■『そして父になる』(2013)
監督:是枝裕和 参考文献:奥野修司著『ねじれた絆-赤ちゃん取り違え事件の十七年』(文春文庫刊)
出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、田中哲司、井浦新 ほか
「スパイダーマンって蜘蛛だって知ってた?」
第66回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞。
2013年5月11日に亡くなられた夏八木勲さんの元気な姿も観れた。
分かってたけど、泣いたなあ!号泣 是枝監督、すごい
▼story(ネタバレ注意
建築家で一流企業に勤務するエリート、野々宮良多とみどりの一人息子・慶多は、父に似ずおっとりした性格。
公立の小学校にこだわる良多は、慶多にお受験面接をさせたり、ピアノを習わせたりしつつ、
自分はいつも仕事に追われて、子育てはほとんど妻に任せきり。
みどりが慶多を産んだ、実家の前橋病院からある日電話があって、慶多は他の子と取り違えられていたと告げられる。
(昭和40年代は、赤ちゃんの足の裏に番号を書いて区別していたの
DNA鑑定の結果、慶多は自分らの子どもではないと判明。
車内で良多は「やっぱり、そうゆうことか」とつぶやいた。
家でも「だからあんな田舎の病院は止めておけってゆっただろ?」などと責め、
みどりは「なんで気づかなかったんだろう、わたし、母親なのに・・・」と自分を責める。
病院側は謝罪の言葉もなく「この場合、100%交換、それも決断は早いほうがイイ」と提案してくる。
本当の息子は、琉晴と名付けられ、田舎で小さな電気店を営む斎木雄大とゆかり、弟と妹とともに育った。
2組の家族が会う。琉晴は、育った自由な環境のせいか元気いっぱいな子ども。
ゆかり「似てないのよ、一人だけ。旦那から“浮気したんだろ”って。酷いこと言うなあって思ったけど、まさかねぇ・・・」
良多は、上司から「どーせなら、両方引き取っちゃえ」と言われて心が揺れる。
知り合いの弁護士スズモト(哲さん)に相談すると、
「(両親がだらしないという)それだけじゃネグレクトとはいえない。それくらい強いんだよ、親権ってゆうのは」
病院側に言われるままに、それぞれ子どもを相手方の家に泊まらせて様子をみる。
良多「これはケイタが強くなるミッションなんだ」
家庭環境や育て方の違いに戸惑う親子。
帰りの電車でみどりは
「ケイタ、2人でどっか行っちゃおっか?」
「パパは?」
「パパはお仕事あるからなあ」
みどりの実家の母は「戦後は里子とかいっぱいいたものよ。産みの親より、育ての親ってゆうじゃない」と口を挟むが拒む良多。
雄大「オレ、この半年で良多さんよりずっと長く(ケイタと)一緒にいるよ」
良多「時間じゃないと思いますけど」
雄大「子どもは時間だよ」
良多「ボクにしかできない仕事があるんですよ」
雄大「父親かて、とりかえのきかん仕事やろ!?」
良多は突然「(子どもを)2人とも譲ってくれませんか? お金ならまとまった金、用意できますから」と言い出す。
雄大「おまえ、金で子ども買うんか?! 負けたことのない奴ってのは、本当に人の気持ち、分かんないもんやな」
良多「なんでオレが電気屋にあんなこと言われなきゃいけないんだろうなあ」
その後の病院側との裁判で「たとえ病院のミスでも、母親なら分かったんじゃないですか?」て逆ギレ驚汗
当時の看護師の証言で、さらに驚きの事実が判明する(夫は瀧さん
良多は、入院していた父の見舞いに行く。
父「人も馬と同じで血が大事なんだ。早く交換して二度と相手の家族には会わないことだな」
(いくら競馬が好きだからって、この例えは・・・汗×5000
父の再婚相手である母は「一緒に暮らせば似てくるものよ。夫婦もそうじゃない?」
ゆかり「なにもなかったことにはできないんですよね?」
良多「血のつながってない子どもを愛せますか?」
ゆかり「愛せますよ、もちろん。似てるとか、似てないとか、
そんなことにこだわってるのは、子どもとつながっている実感のない男だけよ!」
良多とみどりの夫婦仲にも次第に亀裂が入ってゆく。
「みんながあなたみたいに頑張れるんじゃないのよ」
「頑張るのが悪いみたいだな」
「頑張りたくても、頑張れない人もいるってこと」
スズモト「ま、はっきりした勝者なんていないもんだよ、訴訟は」
「おまえらしくないが、なんだか好きになりそうだな」「おまえに愛されても嬉しくないよ」w
リョウタの転勤先の研究所?職員(井浦さん)は、研究のために自分で林をつくり、
野生の虫が羽化するまでに数年かかったという。驚くリョウタに「そんなに長いですか?」
**********************
「子どもなんだから言っても分からない」「子どもには酷だ」などと言って、軽視する傾向があるなぁ。
どんなに小さくたって、その場の空気や、周りの人間の気持ちを察知する能力は、もしかして大人より上かもしれない。
この場合も、きちんと子どもたちにも説明するべきだったと思う。
それに「交換は子どものうちのほうが・・・」て言うけど、子どもの頃の記憶のほうが、
よっぽど、その後の人生に影響して、一生分を支え、導いていくんだ。親子関係も同様。
本作は、タイトル通り、子どもの取り違え問題を取り上げるとともに、
複雑な家庭環境で育った男が、事件によって、心の大事な部分を思い出し、
自分なりの父親像を見出して、家庭を作り直す物語り。
同じ悲しい事実でも、それぞれの家族、男女によっても、捉え方、感情の動きが随分違っているのもポイント
それに、子どもの描く絵って、言葉では言えない内面を表現しているからとっても大事!
エンドロールに流れる静かなクラシック音楽と、子どもの笑い声がまた心を打つ
追。
カッコいい男優が3人も観れて満足v
監督:是枝裕和 参考文献:奥野修司著『ねじれた絆-赤ちゃん取り違え事件の十七年』(文春文庫刊)
出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、田中哲司、井浦新 ほか
「スパイダーマンって蜘蛛だって知ってた?」
第66回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞。
2013年5月11日に亡くなられた夏八木勲さんの元気な姿も観れた。
分かってたけど、泣いたなあ!号泣 是枝監督、すごい
▼story(ネタバレ注意
建築家で一流企業に勤務するエリート、野々宮良多とみどりの一人息子・慶多は、父に似ずおっとりした性格。
公立の小学校にこだわる良多は、慶多にお受験面接をさせたり、ピアノを習わせたりしつつ、
自分はいつも仕事に追われて、子育てはほとんど妻に任せきり。
みどりが慶多を産んだ、実家の前橋病院からある日電話があって、慶多は他の子と取り違えられていたと告げられる。
(昭和40年代は、赤ちゃんの足の裏に番号を書いて区別していたの
DNA鑑定の結果、慶多は自分らの子どもではないと判明。
車内で良多は「やっぱり、そうゆうことか」とつぶやいた。
家でも「だからあんな田舎の病院は止めておけってゆっただろ?」などと責め、
みどりは「なんで気づかなかったんだろう、わたし、母親なのに・・・」と自分を責める。
病院側は謝罪の言葉もなく「この場合、100%交換、それも決断は早いほうがイイ」と提案してくる。
本当の息子は、琉晴と名付けられ、田舎で小さな電気店を営む斎木雄大とゆかり、弟と妹とともに育った。
2組の家族が会う。琉晴は、育った自由な環境のせいか元気いっぱいな子ども。
ゆかり「似てないのよ、一人だけ。旦那から“浮気したんだろ”って。酷いこと言うなあって思ったけど、まさかねぇ・・・」
良多は、上司から「どーせなら、両方引き取っちゃえ」と言われて心が揺れる。
知り合いの弁護士スズモト(哲さん)に相談すると、
「(両親がだらしないという)それだけじゃネグレクトとはいえない。それくらい強いんだよ、親権ってゆうのは」
病院側に言われるままに、それぞれ子どもを相手方の家に泊まらせて様子をみる。
良多「これはケイタが強くなるミッションなんだ」
家庭環境や育て方の違いに戸惑う親子。
帰りの電車でみどりは
「ケイタ、2人でどっか行っちゃおっか?」
「パパは?」
「パパはお仕事あるからなあ」
みどりの実家の母は「戦後は里子とかいっぱいいたものよ。産みの親より、育ての親ってゆうじゃない」と口を挟むが拒む良多。
雄大「オレ、この半年で良多さんよりずっと長く(ケイタと)一緒にいるよ」
良多「時間じゃないと思いますけど」
雄大「子どもは時間だよ」
良多「ボクにしかできない仕事があるんですよ」
雄大「父親かて、とりかえのきかん仕事やろ!?」
良多は突然「(子どもを)2人とも譲ってくれませんか? お金ならまとまった金、用意できますから」と言い出す。
雄大「おまえ、金で子ども買うんか?! 負けたことのない奴ってのは、本当に人の気持ち、分かんないもんやな」
良多「なんでオレが電気屋にあんなこと言われなきゃいけないんだろうなあ」
その後の病院側との裁判で「たとえ病院のミスでも、母親なら分かったんじゃないですか?」て逆ギレ驚汗
当時の看護師の証言で、さらに驚きの事実が判明する(夫は瀧さん
良多は、入院していた父の見舞いに行く。
父「人も馬と同じで血が大事なんだ。早く交換して二度と相手の家族には会わないことだな」
(いくら競馬が好きだからって、この例えは・・・汗×5000
父の再婚相手である母は「一緒に暮らせば似てくるものよ。夫婦もそうじゃない?」
ゆかり「なにもなかったことにはできないんですよね?」
良多「血のつながってない子どもを愛せますか?」
ゆかり「愛せますよ、もちろん。似てるとか、似てないとか、
そんなことにこだわってるのは、子どもとつながっている実感のない男だけよ!」
良多とみどりの夫婦仲にも次第に亀裂が入ってゆく。
「みんながあなたみたいに頑張れるんじゃないのよ」
「頑張るのが悪いみたいだな」
「頑張りたくても、頑張れない人もいるってこと」
スズモト「ま、はっきりした勝者なんていないもんだよ、訴訟は」
「おまえらしくないが、なんだか好きになりそうだな」「おまえに愛されても嬉しくないよ」w
リョウタの転勤先の研究所?職員(井浦さん)は、研究のために自分で林をつくり、
野生の虫が羽化するまでに数年かかったという。驚くリョウタに「そんなに長いですか?」
**********************
「子どもなんだから言っても分からない」「子どもには酷だ」などと言って、軽視する傾向があるなぁ。
どんなに小さくたって、その場の空気や、周りの人間の気持ちを察知する能力は、もしかして大人より上かもしれない。
この場合も、きちんと子どもたちにも説明するべきだったと思う。
それに「交換は子どものうちのほうが・・・」て言うけど、子どもの頃の記憶のほうが、
よっぽど、その後の人生に影響して、一生分を支え、導いていくんだ。親子関係も同様。
本作は、タイトル通り、子どもの取り違え問題を取り上げるとともに、
複雑な家庭環境で育った男が、事件によって、心の大事な部分を思い出し、
自分なりの父親像を見出して、家庭を作り直す物語り。
同じ悲しい事実でも、それぞれの家族、男女によっても、捉え方、感情の動きが随分違っているのもポイント
それに、子どもの描く絵って、言葉では言えない内面を表現しているからとっても大事!
エンドロールに流れる静かなクラシック音楽と、子どもの笑い声がまた心を打つ
追。
カッコいい男優が3人も観れて満足v