メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1992~1993 part1)

2012-10-26 17:28:31 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
スクラップブックから10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『バイオ・エイリアン 新種誕生』(1987)
監督:ウィリアム・フルエット 出演:スティーヴ・レイノルズバック ほか
まったくどこから買った植物なのか、どこから降って湧いた幼虫なのか、
ちょっと指を切っただけで病院隔離までの大騒ぎになるなんて。
ほとんど『エイリアン』のノリで卵をどんどん産むメスに、急成長する幼虫、
それに感情を持った巨大蟻みたいなモンスター。
データ夫(?)と妊婦との、本編とは全然関係ないくだりが面白い。


『軽蔑』(1963)
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ブリジット・バルドーミシェル・ピコリ ほか
ゴダール、ゴダール、全然分からない。
彼がどうしてここまで支持されているのか。
一風変わった手法は分かるけど、手法に凝り過ぎてて、
ストーリーは単純なのに、流れが全然見えてこない。
唯一の見どころは、フランス美人BBの裸体か。
ただ雌犬を追いかける雄犬との話に思える。

愛していないのはなぜ? 怒っているのはなぜ? いつもと違うのはなぜ?
軽蔑するのはなぜ? 態度がおかしいのはなぜ?
なぜってそうなったのは仕方ない。

作品中のラング監督があの摩訶不思議な映画『メトロポリタン』の監督本人だとは驚いた。
「映画と人生に必要不可欠なもの、それは詩だ」
それはうなづけるけど、セリフ一つ一つがいちいち哲学的だと
一体何の話をしてるんだか、さっぱりチンプンカンプン。
フランス人は、映画の中だけじゃなく、日常生活でもいちいちこんな難しい会話をしているのかしら?


『ダイ・ハード2』(1990)
監督:レニー・ハーリン 出演:ブルース・ウィリス ほか
どこが見どころかってすべてが見どころだらけで、2とは思えない、1を上回る面白さ
身一つ、頭脳、体力、悪運強さをフルに使って、またジョン・マクレーンが巻き込まれたのは大事件!
それもまたまたクリスマスイヴだというのに!
「どーして2度もこんな目に遭うんだ?!」て映画を面白くするためなのよ

わたしの好きなウィリアム・アザートンがマスコミ一筋のまぬけな役、
『私は人魚の歌を聞いた』の女優、『ターミネーター2』のロボット役の俳優など。
スタントを使わないブルースのアクションもエスカレート。
活躍もいいけど大怪我しないように気をつけなくちゃ


『ザ・コップ』(1987)
監督:ジェイムズ・B・ハリス 出演:ジェイムズ・ウッズ ほか
妙に頭の切れる24時間男の刑事ホプキンス(ウッズ)の独壇場って感じ。
死体を見るなり、飛びついて犯人探しをシャーロック・ホームズごっこで遊ぶ
ゲームのようにのめりこんでゆくバリバリの刑事。
血みどろの世界をこれほど楽しんでいる奴も珍しいけど、
やけにびしびし言い当てえるところはちょっとお話臭い。

奈保子さん(解説者)いわく、女性の心の中に必ず潜む王子様、
ロマンティックな夢物語と現実のギャップっていう視点から見れば確かに面白い。
淡々としている中で、2つの女性死体がショッキングな分、妙な映像美を感じさせる。
正当防衛を理由に片っ端から言い訳も聞かずに悪党退治をしてゆくホプキンスは、善い者か悪い者か。
話は違うけど、いまだにウッズとピーター・ウェラーの区別ができないで困る。似てるなあこの二人。


『おもひでぽろぽろ』(1991)
監督:高畑勲 声の出演:今井美樹、柳葉敏郎 ほか
誰にも必ずあるなぜかいつまでも忘れずにいる、今までひきずってきている子供時代の自分、
そして必ず誰にも巡ってくる人生の節目と選択の時期。
思いがけず、また従兄弟のトシオのところへ嫁に来ないか、と言われて
改めて自分が今までどう生きてきて、これからどうしたいのかを考えさせられるタエ子は
この作品を観ているすべての観客に課せられる大きな問題だ。

どこか素朴で郷愁誘う映像と、現在と過去が同時に描かれる手法など
リアリティにあふれていて共感としみじみした快い感動がある
トシオの声だけじゃなく、キャラもギバさんそのまんまって感じで、
農業にあえて挑戦しようとしている若い世代の男子が爽やかに温かく描かれていてイイ。


『バットマン』(1989)
監督:ティム・バートン 出演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー ほか
アメリカで人気のあるコミックは日本じゃ全然なじみがないけど、
『スーパーマン』ほか完全無敵の超人ヒーローものとしてはちょっと異色。
ヒーローが暗黒のコウモリで、悪玉は陽気でおどけたジョーカー。
どうして両親を殺された男の子がこうもり男になっちゃったのやら、
思い切り化学薬品を浴びたのに蘇ったジャックが、なぜすっかり芸術や
ロックに目覚めた陽気なジョーカーになっちゃうのか?なんて悩んでいてはいけない。

本当にコミックの世界に入り込んでしまった気分にさせるセットや小物、
それになんといっても見どころは、ニコルソンの“そこまでやるか”のなりきりぶり。
渋いギャングの頭からすっかりイメチェンして、けっこうインテリでかなり派手好き
どこかセクシーでとっても危ない暗黒外の帝王に。作品全体をのっとった演じ様。

コミカルで細かい芸の中にシュールな感覚いっぱいの映像で
超人というより人間味あるヒーローの設定も面白い。
さて、ニコルソンはいないけど新作『バットマンリターンズ』は
観客をガッカリさせない出来栄えに仕上がったのかしら?


『3-4×10月』(1990)
監督:北野武 出演:小野昌彦、石田ゆり子、ビートたけし ほか
出演名(俳優)としてビートたけし、監督名として北野武を使っているところに思わずニヤリとしてしまう。
ロマンスどころか感情表現が全くない演出で淡々と描かれてゆく。
夢を売る映画ではなく、現実ってのはこんな汚いものなんだってゆうシビアさを経験上から描いている感じ。

特に、女性は単に性と暴力の対象、ついてくるだけの存在に描かれているのは憎らしい。
ま、たけしさんにとって女は振るい払っても、なおまとわりついてくる存在には違いないだろうけど。
この作品中で妙にイイのが、渡嘉敷勝男さんの演技。
ボクシング界の裏もきっと似たようなものなんだろうってゆう経験?がいきてる。


『カンザス』(1988)
監督:デヴィッド・スティーヴンス 出演:マット・ディロン、アンドリュー・マッカーシー ほか
2人ともカンザスの大自然の中で思い切りのびのびしちゃってる。
かなり難しいシチュエーションなのに、寝泊り付きの働き口が
あんなに簡単に見つかるのは2人ともイケメンだから?!
それを演じる2人の人気若手俳優も対照的なキャラで面白いし、
撮った監督がアメリカ人じゃなくオーストラリア人なのも面白い。


『ベイビー・トーク』(1989)
監督:エイミー・ヘッカリング 出演:ジョン・トラヴォルタ ほか
最高に笑える。
純粋無垢でアブアブ喋りの赤ん坊が、まさかこんな事を考えたり、
喋っているとしたら・・・と考えるだけで面白い。
別撮りの表情と動きが合っているだけになおニクイ。
でも、肝心のウィルスの声は吹きかえられて残念(せめて『ブルームーン』の声優ならよかった

バリバリのキャリアウーマンが一転してバリバリの母親となって、
理想の父親像を求めていく過程。
トラヴォルタが一応得意のセクシーダンスも混ぜながら、
子どもめちゃ好きなタクシーの運ちゃんを爽やかに演じている。
ビックリしたのはジャニスの♪CRY なんかかかった時
やっぱりアメリカには今でもジャニスの魂が受け継がれているのねぇ・・・


『幕末純情伝』(1991)
監督:薬師寺光幸 出演:渡辺謙、牧瀬里穂 ほか
「時代劇」という日本独特のドラマを、よくぞここまでポップにしてくれたっていう
軽く楽しめる幕末、新撰組ストーリー。
侍言葉に現代語、土佐弁までまじえて、BGMにはロックまで流してしまう。
技術的にも演出的にも新しい息吹きが「時代劇」と「邦画」に吹いてきた予感を感じさせる。

三角関係のはちゃめちゃぶりに、今の世にはなかなかお目にかかれない真剣な純愛を
物語ったりして、単に歴史を追って再現するだけじゃ面白くないもんね。

また、出演者の顔ぶれがスゴイ。ドラマ等で活躍する顔が後から後から
ちょい役でもイイ役でも変態?!もあり。
アイドルの一人だと思っていた牧瀬も若いながら、名優に囲まれてなかなかイイ剣士ぶり。
人をよく斬る分だけ、自らが血を吐き、一途に土方に想いをぶつける総司を爽やかに演じている。
渡辺謙も貴重な俳優。これからももっと活躍してほしい。
杉本哲太もイイ俳優だね。「血の臭いのする女は嫌いじゃ」てセリフ、いい。
日本映画もこうゆうのなら観てもいい。第2のニューウェイブがまだ起こるかな?


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