会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1440

2017-06-04 20:25:56 | Weblog
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「平城山を越えた女」と「香薬師像」 2013・5・7(火)
 内田康夫原作の「浅見光彦シリーズ47 平城山を越えた女」が、5月10日(金)21時~22時52分フジテレビ系で放送される。ぜひ見て欲しいドラマである。
 古都奈良を舞台にした「香薬師像」(新薬師寺)盗難事件を扱う。会津八一は香薬師を愛して、歌11首を詠んでいる。八一好きで仏像作りをする素空は、行方不明のこの像を早大文学部にあったレプリカを頼りに彫った。
 ドラマ放映は友人・鹿鳴人のブログで知ったのですぐに録画予約した。

 以下、香薬師について素空の八一ページから転載する。

 八一自註
 おもふに、わが「香薬師」は、本来この堂(香山堂)に祀られるを、何故かこの堂は早く荒廃して、この像は「新薬師寺」に移され、その後はその記念のために「香」の一時を仏名の上に留めたるなるべく、寺そのものも、この像あるがために、・・・・「香薬寺」といふ別名を得るに至りしなるべし。

 また別の八一自註では
 「この像はさきに盗難にかかること二回なれども、多少の損傷はともかくも、二回ともにめでたく寺中に戻りたまえり」と書いている。盗んだ犯人はこの銅造の香薬師仏を金で作られていると勘違いしたらしく、確認のため両手首を切り落としたと言う。その時は数日して畑の中から出てきている。

  八一は亀井勝一郎の対談でこんな話をしている。
 『・・・何時も私の行った後で盗まれた。それが三度もあった。私も連累ではないかと怪しまれやしないか。』 会津
 『あの仏像を見ていると盗みたくなりますね。』 亀井
 『そうなんです。盗難にあった後、・・・吉井勇が「香薬師もとの御堂に還れよと秋艸道人歌よみたまえ」などと書いている。私は失くなられる度に因縁が深い。』 会津