メランコリア

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『学習漫画 世界の歴史 15 ヒトラーと第二次世界大戦』

2010-05-11 17:47:34 | 
『学習漫画 世界の歴史 15 ヒトラーと第二次世界大戦』
監修:木村尚三郎 立案・構成:岩田一彦 シナリオ:柳川創造 漫画:古城武司 集英社

国際連盟:第一次世界大戦のような悲惨な戦争を二度と起こさないことを目的に、ウィルソン米大統領の提案で1920年に誕生。イギリス、フランス、イタリア、日本を中心に運営。アメリカはヨーロッパ問題に巻き込まれるのを危惧して不参加。
ワシントン会議:日本の太平洋進出を抑えることを目的に、海軍軍縮条約などを定めて主力となる戦艦の総トン数を制限した。
ベルサイユ条約によって敗戦国ドイツは莫大な賠償金を課せられて払いきれず、フランス・ベルギー軍がルール地方を占領したため、国民がストで抵抗し、国内は激しく混乱。アメリカの援助で回復し始める。

アドルフ・ヒトラー:1889年、オーストリア生まれ。画家を目指すが挫折し、ドイツのミュンヘンに住み政治家を目指す。第一次世界大戦で活躍したあと、「ドイツ労働者党」に入り、「ゲルマン民族が支配すべき」と説き人気を集める。「わが闘争」を著した。1933年、43歳で首相となって、第三帝国を目指す。
ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党):ヒトラーが党首となり、突撃隊と呼ばれる軍隊と、親衛隊と呼ばれる秘密警察組織を持った。
アウシュビッツ:昔からヨーロッパの一部でユダヤ人蔑視の思想があり、ユダヤ人は強制収容所に送られ、毒ガス室で毎日何百人も殺された。
●アンネ・フランク:ドイツ人。オランダのアムステルダムの屋根裏部屋に家族で隠れ住んでいたが囚われ、収容所で死去。「アンネの日記」を書いた。
ゲシュタポ:ナチス・ドイツの秘密政治警察。親衛隊から選ばれ、反対運動や共産主義者、ユダヤ人などを暴力で弾圧した。
独ソ不可侵条約:ドイツとソビエト連邦が互いに相手を攻撃しないという内容。こののちドイツはポーランドに進出し、第二次世界大戦が勃発。

第二次世界大戦
●スターリン:ソビエト連邦の指導者。
●ウィンストン・チャーチル:イギリスの政治家。画家や文筆家としても有名。
●ド・ゴール:フランスの軍人・政治家。
レジスタンス:仏語で「抵抗」の意。ド・ゴールらの呼びかけに応え、連合国から密かに送られた武器を持って、パリを中心に都市や森林地帯にたてこもり、ドイツ軍を苦しめた。
イギリス上陸に失敗したヒトラーは独ソ不可侵条約を破ってソ連にも進軍したが、冬の厳しさに25万人いたドイツ軍は降伏した時9万人となり、帰国できたのはわずか6000人だけだった。

▼中国
井崗山(チンカンザン)に本拠地を移した毛沢東は、朱徳(中国の政治家・軍人)と合流し、蒋介石が率いる国民党軍と戦っていた。
第二次国共合作:満州事変後、張学良(中国東北地方を支配していた張作霖の息子)に促され、内戦を止め、国民党と共産党で組んで日本と戦うことを約束した。

▼太平洋戦争
日中戦争が起き、日ソ中立条約が結ばれ、真珠湾攻撃が行われ、太平洋戦争が勃発。
ミッドウェー艦隊攻撃の失敗から戦況が逆転、占領地から次々撤退、東京大空襲、広島・長崎への原爆投下により1945年、無条件降伏。
日系人強制収容所:対戦中、アメリカにいた日系移民約11万人が閉じ込められた。ドイツ系や、イタリア系は収容されなかったため、人種的偏見として批判され、戦後、米政府は違法を認め、損害の一部を賠償した。

イタリアが無条件降伏。
●アイゼンハウアー:アメリカ軍人・政治家。ヨーロッパでの連合軍最高司令官。1953年に第34代大統領となる。
ノルマンディ上陸作戦:5000隻以上の船と、20万人の兵士が参加した歴史上最大の作戦。1944年、連合軍はパリに入り、ドイツ軍は降伏した。
ソ連軍が総統官邸近くまで迫り、ヒトラーは妻エバとともに自殺した。


ユダヤ人の歴史
もともとパレスチナ(現在のイスラエル地域)に住んでいたが、新バビロニア王国に滅ぼされ、ローマ帝国など多くの国に支配され、独立できず、宗教や習慣の違いから迫害を受け、ヨーロッパ各地に移り住んでいった。
19世紀末、故郷に国を作ろうとシオニズム運動が起こり、第二次世界大戦後、これらのユダヤ人が独立してつくったのがイスラエル。
だが、もともと住んでいたアラブ人との間に争いが起こり「パレスチナ問題」はまだ続いている。
著名なユダヤ人:ハイネ(詩人)、フロイト(心理学者)、ガーシュイン(作曲家)、マルクス(経済学者)など


科学の世紀と呼ばれる20世紀の発明
・ペニシリン:病原菌を殺す抗生物質の中でもっとも代表的なもの。イギリスのフレミングが発見。
・ナイロン:アメリカのカロザースが発明した人工繊維。当時は石炭+水+空気(今は石炭の代わりに石油)が使われる。
・プラスチック:ベルギーのベークランドが電気を通さない物質を発明。
・コンピュータ:原理はイギリスの科学者ベイジが考え、アメリカで初めて「エニアック」がつくられた。重さ30トン。
ほかにもテレビ、ジェットエンジンなどなど。


全体主義
米の世界恐慌を発端として、「持てる国」(植民地から充分な資源を持つイギリス・フランス、アメリカ)に対して、
「持たざる国」(ドイツ、イタリア、日本)は軍事力を使って国外に勢力をのばした。
その目的のため、基本的人権や自由を抑えて国民を国家に奉仕させようという考え方が生まれた。
ドイツのナチス、イタリアのファシスト、日本の軍国主義が典型。この全体主義の台頭により第二次世界大戦が起こった。
イギリス、フランスは、共産主義のソ連を警戒するあまり、ヒトラーと妥協を続けたため独走を防げなかった。

「第二次世界大戦は、民主主義、基本的人権、自由がいかに重要であるかを教えてくれたともいえる」とまとめてある。
この辺は日本の歴史の後半ともダブるから、頭に入りやすいと同時に、日本から見た戦争と、世界の流れから見た日本の差も見えてくる。
ヒトラーですら、どこからともなくポっと出てきた悪魔などではなく、その行き過ぎた言動を裏付ける土壌があったということか。

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