転生の宴

アヴァロンの鍵対戦会「一番槍選手権」を主催するNishiのブログ。最近はDIVAとDBACのプレイが多めです。

COJショートショート:メリー・クリスマス・フロム・アルカナ(その1)

2014-12-11 00:26:50 | 創作物(M・o・Aちゃん他)
昨日は色々あって夕方から吉祥寺へ。
タイトーのダラバーの様子が気になったというのが一番の理由です。

一昨日見たところ筐体周りのファイルやのれんが片付けられていて、
新作と入れ替えで撤去されるのではと予想していたのでした。
一方ネットではパズドラとグルーヴコースターが減台、
アンサーアンサーが撤去という話だったので、
残っている可能性もあると思って行ってみたところ、
3階の奥側に移動という形になっていました。
ひとまず「9消し」も続投ということで、
イガタニ・ウホドイカの両星系をひと通り攻略してきました。
これでLV4星系で多人数以外が残っているのはオズシカ星系のみとなりました。
こちらもぼちぼちとやっていけたらと思っています。

――

そんな訳で先日予告したショートショート、
「メリー・クリスマス・フロム・アルカナ」の第1話が完成したのでお送りします。
お楽しみ下さい。

・過去作品
クエスト・フォー・ザ・ムーン その1
クエスト・フォー・ザ・ムーン その2
クエスト・フォー・ザ・ムーン その3
クエスト・フォー・ザ・ムーン その4
クエスト・フォー・ザ・ムーン その5
クエスト・フォー・ザ・ムーン その6
クエスト・フォー・ザ・ムーン その7(エピローグ)

ロボトミー・ソルジャー その1
ロボトミー・ソルジャー その2
ロボトミー・ソルジャー その3
ロボトミー・ソルジャー その4(完結編)

切札戦士 ジョーカー13(ワン・スリー) 第14話

バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード その1
バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード その2

エージェント・イン・スイムスーツ(1話完結)


<<<メリー・クリスマス・フロム・アルカナ その1>>>

作:Nissa(;-;)IKU

西東京のとある雑居ビル。

高さでいえば30階程度。この時代ではそこまでの高層建築ではないが、各階にゲームコーナーや居酒屋、古本屋などが立ち並ぶ、旧世紀の雰囲気を残した建物である。

クリスマスを控えて、どの階も買い物客で溢れている。そんな中、17階にある喫茶店「スター」は臨時休業を迎えていた。

ドアに掛けられたホログラム黒板には「スタッフ研修の為休業します」と書かれている。実際カウンターの奥では白いコック服にコック帽の青年が揚げ物と焼き物の世話をしている。

その服や帽子には野菜を模したバッヂや、樹の枝状の飾り付けが施されている。「雪だるま」をイメージして、即興で付けられたものである。

一方室内の一角にあるソファでは、一人の男がクラッカーとチーズをつまみながら、ビールのジョッキを飲み干そうとしていた。身長190センチは優に超え、癖の強い縮れ毛を持つその大男の体は、枝状の角の付いた褐色の着ぐるみに包まれていた。まさに「トナカイ」といったところである。

彼が丁度3杯目のジョッキを飲み干したところで、一人の若い女がカウンターから現れた。「お待たせしました、生とフライドチキンでございます」ジョッキと料理を丁寧にテーブルの前に並べ、空のジョッキを手にとった。

彼女の身につけている緑色のワンピースは、オーナメントを思わせるバッヂやワッペンで飾り付けられ、腰の近くまで入ったスリットからは、褐色のタイツに包まれた太腿がが露わになっている。そのタイツもモールをイメージしたラインストーンで飾られ、さながら「クリスマスツリー」の様である。

「おう、待ってたぜ」男は傍らにあったカメラを手に取ると、まずは並べられたビールと料理に向けてフラッシュを焚き、その後カメラを「クリスマスツリー」に向けた。「それにしても沙夜、暫く見ないうちにえらく大人になったじゃねえか」

「お客様、店内での写真撮影はご遠慮下さい、それと…」「沙夜」と呼ばれた女はレンズを一瞬だけ手で覆う仕草を見せた後、すぐに手を戻した。「…飲み過ぎには気をつけるのじゃぞ、軍司」

「いいじゃねえかよ、他にすることも無いしよ」縮れ毛の大男、「軍司」はそう言いながらも2度めのフラッシュを焚いた。沙夜の表情が緩んだタイミングを狙ったのだ。「いい表情だ、今からメールで送るぜ」カメラの上では彼女の妖艶な微笑がホログラムで浮かび上がっていた。

「流石はプロじゃな」沙夜は挑発するかの様に片足を上げ、太腿をスリットから露出させてみせた。「なら、これはどうじゃ」「おいおい、お前本当に中学生か?」軍司はやや動揺しながらも、次々とフラッシュを焚いた。華奢だが不思議な妖艶さを持つ姿が次々とホログラムで浮かび上がった。

実際沙夜はまだ中学生であり、寧ろ「少女」というべき年齢である。勿論バイトができる年齢ではないが、営業時間外ということで、カウンターの青年、「光平」に臨時の助手兼ウェイトレスとして抜擢されているのだ。料理の腕前の確かさを認められてのことである。

「沙夜ちゃん、おじさんをからかうのはそれぐらいにして、ちょっと手伝ってくれないか?」二人のやり取りに割り込んだのはその光平である。「丁度今ピザが焼きあがるところなんだ」「了解した、今から戻るぞ」

「誰がおじさんだっ、これもちゃんとした仕事なんだからなっ」カウンターへ戻る沙夜の後ろ姿に、男は憮然とした表情でもう1回フラッシュを放った。

――

さてこの「研修」中に店内にいる3人には、共通点がある。彼らは異次元空間「アルカナ」での救助活動を中心に行う政府機関「アルカナ観察チーム(AST)」のメンバー、それもアルカナ内で実際に活動を行う「エージェント」なのである。

エージェント達は年齢・職業もばらばらで、そもそも一度に集まる機会自体が少ない。しかしクリスマスを数日後に控えたこの日、7人のエージェントの休みがたまたま一致した為、少し早い目の「クリスマスパーティ」を開催しようという流れになったのである。

その会場となった喫茶店「スター」には――より正確には「スター」のあるビルには秘密があった。一般には知られていないが、この建物自体がASTの管轄であり、屋上にはアルカナに繋がる「ゲート」が、そして地下にはASTの秘密基地の1つが隠されているのだ。

その秘密基地に行き来できるエレベータの1つが隠されているのが、この「スター」という訳である。パーティをやるには最適の場所といえるだろう。

ピザや串焼きを丁寧に皿に盛り付ける沙夜の手元を軍司が数枚ほど撮ったところで、ソファの横にある壁が動き出した。先述の隠しエレベータである。そして中から1人の少女が現れた。

「お待たせ!」髪を桜色に染めたその少女は、赤いドレスを白いファーで飾り付けた伝統的な「サンタガール」姿であった。「さあ、2人とも出てらっしゃい!」

「やっと来たか!」軍司は挨拶代わりに「サンタガール」に向けてフラッシュを焚いた。「大分待ってたんだぞ綾花!料理も今丁度出来たところ…」

「…え?出たくない?駄目よ、ここまで来たら覚悟を決めないと…!」「綾花」と呼ばれたサンタガールの少女は、しかしエレベータの「かご」に向けて説得を始めるところであった。「他の人はいないから安心して…あっボタン押しても無駄よ?今ロックをかけたところだから…!」

業を煮やしたか、綾花は1人の手を無理矢理引っ張り、室内に引き倒した。うつ伏せに倒れこむ様に引き出されたのは、羽の付いた白いドレスに女児用の白いタイツ姿の「少女」である。青白いロングヘアーの「ウィッグ」にはリング状の飾り付けが施されていて、まさに「天使」という趣である。

「おい綾花、そいつにそれ着せたのかよ」軍司は吹き出しそうになるのを堪えつつ、「天使」が立ち上がるところに向けてフラッシュを4回ほど焚いた。「何だよおじさん、写真撮影なんて聞いてないぞ」天使の声はまさに少年のそれであった。

<<<その1終わり、その2につづく>>>

そんな訳で長くなりそうなので、
2話ぐらいに分けてお送りする感じとなりました。
何とかクリスマス前には完結させたいところです。

そしてもう一つ。
先日も紹介しましたが、
ArKitypeさんのSSの第2弾ができていました。

【SS】 月夜の如き少女 part1 【COJ】
ArKitypeの儲話より)

こちらも楽しんでもらえればと思います。
これらに興味を持たれたら、
自分でSSを創作してみるのも良いでしょう。

以上、新作SSのお話でした。

――

◎宣伝

転生の宴セガR&D1サポーターズサイトに登録されています。興味を持たれましたら投票してみるのも良いでしょう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 沙夜のスカートの下が見えそ... | トップ | 1.3カードランキングチェック... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

創作物(M・o・Aちゃん他)」カテゴリの最新記事