メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1996.6~ part6)

2013-07-12 10:03:18 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづきで、白いノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『マイ・ライフ』(1993)
監督・脚本:ブルース・ジョエル・ルビン 出演:マイケル・キートン、ニコール・キッドマン ほか
がんと知り、産まれてくる息子に“自分がどんな人間だったか”をビデオに残す父と周囲の姿を静かなタッチで丁寧に描いた作品。
本人に告知して厳しい現実をつきつけるってことを考えさせられる。
残された時間をどう過ごすのか、東洋的な解釈や、リインカネーションも含めて問いかける。
中国医の話では“現世の心の中の核がそのまま来世の命の元になる”とのこと。宗教的で哲学的。
宣伝文句は「ハンカチをお忘れなく」。それほど泣ける作品ではなかったけど、意味のあるテーマ。
キートンのキャラは優しいパパよりギャングって感じだけど、シリアスな映画でも好演。
私も薬物治療とかより、すべて試したなら、生きて考えられるうちは人生を清算して、もっと余命を楽しみたい。


『哀愁のエレーニ』(1985)

原作・製作:ニコラス・ゲイジ 監督:ピーター・イエーツ
出演:ケイト・ネリガン、ジョン・マルコヴィッチ、リンダ・ハント ほか
久々に重いテーマを持つ実話に基づく作品。'40年代ギリシャの内乱で離れ離れになった母子の物語。母性愛をうたいあげる。
ニコラスは戦犯を殺す代わりに、この映画で本質を伝え、罪を告発した。
当時の貧しく辛いギリシャ人らの様子がリアル。にも増して、ケイトが熱演して、娘に
「結婚して子どもを産みなさい。大きな喜びよ。母になることは。神に感謝するわ」女と母とは別物みたいだ。
「なぜ母性愛とは、あんなに強いものか?」殺し合いよりもっと恐ろしいのは思想。
カティスが歳をとり、当時を自慢話としてしか覚えていないのにはゾッとする。
信じるものが違えば、人はとんでもない悪魔に化すことも、愛にあふれた母になることもできる。


『南太平洋ボロ船作戦』(1960)
監督:リチャード・マーフィ 出演:ジャック・レモン、リッキー・ネルソン ほか
“痛快アクションコメディ”とはいかないけど、'60代の初々しいレモンの姿が見れるのはファンには嬉しい。
同じ海軍ものでオスカーをとった『ミスタア・ロバーツ』関連で出演したのかな?
日本軍との戦争が題材で立場的に笑えない。戦争がテーマじゃ、どっちが勝ってもハッピーエンディングとはいかない

暑い日ざしの中で、中年男たちが脂汗を垂らして、制服も汗まみれにして、狭い部屋の中で寝起きしたり、
作戦をたてたり、とてもステキな環境とは思えないね。これが男のロマンか?
まずいコーヒーをゴミ捨て場みたく海へ投げ捨てるシーンもいただけない。
士官クラブでジャズピアノを弾くシーンが見れると思ったけど、レモンは弾いてなくて残念。
秘書とのロマンスストーリーでも良かったのに。
『エアポート'75』も観たいんだけど、どこにもない幻の作品なんだよね。シリーズ中では影が薄いのかな?


『別れの街角』(1973)

原作・監督:アンソニー・シモンズ 出演:ピーター・セラーズ、ドナ・ミュレイン ほか
セラーズの隠れた名作とも言える『チャンス』にも通じる、抑えた味のある名演。原題は楽天家たち。同名の本の映画化のようだ。
途中流れる流しの歌手が歌うような人生の悲哀を感じさせる曲がトム・ウェイツ風で聴かせる
イギリスの下層労働階級を描いていて、これだけ主要な都市のひとつに発展しながらも貧富の差という大きな問題を抱えている事実を伝えている。

「人間は敵だ。信用できない。犬は友だちさ。永遠にな」

奥さんと子どもを亡くしたショックでホームレスになってるのかな? それぞれの理由があるんだろうね。
でもストリートパフォーマーたちは動物と一緒に歌って踊って、私たちを楽しませてくれる。彼らなりの人生の楽しみ方がある。

「子どもに“あれしちゃダメ、これしちゃダメ”と言うだけじゃダメだ。頭の中に夢を育ててやらなきゃ」

♪Sometime
 それほど悪くない時もあった ひどい目にもあったが 楽しい時もあった ってセラーズの歌も楽しい。

♪僕は彼女に恋をした 彼女も僕に恋をした お互い黙っているけれど 分かってるんだ
 土曜の晩に会ったらどうなる? まだミスターと呼んでくれてるけど キスをしたら変わるだろう
 もうじき僕の朝食を作ってくれるだろう お互い黙っているけど 同じこと

♪どうして泣き声を出すかってよく聞かれたよ 泣き声じゃないんだ 生まれつき優しい声なのさ


『ローマで起こった奇妙な出来事』(1966)

監督:リチャード・レスター 出演:ゼロ・モステル、フィル・シルバース、バスター・キートン ほか
これがバスターが晩年に出演して、遺作となったコメディか。ちょい役と思いきや全編に渡って駆け回ってる!
主演のコテコテコメディアンのゼロって『サロメ』に出てた人?

ステキでグロテスク 王や戦争はなし 今夜はコメディ!
とめっちゃ明るく豪華な音楽で始まる100%純粋で理屈なしの「笑い」に徹してるところがイイ。
まるでバスターのサイレントスラップスティックと、マルクスbros.の理不尽なギャグを合わせたノリ。
映像の汚さや、下品さもgood。

チェイスで体を張ったアクションはスゴイ。バスター直伝の教えをもらったのか?
バスター自身も老人とは思えない走り方。やっぱり体の鍛え方が違う! 嬉しくなっちゃう、喋ったりする姿が観れて
こうゆう恥も外聞もなく、中年オヤジらが集まって頭カラッポにして楽しめちゃうコメディが少ないもの、最近は。
それにしても'60とは思えない汚い絵。
の汗が秘薬に必要だと言って一緒にサウナに腰掛けて、「こんなに汗をかいた」と見せるとペロペロ舐めてるしw
ゼロも数多くコメディに出ていたんだろうね。このキョーレツなキャラは貴重。


『ワイルダー・ナパーム』(1993)
監督:グレン・ゴードン・キャロン 出演:デニス・クエイド、デブラ・ウィンガー ほか
とってもセクシーでコケティッシュな魅力が爆発してるデボラがたっぷり楽しめる作品
愛し合うと火が起きちゃうベーコン夫婦の映画があったけど、こっちも負けずにホットな関係。
こんなに火がついたら撮影中の消火もさぞ大変だったことだろう
「I'm sorry, come to take me」なんてシンプルでスイートな仕業。
髪を燃やされた役でかつらがちょっと不自然(かつらだよね、ずっと?)だったけど、アリス・ハワードもなかなか好演。
デニスは自他共に認めるセクシーさをふりまいてるし、でも、やっぱりデボラ
最初の足からのスーパーショットでノックアウト!
こうゆう頭カラッポでも自由な蝶みたいな役をラクラクできちゃうのよね。フシギな人。


『鏡の中の他人』(1993)
原作:シドニー・シェルダン 監督:チャールズ・ジャロット
出演:ペリー・キング, ロリー・ラフリン, クリストファー・プラマー, シドニィ・シェルダン ほか
売れまくってる作家S.シェルダン原作の映画化。
彼の作品はほぼ全て映像化確実だけど、そのはず。もともと脚本家やってたものね。
ハリウッドの裏側を暴いた今作もとってもリアル。ちょっと霊的サイコなシーンは彼らしくないけど。
とっても分かりやすく刺激に満ちた展開。さすがに観客の心の掴み方が十分分かってる。
でも一本調子で話が似てて、飽きちゃったな。


『バイバイ・モンキー』(1977)

監督:マルコ・フェレーリ 出演:ジェラール・ドパルデュー、マルチェロ・マルトロヤンニ ほか
なんて悲劇だろう! 予想もできないほど。これほどの作品が埋もれていたなんて。
まさにフランスとイタリアを代表する2大スターの共演だけある。幅が広いねえ、彼らも。

「なぜ俺だけモテない? ビザのないやつは“イタ公”と呼ばれて見下されるだけだ」

「ローマ帝国が滅びてもネズミは生きてる。我々が死滅しても、未来はネズミのものだ」

「これがお前だ。猿でも人間でもない。欠陥品だ。世の中は混乱している。服従が嫌なら私を殺せ」

世界でも蝋人形ってゆうとクレオパトラや、最後の晩餐って歴史的人物なのね。
シュールな映像とストーリー。世紀末の香り漂う感動と悲しみで泣けてくる。
白い壁に書かれたフキダシの「WHY?!」は気に入った。



【読書感想メモ】
「HAPWORTH 16,1924」J.D.SALINGER


【イベントメモ】
この時期にアルファスターに登録したみたい。


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