Tokyo Walker

諸事探訪

NIKKOR-S.C Auto 55mmF1.2

2024年04月10日 14時28分51秒 | カメラ

 「重い、デカイ、ゴツイ」は明るいLensの宿命のようなものである。それ故にという訳ではないが、山のように所有するLens達の中にあっても、F1.2は唯一この1本だけである。
凡そ50年ほど前のLensであるが、外観の経年のスレ少なくガラスも綺麗で、入手したときの状態で、そのまま使用している。近い将来保守するとしたらフォーカス環のグリス交換くらいのものであろう。

 撮影は最短(0.6m)距離である。右背景に見える白い綿のようなものは隣家の庭の比較的小さな白い花で、歪んだ円形ボケの状態。隣家との間のフェンスは少し二線気味にボケている。2つの白いチューリップの間は10cmくらい離れているが、左側のチューリップのボケはジワリ滲んだようなボケである。これがF1.2特有のボケなのかどうかは判らないが、確かに強力なボケである。それが為か、とにかくピントの山が掴み辛い。

Body   α7Ⅱ/SONY
Lens    NIKKOR-S.C Auto 55mmF1.2/Nikon
Mount Adapter NF/SαE/RAYQUAL
Filter   SL39・3 φ52 UV/Kenko
Hood    φ52mm Rubber/ETSUMI

 他のレンズと同じように、開放における描写は破綻とまでは言わないが、やはり厳しいものがある。
一般的に開放における描写が安定しているのは開放値F2以降のLensではないだろうか。このことを踏まえれば、F2より明るいLensの場合は一段絞って撮影するというのが真っ当な事のように思える。
 明るいLensは開放で撮らなければ意味がないという話もあるが、決してそんなことは無い。
F1.2をF1.4に絞って撮影するとき、いわゆるF1.4のLensの開放で撮るのと一見同等である。しかしそれはF1.4のLensで、開放で撮るのとは全く異なるであろう。一方は「余裕のF1.4」であり、他方は「限界のF1.4」なのである。Auto-TAKUMAR 55mmF1.8にも同じことが言えるかもしれない。
F1.8から一段絞ってF2とすることで、例の気難しさは鳴りを潜め、Lens本来の持ち味を表出してくれるのではないだろうか。




 


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