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【みんな生きている】脱北者経歴詐称編

2013-04-05 19:55:43 | 日記
《「生きるための嘘」脱北者の経歴詐称問題》

脱北者で初めて韓国の国会議員になった、与党セヌリ党の趙明哲(チョ・ミョンチョル)議員が3月15日、学歴詐称の濡れ衣を晴らしたとする報道資料を発表した。
昨年4月初め、趙議員が国会議員総選挙に比例代表で出馬するや、ある脱北者が「金日成(キム・イルソン)総合大学の準博士(修士に相当)止まりにもかかわらず『博士学位を有している』という虚偽の学歴を記載し、公職選挙法に違反した」として告発した。
これに対し趙議員は「韓国入りした当時の韓国政府の決定に従って学歴や経歴を表記したに過ぎない」と主張、検察は「嫌疑不十分」として不起訴とした。
告発した脱北者はこれを不服とし、裁定申請(不起訴の決定を不服とする申請者が高裁に対し裁判の開始を要請できる制度)を行ったが、裁判所がこれを却下したことで、学歴詐称をめぐる争いは一段落した。
ところが、趙議員の学歴を巡る論争は、これまで隠れていた問題をクローズアップさせるきっかけになった。
趙議員の学歴問題について告発した脱北者に対しては、別の脱北者が「学歴が一部事実と異なる」と主張する等、名の知れた脱北者たちが経歴を巡る疑惑を取り上げ、インターネット掲示板を賑わせた。
韓国入りした脱北者の数が2万4000人を超える中、これまで「共産大学教授」「朝鮮人民軍の軍官」等として知られていた人物の経歴が、誇張されたり、偽造されたりしたものだったという証言が相次いでいる。
ロシアへの留学経験があると主張するピアニストについては「才能のある人間がなぜ経歴を誇張するのか」として、周囲の人たちが残念がっているという。
北朝鮮軍(朝鮮人民軍)の軍医だったとされる脱北者はテレビ番組に出演した際「金日成万寿無疆(むきょう)=万年長寿=研究所」の研究員だったという経歴をひそかに付け加えた。
最近たびたびテレビ番組に出演する脱北者の女性は「私は金日成主席の主治医だった」と自己紹介したが、事実と異なるという噂が広がっている。
一部の脱北者たちが「金氏王朝」に対する復讐心から、誇張した証言をするケースもあるが、「北朝鮮にいたとき、金正日(キム・ジョンイル)総書記に会った」「金日成主席の前で公演した」といった「自己顕示型の証言」についても徹底的な検証が必要だ、と指摘する声が出ている。これらは一部の脱北者に限られた話だが、脱北者の社会に対する信頼を壊しかねない深刻な問題だ。
一部の脱北者たちが学歴や経歴を詐称したり誇張したりしても、不利益を被るわけではない。北朝鮮で高い地位に就いていたと主張すればするほど、さまざまな講演に招かれたり、テレビに出演したりでき、生計を立てる上でプラスになる。
韓国社会で無視されないため、そして生計を立てる上でプラスになるのなら、「誇張」や「嘘」であっても公言するようになる。そのような「成功」の事例はまた、脱北者の社会に急速に広まり、嘘が立ち、憧れの対象になる。
韓国内外のメディアの責任も大きい。刺激的なテーマだけに関心を向けるうち、脱北者たちの経歴詐称には目をつぶり、虚偽の学歴や経歴が次々と作られるというわけだ。
関係機関もまた、嘘だと知りながら「脱北者たちの人権、プライバシーを侵害することが懸念される」として放置しているような印象だ。
もっとも、韓国入りした脱北者たちが最初に収容される「ハナ院」からして、脱北者たちを再教育し、韓国に定着させようという努力が十分とはいえず「面倒な存在」として扱ってきた。それが韓国社会の恥ずかしい実情ではないだろうか。
脱北者を「裏切り者」と蔑み、北朝鮮の三代世襲を擁護するような人物が国会議員になる状況で、脱北者たちが韓国社会で自らを向上させられる可能性について絶望的に考えたり、あるいは逆に、手段を選ばずに自らの向上を図ろうと考えたりする限り「生きていくための嘘」はたやすいことかもしれない。
社会の指導者たちによる論文の盗作や破廉恥な行為が毎日のようにニュースになる社会で、死線を越えてきた脱北者たちに対し、非難する資格は果たしてあるだろうか。



※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者手記集より)
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