メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『黒ねこのおきゃくさま』(福音館書店)

2011-04-21 13:51:24 | 
『黒ねこのおきゃくさま』(福音館書店)
ルース・エインズワース/作 山内 ふじ江/絵 荒このみ/訳

あらすじ
凍えるような雨の晩。
貧しく、1人で住んでいるおじいさんにとって、土曜日はあたたかいミルクにパンをひたして、わずかな羊肉を食べて眠るのが唯一の楽しみv
だが、今晩は毛が濡れて、やせ細った黒猫がお腹を空かせて家に入ってきたので、
おじいさんはたまらずに、この突然のお客様に最大のもてなしをする。
食べ物を全部食べられてしまい、最後の薪も使ってしまったけれども、
布団の中にもぐりこんできた猫と一緒に眠ると、とても心地よく満たされるのだった。
翌朝、外に出してくれとせがむ猫を出してあげると、猫は振り返って、
「わたしはあなたのミルクをのんで、パンも肉も全部食べてしまいました。それにまきも、ぜんぶつかわせてしまいました。どうして、わたしをおいだして、とびらをしめてしまわなかったのですか?」と聞くのだった。


単なるのらにゃんこじゃなくて、とってもフシギな猫だったのでびっくり。
これは究極の奉仕精神、慈愛の物語だな。
自分もお腹ペコペコ、寒くて手がかじかんでいるのに、明日から先のことも考えず、
まず、震えている猫に食べ物を与え、あたためてあげることを優先させるココロ
なんの計算も取引もなく与えるって、ケチな自分にはなかなか出来ないことだ(反省
満足したネコを見て、お腹が空いてるのも忘れて、すっかり幸せな気持ちになるおじいさんは、いい人だなあ。

「むかしむかし~」からはじまる感じは「かさこじぞう」を思い出す。
温かみのある、やわらかい水彩絵の具で描かれた挿画が物語りとよく合っている。


えほんのくに吉備
このサイトすてき




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