不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1637)すべての核被害をなくすためにカマレポを観て使って広めよう!

2018年12月30日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)
守田です(20181230 12:00)
 
前号と今号で「カマレポ」をお勧めしています。
今回は鎌仲さんの年末のあいさつを転載させていただきます。
なお写真はカマレポをまとめた「カノンだより」です。
No.1〜4がセット販売で安くなっています。No.5も出ています!
 

鎌仲さんの年末のあいさつにぐっときた・・・

僕がいまカマレポを推す理由がもう1つあります。No.66のカマレポの案内メールに添付されていた鎌仲さんの年末のあいさつにもかなりぐっと来てしまったからです。
これはもう注釈なしでご紹介します。ぜひとも、世のため、人のため、たくさんの命のため、身を削りながらに奮闘している鎌仲さんのあいさつをお読みください。
(あ、ただし僕はいつも「そんなに身を削っちゃいけないよう。自分の命を大事にしてよう」と伝えているのですが・・・)。

● 鎌仲さんのご挨拶をご紹介します。
 
読んだらぜひカマレポの購入を!

*****

2018年 年の瀬のご挨拶

2018年も押し迫ってきました。
みなさまにとってどんな1年だったでしょうか。

私にとって2018年は、新しい命を頂いた年となりました。
くも膜下出血で、死んでいてもおかしくなかった。
それが、今は、ちょっとペースを落としてはいますが日常生活や仕事に復帰することができています。

このカマレポの配信も何度も遅れてしまい、みなさまにはご迷惑をおかけして本当に申し訳ない気持ちです。完全に復調するまでご容赦いただけたらありがたいです。

もしかしたら、あっけなく命を落としていたかもしれない。
そう考えると、人生の意味や私自身がこれから何のために生きるのか、どうしても考えさせられます。

そんな事を考えていたら、つい最近写真家の森住卓さんからイケメン俳優のブロマイドのような写真が送られてきました。
とても美しい青年の姿がモノクロの写真に写っているのです。
それが、何と、「ヒバクシャー世界の終わりに」に出ている白血病の男の子、ムスタファの成長した姿だったのです。
白血病を克服し、今は大学生だというのです。

イラク戦争が始まる半年前、2002年にムスタファに会った時は白血病を治療中で、しかも医療状況はとても悪くその上、イラク戦争がすぐそこまで迫っていました。
イラク戦争を生き延びたことは知っていましたが、白血病も克服し、大人になったムスタファの姿を見て、何とも言えない暖かい気持ちになりました。
写真の勉強をしているそうです。イラクという地球上でも特に厳しい環境で生きていくことはきっとまだまだいろんな試練があるかもしれません。
でも彼の人生に希望や未来がある、と写真を見て感じました。

私はイラクで多くの子どもたちの死に立ち会ったので今、この仕事をするようになりました。
被ばくによって子どもの命を失わせないために何ができるか考え、映画を作ってきました。
果たしてどれだけのことができただろうと自分のやってきた事を無駄だったかもしれない、と311の時は思い絶望的な気持ちになりましたが、やはり、それでも諦めずにできる事をやっていくしかないと相変わらず思っています。

また新しい年がやってきます。
目下、取り組んでいる「原子力防災」を完成させることができるよう、気合を入れていこうと思います。

みなさんにとっても良い年になりますように!!

鎌仲
 
 
カマレポ購入は以下から!ぜひお願いします!
 
鎌仲ひとみの動画メルマガ"カマレポ” 
https://www.mag2.com/m/0001607880.html
https://www.youtube.com/channel/UCJog3rXXs41v37hGmotylgQ

過去のバックナンバーもそれぞれ1本ずつ1月分の515円で購入することができます。

バックナンバー
https://www.mag2.com/archives/0001607880/
 
連載終わり

#カマレポ #ヒバクシャ #鎌仲ひとみ
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1636)原発と核兵器と被曝のない世界をめざし「カマレポ」を観て活用しよう!

2018年12月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)
守田です(20181228 23:30)

カマレポ、お勧めします!

みなさま。今回はカマレポのお勧めです!
カマレポとは映画監督であり僕の盟友の一人である鎌仲ひとみさんが撮り続けている動画メルマガ=ビデオレポートです!
現在No.66までが配信されています。こんな感じで始まります。
 


その66は「1.伊方原発が事故を起こしたら避難は可能か? その1」というタイトルで、僕の講演を写してもらっています。
場所は松山市です。コープ自然派しこくの中の愛媛県松山市での企画に呼んでいただいた時のものです。ご覧いただけると嬉しいです。

これはいま鎌仲さんが進めている「原子力防災キャンペーン」の一環でもあります。
「上映キャンペーン 映像でわかる原子力防災」
http://canonbousai.strikingly.com/


映画完成にさきがけた最新レポート!以下から購入できます。


カマレポは『小さき声のカノン-選択する人々』の完成にさきがけ、最新の取材レポートを届ける有料動画メルマガとして始まったものですが、映画の完成後も続けられ、いまや鎌仲さんの重要な活動の一環となっています。
とくにこのところ力が入れられているのが「原子力防災」です。
購入は以下からできます。1月515円で初月無料です。

鎌仲ひとみの動画メルマガ"カマレポ” 
https://www.mag2.com/m/0001607880.html
https://www.youtube.com/channel/UCJog3rXXs41v37hGmotylgQ

過去のバックナンバーもそれぞれ1本ずつ1月分の515円で購入することができます。

バックナンバー
https://www.mag2.com/archives/0001607880/

サンプルを一つご紹介しておきます。

動画メルマガ"カマレポ" No.45 予告編 “ 3.11から丸6年、そして7年目へ。 " 
https://www.youtube.com/watch?v=e9v3GeKUQX4


ぜひ活用を!新作のサポートにもなります。


活用の仕方はいろいろですが、カマレポをみんなで観てお話する「カマレポカフェ」を開く方法もあります。
https://www.facebook.com/kamarepocafe/
http://kamanaka.com/news/3108/?fbclid=IwAR28hHDyaDiHqiHkoboSPsKX4bRXiIsszbX9jIm4-uDGAlq66sz3xjFT0n8

またカマレポの購読料は、新作の製作支援金として活用されるそうなので、これを広げることは新作製作をサポートすることにもなります。
ぜひみなさんで観て、活用しながら、新作をサポートして欲しいです。

今回、カマレポをお勧めしようと思い立ったのは、一つには僕自身の活動も含む原子力防災を鎌仲さんが丁寧に取材してくれているのでぜひ観て欲しいからです。
同時に『小さき声のカノン』製作からNo.66まで重ねてきた連なりの総体がとても貴重だと感じているからです。
僕も毎月購入していますが、その時々でとても大切な場面が切り取られている。

これらが映画にまとめられていくわけですが、しかし映画は長くて2時間ぐらいのもの。実は膨大な貴重な映像が編集段階で泣く泣く落とされてしまいます。
それで鎌仲さんが思いついたのが、映画作成過程で大事なことを、動画レポートを使って先行的に紹介していくことです。

僕は僕なりに必死で「明日に向けて」で記事を書き続けていますが、なんというか文字と映像では伝える質や角度が大きく違う。
映像より文字が劣っていると思っているとは思いませんが、しかし映像でないと届かないものが確実にあります。
その映像で、いわば「世界の切りとり職人」として、私たちに必要なものを提供してくれているこのレポートにぜひ多くの方に触れて欲しいし活用して欲しいのです。
 
続く

#カマレポ #鎌仲ひとみ #原子力防災キャンペーン


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1635)映画「ほたるの川のまもりびと」ぜひ観て下さい。56年間の奇跡の抵抗の映像です。清々しくて素晴らしい!(映評後半です)

2018年12月24日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181224 22:00)

映画「ほたるの川のまもりびと」の映評の続きです。
先にこの記事の前半である「明日に向けて(1634)映画「ほたるの川のまもりびと」超おススメです!ぜひ観て下さい!(京都は28日まで!)」を読んでいただけると嬉しいです。
今回も記事をご紹介する前に、この映画の予告編をご紹介しておきます。ぜひこれも先に観て下さい。2分11秒と短いですが映画のエッセンスがばっちり詰まっています!

劇場版「ほたるの川のまもりびと」 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=rk5fz8002Tg

● ひょっとしたら僕も少しは川原(こうばる)にも貢献できたかも

さらに映画を観ながら思ったのは、不遜かもしれなけれど、「ひょっとしたら僕らの頑張りもこの川原の頑張りにも貢献できたかもな」ということでした。
というのは当時、三里塚農民は闘争を「全国住民運動の総本山」と捉え、「三里塚が負ければ全国住民が苦しい思いをする。だからここで国家権力の横暴を食い止めるのだ」と訴えていました。
そんなこと言われたら胸がキューンとなってしまうじゃないですか!僕らは農民たちの思いに応えようと燃えに燃えました。

そして1978年3月26日、僕にとってはちょうど高校の卒業式を終えたばかりでしたが、時の自民党福田政権が年度内強行開港を狙ったことに対し「三里塚闘争に連帯する会」の多くの人々が空港を包囲し、突入し、管制塔を占拠して壊し、開港を阻んでしまった。
僕もそのたくさんの人々の中にいました。あのとき全国住民運動の総本山としてたたかう農民たちの助っ人として、僕らは三里塚の大地をかけ、機動隊と奮戦しました。そうして勝ってしまった!まさかの「勝ち」でした!
僕の中にはあの時のことがいまも胸に宿っています。「民衆が団結すれば国家権力にだって勝てる!」。僕はそれを18の春に経験しました。

実は三里塚闘争はここから大きく曲がり角を迎えていきます。というのは民衆によって開港を実力阻止された政府が、従来の機動隊を前面にたてた暴力一辺倒のあり方を政府なりに反省し、「話し合い路線」に転換したからです。
結果的に三里塚闘争はこの政府の方針転換にうまく対応できず、「話し合い」攻勢の中で手ひどく分裂させられ、多くの農民が去る結果をもたらしてしまいました。それどころか支援党派の間で、あまりに不毛な内ゲバも行われてしまった。
その点で1983年の分裂以降の歴史を振り返ると苦い思いがいっぱいでてくるのですが、しかしこのように機動隊を前面に押し立てたやり方を思いとどまらせたことは、少なからず全国の運動現場にも影響したと僕は思うし、それはいまもそうだと思います。

つまり成田の現場では運動は残念な混迷にも入っていったのだけれど、しかし国家権力の暴力を三里塚闘争がかなり弱めさせたのは間違いないと僕には思えるのです。
そしてその同時代に川原の運動も行われていた。僕は一度も川原に行ったことはないけれども、しかし同時代に生き、同じ国家権力の総力をあげた事業に立ち向かうことで、一緒に奮闘できていたと思うのです。

● 56年間の奮闘、団結の保持にただただ拍手を贈ります!

ただし懐かしさはここまでで、この運動はそのまま今日まで続けられてきているところが本当に素晴らしい。56年間、抵抗を続けられている。56年間、団結を守り続けている。すごい。素晴らしい。
映画の題名は「ほたるの川のまもりびと」で、とてもセンスが良いし、実際にたくさんの蛍による美しい舞も撮られているのですが、僕は同時にこれこそは「民主主義の守りびと」「人権のまもりびと」だと思います。
人としての真っ当な思いを掲げ、圧政に屈せずに団結を守り抜く。そうして営々たる抵抗を貫き、美しい大地を守り通す。口で言うのは簡単ですがとても難しいことです。何より団結を保つのが一番難しい。

でもそれをやり遂げいくと、無上の楽しさが得られ、笑いが込み上げてくるのです。
そんなことをもう56年も奇跡のように続け、美しい川原を守り続けてきた人々に心の底から拍手を贈りたいです。

みなさん。僕のこの映評はちょっと偏っているかもだけれど、ぜひこの映画をご覧になってください。
こうやってこの国の自然と人権は守られてきたのです。それを担う人々の本当に素敵なあり方にぜひ触れてください!

● 各地のスケジュール

京都市では「京都シネマ」で12月28日(金)まで上映しています。
毎日18時45分から20時15分までです。
http://www.kyotocinema.jp/index.php

大阪市では第七芸術劇場で2019年3月16日(土)~3月25日(金)までです。
http://www.nanagei.com/movie/next.html

その他の各地での上映情報を記したページを記載しておきます。
https://hotaruriver.net/theaters/

連載終わり

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1634)映画「ほたるの川のまもりびと」超おススメです!ぜひ観て下さい!(京都は28日まで!)

2018年12月23日 10時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181223 10:30)

● 素晴らしい!まずは予告編を観て下さい!

映画「ほたるの川のまもりびと」、ようやく観てきました!
すごく良かったです。といっても僕の感想は他の方たちとちょっと離れるかもしれない。僕には一言で「すごく懐かしい」映画でした!

説明する前にまずは予告編をご覧ください。僕はここにこの映画のエッセンスがぎゅっとつまっていると思う!

劇場版「ほたるの川のまもりびと」 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=rk5fz8002Tg

この映画は国と長崎県によるダム建設に対し、現地で身体を張って抵抗している長崎県川棚町川原(こうばる)地区の人々のお話です。
ダム建設が出てきたのは1962年。だからえんえん56年も抵抗していることになる。すごい!半世紀以上たたかっている。

● 「殺されてもよかって覚悟をしとります」

僕がとても共感し「懐かしく」感じたのは、この予告編にも出てくる地元のおばあさまたちの次の言葉です。

「くよくよしてもはじまらんですもんね」
「機動隊からもやられたけんですね」
「殺されてもよかって覚悟をしとります」

そして彼女たちは「はははは」と笑う!
うーん。良いなあ。

いま残っているのは13家族54人。そのそれぞれの家族が映像に登場するのですが、映画の中で古い運動の動画も出てきます。1980年代です。
その中にはいまは古老となって頑張っているある方の30歳の時の姿が出てくる。今はお父さんになっている男性の7歳の時のデモの姿も出てくる。
「ああ、なんだあ。この時代じゃないか。だったら一緒に闘ってきた人たちだよなあ」と僕はそう思い懐かしさを覚えたのでした。

● 三里塚闘争もこんな感じだった!

というのは僕が社会運動に参加したのは17歳のとき。高校3年生になったばかりの初夏でした。
僕が向かったのは成田でした。「三里塚闘争」です。航空需要の増加とともにベトナム戦争のときの軍事空港の必要性からはじまった「新東京国際空港」の建設に、農民と日本各地から集まった人々が反対していた。
僕ははじめ実力で抵抗することに消極的で、この運動に参加することをかなり躊躇しました。でも1977年5月に機動隊のガス銃で東山薫さんという「野戦病院」の運転手だった方が殺されて、国家権力の暴力に反対するために集会に行くようになった。

そうしたらそこには全国のさまざまな住民運動の方たちが集まっていたのです。
集会ではそうした人たちが次々と発言するし、ビラもたくさん撒くので、僕はそこではじめて日本中の住民運動、労働運動を知ることになりました。
たとえば水俣の運動。患者さんたちの先頭に立っている方たちがいつも三里塚に来ていた。あるいは障害者解放運動の方たちや被差別解放運動の方たち。本当に多様な方たちがいました。

おそらく川原の方も参加されたことがあったのではないでしょうか。というのは映画の中に写る80年代の姿の中で出てくる鉢巻が、もう三里塚のものとウリ二つだったからです。
あるいは「ダム建設絶対反対」と畑の中に建てられた看板やおそらくは監視用もかねたヤグラなども、三里塚で見たものと似ていました。1962年からの運動ですからきっと相互に影響し合ったのではないかなあ。

そして何よりあのおばあさまたちの笑い声と「殺されてもよかって覚悟しとります」という言葉。
うーん。三里塚のおっかあたちもいつもそういって笑ってたし、実は僕らだってそうだったのです。「殺されてもいいって覚悟している」。まさにそうなのでした。僕が参加した運動体は当時「死をも投獄をも恐れず」を合言葉にしていました。

● 身体をはってたたかうのは気持ちいい!

ぜひみなさんに知って欲しいのは、それって悲壮でもなんでもないということです。もっと清々しい気持ちなんです。
「自分たちは世のため、人のため、美しい大地のために頑張っている。身体を張ってる。だから例えここで人生が終わっても悔いない」・・・。そう思うとき、少なくとも僕は自分の胸が大きく膨らむことを感じました。
だってそこには国家権力を相手に一歩もひかないなんとも頼もしい自分がいるのです。もちろんそんな仲間もいる。「俺たちって、思ってたよりもかっこいいぜ」なんて僕は思ったなあ。
うぬぼれといえばまさにうぬぼれです。でも少しはうぬぼれたっていいじゃないですか。

映画では川原の風景の美しさと共に、そうやって清々しく頑張っている方たちのそれぞれの家庭生活も写しています。そこにあるのはまさに普通の生活ですが、実はそれだって三里塚と変わらないし、実は全国どこの運動とも変わらないと思うのです。
僕が見てきた限り運動を担っているのはどこでも大半は「普通の人」でした。当たり前なのですがどこにも普通の暮らしがあった。「闘争」と名がつくとこの普通の暮らしが見えなくなってしまいがちなのですが、映画はそこをゆったりと写してくれている。
その点でここに写された姿は日本の各地で行われてきた住民運動のある種の典型の姿であるようにも僕には思えました。

続く

● 各地のスケジュール

京都市では「京都シネマ」で28日(金)まで上映しています。
毎日18時45分から20時15分までです。
http://www.kyotocinema.jp/index.php

大阪市では第七芸術劇場で2019年3月16日(土)~3月25日(金)までです。
http://www.nanagei.com/movie/next.html

その他の各地での上映情報を記したページを記載しておきます。
https://hotaruriver.net/theaters/

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1633)辺野古を守るためみんなでアメリカ政府を動かそう!

2018年12月20日 17時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181220 17:00)

● 日本政府による工事再開はあまりにひどい!

みなさま。すでにご存じのように日本政府は12月14日から沖縄・辺野古での基地建設のための工事を再開し、美しい大浦湾への土砂投入を始めました。
海がどんどん壊されていく。沖縄の人々の民意が踏みにじられていく。本当に許しがたい行いです。

そもそも9月末の沖縄知事選におけるデニーさんの圧勝で、「辺野古に基地はいらない」という民意ははっきりと示されています。
にもかかわらず工事を強行する安倍政権は完全に沖縄の民意を踏みにじっています。いやこの国の民主主義そのものを蹂躙しています。

● ホワイトハウス向けの署名にご協力を!

このあまりの横暴を食い止めるための一つの手段として、ある署名運動が行われています。
アメリカのホワイトハウスに直接向けたもので、10万人以上が集まったらアメリカ政府が対応しなければならないとされているものですが、実はすでに14万人に届きつつあります!(20日17時00分現在139,837人)

この署名はどんどん広がっていてモデルのローラさんが署名し、呼びかけていることが話題を集めています。
この他、沖縄出身のタレント・りゅうちぇるをはじめ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔、ミュージシャンであるASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文や七尾旅人、Base Ball Bearの小出祐介、ソウル・フラワー・ユニオン、俳優のうじきつよしやラサール石井、東ちづる、作家の平野啓一郎、映画監督である塚本晋也や想田和弘・・・とたくさんの方が署名してくれています。(敬称略ですいません)

ここまで来たらアメリカ政府をみんなで動かしましょう!
そのために10万を大きく上回る数を集めましょう!

● 署名は以下から。返信への対応も忘れずに!

署名はここからからできます!
https://petitions.whitehouse.gov/petition/stop-landfill-henoko-oura-bay-until-referendum-can-be-held-okinawa

ここに名前とメールアドレスを記入しますがまだそれで署名ができたわけではありません。
すぐに返信が来るので、その中に青字で以下のように書いてある以下の一文をクリックしてください。それで署名が完了します。
Confirm your signature by clicking here.

さて「そうは言ってもこの署名、英語で書いてあって内容が分からない!」と言う方もおられるのではないかと思い、訳文を以下に記しておくことにしました。
もり訳の間違いがあればご指摘ください。大意は間違ってないと思いますが。

さあ、以下の文を確認してぜひ署名をお願いします!

● 署名文和訳あります!

トランプ大統領:民主的な県民投票が行われるまで沖縄での埋め立て作業を止めてください。
この年の少し前に、沖縄の人々は、辺野古と大浦湾での工事の建設中止を条件に、圧倒的多数でデニー玉城知事を選出しました。
この湾は沖縄の生態系にとってとても大切なところです。
しかしながら日本政府と米軍は、いままでのところ、玉城知事と沖縄の人々の民主的な意志を無視ししています。
工事の後戻りの効かない部分が12月14日から再開されるように設定されました。
もしそれが許されるなら、沖縄の人々の間に強い反米感情が起こり、アメリカと沖縄の関係を永久に歪めてしまうでしょう。
どうか工事の中止を命じてください。そして民主主義の勝利を確実なものとしてください。
沖縄の人々に、アメリカがまさに名誉ある偉大な国であることをお示しください。

President Trump: Please STOP the landfill work in Okinawa until a democratic referendum can be held.
Earlier this year the Okinawan people overwhelmingly elected Gov. Denny Tamaki on the premise of STOPPING the construction at Henoko / Oura Bay.
The Bay is a CRUCIAL part of the Okinawan ecosystem.
However the Japanese government & U.S. military have so far IGNORED the democratic will of Gov. Tamaki & the Okinawan people.
The irreversible part of the construction is set to begin on Dec. 14 (JST).
If this is allowed it will surely incur strong anti-U.S. sentiment among Okinawans & will forever strain U.S.-Okinawa relations.
Please order a HALT to the construction & ensure that democracy prevails.
Please show Okinawans that America is indeed an honorable and GREAT nation.

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1632)世界のどこにも輸出のできない原発を国内で動かし続けて良いはずがない!!

2018年12月19日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181219 23:30)

● 「もう限界だよ」!

このところ海外への原発輸出断念の報が続けて流れました。
4日に三菱重工によるトルコ・シノップへの輸出の断念の報、16日に日立製作所によるイギリス・アングルシー島への輸出の報が相次いで出されました。
正確には両者ともにまだ正式決定が出ていませんが僕はもうこの流れは不可避的だと思います。

この件に関するNHKの報道をご紹介します。

日立 中西会長 イギリスの原発建設計画「難しい状況」
NHK 2018年12月17日 19時32分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181217/k10011750391000.html?utm_int=news-business_contents_list-items_037

ここでは次のように報じられています。
「日立の中西会長は17日の経団連の記者会見で、『難しい状況だというのは事実だ。もう限界だよとイギリス政府には言ってある』と述べました」。
「もう限界だよ」というのはまさしく日立の本音でしょう!

● さらに一押しのための署名にご協力を!

ただしさらに一押しも二押しもした方がいい。
その点でFoEJapanがいままさにこの時に、以下の署名を求めているので僕もサインしました。
みなさんもぜひご協力ください。愚かな原発輸出をこれで完全に止めましょう!

▼あと一押し! 署名にご協力を!!
(一次締め切りを1/7に繰り上げました)
http://www.foejapan.org/energy/export/181012.html
http://www.foejapan.org/energy/export/180305.html

● 国内での再稼働が強まる可能性が・・・

さて安倍政権と原子力推進派による原発輸出路線が完全に潰えつつあるいま、今後、政府と原子力推進派が国内の再稼働の動きを強めてくる可能性があります。というかもうそれしか道がない。
懸念されるのは、政府や電力会社、メーカーなどが追い詰められて遮二無二再稼働に走ることにより、事故の可能性がより高まることです。
私たちはいま原子力産業が風前の灯にあるとともに、だからこそ断末魔のように無理な稼働に走る可能性があることをしっかり見据えておかなくてはなりません。

そこで私たちが対抗的に訴えなければならないのは、そもそも世界中のどこにも売れない原発を日本で動かし続けて良いはずがない!という点です。
原発はなぜ売れないのか。いま考えられる安全対策を施すともうそれだけでコスト割れするからです。
では日本の原発はなぜ採算に合うのか。答えは簡単です。いまほど安全対策を施さず十分にペイできる予算で作ったからです。まさにここが問題です!

● 世界に売れない原発を動かし続けて良いはずがない!

原発はすでにして新しく作ろうと思ったらとても採算に合わないしろものなのです。
反対に言えば、かつて作ることができたのは、今よりもずっと安全対策のレベルが低かったからです。
だとしたら「そんなもの動かしてはいけない!」という答えは簡単に出ます。

「いや新規制基準で安全対策を追加したではないか」という反論があるかもしれません。
しかしあらゆるプラントで言えることですが、もともとの設計段階に入っておらずに後付けしたものはそれだけでもう信頼性が低いのです。
例えばベントしかり。福島原発事故の際、後付けのこの装置はなかなか作動しませんでした。1号機と3号機は圧縮空気を送り込む「ウルトラC」で弁が開きましたが、2号機は最後まで弁が開かなかった。ベントなどできなかったのです。

この点で後から多様に付け足した「安全対策」ほどあてになるものはありません。
だからこそ何重にも対策が重ねられているのでもあります。一つ一つが信頼ならないからこそ次から次へと対策が重ねられているのです。それ自身、根本的に安全性を確保できてない証左です!
これらの点をしっかり踏まえて、私たちは「世界のどこにも輸出できない原発を国内で動かして良いはずがない!」という声を上げましょう。いまこそ「すべての原発の運転を止めて廃炉にせよ」という声を高めよう!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1631)日立、英原発計画凍結へ! ついに安倍政権の原発輸出計画がすべてとん挫!

2018年12月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181216 23:30)

再びとても嬉しいニュースが飛び込んできました。
日立製作所がイギリスへの原発計画を断念し、凍結を決めて「日米両政府にこの方針を非公式につたえたもようだ」(共同通信)というのです。
面白いことにこの記事を今日、最初に配信したのは、トルコへの原発輸出断念のときは沈黙を決め込んでいた読売新聞でした。
もっとも凍結に向かっているという報道そのものはすでに12月10日にANN-テレ朝からも出されていたので読売新聞が最初に報道したとも言えないのですが。

ともあれ今のところ出ている記事のアドレス一覧を示しておきます。
テレビニュースのアドレスも幾つかご紹介しておきます。興味のある方はお早めにご覧下さい。

日立、英原発計画を凍結へ 安倍政権輸出案件、全て暗礁に
共同通信 2018/12/16 16:28
https://this.kiji.is/446920761068766305

この記事には計画予定地のアングルシー島の位置も紹介されているので全体をご紹介しておきます。

日立の「原発計画」凍結か、出資企業集め難航
読売新聞 2018年12月16日15時00分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181216-OYT1T50004.html

日立製作所 英原発計画を凍結へ
TV TOKYO 12月16日
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/txn/news_txn/post_168426

日立、イギリスでの原発建設計画を凍結へ
TBS NEWS - 12月16日(日) 21時3分
https://news.myjcom.jp/video/story/3550628.html

日立が英原発建設計画「断念も視野」 建設費増大で
ANN 20181210
https://www.youtube.com/watch?v=d1A_hDDPs3Q


さてトルコへの原発輸出の断念が伝えられて時にも詳述しましたが、これは私たち民衆の原発反対運動の積み重ねの中で実現されつつあることです。
またもや私たち民衆の勝利です!嬉しい!素晴らしい!
もちろん「私たち」というのは世界で「原発をゼロに」と歩んできている民衆全体のことです。

トルコでもイギリスでも、計画断念が濃厚な理由は「建設費が高騰した」ことだと報道されています。
しかし問題はなぜ高騰したのかで、それこそ世界の民衆が原発反対の圧倒的に声を強めたからなのです。
だから各国の規制当局が事故対策を強めざるを得なくなり、そうしたらすぐに建設費が倍近くに膨れ上がって採算が採れなくなり、次々と破産してしまったのです。

さらに日本ではこれが安倍政権の屋台骨を揺るがす事態に発展しています。
原発輸出がアベノミクスの一つの柱だったからです。それが完全に折れてしまったのです。
この決定的事実を私たちはしっかりと見据え、さらに「原発いらない!」「再稼働反対!」、そして「安倍政権は退陣せよ」の声を高めましょう。

おごるる平家は久しからず!安倍政権も必ず倒せます!

さらに前へ!!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1630)南仏ナルボンヌ反核サマーキャンプ参加報告を群馬で行います!トルコに関する報告も加えます!!(11日)

2018年12月08日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181208 23:30)

11日火曜日に反核サマーキャンプ2018inナルボンヌ報告会を行います。
古民家『くらしや』@榛東町・北群馬郡にてです。
一緒にナルボンヌに行った群馬県在住の辰巳玲子さんのお招きです!

ナルボンヌのことだけでなくこれまでのヨーロッパ各地への訪問の積み重ねをまじえてお話します。
午後と夜と2回開催してくださいます。ありがたい!

トルコに関する報告ももちろんします。これまでの関わりの総体を振り返りつつ、原発輸出計画が断念されたことを参加されたみなさんと祝いたいです!
ぜひ群馬の方、近県の方、お越しください!
なお今回はこれまでの各国への取り組みの紹介として、新聞記事のまとめを作りましたので、それをここにも貼り付けてご紹介しておきます!

*****

2018年12月11日(火) 古民家『くらしや』@榛東町・北群馬郡
国際反核サマーキャンプin ナルボンヌ・フランス 参加報告会
https://www.facebook.com/events/307665396751179/?active_tab=about

京都からフリーライターの守田敏也さんにお越しいただき、本年8月6日~12日まで、1週間にわたってフランス・ナルボンヌで開催されたInternational Anti-Nuclear Summer Camp(国際反核サマーキャンプ)の報告会を開きます。
守田さんは日本コーディネイターとして、今年はヒロシマ・ナガサキデーを日程に組み込むことを提案されました。
それが私の背中を押してくださり、原爆投下と深く関係する映画『ホピの予言』上映、そして、共に参加した日本の方々と祈りのセレモニーをさせていただくことに繋がりました。
古民家「暮らしや」の会里さん新さんのおかげで、交流会もわいわい遅くまで集うことができます。
この機会に、ヨーロッパの原発事情、国際的な輪を結ぶことの手ごたえに触れていただけたら嬉しいです。

★内容
からだもこころも喜ぶおひるご飯 
12:00~13:30 
1,200円(ごはん、汁物、おかず3品以上)
1,500円(+手作りデザート、珈琲など飲み物)
※ご希望の方は、9日までにお申込みください。

報告 午後の部 13:30~15:30 参加費 1,500円

報告 夜の部 18:30~20:30 参加費 1,500円

交流会 夜の部が終わり次第 参加費 500円or 薪割り1カートン+1品持ち寄り 

★お申込み
1、おひるごはん 2、午後の部 3、夜の部 4、交流会 5、お名前、6連絡先
以上を明記して、以下にお申し込みください。
landandlife1986@gmail.com
メッセンジャー辰巳玲子(Reiko Tatsumi)でもOK!

※懐具合の許す方は、カンパもよろしくお願いします。
東奔西走されている守田さんへお渡しします。

※お泊りご希望の方は、寝袋ご持参ください。
お布団貸し出しの場合は500円。
翌朝のかんたんごはん300円です。
お申し出くださいね。

★古民家『くらしや』
https://www.facebook.com/古民家くらしや-261724948019812
370-3504北群馬郡榛東村広馬場176

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1629)トルコへの原発輸出断念を発表しないのは安倍首相のメンツを守るため?

2018年12月06日 17時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181206 17:30)

● 原発輸出断念は安倍・エルドアン会談で確認された!

トルコへの原発輸出断念に関する記事の続きです。
本日6日にようやく大手の朝日新聞がこのことを記事しました。日経のスクープに2日遅れましたが、重要なポイントが示されています。
ひとつにこの話が出てきたのが、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた主要・地域(G20)首脳会議に出席するために同地を訪れた安倍首相がトルコのエルドアン大統領と1日に会談の場であることです。
両国首脳はこの場で「原発計画について話し合い、実現が難しくなっているとの認識を共有した」というのです。

さらに記事では以下のことが指摘されています。
「ただ、あからさまに交渉決裂の形になれば首脳2人のメンツをつぶしかねない。そこで政府は来年1月、世耕弘成経済産業相をトルコに派遣し、原発の代わりに最新鋭の石炭火力発電所をつくる計画を示す方向だ。
「『断念』という言葉まで使うかは分からないが、石炭火力の話を持って行くということは、そういう意味だ」(政府関係者)」

要するにもう原発計画は無理だとの認識に到達したのだけれど、交渉決裂になれば二人のメンツがつぶれるので、判断をぼかし、石炭火力の話にすげ替えようとしているというわけです。
しかしそんなことをしても安倍首相の進めてきた原発輸出路線が完全な破たんの寸前にあることは明らかです。
朝日新聞はこのことを意識して、主要な原発輸出計画がみなとん挫し、残るイギリスの計画も難航していることを示した図を掲載しています。記事と図を示しておきます。

断念・頓挫…行き詰まる原発輸出政策 トルコは「失望」
内藤尚志、太田成美 桜井林太郎 イスタンブール=其山史晃
2018年12月6日10時20分
https://digital.asahi.com/articles/ASLD5538WLD5ULFA01N.html

日本政府・企業の主な原発輸出計画 朝日新聞2018年12月6日記事より

● 原発を先頭で推進してきた読売新聞は政府の発表待ち・・・政府広報紙になってしまった!

一方でもっとも原発を推進してきた読売新聞は依然沈黙を守ったままです。その理由について読売新聞内部に詳しい方から驚くべき情報を得ました。
なんと今回の件、読売新聞は「政府発表を待ってから論評すると社内決定した」というのです。理由は定かではありません。しかしそれでは政府の広報にしかならないことは明らかです。
報道には「発表報道」と「調査報道」があります。政府の広報などを載せるのは「発表報道」で、取材する側が主体性と継続性をもち、真実を突き止めていこうとするのが「調査報道」です。
そもそも政府の広報を待っていたのでは、政府にとって都合の悪い事実など、明らかにできるはずもない。

実際、今回の朝日新聞の報道では、政府が計画の大失敗に直面している安倍首相とエルドアン大統領の「メンツを守る」ために、公的に認めぬまま、なし崩し的に「石炭火力」に差し替えようとしていることを指摘しています。
これに対して読売新聞の沈黙は、この後に及んでもメンツを守って逃げ切ろうとする安倍首相とエルドアン大統領を助けることにしかなりません。これに対して内部でも「報道機関としてあまりに情けない」という声があがっているそうです。

ただし読売新聞の沈黙は、安倍首相だけでなく自分たちのメンツもまた丸つぶれになってしまっているからであることも指摘しておきたいと思います。
なぜなら読売新聞こそ、正力松太郎氏のもとで中曽根康弘議員と組み、アメリカCIAとすら一体となって日本に原発を導入してきた張本人だからです。原爆に怒る日本の人々を「原子力の平和利用」の名のもとに洗脳したのがこの新聞だったからです。
その点を考える時、読売新聞の沈黙は、むしろ原子力政策が抜本的に行き詰っていることを表す顕著な事態でもあるといえるでしょう。

読売新聞が載せた「原子力講演と映画の会」の広告 1949年6月10日朝刊掲載
CIEとは、Civil Information and Education Sectionの略で、GHQの民間情報教育局

● 原子力政策の破たんは明らか!原子力からの完全撤退を求める声を強めよう!

それにしても朝日新聞が掲載した表からも安倍政権の原発輸出路線が総破産を迎えていることは明らかです。
原発輸出は国内での新規建設がまったく見込めない中で、原発建設の技術を生き延びさせるためにも目指されてきたことでした。
その原発輸出路線が完全に破たんしてしまったのですから、原子力政策の延命策の大きな環が断ちきられたも同然です。だから読売新聞も沈黙しているのです。

私たちは日本政府が原発輸出の断念を発表しないことで守ろうとしているのは安倍首相のメンツだけではないことをおさえなくてはなりません。
いよいよ国策としての原子力政策の命運がつきようとしているのです。だからこれほどのトップニュースが、読売新聞だけでなくNHKでもいまだ報道されていなことにも注目する必要があります。
それだけ政府が、原発路線の大破綻に人々の注目を集めたくないのです。

私たちは今こそ「原子力政策の破たんは明らかだ!完全撤退せよ!」という声を上げていきましょう。
トルコの人々が美しいシノップを守り切ったように、私たちも頑張れば必ずこのことを実現できます!
頑張りましょう!

トルコ・シノップの「原発はいらない」と書かれたフラッグを持つ著者 
2015年5月の「原発いらないコドモデモ」より(京都市三条河原)
 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1628)トルコへの原発輸出断念は日本の原子力産業終焉の序曲だ!

2018年12月05日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181205 23:30)

トルコへの原発輸出断念、その後の報道について

昨日4日に、日本政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念するという報道がなされました。
最初に報じたのは日経新聞です。続いて東京新聞、共同通信、時事通信などが流し、今日になって産経新聞、日刊工業新聞、赤旗などが報じています。
興味深いのは今のところ、NHK、朝日、毎日、読売などの大手が沈黙していることです。
4日の段階では世耕弘成経済産業相が「現在まさに(トルコ側と)協議を行っている最中だ」「何らかの決定が行われた事実はない」と述べたため、政府からの公式声明を待っているのではないかと思われます。

テレビニュースではいまのところ朝日新聞系列の「テレ朝」が報道を行っています。
「計画を断念する方向で検討していることが分かりました」と慎重な言い回しをしていますが、「トルコでの原発計画は日本政府のインフラ輸出戦略の目玉でしたが、暗礁に乗り上げることになります」と結んでいます。

トルコの原発計画中止を検討か 費用負担折り合わず
テレ朝 20181204 11:54
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000142245.html
https://www.youtube.com/watch?v=sYGRsNNrW8g

おそらくはまだ公式発表に至ってない決定をこの問題を追いかけてきた日経新聞がつかみ、すっぱ抜いたのでしょう。
この間、日経新聞は一貫して原発輸出は困難ではないかという観点からの記事を連投してきたので、その点からも先んじて情報をつかみ報道したのではと思われます。

「現地の反対運動も懸念材料」と産経、「原発ビジネスは世界的に見ても厳しい」と日経

さてこれらの記事中でも興味深いのは、安倍官邸に最も近い産経新聞の以下のような指摘です。
「東日本大震災を受けて、安全対策費が上昇。総事業費が当初想定の2倍以上の5兆円規模に膨らみ採算確保が難しいとされていた。
加えて、予定地の周辺には活断層があるとされ、政情不安や現地の反対運動も懸念材料となるなど、23年稼働は厳しい情勢だった」

ポイントがきちんと押さえられていると思います。安全対策費の上昇によって総事業費が2倍以上になったことに加えて、活断層の存在、政情不安とともに「現地の反対運動も懸念材料になるなど、23年稼働は厳しい情勢だった」と「過去形」で書いています。
現地の反対運動=シノップの方たちの粘り強い抵抗が、計画の断念される大きな材料であったことがうかがえます。


原発反対市民集会 2013年11月 トルコ・シノップ

一方で大事なのはこの決定の日本および安倍政権に与える影響です。
この点、テレ朝がインフラ輸出戦略が暗礁に乗り上げることになった点を指摘していることを紹介しましたが、日経新聞は以下のように論じています。

「これまでベトナムやリトアニアで日本勢が交渉を進めていたが、東京電力福島第1原発事故以降の安全対策コストの急上昇や政権交代などで撤回や中断に追い込まれた。
日本だけでなく、原発は高価でリスクの高いエネルギー源としての認識が世界的に広がっている」
「再生エネルギーの普及で、原発ビジネスは世界的に見ても厳しい環境に置かれている。
世界大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は今秋、経営不振が深刻な電力部門を組織再編し、ガス火力発電部門と、原子力や石炭を含むその他部門に分割すると発表した。
ドイツでもシーメンスが11年に原発事業から撤退した。東芝は06年に米原子炉大手のウエスチングハウスを買収したものの、巨額の損失が発覚し、経営危機に陥った」

日本の原発事業、岐路に トルコで断念へ 案件、英の計画のみ
日経新聞 20181204 朝刊
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3849942003122018TJ1000/

安倍成長戦略の要の原発輸出政策が行き詰まり原子力産業終焉の日が近づいている

日経新聞はさらに原子力産業が極めて厳しい局面にいたっていることを指摘する記事を5日に追加しました。タイトルで原発輸出を「袋小路」と名指しています。

「官民一体で進めてきた原発輸出は袋小路に入った。新設が見込めない国内は事業縮小が相次ぎ、次世代の原子炉開発も暗礁に乗り上げている。日本の原発事業を支える技術力の維持に黄信号がともる」
「原発を敬遠する動きは次世代の技術開発にも影を落とす。日本がフランスと進める次世代原子炉開発で、仏政府は20年以降、計画を凍結する方針を日本に伝えた。
使用済み核燃料を減らす高速炉技術で、自前の高速炉計画を持たない日本にとって大きな打撃となる」
「国内外で原発の新設受注を失う日本メーカーにとって、最大の課題は技能伝承による技術力の維持だ。日本電機工業会の資料によると、日本の原子力従事者はピークだった10年の約1万3700人から16年に約3000人減少。このうち技能職は4割減った」

袋小路の国産原発輸出、三菱重などトルコ計画断念
2018/12/5 2:00 日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38552990V01C18A2EA2000/

トルコ民衆の勝利は日本民衆への大きな贈り物!

これらから私たちがつかみとっておくべきことは、トルコ民衆の奮闘のもとに実現された日本から原発輸出の断念によって、安倍政権の成長戦略の柱が折れ、日本の原子力産業の大きな行き詰まりがもたらされていることです。
その点でトルコ民衆の頑張りは私たちへの大きなプレゼントにもなっています。日本の核の灯を止める展望が開けてきているからです。

安倍政権はなぜ原発輸出を成長戦略の柱の一つとしてきたのか。一つには強いられた選択でもあったのでしょう。いまここで原発を輸出しなければ、日本の原発建設の技術が衰退し、ダメになることが見えていたからです。
しかし一方で安倍政権は常に自分にとって不利なことをまともに見ずに、嘘やはったりで政策を押し通してきた政権です。だからこそ高まる原発輸出のリスクをみようとせず、トップセールスで強引に展望を開こうとした。
しかしビジネスの世界では嘘もはったりも通用せず、結局、原発輸出はどの国に対してもまったく成功せず、ただの一つの成果もあげられないままに袋小路に陥ってしまったのです。
なかでも福島原発事故を振り返りもせずにひた走った結果、瓦解してしまったのが東芝でした。子会社のウェスチングハウス社がアメリカでの原発建設難航で巨額の赤字を出してしまったのです。東芝は原発輸出から完全撤退するも倒産寸前です。

これを見てすでにこの3月にトルコの計画からいち早く丸紅が逃げ出しました。安倍成長戦略に見切りをつけたわけですが、三菱重工も同様に音を上げ、これ以上、安倍政治に付き合えなくなったのでしょう。
その点でトルコ民衆の奮闘は安倍政権に大きなダメージをもたらし、日本の原子力産業に展望も大きく失わせています。私たちはここにこそ注目し、この貴重なプレゼントをしっかりと受け取って生かすのでなければなりません。

成長戦略の柱が完全に折れたこと、そればかりか各社の離脱が開始されたことで、安倍政権は産業界への影響力も間違いなく落としています。「安倍一強」が崩れ、嘘とはったりだけで政策を押し通してきた姿が隠しようもなくなってきています。
この流れをさらに強くするために私たちは残された原発輸出計画である、日立のイギリスへの輸出計画を食い止める奮闘を強めましょう。そのことでこそ日本の核の灯を止める展望は確実に深まります。

#トルコ #原発輸出断念 #シノップ #トップセールス失敗 #三菱重工

***

この記事に共感していただけましたらカンパをお願いできると嬉しいです。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/500

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする