが、この教訓を現代に移したときに、すぐに分かるのは、現代日本もまた「消極的防空」など、まったくできる状態にないということです。そもそもそんな発想に立った都市形成など全くしていない。平和を前提とした国づくりのみを進めてきたのです。だから戦争なんかできない。軍隊ではこの国は守れないのです。


1944年1月8日より、「新防空法」を公布。このころから「消極的防空」策の一つとして子どもたちの疎開や都市の延焼を防ぐ「建物疎開」=建物の間引きが始まった。しかし1945年の猛爆撃に諸都市はとても適わなかった。

続く

#日本は軍備では守れない #防空的観点から戦争は無理 #攻勢的防空 #直接防空 #消極的防空 #柳澤潤 #原発は軍隊では守れない #自衛隊を災害救助隊に #憲法9条こそ軍事的リアリティ #平和外交こそ生きる道

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