フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

遁辞(とんじ)

2008-02-27 20:45:39 | Weblog
ある新聞のコラム欄のタイトルに「遁辞とんじろうする」とありました。辞書には「遁辞」は逃げ口上、いいわけと書かれています。
ここ数年のニュースには確かに経営トップや組織のトップの遁辞が数多く載せられています。まさに「遁辞」の洪水といってもいいでしょう。特にその最大の「遁辞」は「自分は知らなかった」「原因を究明する事が責任の取り方である」というもので、何度聞かされたことでしょうか。責任のがれのマニュアルではないでしょうか。もう一つあげるならば「多忙で・・・」云々があります。
古くから「多忙とは怠け者の遁辞である」(徳富蘇峰)といわれていますが、確かに忙しい忙しいと言う人に限って端から見ていて時間の使い方にすき間がある様に思えてなりません。忙しいという言葉自体が心を亡くすという意味なので、余り使わない方がいいと聞いた事もあります。
この時間のすき間は、徳富蘇峰が「今日為すべきことを今日しなかったら、明日は必ず多忙である」と続けて言っている様に、明日へ明日への先送り精神が生み出すものでしょう。
「夢は語れ」といいますが私は心に刻み込む為に夢を書き出す事をすすめます。つまり「書く事は心に刻むこと」なのです。自分の夢や目標を箇条書にしていつもポケットにしのびこませておく。こうしていれば、今、この忙しさを「遁辞」にする事は決してありません。
夢や目標のゴールにむかっているのですから、心に刻んだ事をいいわけにするなんて考えられませんね。