ゆったりと温泉に入って。街の中を散策して。気に入った風景に出会ってスケッチできたらもう…充分。そんな気分だったのですが…。昨夜夕食の後ホテルのロビーで手にした案内パンフに目が止まって。なんとバスで20分ぐらいの所に「日光江戸村」があるとの事。にわかに心が動き出しましてね。(ハハハ)「江戸時代へよくぞ参られた」とのコピーに惹かれて訪ねてみる事にしたのです。時代小説・時代劇大好きの僕はもう興味津々。どんな出会いが待ち受けているのだろう?と。
日光江戸村へ向うバスに乗り込んで。途中に「ワールドスクウェア」というテーマパークもあるらしくバスの中は超満員!!車窓からは紅、白の梅の花が満開で見え隠れ。天気は上々。なんていいー日に恵まれたんだろう?って。バスは山ふところに停車。春さきの山ってもわぁーっとうす紫色に煙るような表情が何ともいいですよね。通行手形を買い求めていざ!!江戸村へ。関所(?)で番人のチェックを受けて。街道をテクテクと。(ハハハ…昔の旅人気分で)「これより江戸まで○里」の道しるべを眺めながら…。
受付でもらった案内によると江戸村にはいろんな劇場があるらしく、その開演スケジュールが。何だか見てみたいものがいっぱい。間なしに辿り着いた江戸村。ヒエーッ!!街並みがあの時代劇に登場するそのものなのです。そして行き交う人達が商人やお侍、町娘、すべて江戸言葉(?)で話しかけてくるのです。時間をみたら伝統芸能の「水芸座」が始まる時間。場所がどこなのかあわてて商人ふうの人に尋ねると。
「何?ナニ?水芸でござるか?間もなく開演じゃ。あの火の見櫓を右に曲って突きあたりでござる」「ハ、ハーッ!!そうでござるか」なーんてついこっちまでつられたりして。よく時代劇で「水芸」をやってるの目にしたことありますが生で見るのはじめて。あの手にしたセンスから水が飛び出したり。それを途中で切ったりと。どんなしかけなんでしょうね…。更に頭から水が飛び出したり―と。もう舞台は水びたしでしょうに。そういえば入場する時、四角い白い紙をもらったのですが…折り紙でも?と思いきやなんとこれは「おひねり」用だったのですね。拍手拍手で演技が終るなりおひねりが飛び交って。さて、次の文化劇場の開演まではチト…時間があるので江戸の街を散策してみるか―と。侍や町娘さんが親しく話しかけてきて。日本橋を渡りましたらね。なんと「北町奉行所」が。これは!!とばかりハガキを出してスケッチ。
なんとここでは午後からあの遠山の金さんの名裁き、人情芝居があるというのです。これは何としても見なければ―。そうこうしているうちに文化劇場の「花魁ショー」が始まるとのこと。あわてて会場へ。開幕と同時に案内人が吉原・遊郭の説明を。そして「花魁」は江戸の人々の憧れの的だったと。琴・三味線・歌・知性すべてにおいて秀でた人でないとなれなかったと。へーっ!!そうだったんだと。で踊りのショーがあったのですが…そのきらびやかな衣装にもう…只、ただ見とれて。
お腹がすいたので、おそば屋さんへ。元気のいい町娘さんが注文を取りに。千五百両(?)の天ぷらそば「実においしゅうござった」午後はなんとしても遠山の金さんの名裁きを見なければと北町奉行所へ。弱きを助け、白州でシラを切る悪人にモロ肌ぬいで桜吹雪のいれずみを見せ、ぐうの音も出ない名裁き。だいたいあら筋はわかっていても何度見てもスカッ!!と爽やかな気分になって。ここでは演ずる人と観客が一体となって爆笑ゝの中で―。今回の鬼怒川温泉の旅は「一件落着!!」(ハハハ)