Tokyo Walker

諸事探訪

カニ目レンチ

2014年09月08日 22時01分02秒 | カメラ

 一眼レフフィルムカメラについて、多少なりとも手に取ったことのある人なら、カビやチリ、埃の入ったレンズに残念な思いをしたことは少なくないであろう。Netで調べると、レンズを分解して清掃する人が結構いらっしゃる。そのとき必要不可欠とされるのが、この「カニ目レンチ」である。4種類ほどがNetで売られている。レンチの良し悪しは使ってみなければ判らない。か、と言って、片っ端から購入する訳にもいかない。私の場合、最もシンプル且つスマートなこれに決めた。Yahoo auctionで2,300円+送料。

使ってみての感想は「ダメ」の一言。いや、正確にはハンドルは多少の歪み(ネジクレ)はするものの我慢できる。スライド他の止めネジも弱々しいが、これも我慢しよう。しかし、肝心の刃先(ビット)が良くない。角度が有り過ぎてどうしても滑ってしまう。お陰でレンズの環のカニ目が少し欠けてしまった。そうなるのではと思っていたが、「やはり」の一言。もう使う気にもなれず、どうしたものかと思案した。

 そこで思い付いたのが市販の適当な(適した)マイナスドライバーを探して、刃先(ビット)だけを使うという強引な手段である。条件は刃先(ビット)の形と軸の太さ。刃先(ビット)厚さは1.0mm~0.8mmで、出来るだけフラットなもの。軸は5.0mm~4.8mmということで、そんな都合の良いものがあるのかと思いながらもノギス片手にDIYで探してみた。果たして在った。軸φ4.75のVESSEL 6300 5-150 ¥581円の2本を購入。これを先端から50mmで切断し、2本とも刃先(ビット)の片側をC2.5で加工する。切断面を糸面取りして出来上がり。


 早速使ってみたが、スバラシイ!かなり力を入れても滑らない。傷も付かない。カニ目レンチはこうでなくっちゃ。ダメレンチが何とか甦った。レストア趣味でもないが、レンズ修理に必携と言われて買ったものの、危うく捨てる所だった。

本当に「カニ目レンチ」は必要なのか。
 滑ったのは150mmF3.5のレンズ清掃の時、さすがにこれにはカニ目レンチを使う以外に手がなく、最初からどうも嫌な予感がしていたのだが、遂にやってしまった。しかし、80mmF2.8、2本のヘリコイド・グリス交換、レンズ清掃の経験から言うと、実は一度も「カニ目レンチ」を使わなかったのである。勿論、カニ目レンチ無しですべての問題が解決できるという訳ではないが、レンズによっては使わなくて済む方法、手順というものがある。カニ目レンチはキズが付き易く、その意味で破損のリスクも高い。出来れば使わないに越したことはないのである。2本のレンズを分解して初めて知った教訓だった。


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