メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『聲の形(こえのかたち)』(2016)

2022-04-23 11:20:47 | 映画
映画『聲の形(こえのかたち)』(2016)

原作:大今良時
監督:山田尚子
主題歌:♪恋をしたのは/aiko

キャラクター:
西宮硝子(ショウコ)
結弦 妹

石田将也
姉の娘・マリア

小学校のクラスメイト
島田一旗
植野直花
川井みき
佐原みよこ

高校の友だち
永束友宏
真柴智
ほか





だいぶ前に録画したままだったのを今ごろ観た

身障者をテーマにした感動話と想像していたら
イジメや自死をテーマにした結構重い話だった

やけに場面がぽんぽん飛ぶのと
石田の家族構成が分かりづらく
小学生時代の石田の声が女性っぽくて違和感


イジメっ子がイジメられる立場になって気づくことがメインテーマだけど
まったく気づかないばかりか
イジメたこともすっかり忘れてしまう人も多いのでは?



【内容抜粋メモ】
4月 バイトを辞めて「お金返します」と母に書き
大きな橋の上から飛び降りようとしている石田将也

急に♪My Generation/The Who ちょうど頭の中に流れていたんだよな
3人の男友だちでつるみ、ゲームやったり、川に飛び込んだりしていた小学生時代

転校生が来る
筆談用のノートを出して、西宮硝子と自己紹介
「耳が聞こえません」という文字にビックリする








授業中も教師の言うことが分からない
音楽の授業では出だしを間違えて、音程がひどく狂っている
植野直花:合唱コンやばくない?








教科書を読んだ声がおかしいのを真似る石田
校庭で遊んでいてもショウコが一緒だと盛り上がらない

石田に「友だち」と言うと「気持ち悪い!」と砂を投げつける

手話を毎朝3分で覚えようとレクチャーする教師
黒板に悪口を書いて、消した石田にお礼を言うショウコ

耳に機械をつけているショウコ
きったねー!と外に投げる石田

それからショウコにあらゆるイタズラを続ける石田
なぜか謝るショウコ

学校を休んだショウコ
補聴器が今月だけで8コも紛失して
母からイジメがあるのではないかと連絡があった
1コがとても高価と知って驚く

担任がキレて誰がイジメたか問い詰める
一番やっちゃいけないパターンじゃん

母親にも教師から電話が入り、謝りに行く
お金をわたして頭を下げる母 シングルマザー家庭か?






石田の机になにか悪口が書かれていて
消しているショウコを突き飛ばして馬乗りする

ショウコは転校していった










高校生になった石田
ショウコのいる手話学校に来て
濡れたノートを返して手話で会話すると驚く

石田:友だちになれるかな? 両手を握る仕草なのか




姉の娘・マリア!? 姉はどこにいるんだろう?
話がどんどん飛んで冒頭に戻ったのか

母:なんで死のうとしたの?!

石田:死ぬのやめます!


ショウコに会いに行ったのも最大の肝試し

島田:あいつイジメっ子だから






学校で孤立
周りの顔に全部×がついてる
勝手に自分にネガティブなアテレコをしてる









同じ1人飯の男子が「自転車貸せ」と脅されて助けを叫び、自分の自転車を貸す






毎週火曜日にコイにエサをあげていると言ってたショウコ

フランスパンの割引券を拾ってあげようとすると
「あなたは本当に友だちですか?」と見知らぬコに追い返される

田んぼに乗り捨てられられてた自転車を返しに来て顔の×が外れる
永束が後ろの席にいると知らなかった







「友だちだから」と一緒に登校したり、映画を観たり
急に変なあだ名で呼んで一気に「親友」と呼ぶ

石田:友だちの定義って何だろう?



ユヅル:
オレ、ショウコと付き合ってるんで
自分を満足させるために来てるなら帰ってください

石田とショウコの手話を遠くからカメラで見て、通訳するユヅル
そっか手話って離れていても分かる人には内容がバレるな/汗










ノートが川に落ちて、飛び込んで探す2人
裏ピースみたいなのは「またね」なのか

ユヅルは石田の画像をネットで拡散
飛び込み禁止の川で自宅謹慎を食らう 昔は遊び放題だったろうに

ユヅルが公園で野宿みたいに寝てる
ネットに画像をあげたことを話す
石田:お前でよかった


ユヅルを食事に呼ぶ 裸足のまま帰り、傘と靴を持たせる石田
ショウコとケンカして家出

ユヅル:耳が聞こえないからって面白がってたでしょ 偽善者でしょ

石田:ほんとは生きてちゃマズイ奴だから 君たちの間を邪魔するつもりはないから












ユヅルはショウコの妹

ショウコの母:あんなコと付き合っちゃダメよ
ユヅル:そんなの自分で決めるよ オレも姉ちゃんも

母親もショウコを身障者扱いなんだな



小学校の時一緒だった佐原の学校をショウコと訪ねる
今はノートじゃなくて携帯でやりとりできるね

駅で佐原のほうから声をかけてきて、会えて嬉しいと手話で話す








女子トークでいたたまれず、道を歩いていると
割引券を配るネコミミ+シッポの植野?







「にゃんにゃん倶楽部」に来る石田と永束
フツーに猫カフェだった







聴力検査を受けて1人で泣いているショウコ

ウエノが自転車に乗って声をかける
ウエノ:ずっと石田に声かければよかったって思ってた ごめんね

ショウコの補聴器を奪う
ウエノ:イジメてた奴と友だち? 罪悪感的な?

ショウコ:私、声ヘン?

クマ?をあげて石田に「スキ」と告白すると「月」と聞き違える
キャンディと思ったけどガーデニングのなにかだったみたい

ショウコの部屋がオープンなのはなにかあった時にすぐに気づくため?

カワイが髪型を変えたのは意味があると気づく石田
カワイの×も取れる







カワイの紹介でマシバが友だちになりたいと知り×が取れる






石田はショウコを遊びに誘う
足のパタパタで嬉しい感情が分かるってカワイイ



遊園地に行くとショウコにハイテンションで話しかけてるウエノに×ついてる
佐原とウエノは同じ学校の同じデザイン科







フジヤマみたいなジェットコースターに乗る
石田:オレがこんなに楽しんでいいのか? 友だちっぽい ウエノの×も外れる

たこ焼き屋でバイトしてるのは「死ね」て書いた島田
ウエノにまた×がつく

ウエノ:
昔みたいに仲良くなれたらと思って
石田と私って似てるよね
西宮さんがいなかったらみんなハッピーだったよね
西宮さんが来る前に戻りたい



ショウコをムリに観覧車に誘うウエノ
カメラを渡したユヅル 動画モードにして2人の会話を録画

ウエノ:
あなたも私のこと理解しようとしなかった
だからやり方変えた 無視したり
それを大人にチクって、関係が壊れた
今でもあんたが嫌い

ショウコ:私も私が嫌い



マシバ:許せないんだな、そういうの

カワイ:石田くんは変わってない! 私は止めたけど聞いてくれなかった

吐きそうになって帰る石田
ヒトって自分に消化できない事が起きると吐きっぽくなるのかな/汗


石田:オレもオレが嫌いだ


ウエノ:
私らに石田を責める権利ないでしょ
同調してたあんたとは違う

佐原:私は2人とも怖かった

全員を断罪していく石田
石田:来週から夏休みだから遊びに行こう



祖母は「周りばかりじゃなく自分のことを大事にして」とショウコに言う
こういう中間的存在って大事だよね

またパンをきっかけにショウコに会いに行くが橋にいない
制服姿のユズルが泣いているのを見る

祖母が亡くなった
葬儀で蝶がユヅルらの周りを飛ぶ








なぜかショウコと旅?
ショウコ:私と一緒にいると不幸になる

母の誕生日のケーキを一緒に作ると怒られる
県の写真コンクールに出展してみたらとユヅルにすすめる母








花火大会に誘う
ショウコの誕生日は6月7日!
石田:来年は一緒に祝おう

勉強するからと先に帰るショウコ
ユヅルにカメラ取りに行ってと頼まれる

ベランダから飛び降りようとしているのを片手で捕まえる







石田:
神さま!
もう嫌なことから逃げたりしません!
明日からみんなの声もちゃんと聞きます!


ショウコがベランダのへりにつかまった拍子に石田が落ちる



病院に見舞いに来たユヅル
ショウコの母が土下座して謝る

ウエノがショウコを蹴るのを見て、止めた母とケンカになる
石田の母の足にすがって謝るショウコ

ツラい時、音楽も聴けないんだもんな



見舞いに来た永束
永束:ヤショーはビッグフレンドだから目を覚まさないと困る

カワイ:みんな心配してた 自分のダメなところも愛して前に進まなきゃ


みんなを周るショウコ
毎日見舞っているウエノのところも毎日通う

石田が「死のーと思ってる」と言う夢を見て探すショウコ
石田と橋の上で会う
すごい高い所から落ちてケガはないのか?








石田:
オレ、もう元気だよ 大体は
昔のことちゃんと謝ってなかった
都合よく解釈してた もっと話がしたかった

ショウコ:全部私のせい

石田:
死に値することじゃなかった
キミに生きるのを手伝ってほしい





退院
母の美容院にショウコの母が来てる
フォトコンテストに入賞したユヅルに勉強を教える石田



文化祭
みんなに噂される 人の顔が見れないとショウコに明かす
クラスの出し物が「宇宙喫茶」てイイネ






パニック発作みたいになってトイレにこもる
永束の顔も見れないが、号泣して「遠くへ行くな」と止める

カワイはたくさんの折り鶴を渡す
ウエノ:友情ごっこキモ! ばーか!
バカの手話を教えるショウコ

石田:みんなで一緒に文化祭見て周りたい

ふさいでいた耳をあけると自分の悪口じゃないことが分かり
顔の×が全部外れて泣いてる自分に気づく







自分の面倒臭さは、こういう面倒臭い人間関係からしか見えないってことかい?





『不滅のあなたへ』の予告が入ってた
宇多田ヒカルが曲を作ったのか ちょっと面白そう






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『大人になっても忘れたくない名作絵本 どこかに生きながら』 小川未明/作 白泉社

2022-04-23 11:20:46 | 
「小川未明まとめ」に追加します


昭和57年 初版


いもとようこ
1944年 兵庫県生まれ 画家
金沢美術工芸大学卒業後、教員生活を経て絵本の世界に入る
独自の貼り絵の手法を用いて繊細で心温まる世界を展開
『てぶくろをかいに』他、ポスター等幅広く活躍
児童出版美術家連盟会員
東京在住

題字 長野博一




所々和紙をちぎって貼ったり
にじんだような部分が見られるから
毛羽立った感じの和紙の上に絵の具を塗ったのかな?




未明さんの絵本は最後の最後で急展開または突然終わってしまうことが多いから
こうして起承転結が普通にある物語はちょっとほっとする

ひっきょう:詰まるところ、結局
など所々ちょっと難しい言葉が入っているのも味わい深い





「動物のいのちは大切に」岡上鈴江(児童文学者、小川未明二女)
私が今飼っている猫は
この作品中の猫と全く同じ境遇

向かいの家の物置小屋の中で2匹の子を産んだ母猫は
ある晩車にはねられたらしく翌朝道端に死んでいた
残された子猫を向かいの家と私の家で一匹ずつ飼うことにした

父は動物が好きで猫をよく飼っていた
物言わぬ動物たちは人間のためにどれほど多くの犠牲を払っているか
万物の生命を愛してこそ人間は偉大なのだと言っていた



【内容抜粋メモ】
ある家の物置の隅で猫が一匹の子猫を産む

主人が見つけていつこんなところに巣を作ったか
早く出て失せろ!とほうきで追い立てた

私の母も猫が大嫌いで、ホウキで叩いてたのを見たことある/汗


母猫は小さな祠の縁の下に逃げ込むも
湿気て野良犬の隠れ場所でもあり
再び町のほうへ引き返す



ある家の2階の部屋に入って寝ていると
おかみさんが大騒ぎをして殴る棒を取りに行く
戻った時は猫の姿は見えない



屋根の上に住み付き母猫はゴミ箱やお勝手をあさり
子供に食べさせて満足し
自分はやせ細っている

二人が機嫌よく遊んでいると
姉妹がパンをちぎって投げる
香ばしいバターのついたパンを
まず子猫が食べて、母猫も食べる








菜の花が咲く季節になり
蝶を追う子猫を見守る母猫

もうじき一人前になるのだもの
私はそうついて歩くまい


傍で見ていた少女は
子猫があまり可愛いので抱き上げて頬ずりをする

母親はこれを見ていて
にゃおと悲しそうに一声高く鳴き
どこへとなく行ってしまい
それきりこの辺りで見なかったのであります


姉妹はこの猫飼ってちょうだいと親に頼む

お前のお母さんはどこへ行ったのでしょう

こうして向かい合っていても人間と動物の隔たりがあり
考え方にも違いがあると見えて
結局何を言っても通じなかったのが
少女には悲しかったのです



嵐の吹きすさぶ夜のこと
子猫の様子が変なので雨戸を開けると
隙間から激しい風が吹き込む
子猫は闇の中へ飛び出して悲しい声で鳴き続ける

きっと母猫を思い出したのだわ




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