メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1993~ part2)

2012-10-29 14:46:42 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『フェリーニの道化師』(1970)
監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:アニタ・エクバーグ ほか
TV用にはとってももったいない、フェリーニのサーカス、団員たち、
特に道化師たちへの想いあふれんばかりの一作。
子どもの頃、初めて見る道化師たちのドタバタ騒ぎに泣いてしまったエピソード、
彼らは町にいる小人の駅員や浮浪者等を思い起こさせたと言うシーン、
1900年頃全盛を極めたサーカス、有名な道化師らは今どこに?と
スタッフ、フェリーニ自身も一緒にイタリアからフランスまで捜し歩くくだり。

観客席には誰もない。観客はブラウン管を隔てた私たちだ。
直接拍手や笑いを届けてやれないのが残念だが、この命を賭けたショーは半永久的に残る。
どこか薄幸で、人生を皮肉と荒唐無稽の芸に変えて私たちを笑わせる道化師は
現代のメディアに本当に必要のない存在なのだろうか?と改めて想いを募らせる作品。


『のるかそるか』(1989)
監督:ジョー・ピトカ 出演:リチャード・ドレイファス、テリー・ガー ほか
単純なストーリーだけに、これだけツキまくる奴がいたらやっぱり見てて爽快!
賭け事の仕組みはよく分からないけど、誰も賭けない穴馬ばかり狙う
あり得なさそうで、映画ではなんでもありの皮肉がチラリ。
ドレイファスとテリーの息の合った夫婦ぶりもイイし、
ヴィッキーも頭は軽いがコケティッシュな役でイイ。
究極の賭けに人情や本性がチラッと見える演出もなかなか。


『TOMMY』(1975)

 

監督:ケン・ラッセル 出演:ロジャー・ダルトリー、エルトン・ジョン ほか
やってくれます、ラッセルのロックオペラ(こんなジャンルがあったの
クラプトンがマリリンを崇拝する伝道師!
ティナ・ターナーがもっと妖しげなアシッド・クイーンをダイナミックにプレイ!
エルトン・ジョンは相変わらず素っ頓狂な格好でピンボール界の元王者をプレイ!
セクシーなアン・オリヴァーは実力派だが舞台俳優か?
ロックの世界を体現したような2時間たっぷり、どのシーンにも笑いあり、涙あり、
ブラックユーモアあり、自由、愛、あらゆる要素があふれた傑作!

See me, feel me/The Who


『ザ・フラッシュ2』(1991)
監督:ダニー・ビルソン 出演:ジョン・ウェズリー、マーク・ハミル ほか
1を観てないから、なんだかよく分からないけど、
ヒーローの割にコミカルで、フラッシュの正体であるバリーも
今っぽいフツーの男だったりするから親しみが湧いちゃう。
セントラルシティの住民しか助けてくれないのか、そこに住んでいて、助ける事故もローカルなものが多い。
スーパーマンほど人々の間で知名度は高くなく、信じていない人もたくさんいる。

彼と対決するのは、降って沸いたように現れた迷惑な奴、ジェシー自称トリックスター。
『スターウォーズ』のヒーロー役のハミルが当時40歳にして、人間を捨てたような怪演ぶり
思い切り恥ずかしいコスチュームは『ひょうきん族』に通じるものがある
その七変化ぶりは、こんなに芸達者だったのかとビックリ。
その正体は単なる目立ちたがり屋なのかも。
今までのヒーローものとはちょっと味が違うフシギな世界。


『スキャナーズ2』(1990)
監督:クリスチャン・デュゲイ 出演:デヴィッド・ヒューレット ほか
サイキックパワーによって体がブクブクになっちゃうSFXがよりエキサイティング。
悪玉のスキャナーが強烈で、ラストシーンもスゴイ!
デヴィッドがいかにもあどけないルックスで正義のヒーローとして戦うところが今作のポイント。
「街には手術が必要だ。助けないと街は死んでしまうんだ」と
異常なまでに犯罪に執着するフォレスター役のポントンの
狂気に満ちているのにフシギとカッコイイ悪役ぶりも現代にマッチしていて恐い。


『ターナー&フーチ』(1989)
監督:ロジャー・スポティスウッド 出演:トム・ハンクス ほか
完全潔癖症のターナーの家中をひっちゃかめっちゃかにして
まるで悪魔のような顔で唾をそこいら中に撒き散らしまくる犬フーチ。
メロドラマにハードボイルドまでこなしちゃうハンクスも顔負けの俳優犬
とでもゆうべきこの犬のキャスティングには脱帽。
『メイド・イン・ヘヴン』のメア・ウィニンガムも久々に登場してるし、
ハンクスのどこかにいそうな兄ちゃん的魅力と潔癖症の演技も笑える。


『グロリア』(1980)
監督:ジョン・カサヴェテス 出演:ジーナ・ローランズ ほか
女によるハードボイルド。ストーリーはシンプルなもの。
メインはやはり男の子とグロリアとのやりとり。
タフで気が強い女が拳銃を撃ちまくって組織と対向する一方で、
元愛人のボスに掛け合う時は髪を直して女に戻るところなんかニクイ演出。
終始走りまくったローランズもスゴイけど、6歳でちゃんと演技してるジョン・アダムスもスゴイ。


『ふたりのベロニカ』(1991)



監督:クシシュトフ・キェシロフスキ 出演:イレーヌ・ジャコブ ほか
はじめから終わりまでメランコリックなセピア色の映像で不可思議な世界。
まるで双子の間にある目に見えない結びつきを映像化したよう。
「わたしの何が知りたい?」「全て」と言われて
バッグの中身を全部見せるシーン等々、フランス人のセンスがいきてる。
終始流れるオランダ作曲家のメロディも崇高で感動的。
ラストがちょっとあっけないがイレーヌの新鮮で自然な魅力がやはり見どころ。


『シザース』(1990)
監督:フランク・デ・フェリッタ 出演:シャロン・ストーン ほか
今やすっかりアメリカでは1つの職業として定着しているサイコセラピスト。
大勢の人間が話すことでストレスや心の病を解消させる場として利用しているけれど、過信は考えもの。
セラピストも同じ人間であるからこそ、相手の心理を深く理解できるんであって、
その人自身も同じ心の病にかからないなどと誰がいえよう。

ましてや、毎日毎日人々のはけ口としての役目を繰り返すことで
言ってみれば絶えず客観的立場に立ち、ハマってはならない異常な環境の中、
精神科医たちは日々どうやって心のバランスをはかっているかとてもフシギ。

シャロンがうってかわったイメージで、人形好きで、異性恐怖症におちいっている役を演じる。
一見現代風の部屋が出口のない牢獄と化し、閉じ込められ、
次第に精神を操られてゆく過程がメイン。犯人当てにも面白いかも。


『M★A★S★H』(1970)
監督:ロバート・アルトマン 出演:ドナルド・サザーランド ほか
男だけで集めればあすこまで動物的になるものかね。
ロバート・デュバルが若い! といってもすでに髪はないけど
聖書フリークでヘボ医者役だけど白衣も似合う。

彼らの言う「軍事人間」同士のカップルの密会を放送しちゃう趣味の悪さ。
日本へも飛んで、ここが一番最悪。
例のごとく中国人とも異星人とも区別のつかない勘違い。
意味不明の会話ありーの、奴隷化したバカっぽい若者ありーの、
これをこのまま信じてくれちゃ本当困るよ
なぜかずっとラジオから流れてる戦争賛歌(怪しい日本の歌)やら、
実際戦争体験者にしか分からなそうなマニアックな裏の笑いの世界だろうが、
わたしには全然笑えなかった。終わり方だけ気に入った。
サザランドの濃いキャラを筆頭に、トム・スケリット、デュヴァルなど
渋いベテラン俳優の前衛的な出世作ということに注目。


これでスクラップブックは全部記録したかもv


コメント    この記事についてブログを書く
« フィギュア カナダ大会 男女... | トップ | notes and movies(1993~ pa... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。