フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

監視カメラ

2013-02-28 18:09:59 | Weblog
犯罪ドラマだけかと思いきや、現実の事件でも無人の監視カメラから犯人が特定されることが多くなっています。ちょっと前のデータですが、ニューヨーク市の平均的人間は、一日に74回無人カメラに記録されているそうです。さらに付け加えるならば、この種のカメラは全米におよそ200万台、人口140人当たりに1台の割合で稼働しているそうです。前のデータだけに現在ではもっと数字が増えているでしょう。まさに監視社会です。
先日来話題になった北挑戦のミサイル発射実験や原爆実験の際にも、衛星カメラが活躍しました。もちろん日本でも今や、あらゆる場所で監視カメラが動いています。凶悪犯がこのカメラのおかげで逮捕されるニュースに触れると文明の利器に素直に敬意を表していますが、考えてみると少し不安にもなります。カメラが社会の健全を保つということが不健全だという未来不安が沸き起こって来ます。単純に犯罪抑止の為のカメラと割り切ればいいのですが、いまひとつふに落ちないのです。大袈裟にいえば、人間の尊厳がカメラによって犯されているような気がしてなりません。ああ、こうした状況を作り出したのも人間ですが。

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