メランコリア

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『スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル』

2012-12-14 20:47:28 | ドラマ
『スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル』(全13話)
原作:ラース・フォン・トリアー 製作総指揮:スティーヴン・キング
出演:アンドリュー・マッカーシー、ブルース・デイヴィソン、ジャック・コールマン、ダイアン・ラッド、ジョデル・ミカ・ファーランド ほか

2004年にアメリカでOAされたミニシリーズ・テレビ映画で、
どこかで観たことあると思ってたら、以前観たデンマークの同シリーズ、
『THE KINGDOM』(ラース・フォン・トリアー)のリメイクだった/驚

trailer

OP THEME:♪Worry About You/Ivy


▼story(第1、2話)ネタバレ注意
有名な画家のピーター・リックマンは、ランニング中、
犬に気をとられた運転手によって轢かれ、重体で病院に運ばれる。
緊急手術にあたったのは有能な外科医フックだったが、
ピーターの驚異的な回復力を「奇跡だ」と驚く。

その病院はいわくつきで、南北戦争の際、軍需工場だったが大火に遭い
大勢の子どもたちが地下に閉じ込められてほとんどが焼け死んでしまった。
その後、病院に建て替えられたが、それもまた大火に見舞われている。

ピーターは自らが描いた謎のオオアリクイ(門番アンチュビス)から
「命を助ける代わりに、メアリーという少女を助ける」よう言われる。


アンドリュー・マッカーシー久々見たな。
霊能者のドゥルーズ夫人と病院で働く息子ボビーほか、みんな個性的すぎ。

アリクイも可愛い(牙がすごいけど) わんこ(ブロンディ)も可愛い(ジャーマン・シェパードかな?
動物も喋るんだよね(飼い主が声の吹き替えをしてるらしい
♪I'll be seeing you ほか、キング作品はいつも音楽の選曲センスもイイ

毎回出てくるエレベーターのシーンが不気味で、また乗るのが恐くなりそう
昏睡状態の無意識の世界なのか、病院の地下なのか、そこもまたブキミ。
まぶたの下でグリグリと動く目玉のシーンとかもすごいリアル/驚

第2話では、轢いた犯人が隣りのベッドにやってくる。

【DVD特典】
これまた充実していて、キング自身によるコメンタリーがついているのはズルい
全部聞きたかったけど、1話45分もあるから、1週間レンタルの間にそれぞれ2回ずつ見るのは大変すぎ
でも、つい半分だけ見ちゃったけど、本編と同じくらい面白い

交通事故のシーンを見て(読んで?)奥さんから「何度再現すれば気が済むの?」と言われ、
「忘れられるまでさ」と答えたという。
いまだに再現シーンを見ただけで、当時の激痛が蘇るって言うんだから、
相当な恐怖体験で、今もまだ消化しきれてないんだな

もうちょっとだけコメンタリーのネタバラシをすると、
今作は150日間で15時間分を撮影しなきゃならなかったため、
順番通りに撮る余裕がなく、同じシーンをまとめて撮ったとか、
同じく緊急医療現場の人気ドラマ『ER』との差をつけるために、色調を抑えたり、
敢えてスピードを落としたりする工夫をしたなどなど。



▼story(2~4巻)ネタバレ注意
凶悪殺人犯ロルフが恋人ハリエットと心中をはかって失敗し、ピーターの隣りに運ばれてくる。
突然みんなで歌いだすシーンはサイコー
昔の大火事で亡くなったメアリーが恐れている少年の名はポール。
ポールにそそのかされたロルフは、放火してピーターを殺そうとして、
アンチュビスに阻止され、自らが大やけどを負う。しかし不死身だなあ!
ちなみに、ポールは水中でチャージ中は動けないらしい。

ステグマンはムカつくと同時に心底同情してしまう どんだけボストンが恋しいのか・・・泣
前の病院でも医療ミスかなにかをやらかして、キングダムに移されたっぽいのに、
ここでも脳手術でミスをして、モナという少女を麻痺させてしまい、母親は全面的に裁判で争う決意。

サリーと昔恋人関係にあったレニーは亡くなり、天国の入り口手前でメアリーと交信する。
年上女性好きなエルマーは、眠っている間に狭間の世界に入ってしまう。



なんだ、キングのコメンタリーは1巻目だけなのか
それなら、ムリしてでも全部聞けばよかった!
ここでもステキなブルース?が使われていたな
op theme もすっかり気に入ってしまった。
♪bye bye baby, don't be long. I'll worry about you while you're gone..

「キングダムの番人」の仲間入りをしたステグ。その儀式がまたバカバカしくて笑えるw
『X-FILES』シリーズのスモーキングマンが番人の一人にいたのにビックリ驚×500
番人の一人で、地震研究の博士&アル中の男が新たにピーターの隣りにやって来る。
彼は幻影と幻聴でキングダムの危険を察知する。

フックが自宅代わりにしていたのは、火事で焼けた「オールドキングダム」。
そこに女医クリスティンを誘い、これまで医療ミスで亡くなった患者の十字架を立てていることを見せる。
クリスティンのもあるし、二日酔いでホームレスを死なせた時のフック自身のもある。

メアリーの人形から昔の新聞が出てくる。
その紙の種類が「昔の新聞に使われていたラグペーパーは耐久性がバツグンなんだ!」ってゆうセリフが気になった。
ブロンディが心臓をくわえてくるシーンはグロすぎてアウト
キングのホラーは面白いが、今の自分の神経の状態で長い間見続けるのはリスクも高いんだよね

「第9話 スウェーデンボルグの世界」
野球選手の話は感動して泣けた。アメリカの野球狂いはハンパないな・・・
「S.キングのホラー並です!」てアナのセリフや、登場人物がキングの小説を読んでたりする内輪ネタも多いw
サリーのゆう「スウェーデンボルグ」ってゆう生死の狭間の世界は、時間を止めたり、巻き戻して、
人生をやり直すことも可能なのか驚×1000



▼story(5、6巻)ネタバレ注意
牧師が殺され奇跡が起きる。メアリーは「助けられるのはdreamers だけだ」という
横柄な騎馬警官が白い光に打たれて運ばれてくる。脳を開けたまま喋ってるし驚驚驚
幻影を見はじめるステグ。

"I use to hate myself. I like myself now."と始終自分に繰り返しつぶやく。 
ooo...how poor man, Steg!

またここでも弁護士役?で『X-FILES』のブレインの1人が登場!
6巻の冒頭で「時間は便宜的なものだ」といった意味深なセリフが気になった。

アル中の地震博士が「あと4時間ほどで巨大地震が起こる!」と訴え、
サリー、フック、ピーター、エイブルとクリスタら一同が集まり、スウェーデンボルグに行く。。


S.キングの長編ドラマの中では『ザ・スタンド』が壮大な傑作だと思っていたけど、
今作もまたキングのストーリーテリングの才能と映像のプロたちの才能が見事に結集している
いつも不在のJohnny B. Goode 役でキングがカメオ出演しているし

【DVD特典】
最終巻にはまた特典映像がいろいろあって、製作の苦労話を俳優らが語ったり、
キング自身が解説してるから、見ていてこんなに楽しい特典はない
「まとめ撮り」「監督が1人で15話全てを撮る」「ドラマで毛がふさふさのキャラをCGで使う」
などなど、前代未聞のやり方で「まるで映画2本分を撮るのと同じだった」だという。
俳優、監督、製作チームみんながプロ中のプロ集団ってことだ。
みんな物凄い早口で喋っているのも凄い

キングいわく「私は人を恐がらせるのが大好きなんだ。病院は怖い道具とかもたくさんあるしね」って同意!
ちなみに、アンチュビスはエジプトの生と死の門番「アヌビス」だったんだ。

「これはアメリカの深刻な医療問題も描いている」とのこと。
精神科医療の歴史をたぐれば、まさにS.キング的ホラーな事件があふれ出てくるだろうなぁ・・・

元ネタとなった『キングダム』のほうも、また改めて観直したくなった。




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