『暮らしの手帖』1986年9月号に「日比谷公園の木馬」と題して増田れい子さんがエッセイを書いています。この号は私の会社で今も僅かですが生産している木馬が取り上げられているので保存してあったのです。リンク機構を使った木馬を設計しているので読み返そうと思ったのですが見当たりません。HDDの中にはこのページをスキャナで撮った画像が入っていたので読むことは出来ました。
そして著者の増田れい子さんのことを調べると、小説『橋のない川』を書いた住井すゑさんの娘さんであることが分かりました。妙な勘が働いて、アマゾンで「増田れい子」を調べると暮らしの手帖社から『インク壺』という書籍が発行されていて、今でも入手可能だと分かりました。早速ユーズドを発注してみました。
数日後、その『インク壺』はやって来ました。題名は「公園の木馬」と変えられていましたが、まさしくあの記事です。
「何人のひとが、その木馬について知っているだろう。何人のひとが、そこに木馬があることを知っているだろう。
私も、つい最近そこに木馬があることを知ったばかりだ。場所は、東京のそれもまんまんなかの、日比谷公園である。ちいさなちいさな木馬である。
(中略)
その背に触れると、木馬は一瞬身じろぎしてすぐ快活におどり出した。思わず、そのゆらぎに誘われて私は木馬に乗ってしまった。懸命に木馬はかける。いじらし過ぎて、もう乗ってはいられなかった。
○
おりて気がついた。木馬に乗ったのは、これがはじめてだった。マネージ(回転木馬)には二度ほど乗ったことがある。でもほんとうは、こういうマネージでない自分でギコギコ操る小さな一頭の木馬にのりたいと、ずっとあこがれてきた。あこがれはと切れつつ続いてきて、きょう、おもいもかけず、日比谷公園の一と隅で、果たされたのである。
(中略)
淋しげな木馬も、幼な子を乗せたとき表情はかがやく。働くことが好きで、幼な子が好きな木馬よ。だから誰でも、木馬を愛しく思うのだ。」
さすがエッセイの名手は筆の力が違います。増田れい子さんに乗って頂いたのはこの木馬です。
さて同書には「花豆」という記事もありました。我が家のレシピとほぼ同じであることが分かりました。今日から連休、リンク機構の設計と経営計画書を書きながら、気分転換に『インク壺』を読むことにしましょう。
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そして著者の増田れい子さんのことを調べると、小説『橋のない川』を書いた住井すゑさんの娘さんであることが分かりました。妙な勘が働いて、アマゾンで「増田れい子」を調べると暮らしの手帖社から『インク壺』という書籍が発行されていて、今でも入手可能だと分かりました。早速ユーズドを発注してみました。
数日後、その『インク壺』はやって来ました。題名は「公園の木馬」と変えられていましたが、まさしくあの記事です。
「何人のひとが、その木馬について知っているだろう。何人のひとが、そこに木馬があることを知っているだろう。
私も、つい最近そこに木馬があることを知ったばかりだ。場所は、東京のそれもまんまんなかの、日比谷公園である。ちいさなちいさな木馬である。
(中略)
その背に触れると、木馬は一瞬身じろぎしてすぐ快活におどり出した。思わず、そのゆらぎに誘われて私は木馬に乗ってしまった。懸命に木馬はかける。いじらし過ぎて、もう乗ってはいられなかった。
○
おりて気がついた。木馬に乗ったのは、これがはじめてだった。マネージ(回転木馬)には二度ほど乗ったことがある。でもほんとうは、こういうマネージでない自分でギコギコ操る小さな一頭の木馬にのりたいと、ずっとあこがれてきた。あこがれはと切れつつ続いてきて、きょう、おもいもかけず、日比谷公園の一と隅で、果たされたのである。
(中略)
淋しげな木馬も、幼な子を乗せたとき表情はかがやく。働くことが好きで、幼な子が好きな木馬よ。だから誰でも、木馬を愛しく思うのだ。」
さすがエッセイの名手は筆の力が違います。増田れい子さんに乗って頂いたのはこの木馬です。
さて同書には「花豆」という記事もありました。我が家のレシピとほぼ同じであることが分かりました。今日から連休、リンク機構の設計と経営計画書を書きながら、気分転換に『インク壺』を読むことにしましょう。
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