メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ベロニカは死ぬことにした』(2005)

2013-10-17 14:59:27 | 映画
『ベロニカは死ぬことにした』(2005)
原作:パウロ・コエーリョ 監督:堀江慶
出演:真木よう子、イ・ワン、風吹ジュン、中嶋朋子、荻野目慶子、多岐川裕美、淡路恵子、市村正親、田中哲司、片桐はいり ほか
主題歌:♪こんな風に笑う。/nangi

「なんでもあるけど、なんにもない。」

2009年に2度目の映画化がされたアメリカ映画の存在は知っていたけど、邦画もあったんだ。
ジャケにはやたら性に関するコピーが書いてあって、手に取るのをためらったけど(R15指定だし)
中身は逆に精神の話だった。
大御所の淡路恵子さんなど、キャストも豪華。

▼story
国立図書館に勤めるトワは、ある日、睡眠薬を大量に飲んで自殺をはかる。
目が覚めると精神病院で、院長から「心室が壊死して、余命1週間。長くて10日だ」と告げられる。
病院には、四葉会という、回復しているにも関わらず入院を続ける者たちもいる。ショウコもその1人。
元弁護士だったショウコは、夫とアフガニスタンのドキュメンタリー映画を観ている途中で初めて発作を経験して、仕事も解雇させられた。

「なにかしたい。でも、一体わたしはここで何をしているの?」

“催眠中毒”のサチは、催眠中に幽体離脱して、離れて暮らしている子どものもとに行くのを楽しみにしている。
婦長も昔、何度もリストカットをしていて、今はアルコール依存症。
統合失調症(分裂病)のクロードは、政治家の息子で画家志望。新しい世界を創造する魂の楽園のヴィジョンを描いている。

「ここには安全な混乱がある」


セリフの中にルボックスや、ソラナックスも出てきて、風吹ジュンが演じるショウコはパニック症候群だと言っている。
あんなに騒ぐほど発作になったことはないけどね
「わたしは狂ってなんかいない」などのセリフにも一般的な無理解さが表れている気がした。
トワは「図書館でデータ入力なんてつまらない仕事」みたいに言ってたけど、
国会図書館なんて、勤めたくてもかなわない人が無数にいる人気職だと思うけどな

院内の世界と外界と、どっちが狂っているのか?てことも重要なテーマ。

院長「石も成長する。何千年、何万年もかけてのことだけどね。どんなものにだって毎日が同じなんてことはあり得ない」

「本の貯金ってしたことある? 大好きな本はすぐに読まずにとっておく。
 いつの日か読もう、そうやってどうでもいい本から読んでいく。
 でも気がつくと、ためておける未来なんてないの。そして大切な本はずっとあかずじまいになってしまう」ショウコ
そうなんだよね! 本当に読みたい本ほど、いつかじっくり時間をかけてって思って先延ばしにしてる

「大切なのは自分自身を受け入れること。心も体も」ショウコ

クロード役のイ・ワンさんが出るシーンだけ韓流ドラマテイスト。完全に日本語が片言だし。
真木さんの濡れ場シーンをあくまで冷静に見つめるまなざしがかえってコワイ
その他の患者さんたちは、なんだか演劇畑なかほり。

 
医師役の田中さんも一緒になって踊るパーティのシーンは面白かったw


「私はいま、輝く朝日を浴びている。もう一度、生きることを決めた」

病院を出たところの景色が開けた盆地で素晴らしいロケ地だった。
主題歌を歌うnangiさんは、特徴のある声。


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