会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1565

2017-10-12 19:07:09 | Weblog
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最後の奈良見学旅行7  2014・8・21(木)

 翌朝、よく晴れたよい秋日和、住職の厚意で金堂、講堂の密教美術の粋を拝むことができた。

  わくらご は あな うつくし と みほとけ の 
        みどう の やみ に こゑ はなち つつ  解説

 道人は金堂でも手燭を点して、沢山ならぶ仏たちをゆっくり、しずかに見せてくれた。「わくらご」とは、若い学生たちを古風に呼んだ。思わず「美しいなあ」と溜息のような声がこだましたが、わたしもその一人だった。かって大正十一年(1921)八月のさ中、道人ははじめて室生寺を訪ねたときの感動と陶酔を、若い学生たちに味わせたかったのだろう。室生寺は道人が奈良美術の研究を手がける出発点だった。最初に世に出したのは『室生寺大観』であった。そして最後に残しておいた研究テーマでもあった。金堂には釈迦・薬師如来の立像がが立ち、文殊・地蔵菩薩、さらに十一面観音の五体が安置されている。

 しよく とりて むかへば あやし みほとけ の 
         ただに います と おもほゆる まで   解説
 この歌は十一面観音立像である。手燭をとって近づけば、うら若く、あやしいまでに女性のお姿である。薬師寺の東院堂の聖観音と同じように、しばしば理想の男性像、女性像で仏身を表現する。


 室生寺の金堂には五体の仏像(本尊釈迦の左に文殊、十一面観音、右に薬師、地蔵)が並び立ち、その手前に十二神将立像がある。何度でも訪れたいところであり、とりわけ十一面観音立像は素晴らしい。


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