メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『TAROの塔』 第1回「太陽の子」

2011-02-28 19:28:15 | ドラマ
『TAROの塔』(全4回) 第1回「太陽の子」

なんと松尾部長が岡本太郎氏を演じるとのことで、楽しみに見た
期待以上の素晴らしいドラマで、久々ドキドキしながら見た。
部長はずっと目を大きく見開いて、お腹から声を張ってなきゃならないのは大変じゃなかったかしら?

あらすじとしては、父母の結婚、母の恋人とのフシギな同居を描いた少年時代と、
大阪万博の芸術プロデューサーに抜擢されるまでの話。

「絵は“拝見”するものじゃない。勝手に見るものだ!」てゆうのも納得。
体制を飲み込んでいるという「森の掟」の怪物について、「チャックを開ければ、中はカラッポさ」ってセリフは泣けた。

「芸術家ってなあに?」と聞く息子に答える父のセリフがイイ。
「生きて地獄を見る人のことだ」「地獄?」
「世間の常識や固定観念にNON!と挑みかかる人のことだ」「NON?」
「どんな目に遭っても、自分を貫くことだ。世間から見たらロクデナシだろうがな」

情熱と童女のごとき真っ直ぐさをもった母親のもとに生まれたのも、決して偶然じゃない。
多摩川を「悠久の時」なんてステキな名で呼ぶ、現実世界とは全く別次元にいて、
歌を詠むことだけで生きているような女性だったようだ。
寺島しのぶさんが演じるところのそんなブッ飛んだ母親もステキだ。

わたしは昔から、画家や物書き、作曲家にしても狂死してしまうくらい極端な人に魅かれる傾向がある。
自分がどこでも迎合してしまう性質だから余計に憧れもあるのかもしれない

そんな人々も、当時の体制や常識に押しつぶされてしまった結果であって、
もしかするともっと精神や価値観が進んだ未来だったら、
より才能や個性を花開かせて充実した人生をまっとうできたのかもしれない。


「人類の進歩と調和」という大々的なテーマと真っ向から対立しつつ、敢えてそれと戦う道を選ぶという宣言はカッコいい!
「人類は進歩なんかしていない!たしかに宇宙へ行く科学技術は発達したが、
肝心の宇宙を感じる精神が失われているじゃないか。
それに調和といったって、日本の常識から言えば、互いが譲り合うということだろう?
少しずつ自分を殺して譲り合うことで馴れ合うだけの調和なんて卑しい」
「無難な道を選ぶくらいなら、私は生きる死を選ぶ。それが私の生き方と筋だ」
太郎さんは、闘う人なんだな。まるで阿修羅のようだ


小さい頃、テレビに太郎さんが出演されていて、「あなたのご職業は何ですか?」みたいな質問に、
彼が何と答えたか?というクイズが出されて、わたしは「きっと人間だってゆったんじゃないかな」と言ったら、その通りだったから驚いたことを思い出した。
当時は奇想天外で珍妙なことを言う、色モノ的な扱いだったけど、そのシンプルな答えにとても共感を覚えた。


エンディング曲は出たっ!美輪さんが歌う♪Non, je ne regrette rien(水に流して)
エディット・ピアフが歌った有名なシャンソン。

早く次回が見たい。


コメント    この記事についてブログを書く
« お仕事ラスト | トップ | チェーホフ『首にかけたアンナ』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。