メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1992~1993 part2)

2012-10-26 17:28:30 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『息子』(1991)
監督:山田洋次 出演:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子 ほか
人間としての幸せとは、単に健康管理された生活より、
もっと心の底から生まれるものだという気がする。
今じゃ到底実現しない家族の姿なんだろうか。
それぞれ若手と熟練がイイ味出している。
どうでもいいけど、哲夫が着ていたTシャツはボランだったよ


『アマゾネス・プリズン』(1991)
監督:レアンドロ・ルケッティ 出演:ピラー・オリーヴ ほか
紹介文の「アマゾネス軍団として立ち上がる」というか、
単にヒロインのイケイケ姉ちゃんと一夜で知り合ったパイロットが脱獄させてやっただけのことだけど。
かなり訳の分からんストーリーはともかく、お色気を楽しもうってゆうB級映画。
ヒロイン2人のほかはすっかりエキストラ扱いでロクなセリフもないのが妙。


『WHO'S THAT GIRL』(1987)
監督:ジェイムズ・フォーリー 出演:マドンナ ほか
マドンナがメチャクチャ若い こんな頃もあったのかあって感心するほど初々しくて、
フシギなほど髪をホワイトブロンドに染めていて、それが白い肌と真っ赤な口紅、
ブルーがかったキレイなグレーの瞳を際立たせている。
どこかでマドンナはマリリンを意識してるって読んだけど、
ちょっと足りないセクシーガールの役どころばかり出演しているあたり、
リヴァイヴァルの意識が覗いて、トラブルメイカーな女の子をなかなか好演している。

相手役のグリフィン・ダンがとても平均的なアメリカン風貌なのがミソ。
僕もいつかきっとマドンナみたいなコと仲良くできるってゆう夢が持てる作品
ニッキーが4年も服役しなきゃならなかったいきさつを、
ベティちゃんのようなキュートなアニメになっているところが面白い。
でも、女囚ものと違って、ニッキーには獄中生活も例のあっけらかんなノリで
お茶の子さいさいだったのかしら?


『愛と死の間で』(1991)
監督・主演:ケネス・ブラナー 出演:エマ・トンプソン、アンディ・ガルシア ほか
本当に年々スゴイ作品が次々と飛び出してきて、映画ファンには堪えられない喜びだが、
今作品も突如現れた天才監督兼俳優が、現代と過去を結ぶ壮絶なリインカネーションものを創り上げた
その若いエネルギーが1シーンごとに終わりまで貫き、
テンポが早いが緻密なストーリー展開によってすさまじい愛憎世界を描き上げている。
主演のケネスとエマは実際夫婦とあって、本当に息の合った深みのある演技を楽しめる。
でも、こんなに早々と輪廻したら、まったくとんだ騒ぎよね。
ここまで当事者たちがいっせいに会する輪廻も珍しい。


『ハリウッドの悪夢』(1989、1991)
【第1話】監督:ウォルター・ヒル
こんな職業じゃ友だちはいないだろうね。

【第2話】監督:ロバート・ゼメキス
自分に子どもができたら絶対に見せたくない話。
アメリカじゃイヴの夜は最も危険なのかも?

【第3話】監督:リチャード・ドナー
もしも8つもの命を授かったなら、
金儲けよりもっと人の役に立つことに使えばよかったのに。
1つだけだから大切にするんだってことよね。

【第4話】監督:スティーヴン・E・スーザ
さあ、待望のカイル・マクラクランが登場。

どの話も人を陥れようとしたり、悪事からまんまと逃げようとしても
そううまくはいかないよ、という警告のホラーばかり。


『THE AMBULANCE』(1990)
監督:ラリー・コーエン 出演:エリック・ロバーツ ほか
なかなか一風変わった作品。
絶対的な信頼をおいて、普通なら人命を救うため病院へ直行するのが当然の救急車が悪事に利用されたら・・・?
想像だにしないだけに本当に薄気味悪い。
でもマッドドクターの存在がいまいち不明だった。
人物それぞれ特有のキャラなのがまた面白い。
なにか示唆するテーマじゃなく、見知らぬ女をナンパするとこうなるってまとめているのもなんともフシギ。


『バットマン・リターンズ』(1992)
監督:ティム・バートン 出演:マイケル・キートン、ダニー・デヴィット、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン ほか
やっぱり土台のコミックが日本に馴染みがないから、特別な思い入れは感じないんだけど、
前作もなかなかだったし、今回はいろんなキャラが出ていて、その虚構っぷりが楽しい。
デヴィットの怪人ぶりもいいけど、ヴィッキーと何らかの理由で別れて
ブルースとセリーナが運命的な出会いをする、束の間のロマンスが主流といってもいいだろう。

コケティッシュなキャットウーマンのキャラはイイ。
キートンの相変わらず渋くてクールなヒーローぶりもイイけど、33年後でしょ?
歳をとっていないのはコウモリ人間だから?
それに、忘れてならないのはウォーケンの妖しげな実業家ぶり。
メイクでなんだか逆に魔力を得て、ずっと若く見えた。
あと気に入ったのはペンギン男の愛車のダック。
割と可愛い趣味してるじゃん。いっぺん乗ってみたい。
それに彼の部下の一人のサル。メモを渡してくれたり、なにかと便利でキュート。


『TWIN PEAKS FIRE WARK WITH ME ローラ・パーマー最期の7日間』(1992)(劇場にて

 

監督:デビット・リンチ 出演:カイル・マクラクラン、シェリル・リー、デビッド・ボウイ、キーファー・サザランド ほか
世界を話題の渦に巻き込んだ『ツイン・ピークス』はここに完結した。
いや、終わらせざるを得なかったと言えよう。
噂が噂を呼び、リンチならではの全く新しいスタイルのサスペンスストーリーは人気爆発し、
継続していくにつれて、かなり製作スタッフにトラブルやプレッシャーが起こったと聞く。

次第にローラ事件から離れ、別の話に移っていったTV版とは別に
今作ではスタート地点に戻って、ローラ・パーマーがどうして殺されたのか
殺人当夜の数日前に遡って、実体が語られてゆく。
それにしてもパーマー家の異常さときたら、理解できない。
いつからこうなのか、ローラは次第に歯止めのきかない悪の世界に墜ちてゆく。
(しかし、彼女のような女の子は必ずどこかにいるはず
ここでもボブの正体は分からずじまい。そしてブラック・ロッジとは一体

ボウイが1シーン出演しているが、ジェレミーが誰なのかも分からない。
シェリルの演技がやはり一番の見どころ。
TVでは見れなかった彼女の動いている姿が本当に美しい。
カイルは今作では象徴的な預言者でしかない。
やはり叶わぬ夢ながら、いつまでもこの迷宮の中で迷い続け、幻想を見続けていたかった。


『BUGSY MALONE ダウンタウン物語』(1976)



監督:アラン・パーカー 出演:ジョディ・フォスター ほか
バグジーは最近話題になった、あのラスベガスを作ったっていう人のことかしら?
禁酒法時代のギャング映画はいくつもあるけど、こんなに楽しい作品は初めて。
隠れた名作とはこのこと!

♪人の運なんて様々 それは自分次第 与えた愛はきっと返ってくるものなんだ

完璧大人向けの娯楽映画なのに、子どもたちにとってもためになるお話になっている。
なんといっても出演者全員が少年少女って
ギャングから踊り子、しがないタップダンサー志望の使用人、
床屋、洗濯屋、浮浪者、ゴロツキにいたるまでみんな子ども。
だから普通のセリフもいっちいち粋に聞こえてしまう。
ファット・サムが「分からないなら字幕を読めよ」なんてギャグを飛ばしたりして、
みんなそれっぽく言っているから思わずニヤけるシーンがいっぱい。

中でもジョディは、まったく天性の魅力かつ完璧な演技で、色っぽくバグジーに言い寄るところも
子どもとは思えない色気がある
セットから俳優まで本物をミニチュア化したような面白さ。
ステージダンサーたちの踊りっぷりも見事!
この出演陣の中にこのまま俳優になって成功した人は少ないかも。


『ダンス・ウィズ・ウルヴス』(1990)
監督・出演:ケヴィン・コスナー 出演:メアリー・マクドネル ほか
コスナーが監督・主演とあって、その時は「誰かの真似か?」と思っていたけど、
今のハリウッドで息絶えた西部劇にも通じる、果てしなく広がる大地を舞台にした
インディアンと軍人の出会いと交流、その上、愛と人間性を説いた限りなく素朴な作品。
単なる二枚目スターから脱し、年齢に伴った渋みが作品全体に感じられる。

タ・タンカ?の群れと狩りのシーンもイイけど、
野生のオオカミとのやりとりも、何度盗まれてもちゃんと戻ってくる忠実な馬
同じ大地に住む生き物同士「共存している」と実感できるシーンが胸に迫る。
そもそも人が追求し続け、今もなお発展させようと躍起になって探している理想の地とは
一体どんな形をなしているのだろうか?

便利な道具類(人命をたやすく奪うものも含めて)、文化教養、
言葉でのコミュニケーション等のキーワードは多い。
インディアンらの生活習慣の違い、ものの見方、考え方の違い、
それらの相違を補う笑顔と優しい良心が伝わってくる。
こうした白人勢力との絶えない血の争い、多くの犠牲の上に今日の私たちの
「文化的生活」が成り立っているとしたら・・・と考えると空しくなってくる。

劇場で観たらもっと広大な自然が目の前に広がって、よりリアルに観れただろうに。
一瞬、都市での生活を忘れさせてくれる作品。
まさか本当に動物たちが死んだのではないことは分かっているけれども、
やっぱりラストにことわりを読んでホッとした。


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