メランコリア

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『閉ざされた時間割』 眉村卓/著(角川文庫)

2010-02-21 17:53:06 | 
『閉ざされた時間割』
眉村卓/著 カバー/木村光佑、本文イラスト/谷俊彦(昭和52年初版 昭和58年19版)
収録内容:「閉ざされた時間割」「少女」「月こそわが故郷」「押しかけ教師」

[カバー裏のあらすじ]
この奇妙で恐るべき事件は、中学二年生の良平が珍しく勉強にうち込もうとしている夜に始まった。
はじめ良平は、ベランダに映る無気味な人影を見た。そして翌日、彼のノートにはメモした覚えのないことが書き込まれているのを発見。
次には何故か夢遊病のように学内をふらつく先生と生徒を目撃・・・。いったい何が起きたのか?
そして魔の手はついに、ガールフレンドや、良平の家族にものびてきた!
人間の乗っ取りを企む借体生物との闘いを描くスリルあふれる眉村卓の傑作SFジュブナイル!
表題作のほか「押しかけ教師」等3篇収録。 


こないだ実家からもってきた眉村さんの本はこれで全部。残りはこんどのGWにでも持ってこよう。
やっぱりこのカバーアートがイイ!
今ごろ気づいたけど、中に収録されてる登場人物をイメージさせる人物だったんだな。

▼あらすじ
「閉ざされた時間割」
良平はある日の学校での記憶を失っていたが、クラスメイトがゆうにはいつもより積極的に質問していたという。
ノートには自分の筆跡じゃない文字で書かれていた。同じクラスの令子から弟の努の様子が最近おかしいと相談を受ける。
話を聞くと良平のこの数日の出来事とよく似てる。記憶が抜けること、2人存在すること、人格が時々変わること。
そして翌日、令子家族は消え、玄関に「助けて」と書かれていた。
クラス委員の山形は「ボクが出した手紙を返して欲しい」といって暴力をふるった。山形も何者かに乗っ取られていた。
両親も何者かにのりうつられ、良平はクルマに乗せられ、廃校の下にある巨大な施設に送られ、
そこには令子一家を含め大勢の捕われた人々がいた。異星から来た高度な知能を持つ生命体が人間の体に寄生して侵略しようと、
まずは捕らえた人々を強制的に働かせていたのだった。良平は協力するフリをしてリーダーとなり逃亡をはかる。
怪我をしたりして痛みを感じる体には生命体はのり移らないため、互いを殴り合って、武器を奪い逃走は成功する。
だが、入院先の病院で、はたして元の生活に戻っても自由と言えるだろうかと疑問を抱くのだった。

「少女」
ある日、伸一郎のもとに少女がやってきてつきまとう。ほかの人には見えないし、声も聞こえないようだ。
1日つきまとわれたことで参ってしまい怒ると、ちょっと反省した様子。実は彼女は未来からタイムマシンでやってきて、自分の父親の高校生時代を見にきたのだった。

「月こそわが故郷」
危険な月探索の計画にどうしても加えてくれと頼みこむ青年ヒデオ。彼の両親も月探索のチームにいて、
彼は月生まれだった。両親は月で事故死。上司は彼が月の生活になじんでいることを買ってチームに入れた。
ロケットで出発して間もなく空調に異常が発生し、上司は気絶、ヒデオはすぐさまチームに的確な指示を出す。
同期のハラは正規の訓練を積んだことからヒデオの指示に反発するが、限られた空気の中でムダに動かないというヒデオの判断が正しいことを知り、仲直りする。

「押しかけ教師」
成績不振で悩む真司は、「なにかひとつでもやりとおせることがあれば」と柔道を始めるが、
それも前から練習を積んできた連中にはかなわず、すっかり自信をなくしてしまっていた。
そこに現れた謎の青年・吉田は「わたしに家庭教師をやらせてくれ」といきなり頼んでつきまとう。
ワラをも掴む気持ちで教えてもらうとみるみる成績は上がり、柔道も教えてもらって大会レギュラーにまでなり、
高嶺の花だったクラスメイトのこずえをGFにすることができ、すっかり変わった真司。
半年後のある日、吉田は「もう来ない」と言い、実は彼は未来からやってきて、同僚を賭けをし、
この時代のニンゲンの能力をあげることで人格が破壊されるということを証明してみせたという。
「君は自信をつけ、今じゃ鼻持ちならない人間になってしまったよ。私は賭けに勝ったんだ」と言い残し未来に帰る吉田。


やっぱり主人公は学生で、日常を舞台にしたSFなのが面白い。
いいかげん黄ばんでしまった本だけど、こうして読み直してみるとまた新鮮。
なにせ、買った当時から入ってたと思われる、中にはさまっていたしおりが、
薬師丸ひろ子主演映画「里見八犬伝」の宣伝だもの!!!



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2 コメント

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小学校時代読みました (山田太郎(ジョン・スミス))
2018-03-17 12:43:20
懐かしいですね!自分は眉村卓さんの「閉ざされた時間割」は小学校五年生くらいにオヤジが読んでたの借りて読みました。昔からウルトラセブンに憧れてて、ウルトラセブン的なストーリーのSFということで「難しい漢字だらけだが挑戦するか?」ということで早川SF文庫の「インベーダー」たぶんアメリカABCテレビ番組のノベライズ版?と眉村卓さんの「閉ざされた時間割」を読みました。実態の不明な借体生物というエイリアンか異次元人(ヤプール人?)か、どうやらエイリアンのようで?他にキャプテンウルトラに憧れて読んでたのが創元社のヴォクト「宇宙船ビーグル号の冒険」です。今でも読みますが、中でも宇宙大怪獣と呼べるイクストルはエイリアンやプレデターどころかゴジラやフリーザと互角?眉村卓さんの作品は日常からとんでもない話に展開していく話が主流ですが、短編の「月こそ我が故郷」や「時間戦士」など、ウルトラマン世界の「地球防衛軍」的な組織を舞台にするものも結構書かれてましたね?最近は皆本を読まなくなったのが嘆かわしいです
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山田太郎さま (monty)
2018-03-17 23:50:53
コメントありがとうございます
ウルトラマンシリーズはよく知らないので、眉村さんとの接点が意外に思えましたが、良書を子どもに勧めたお父様がステキです😃

読書の癖は、子ども時代の何気ない出会いから始まるので、幸運でしたね

ちなみに、本作のさらに詳細なメモもあるので、お暇があれば、また遊びに来てください😊

https://blog.goo.ne.jp/ska-me-crazy2006/e/34dbd4c01f97bcbfa5ca6a0a64951c45
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