271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

朝ドラ「カーネーション」終わる

2012-04-01 05:15:17 | Weblog
朝ドラ「カーネーション」が昨日で最終回を迎えました。このドラマの主人公は「お母ちゃんと三姉妹」ですが、影の主役はミシンだったかも知れません。我が家の家業は戦前は菓子屋、戦後一時はミシン屋でした。中国戦線から復員した亡父が見たのは一面の焼け野原、食料も不足していましたが、衣料もありません。中島飛行機で機械技術に触れた亡父と叔父は空襲で焼けたミシンの修理から仕事を始めました。
ミシンは当時から枯れた機械で、部品はシンガーの規格がデファクトスタンダードになっていて、JIS規格の標準部品を購入すればショップブランドのミシンを作ることが出来ました。この点、現在のPCと事情は同じです。月額500円の月賦販売が当たって、よく売れたと「祖母」から聞きました。私もミシン油の臭いを嗅いで育ちました。

ミシン屋時代の思い出の品はモノクロ写真と見出しの画像のアルミ鋳物の灰皿しか残っていません。灰皿の脇にある四角い突起はマッチ箱を立てるため、引き出しの中にシガレットを収めます。

ミシンで布を縫う原理は巨大辞書の英語版にアニメーションが3本載っています。またISMACSというコレクターのサイトにはマニア好みの情報が沢山あります。

機械としてのミシンを扱った日本語の書籍は少なく、もう古書しかありません。共立の『機構学講義Ⅱ』の発行は1961です。繊維機械が沢山紹介されていて、見ているだけで楽しい本です。
ミシンはタイミングを合わせて縫い、布を送りますが、これらの動作はクランクやカムを使って実現されています。足でペダルを踏んで回転運動を作り、機構がどの様に動くのか、その全体を概観するイラストは少ないようです。

やっと見つけたのがマコーレイの『道具と機械の本』(岩波、1990年初版)です。クリックすると拡大します。

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(12/04/02追記)マコーレイの『道具と機械の本』を見て、ミシンの部品をその臭いと共に思い出します。技術的に枯れた機械部品は美しく見えます。この本はA4の大型本で大きく厚く重いのが欠点です。

彼の最新刊"Jet Plane: How It Works"が今年の9月に発売されます。

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4 コメント

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Unknown (ginsuisen)
2012-04-01 10:29:06
ミシンの灰皿?かわいいですね。
もうミシンはおもちでないのですか?
足踏みミシンが懐かしいドラマでした。
先日、アメリカから嫁入りしたという箱型のミシンを見ました。木彫りや飾り絵がついた豪華なもの。NHKさんが、あとで見て、借りたかったーと言ったとか。

お父様、叔父様。苦労されたのですね。
でも、ミシン屋さんはすぐにやめたのは知らなかったー。
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マシンとミシン (SUBAL)
2012-04-01 11:15:52
こんにちは、今日から無職のSUBALです。

足踏み式のミシンはどこの家庭にもありましたね。我が家には母の内職の道具として毛糸の編み機があり、子供のセーターはすべて手作りでした。ミシンと編み機によって、メカニズムの妙が目に見える形で日常に存在する状況だったことを改めて認識しました。

マコーレイの「The Way Things Work」という英語版のソフトを16年前に初めてパソコンを購入したときに買って、当時3歳の息子が夢中になって遊んでいました。私が教材つくりをする際に、ずいぶん影響されました。「ものづくり解体新書」を日刊工業新聞社から出した志岐さんというイラストレーターが、マコーレイに強く影響されていたということを数年前に知りました。志岐さんはつい先日お亡くなりになりました。実物を見るのが難しければ、せめて絵やアニメででも、という気はします。
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足踏みミシン (271828)
2012-04-02 04:26:58
ginsuisenさん おはよう

足踏みミシンはありますが、皮のベルトが切れて使えません。修理は簡単ですが、ハハも「祖母」も使いたがらないのです。紺屋の白袴ですね。

亡父がミシン屋を止めた理由は既製服の普及です。叔父は家庭用から工業用にシフトして病に倒れるまで続けました。
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イラスト (271828)
2012-04-02 04:35:12
SUBALさん 長い間ご苦労様でした。

マコーレイの本は旧版でもっていますが、再版も絶版のようで残念です。今風のCGではなく、手描きのイラストは味があって好きです。
イラストは時として図面や写真以上に説得力がありますね。
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