メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1997.10~ part4)

2013-10-01 16:39:30 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『D.N.A.ドクター・モローの島』(1996)
原作:H.G.ウェルズ 監督:ジョン・フランケンハイマー 出演:ヴァル・キルマー ほか
3度目の映画化。CGも特殊メイクも思いのままの現代にして原作を脚色しなくちゃならないのはどうしてか。原作通りでないのが残念。
スターリング扱いのキルマーは漂流者役向きだし、漂流者が国連関係のやわい英国人で始終傍観者的なのも、
せっかくのモロー博士のマーロン・ブランドーが狂気宿る天才マッドドクターじゃなく太ったマフィアか道楽者みたいなのと、
どうしても美女が必要なアメリカ映画の悲しさでキャットウーマン(ほとんど野生メイクなし)を入れてるのも気になる。
(ロマンスシーンが入らないだけ忠実か)
最初の眼が疲れるほどの微生物のカットはスゴイ。

「犬は狩りをし、殺すが好き」てこの原作との違いは悲しい。
これじゃ原作の面白味と深みが全くそがれてないか? 単に獣人間のメイクの怖さばかり強調。
現代風に解釈するのと、興行的なウケを考えすぎたハリウッドのハマりやすいパターン。
ブランドーもよく出演したな。あのデカい腹が特殊メイクでないことが1番怖いと思う


『バスケットボール・ダイアリーズ』(1996)
監督:スコット・カルヴァート 出演:レオナルド・デカプリオ、ジュリエット・ルイス ほか
さて人気絶頂デカプコーナーからやっと借りた今作で気づいた彼の特徴は、自滅タイプの役が好きだってこと。
『タイタニック』監督秘話で、彼をゲットするのに「君の好きな体の不自由な役じゃない」と切り出したらしいが
演技に自信があるとこんなボロボロに破滅する姿をわざと見せたがる傾向があるのかも。
同作で本人のコメント「今作で大人になった」と言ったのは、他の共演者もたてることを学んだって意味じゃないかな。
今作は天才的だけど、ちょっと自己陶酔に入ってるデカプが見える。原作者はどこに出てたのか?

「ヤクをやるいくつかのパターン。金持ちの暇つぶし、売人、ストリート・キッズは13歳頃から手を出してる」

書く行為はストレス解消と、正気と狂気のバランスをコントロールする1つの手。
作家はあらゆる経験がものをいうから。


『GAG WARS part2』
出演:Take2、つぶやきシロー、ピーピングトム、U-turn、アンジャッシュ、ジョビジョバ、フォークダンスDE成子坂、BOOMER
(ネタのメモは割愛
今回のMCとトリはBOOMERで、弱いかと思いきや、シリーズ中1番充実した巻かも。
仮設スタジオっぽい暗いちゃっちいセットもさほど気にならなくなったし、
チラッと映った客席にはやっぱ大勢の女の子、サクラか?


『ふかわりょう 大小心者克服講座』(1997)
“嫌いな奴にさりげなく決定的な欠点を言うことによって、パンチやキックより効果的なダメージを与える”やり方。
「それはうぶ毛じゃないだろう」
「誰も見てなかったゾ、お前のバク転」
「お前のお土産、誰も手付けてないな」
「全部、目つぶってるけど焼き増しする?」
「これはペットのにおいじゃないだろう」ほか

例の「はい、まだ走らない」「ここ先生だけ」もすべて入った完全版。


『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)
監督:ジョン・バダム 出演:ジョン・トラボルタ ほか
今やってるディズニーのダンス・フィーバーでちょっと盛り上がってる路線上で借りた今作。
すごい有名な1本だけどなぜか観る機会がなかった。
トラボルタのブレイク作でディスコブームの火付け役にもなったという。
ノリ的には『フットルース』と同じ。目的も夢も持てずに日常の問題にどっぷりつかってキレる寸前にいる若者たちを描く。
それほど強調されなかったが麻薬問題もチラッと出てくる。
校内暴力、いじめ他で心のバランスがくずれ、事件が続発している今の若者と通じるものもある。
親子の断絶、悪い仲間、目的を持てない生活、相談できる相手もいない。あり余る感情と力。
みんなが真っ黒いトンネルから抜け出そうとしても方法が分からない。


『ロスト・ハイウェイ』(1996)

監督:デヴィッド・リンチ 出演:ビル・プルマン ほか
戻ってきてくれたか、このドラッグ的感覚。かったるい雰囲気、黄色っぽく重い映像、終わるとも知れぬ終わり方。
リンチの場合、だらだらと見せられていることすら快感という不思議な世界。
今回の最もキョーレツキャラは、死神みたいな暑苦しい顔のおやじに決定。
ビルの激しいSAXプレーにしびれるねえ。音は別だろうけど。
D.ボウイの妖しい歌声がほんとハマりすぎ。ルー・リードの♪this magic moment まで入ってたからね
監督は音にもうるさい人とみた。

リンチ作品の話をまとめるのはムリな話だけど、死神おやじは、Bの悪の化身で、
妻に浮気の疑いをかけたところからサイコと化した男の復讐話ともとれる。
プルマンが正義の大統領役から一転してワルっぽい危険な男を演じているのが見所。
パトリシア・アークエットの小悪魔ヒロインもイイ。


『アライバル』(1996)

監督:デヴィッド・トゥーヒー 出演:チャーリー・シーン ほか
いろいろあったチャーリーが身を落ち着けて久々ハリウッドに戻ってきた。「X-FILER必見」という呼び文句が観て納得。
リアルな秘密基地が壮大で、ピロピロの頭皮が泳ぎ、顔と反対に膝が曲がって歩くフシギなエイリアンデザインがイイ!
誰が味方で敵か、彼を阻止できるのかという逃亡劇もスリリング。
そして、地球は人間が守っていくべきという環境テーマまでしっかり入っている。
キキに「仲間に伝えろ。ヒトをなめるなと」足を切り替えて走ってく少年がみょーに残る。
そして立派にテレビに放映されたけど課題は残った。
他にもたくさんエイリアンを残したままだし、環境破壊は止まらない。
この分だと2ができそうな気配かな。がんばれチャーリー!


『バスキア』(1996)

監督:ジュリアン・シュナーベル 出演:ジェフリー・ライト、デヴィッド・ボウイ、ゲイリー・オールドマン、
デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン ほか
上のメンバーの顔ぶれでも分かるようにベストのスタッフが集まって、夭逝した天才画家への深い愛をこめて描き上げた1作。
音楽もトム・ウェイツほか渋いアーティストが勢ぞろい
ボウイも参加。彼のアンディはソックリ。交友があって'90代も生き延びてる貴重な1人だからね。
悪評、スキャンダルの王ながらこんな真の友情を抱いて死に涙してくれる者もいたとは本当に彼ってフシギなヒト。
彼の死に素直に泣いた人は何人いるのか?

「世界で絵の分かる奴は10人しかいない。アンディはその1人だ」

「誰もが彼の純粋さに触れようとした」というのが今作のキャッチ。
だが当時、彼の周囲は純粋とはかけ離れたヒトたちばかり。

「絵を描くことと商売は別。自由にはなれないのか?」

彼は有名になることを夢見ても、それによって失い変化することまで理解していなかった。
ウォーケンが記者となってバスキアに取材するシーンは緊迫感いっぱい。

「塔に閉じ込められた王子は王冠を鉄棒にうちつけ助けを呼んだ。
 人々はその音色に天のものだと思い、両手をあげた。王子は助けられなかったが美が生まれた」


『許されざる者』(1992)

監督・出演:クリント・イーストウッド 出演:ジーン・ハックマン ほか
観るつもりはぜんぜんなかったのに冒頭からすっかり引きこまれてしまった。
女子どものために男らが賞金をかけて銃で競い合うっていう西部劇のおきまりコンセプトは同じだけど、
複雑な人物設定と、それを演じきり、なお、その上に深みを加えることができるイーストウッドの老いたベテランの渋み、
ハックマンの悪玉とも正義ともいえない重い保安官の存在感などアクションでなくドラマで見せる時代もの。

「コーデリアは、ならず者の殺し屋と結婚、数年前死んだ母がその後墓参りにきたが、
 去った後、なぜ娘がそんな男と一緒になったのか分からない」

夕陽にシルエットとなる小屋と枯れ木の映像でまず引きずり込まれる。
なぜ彼は若い頃女子どもまで平然と殺していたのか語られないし、
結局ヒトがヒトを裁くことの難しさを説こうとしたのか?


『リング』『らせん』(1998)
監督:飯田譲治 出演:松嶋奈々子、中谷美紀、真田広之、佐藤浩市 ほか
いやあ分かってたけどだまされたって感じ。1作目で怖がらせて、2作目はDNAのSFドラマか。コンセプト勝ちだね。
でもどうして邦画は何十年たっても変わらないのかな。
髪の長い女が恨みつらみでもってバア~って出てくるって、横溝さんの湿っぽいノリ。
ま、布をかぶった男やイメージのコラージュ的なテープは薄ら気持ち悪いけど。

2作目を観ないで帰れるって言われてほんとに怖くて帰っちゃったヒトがいるって、また口コミパワー利用した新手の商法か?
男優、女優とも新旧まぜて力のある人材を配して、効果音、映像にちょっと驚くシーンはあるけど
あまりに身近すぎる舞台のせいか・・・とにかくこれはビデオで充分、このひと言に尽きる。
金をもってるのにどうして邦画ってこんなにみんな低予算な作りなの?


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