予録のまとめ見シリーズ
まだ有働アナ×イノッチが司会だった頃のも、観てないのがある
このワードも、一時期、随分流行ったけど、メディアも大衆もすぐに忘れてしまうんだ
【ブログ内関連記事】
・「台湾、セクハラ裁判官の減刑に抗議」ほか@ビッグイシュー
・「私の趣味は家事じゃない」 表参道で「#Me Too」デモ@ビッグイシュー
・「生産性で差別をするな!」渋谷アクション@ビッグイシュー
【内容抜粋メモ】
イノッチ:
「あさイチ」では、これまでも何度もセクハラ問題について取り上げていたんですけれども
全く変わってません びっくりするほど
今、世界中でセクハラや性暴力に抗議するキャンペーンが広がっています
●きっかけは女優たちの告発
ハリウッドの大物プロデューサーが、地位を利用して繰り返してきたセクハラを
女優たちが告発したことでした
#MeTooは、一般の人たちにも広がり 世界各国に波及
例えば、韓国では次期大統領候補と言われた有力政治家の失脚に繋がりました
日本でも声をあげた人がいるものの、大きなうねりにはなっていません
<街の声>
「知らない 私も一緒?」
もちろん、日本でセクハラが少ないというわけではありません
国の調査によると、25~44歳の働く女性の中で3割近くがセクハラを経験しています
その時「我慢した」り、あるいは「特に何もしなかった」という女性は63%にものぼります
●なぜ声を上げにくいのか?
ある女性は、取引先の男性から胸や局部を触られるなどのセクハラを半年にわたって受けました
何より辛かったのは、誰にも言えないことでした
被害者女性:
言いふらされるんじゃないかなとか、
広まってしまったら、二度と仕事が来ないんじゃないかという恐ろしさ
自分が望んだように思われる そういう怖さもありました
女性たちは、被害者でありながら、自分が責められるのではないか?という不安を抱えていました
●周囲がセクハラを指摘する難しさ
ある男性は、取引先の上役が、宴会で女性の体を触っているのに気づきましたが黙認してしまったと言います
男性:
「セクハラだ」と声をあげても、場をしらけさせる
「寒い」と思われる恐怖も正直あったかなと思います
しょっちゅう仕事を振ってくれる人に対して「やめてください」とは
何回考えても言えなかったです
●自分たちも声をあげようと動き出した女性
会社の上司からセクハラを受けた上、「退職」に追い込まれた30代の女性
被害者女性:
私が被害者だったのに その人や、会社がある場所を避けて生きなきゃいけなくなって
思い出すのが怖いから、セクハラは、相手は軽々しくしていることでも
周りの人生も変えてしまう 絶対ない社会になってほしい
被害を受けた女性と同じ職場で働いていた女性は、セクハラを止めようとしましたが
自分のほうが会社にいづらくなってしまいました
先輩の女性:
「情けない」が一番でした
「自分が彼女を絶対守ろう」と思ったのに、全然守りきれてなくて
こんなに悔しかったことは、本当になくて
なくならないセクハラ被害 どうしたらこの状況を変えられるのか考えます
ゲスト・青木さやか:
みんなのおっしゃってることが、本当によくわかる
私も#MeTooと言う勇気がないというのが正しいのかな
仕事がとても大事
「お笑いのくせに」とか「いい年して」とか言われるのも嫌
「次、そこに行かなきゃいいか」「我慢すればいいか」みたいなこともあるし
他の人がされている時も、見て見ぬふりをしたこともすごくありますね
イノッチ:
昔だったら、もっと色々あっただろうし
その時は、なんとなくそういう空気でもしょうがないようなみたいな感じだったのかも
さやか:
そうですね みんな、なんとなく見て見ぬふりしているから、私もそのほうがいいかなとか
私だけ「おかしい」って声をあげるのも「空気が読めてない」と思われるのかなとか
セクハラを受けていると見えている女の人も、「それを良しとしているのかな」とか
ヤナギー:
時代のせいにはしたくないけれども、「そんなもんでしょう」みたいな空気があった気がする
有働:
そういうのをうまくあしらうことができる人が「デキる人」みたいな
そういうイメージもありましたけれども
●たとえ声をあげたとしても、なかなか解決できない実態
上司からセクハラ被害を受けた30代女性(田中さん・仮名)の例:
2人目の子どもを出産後、ずっと探していた正社員の職に就きました
ところが、その会社の上司からセクハラを受けました
社員は10人ほど 年配の人が多い小さな会社でした
配属された経理部は、70代の経理部長と2人だけ
一見、穏やかそうな人でしたが、次第に性的な話を振ってくるようになりました
田中さん:
「若いから、夜はどれくらいなの? 多いの?」とか
「体重計に乗る時は、裸なの? 想像しちゃうな」とか
すごい笑いながら、ニヤニヤしながら執拗に何回も言ってくる
Q:その時はやめてくださいと言ってたんですか?
田中さん:
最初は言ってないです というか言えなかった 上司だったので
自分がまだ入社して間もなかったというのと、
セクハラしてきた人と社長がすごく仲がいい
昔から一緒に働いている仲で、色々考えてしまって
経理部長のセクハラは、エスカレートしていきました
書類を渡す時に手を握ってきたり、腰やお尻を触ってきたり
田中さんは、自分を採用してくれた女性の先輩・山本さん(仮名)に相談しました
当時のLINEのやり取りが残っています
そんなある日、さらに耐え難い出来事が起きました
田中さん:
服の上からブラジャーを外そうとしたことが、一番、
何が始まっちゃうんだろう? 何をしようとしているの?っていう
(これは立派な犯罪だ 刑事告訴してもおかしくない
Q:「止めてください」と手を払ったりとかは?
田中さん:その時は「止めてください」と言いました
Q:「止めてください」と言っても繰り返すんですか?
田中さん:繰り返しましたね それがすごく許せなかった
田中さんから相談を受けていた先輩の山本さん 40代:
私自身も、以前勤めていた会社でセクハラにあったことがある
山本さんは、経理部長に止めるよう伝えました しかし男性はやめませんでした
山本さん:
本当に男って分からないですね
彼は草食動物のような感じのおじいさんなんです
でも、相手が弱いと思うと強く出るタイプ
「社長に伝えるぞ」ということを2、3回警告したんですが、それでも効力がない
もうダメだなと思って
山本さんは、信頼していた男性役員に相談して、複数の社員とともに何度も社長に訴えました
すると社長は、経理部長のしていることはセクハラだと認めたものの
田中さん:
ふた言目には「触られるほうも悪いんだ」というようなことを言ってました
「チャラチャラしてるから触られるんだ」「派手だからいけないんだ」
「フェロモンを出してるからいけないんだ」みたいな 悔しかったです
社長に「お前がいけないんだよ」と言われた時、「なぜ私が責められるんだろう」
悔しさと苦しさがありました 涙が止まらない感じでした
ずっと目が痙攣していて、体も震えて
田中さんは、夫を通じて「これ以上セクハラを続けるなら法的手段に出る」と経理部長に伝えました
すると経理部長は、現金の入った封筒を持って、田中さん夫婦の家を訪れ、それを渡して立ち去りました
翌日、田中さんがそのお金を持って出社すると、社長から信じられない電話がかかってきました
「田中さんが経理部長を恐喝したので“解雇”する」と一方的に言い渡されたと言います
田中さん:
「違うんです 聞いてください」と何回も言ったんですけれども、全然聞いてくれなくて
「明日から来なくていいから」と言われて
私が被害者だったのに セクハラされていた側だったのに
なんでこういうことを言われるの
この出来事を知った山本さんは、何度もおかしいと訴えましたが、結局自ら会社を辞めました
山本さん:
一番何が腹立たしいかと聞かれたら、ありもしない誹謗中傷を彼女に投げかけて、
何の罪もない彼女を傷つけている
自分が彼女を絶対守ろうと思ったのに、全然守りきれず
彼女は社長に「帰れ 明日から来るな」と言われて
こんなに悔しかったことは本当になくて
山本さんは、今、別の会社で派遣社員として働いています
(どこに行っても、大なり小なりセクハラは絶対ある
イノッチ:現実にあったことなのかなと思ってしまいます
さやか:
いやいや本当に すごく多いと思います
「このセクハラも仕事だよ」みたいな事ってやっぱり多いと思いますね
こういう風に、日本で声を上げ始めるっていうのが、ものすごく画期的なことだと思う
有働:
今日のゲストは、東京都の労働相談窓口として1000件以上のセクハラに関わってきた金子さんと
企業のセクハラに取り組む弁護士の竹花さんです
このVTRのようなケースはまだ多いのでしょうか?
金子さん:
そうですね びっくりされた方も多いと思いますが
実際、私が相談を受けるかなり典型的なケースです
解雇とまでは言われなくても、セクハラを受けた人は傷ついて
相談しても「それぐらい我慢しなくちゃ」って言われたりとかして
だんだん精神的に仕事がやっていけない状態になってしまい
結果として辞めざるを得ない それから私のもとに相談に来る
クビと言われなくても、自分から辞めざるを得ない
そこまで追い込まれて相談してくるという
東京都では年間2万1500件ぐらい相談があります
ほとんど変わらないですね 減ってないんです
増えてはいないけれども減っていない 繰り返し起きている
竹花さん:
弁護士に相談に来るケースというのは、相当、深刻化してから来ることが多い
お話を伺うと、最初はちょっとした性的な言動とか
隣りに座らされるとか、そういったものから始まって、
だんだんエスカレートしていくという傾向にあります
実感として、セクハラの相談は減っていないです
Q:
エスカレートする前に相談してくれれば、なんとか止められるという感じなんですか?
セクハラを受ける側は「どこで」「何がセクハラか」「どういう相談をしたらいいのか」
さやか:
エスカレートする前は、ニコニコしながら対応していると思うんですよ
「やめてくださいよー」とか
向こうは楽しんでいるかのように思うのかもしれないし
相手を誤解させてしまうことがあると思う
金子:
上司がなんでこんなことをするのか、意図が分からない
アメリカのセクハラのマニュアルの冒頭に
「セクハラをする人は、社会的に立派な人で、
家庭に帰れば奥さんと子どもを大事にし、
ボランティア活動もやっている こういう人がやる」
ということが冒頭にわざわざ書いてある
ですから、そういう人からやられたら、「間違いじゃないか」とか
「自分の思い過ごしではないか」とかと自分を責めたりする時間が長いんですね
「そうだ」って断定して相談に来るっていうのは、もうかなり進んでからです
「セクハラだ」と感じるまでに時間かかってしまうという
レポーター:
早めに声をあげることが重要ですけれども、どのタイミングで、どんなアクションすればいいか
というのが疑問に思いますよね
金子:
なかなか自分が気づかないけれども、周りにちょっと相談してみたり
外から見て「それはそうだよ」とか「違うよ」とかアドバイスを受けたり
相談したことが、後々何かあった時に「その時点でこういう相談をしました」と
証言していただいたりできるので
とりあえず、自分の中で閉じこもって、自分を責めないで
なるべく周りの人と話をするのが大事なんですけれども
ヤナギー:
一番最初のタイミングっていうのは どういうタイミングなのか?
例えば、肩を触った そのタイミングでそう受け止めて話すのは結構難しいと思うんですよ
金子:
男性側の心理だと、「ちょっと触っただけなら大丈夫」
「背中を触ったけど大丈夫」「こういう冗談を言っても大丈夫」
イノッチ:
動機がなくて触る意味が分からないです
さっき、さやかさんのマイクの調子が悪いって音声さんが言っていたから
つい直してあげたほうがいいのかなと思っちゃうけれども
それってやっぱりできないじゃないですか
そうしてしまって「止めてくださいよ」て言われることがあるじゃないですか
それで調子にのるって事はあるわけですよね、男性には
後々「最初は喜んでいると思ったんだもん」ていう言い分が出てくるわけですよ
全部ダメってことにしないと
ヤナギー:
励ますつもりでポンと肩を叩く これもってことになっちゃうと、一体どうすればいいのか
有働:
男性の後輩にもやるじゃないですか これも、もしかしたら?
女性ですけど、気をつけないといけないのかな
どこまでがセクハラなのか考えてしまいます
メール:
主人が部下の女の子に「その髪型いいんじゃない」と褒めたら
他の女子が変な顔をして「それはセクハラ行為だ」と言いがかりをつけて
それを上司に告げ口されて左遷になりました
「もう女子とは仕事の話ができなくなった」とこぼしていました
(その他にもいろんな言動があったかもしれないし、夫側だけの証言では何とも言えないな
“家庭ではいい夫が、外でセクハラをする”て傾向があるなら
有働:
髪型を言われても、すごく嫌な思いをして「セクハラ行為」だと思う女性もいれば
「褒めてもらって嬉しいな」と思う人もいるから
さやか:好きな人にもするもんね それが嫌だと言われたら悲しいですよね
イノッチ:
合意の上でも問題になる場合があるっていうのがあって
LINEのアプリで契約を交わすみたいなのが前の特集であったじゃないですか
そういうアプリまであるくらいだから
・無関係ですか?性暴力@あさイチ
ヤナギー:
違いがわからないんだよね
僕がやったケースと、人気アイドルがやった場合とでも
受け止め方が全然違うということがあるかもしれないし
●周りの対応が大事
リポーター:
今回、被害を受けた方々に伺ったんですけれども
NHKネットクラブアンケートで「セクハラを受けた」と言う方にアンケートしてみた
受けた時に、周りの人の対応がどうだったか
さやか:
「やんわり止めてくれた」っていう人と「抗議した人」を合わせると28%
それは多い数字だなと私は思いました 立派だなと思った
イノッチ:それだけ言ってくれないということですね
さやか:言わないほうがいいのかなと思ったりしちゃう
ヤナギー:
「セクハラだと思わなかった」って言う人も相当いるんじゃないかな
例えば、さっきのカラオケで肩を組んでる上司を止められなかったっていう意見があったけれども
写メや動画を撮って「証拠です」って言えばいいのでは?
竹花:
上司と同じような立場の方にちょっと相談をしてひと言言ってもらうのが重要なんですね
さきほどの VTR のケースでは、女性の上司に相談をして、男性役員にも相談していました
あれは対応としてはとても適切だと思います 周りの味方を増やすことが重要
●周囲の対応が大切
リポーター:
先ほどの VTR の会社を解雇された田中さんと、先輩の山本さんは
会社の同僚たちに「一緒に会社に抗議をしよう」と声を上げたけれども
周りの人たちの対応がどうだったのかご覧ください
山本さんは、以前、一緒に社長に抗議してくれた役員に声をかけましたが
その役員は「これ以上、協力できない」と答えたと言います
「自分が被害者側についちゃうと、会社に居づらくなる」
決して若くない方で、再雇用で、できるだけ長く勤めたいという気持ちなんですね
なので、「このまま、何もなかったかのように、穏便にいきたい」と言ってました
会社にいた年配の女性社員たちも態度を変えたと言います
「女性たるもの、男性に対して正論をぶつけちゃいけない」
いくら社長が間違っていても「そこは飲み込んで従うべき」という風潮がありました
「何言ってるんですか あなたにも娘がいるでしょう 彼女が娘だったら同じことを言うんですか?」と言ったら
「私たちの娘はこんなことにはならないから」
「主人も定年退職して、自分が一家の大黒柱なので辞めるわけにはいかない」と言われました
さやか:
私にも娘がいますけれども、娘のことを考えると
やっぱりここで何か変えていかなきゃいけないんだな、ととても感じますけれども
穏便に仕事がしたいのが正直なところですね
竹花さん:
このVTR を前提とすると「解雇」は「無効」になります その後も働き続けることができる
イノッチ:
認められたとしても、またそこに行くのかって思いますよね
今の日本の社会に根強く残っている問題
リポーター:
実際、今回は周りを巻き込んで、役員にも相談したケースなんですけれども
こういう結果になってしまった 方法は間違ってはいないですよね?
●男性が間に入ることで問題解決の方向に行くことがある
(まさに差別社会じゃん
金子:
周りに広めることと、もう一つ大事なことは、男性役員の方が動いたら、この状況はかなり動いただろうと思う
女性の価値観だけで言うと「何言ってんだお前」ってなるけれども
男同士の話で「お前、それまずいよ」と言われたら、議論が出てくる
それによって問題が解決の方向に行くことがある
いろんな相談をやっている中で、会社に行って相談をすると
男性役員の方が出てきて「これはマズい うちの会社にとってマイナスだ よしやろう」
と言ってくれたところはうまく解決する
その方が「何言ってんだ あんな女は嘘つきだし、しょっちゅう会社を騒がしているいい加減な女だから」
と言うところは、なかなか解決に結びつかない
イノッチ:
会社の偉い人がそんなことを言い出したら、他の人は何も言えなくなっちゃいますよね
<FAX>
広島県 40代女性:
私は、7年前に上司にセクハラ被害を受けて裁判を起こしました
裁判に向けての準備は精神的にとても辛く、7年経った今でも男の上司が怖いです
当時、別の女性の上司にも相談しましたが「水に流せ」と言われました
立場を利用してセクハラしてくるので、上の人たちの意識が変わらないとなくならないと思います
東京都 45歳女性:
先輩がいつもセクハラされて泣いていた
しかし私は「そんなことで泣いてもしょうがないよ」と言った
彼女が辞めてから、それがどんなに悲しかっただろうと思うと反省している
大阪府 41歳女性:
入社したばかりの頃、男性ばかりの職場で、日常的に飛び交う下ネタも
うまくさばいている先輩を見て、それが“デキる女”なんだなと憧れるようになった
うまくかわせない後輩の女性をバカにしていた
(男女差別問題に同性も加害者になるから、余計に解決が遠のくんだよね
50歳の女性:
上司がスタッフの胸や肩を触ろうとしていた
抗議しようと思ったが、可愛い、若い子ばかりがされており
可愛いとは言えないおばさんが発言すると
「セクハラもされないおばさんの発言」と捉えられるのが癪なのでやめた
イノッチ:周りを取り巻く人たちはどういう対応したかということですね
FAX:
セクハラで休職しています
今日の特集で、私だけじゃないんだと少し勇気が出ました
セクハラをなくすには、被害者を責めないこと、見て見ぬふりをしないことではないでしょうか
いじめと似ていると思いました
イノッチ:
「お前も悪い」と言われちゃうパターンは、いじめもそうじゃないですか
「いじめられるほうも悪いんだよ」と言われた時の傷は、セクハラと似ている
ヤナギー:いじめるほうが100%悪いんだよね
リポーター:
2人は、今、再び動き出しています
田中さんは、弁護士事務所に向かいました
会社にセクハラの事実と、不当な解雇だったことを認めてほしいと考えてのことでした
山本さんも同行しました
田中さん:
やっぱりこのまま終わらせたくない
解決しないと、後々思い出した時にいんじゃないかと
山本:
昔、自分もセクハラを受けたことがあって、その時に何の解決もしないまま我慢してしまった
彼女には絶対そんな思いをさせたくないと思っています
事務所に入る
田中さんは、弁護士に、一連の経過を9枚にわたってまとめたメモを持参しました
弁護士:これだけまとめてくださると、弁護士としては楽だと思います
セクハラを受けて、山本さんに相談していた時のLINEのやりとりも見せました
弁護士:
やっぱりLINEは、かなり具体的なやり取りがありますし
日付も出ているので、日記やメモより証拠としての価値は高いと思います
総合的に見れば十分戦える気はします
セクハラと、「不当解雇」を主張するだけの根拠があるということが分かり、
会社側と引き続きどう交渉していくのか検討することになりました
田中さん:
だいぶ気持ちがすっきりしました
会社をクビになった日に、山本さんと一緒に帰ったんですけれども
「絶対あなたは間違ってないよ 大丈夫だよ」と言ってくれて
そう言ってくれたことに対して、自分もケリをつけて終わらせて
2人で「間違ってなかったね」と思いたい ただそれだけです
Q:弁護士に相談したことが骨折り損になることはないんでしょうか?
竹花さん:
「精神的な苦痛に対する慰謝料請求」ができます
もう一つは、会社に対して「上司を懲戒処分にしてほしい」と言うこともできます
もし竹花さんが被害者の代理人として請求するとしたら、ということで目安を出してくれました
竹花さん:
お尻を触るというセクハラであれば、1回行っただけでもアウトです
会社に対して「上司をもう近づけないでほしい」「異動させて欲しい」という請求も、全く不当ではないと思います
そういう声が継続的に続くと、私が代理人であれば、これくらいは請求すると思います
有働:なんか安いな・・・
イノッチ:アメリカとかのケースを見るとね
ヤナギー:
考え方によっては、金額の問題ではないと思うけれども
1億とか10億とかにすれば、次はなくなるような気もするけれども、そうならないんですか?
アメリカほどの「訴訟社会」ではないとは思いますけれども
竹花:
これはあくまでも目安であって、もっと請求できるケースはあると思う
ここで強調したいのは、被害者が請求できるものというのは
「慰謝料」という金銭的なものだけではなくて、会社に対しての「懲戒処分を求めること」
つまり、上司に社会的な制裁を与えるということも会社に促すことができる
加害者としては、金銭的な部分+社会的な身分を失う可能性があるということは重要だと思います
ヤナギー:男だとそこが辛いところがあるかもしれない
●SNS、写メ、動画、メモなどの証拠が重要
リポーター:実際、重要になるのが証拠なんですね 写真を撮るとか
竹花:
録音ですとか、加害者からのメール これは「直接的な証拠」ですので、そのまま使えます
ただ、なかなかそういう証拠がない場合が多いので
そういう時は、セクハラを受けた時の日付や場所の詳細なメモも「間接的な証拠」になります
イノッチ:監視カメラとかも写っている可能性もありますよね
竹花:
それも使えますね
SNSも証拠になる
LINEの場合は、まず日付が基本的に改ざんできない形で残っています
なので、その時に相談したことが証拠になります
LINEって会話に近いので、その時の状況が、具体性、確信性をもって
感情も分かる形で記録されるということで、後から思い返した時に
当時の状況を立証する「間接的な重要な証拠」になる
ヤナギー:
これは、言ってみれば「対症療法的」なものだと思うんですけれども
加害者の場合、男性がなぜこういうことをしたのか
男性の側に色々と突きつけていくことが、次への展開への入り口のような気がするんですけれども
金子:
そうですね 今の状況は「女性問題」だと思われているけれども、そうではないですね
99%男性がやるから、原因は男性側にあるんです
男性の被害者もいるけれども、99.8%ぐらいは女性 男性はほんの少しです
男性がやめれば終わりって言うぐらいの話ですから
どちらかと言うと「男性問題」としてきちんと向き合えるかどうか
私自身も、「行為者」の男性と色々と話し合ったことがあるんですけれども
「何でやったの?」って単純な質問ですよ なんて答えたか
「魔がさした」「お酒の勢いで」「相手も合意してると思った」 この程度ですよ
酒の勢いでそんな事やっていいの?っていう話
「魔がさした」って、悪魔が「やれ、やれ」って言った? そんな答えはありえない理由で
せいぜい合意があったかないかでしょう
●男性側のイエスのサインの受け止め方は、非常にハードルが低い
金子:
この間、ちょっとびっくりしたんですけれども
メールで「素敵な上司と出会えて、非常に良い仕事ができて感激しました」って書いたら
もうそれだけで、男性側は「恋愛感情」を持ってしまった
イノッチ:
女性がどんどん社会に進出していくわけじゃないですか、これから
この状態でどうなるんだろう?
さやか:
今、社会的地位のある男の人が一人、この問題で落とされてみたらいいんですよ
そうなると、みんな「マズい」となっていくけれども それをしないでしょ日本は
金子:
アメリカでは、最高裁の判事が、大学の女性教授に訴えられている 大きな裁判がありまよね
経験者からのメール:
男性の性について、もっと早く教育したほうがいいんじゃないか
見て見ぬふりをしないでほしい 多くの人が声を上げないとなくならない
見て見ぬふりも加害者なんです
まだ有働アナ×イノッチが司会だった頃のも、観てないのがある
このワードも、一時期、随分流行ったけど、メディアも大衆もすぐに忘れてしまうんだ
【ブログ内関連記事】
・「台湾、セクハラ裁判官の減刑に抗議」ほか@ビッグイシュー
・「私の趣味は家事じゃない」 表参道で「#Me Too」デモ@ビッグイシュー
・「生産性で差別をするな!」渋谷アクション@ビッグイシュー
【内容抜粋メモ】
イノッチ:
「あさイチ」では、これまでも何度もセクハラ問題について取り上げていたんですけれども
全く変わってません びっくりするほど
今、世界中でセクハラや性暴力に抗議するキャンペーンが広がっています
●きっかけは女優たちの告発
ハリウッドの大物プロデューサーが、地位を利用して繰り返してきたセクハラを
女優たちが告発したことでした
#MeTooは、一般の人たちにも広がり 世界各国に波及
例えば、韓国では次期大統領候補と言われた有力政治家の失脚に繋がりました
日本でも声をあげた人がいるものの、大きなうねりにはなっていません
<街の声>
「知らない 私も一緒?」
もちろん、日本でセクハラが少ないというわけではありません
国の調査によると、25~44歳の働く女性の中で3割近くがセクハラを経験しています
その時「我慢した」り、あるいは「特に何もしなかった」という女性は63%にものぼります
●なぜ声を上げにくいのか?
ある女性は、取引先の男性から胸や局部を触られるなどのセクハラを半年にわたって受けました
何より辛かったのは、誰にも言えないことでした
被害者女性:
言いふらされるんじゃないかなとか、
広まってしまったら、二度と仕事が来ないんじゃないかという恐ろしさ
自分が望んだように思われる そういう怖さもありました
女性たちは、被害者でありながら、自分が責められるのではないか?という不安を抱えていました
●周囲がセクハラを指摘する難しさ
ある男性は、取引先の上役が、宴会で女性の体を触っているのに気づきましたが黙認してしまったと言います
男性:
「セクハラだ」と声をあげても、場をしらけさせる
「寒い」と思われる恐怖も正直あったかなと思います
しょっちゅう仕事を振ってくれる人に対して「やめてください」とは
何回考えても言えなかったです
●自分たちも声をあげようと動き出した女性
会社の上司からセクハラを受けた上、「退職」に追い込まれた30代の女性
被害者女性:
私が被害者だったのに その人や、会社がある場所を避けて生きなきゃいけなくなって
思い出すのが怖いから、セクハラは、相手は軽々しくしていることでも
周りの人生も変えてしまう 絶対ない社会になってほしい
被害を受けた女性と同じ職場で働いていた女性は、セクハラを止めようとしましたが
自分のほうが会社にいづらくなってしまいました
先輩の女性:
「情けない」が一番でした
「自分が彼女を絶対守ろう」と思ったのに、全然守りきれてなくて
こんなに悔しかったことは、本当になくて
なくならないセクハラ被害 どうしたらこの状況を変えられるのか考えます
ゲスト・青木さやか:
みんなのおっしゃってることが、本当によくわかる
私も#MeTooと言う勇気がないというのが正しいのかな
仕事がとても大事
「お笑いのくせに」とか「いい年して」とか言われるのも嫌
「次、そこに行かなきゃいいか」「我慢すればいいか」みたいなこともあるし
他の人がされている時も、見て見ぬふりをしたこともすごくありますね
イノッチ:
昔だったら、もっと色々あっただろうし
その時は、なんとなくそういう空気でもしょうがないようなみたいな感じだったのかも
さやか:
そうですね みんな、なんとなく見て見ぬふりしているから、私もそのほうがいいかなとか
私だけ「おかしい」って声をあげるのも「空気が読めてない」と思われるのかなとか
セクハラを受けていると見えている女の人も、「それを良しとしているのかな」とか
ヤナギー:
時代のせいにはしたくないけれども、「そんなもんでしょう」みたいな空気があった気がする
有働:
そういうのをうまくあしらうことができる人が「デキる人」みたいな
そういうイメージもありましたけれども
●たとえ声をあげたとしても、なかなか解決できない実態
上司からセクハラ被害を受けた30代女性(田中さん・仮名)の例:
2人目の子どもを出産後、ずっと探していた正社員の職に就きました
ところが、その会社の上司からセクハラを受けました
社員は10人ほど 年配の人が多い小さな会社でした
配属された経理部は、70代の経理部長と2人だけ
一見、穏やかそうな人でしたが、次第に性的な話を振ってくるようになりました
田中さん:
「若いから、夜はどれくらいなの? 多いの?」とか
「体重計に乗る時は、裸なの? 想像しちゃうな」とか
すごい笑いながら、ニヤニヤしながら執拗に何回も言ってくる
Q:その時はやめてくださいと言ってたんですか?
田中さん:
最初は言ってないです というか言えなかった 上司だったので
自分がまだ入社して間もなかったというのと、
セクハラしてきた人と社長がすごく仲がいい
昔から一緒に働いている仲で、色々考えてしまって
経理部長のセクハラは、エスカレートしていきました
書類を渡す時に手を握ってきたり、腰やお尻を触ってきたり
田中さんは、自分を採用してくれた女性の先輩・山本さん(仮名)に相談しました
当時のLINEのやり取りが残っています
そんなある日、さらに耐え難い出来事が起きました
田中さん:
服の上からブラジャーを外そうとしたことが、一番、
何が始まっちゃうんだろう? 何をしようとしているの?っていう
(これは立派な犯罪だ 刑事告訴してもおかしくない
Q:「止めてください」と手を払ったりとかは?
田中さん:その時は「止めてください」と言いました
Q:「止めてください」と言っても繰り返すんですか?
田中さん:繰り返しましたね それがすごく許せなかった
田中さんから相談を受けていた先輩の山本さん 40代:
私自身も、以前勤めていた会社でセクハラにあったことがある
山本さんは、経理部長に止めるよう伝えました しかし男性はやめませんでした
山本さん:
本当に男って分からないですね
彼は草食動物のような感じのおじいさんなんです
でも、相手が弱いと思うと強く出るタイプ
「社長に伝えるぞ」ということを2、3回警告したんですが、それでも効力がない
もうダメだなと思って
山本さんは、信頼していた男性役員に相談して、複数の社員とともに何度も社長に訴えました
すると社長は、経理部長のしていることはセクハラだと認めたものの
田中さん:
ふた言目には「触られるほうも悪いんだ」というようなことを言ってました
「チャラチャラしてるから触られるんだ」「派手だからいけないんだ」
「フェロモンを出してるからいけないんだ」みたいな 悔しかったです
社長に「お前がいけないんだよ」と言われた時、「なぜ私が責められるんだろう」
悔しさと苦しさがありました 涙が止まらない感じでした
ずっと目が痙攣していて、体も震えて
田中さんは、夫を通じて「これ以上セクハラを続けるなら法的手段に出る」と経理部長に伝えました
すると経理部長は、現金の入った封筒を持って、田中さん夫婦の家を訪れ、それを渡して立ち去りました
翌日、田中さんがそのお金を持って出社すると、社長から信じられない電話がかかってきました
「田中さんが経理部長を恐喝したので“解雇”する」と一方的に言い渡されたと言います
田中さん:
「違うんです 聞いてください」と何回も言ったんですけれども、全然聞いてくれなくて
「明日から来なくていいから」と言われて
私が被害者だったのに セクハラされていた側だったのに
なんでこういうことを言われるの
この出来事を知った山本さんは、何度もおかしいと訴えましたが、結局自ら会社を辞めました
山本さん:
一番何が腹立たしいかと聞かれたら、ありもしない誹謗中傷を彼女に投げかけて、
何の罪もない彼女を傷つけている
自分が彼女を絶対守ろうと思ったのに、全然守りきれず
彼女は社長に「帰れ 明日から来るな」と言われて
こんなに悔しかったことは本当になくて
山本さんは、今、別の会社で派遣社員として働いています
(どこに行っても、大なり小なりセクハラは絶対ある
イノッチ:現実にあったことなのかなと思ってしまいます
さやか:
いやいや本当に すごく多いと思います
「このセクハラも仕事だよ」みたいな事ってやっぱり多いと思いますね
こういう風に、日本で声を上げ始めるっていうのが、ものすごく画期的なことだと思う
有働:
今日のゲストは、東京都の労働相談窓口として1000件以上のセクハラに関わってきた金子さんと
企業のセクハラに取り組む弁護士の竹花さんです
このVTRのようなケースはまだ多いのでしょうか?
金子さん:
そうですね びっくりされた方も多いと思いますが
実際、私が相談を受けるかなり典型的なケースです
解雇とまでは言われなくても、セクハラを受けた人は傷ついて
相談しても「それぐらい我慢しなくちゃ」って言われたりとかして
だんだん精神的に仕事がやっていけない状態になってしまい
結果として辞めざるを得ない それから私のもとに相談に来る
クビと言われなくても、自分から辞めざるを得ない
そこまで追い込まれて相談してくるという
東京都では年間2万1500件ぐらい相談があります
ほとんど変わらないですね 減ってないんです
増えてはいないけれども減っていない 繰り返し起きている
竹花さん:
弁護士に相談に来るケースというのは、相当、深刻化してから来ることが多い
お話を伺うと、最初はちょっとした性的な言動とか
隣りに座らされるとか、そういったものから始まって、
だんだんエスカレートしていくという傾向にあります
実感として、セクハラの相談は減っていないです
Q:
エスカレートする前に相談してくれれば、なんとか止められるという感じなんですか?
セクハラを受ける側は「どこで」「何がセクハラか」「どういう相談をしたらいいのか」
さやか:
エスカレートする前は、ニコニコしながら対応していると思うんですよ
「やめてくださいよー」とか
向こうは楽しんでいるかのように思うのかもしれないし
相手を誤解させてしまうことがあると思う
金子:
上司がなんでこんなことをするのか、意図が分からない
アメリカのセクハラのマニュアルの冒頭に
「セクハラをする人は、社会的に立派な人で、
家庭に帰れば奥さんと子どもを大事にし、
ボランティア活動もやっている こういう人がやる」
ということが冒頭にわざわざ書いてある
ですから、そういう人からやられたら、「間違いじゃないか」とか
「自分の思い過ごしではないか」とかと自分を責めたりする時間が長いんですね
「そうだ」って断定して相談に来るっていうのは、もうかなり進んでからです
「セクハラだ」と感じるまでに時間かかってしまうという
レポーター:
早めに声をあげることが重要ですけれども、どのタイミングで、どんなアクションすればいいか
というのが疑問に思いますよね
金子:
なかなか自分が気づかないけれども、周りにちょっと相談してみたり
外から見て「それはそうだよ」とか「違うよ」とかアドバイスを受けたり
相談したことが、後々何かあった時に「その時点でこういう相談をしました」と
証言していただいたりできるので
とりあえず、自分の中で閉じこもって、自分を責めないで
なるべく周りの人と話をするのが大事なんですけれども
ヤナギー:
一番最初のタイミングっていうのは どういうタイミングなのか?
例えば、肩を触った そのタイミングでそう受け止めて話すのは結構難しいと思うんですよ
金子:
男性側の心理だと、「ちょっと触っただけなら大丈夫」
「背中を触ったけど大丈夫」「こういう冗談を言っても大丈夫」
イノッチ:
動機がなくて触る意味が分からないです
さっき、さやかさんのマイクの調子が悪いって音声さんが言っていたから
つい直してあげたほうがいいのかなと思っちゃうけれども
それってやっぱりできないじゃないですか
そうしてしまって「止めてくださいよ」て言われることがあるじゃないですか
それで調子にのるって事はあるわけですよね、男性には
後々「最初は喜んでいると思ったんだもん」ていう言い分が出てくるわけですよ
全部ダメってことにしないと
ヤナギー:
励ますつもりでポンと肩を叩く これもってことになっちゃうと、一体どうすればいいのか
有働:
男性の後輩にもやるじゃないですか これも、もしかしたら?
女性ですけど、気をつけないといけないのかな
どこまでがセクハラなのか考えてしまいます
メール:
主人が部下の女の子に「その髪型いいんじゃない」と褒めたら
他の女子が変な顔をして「それはセクハラ行為だ」と言いがかりをつけて
それを上司に告げ口されて左遷になりました
「もう女子とは仕事の話ができなくなった」とこぼしていました
(その他にもいろんな言動があったかもしれないし、夫側だけの証言では何とも言えないな
“家庭ではいい夫が、外でセクハラをする”て傾向があるなら
有働:
髪型を言われても、すごく嫌な思いをして「セクハラ行為」だと思う女性もいれば
「褒めてもらって嬉しいな」と思う人もいるから
さやか:好きな人にもするもんね それが嫌だと言われたら悲しいですよね
イノッチ:
合意の上でも問題になる場合があるっていうのがあって
LINEのアプリで契約を交わすみたいなのが前の特集であったじゃないですか
そういうアプリまであるくらいだから
・無関係ですか?性暴力@あさイチ
ヤナギー:
違いがわからないんだよね
僕がやったケースと、人気アイドルがやった場合とでも
受け止め方が全然違うということがあるかもしれないし
●周りの対応が大事
リポーター:
今回、被害を受けた方々に伺ったんですけれども
NHKネットクラブアンケートで「セクハラを受けた」と言う方にアンケートしてみた
受けた時に、周りの人の対応がどうだったか
さやか:
「やんわり止めてくれた」っていう人と「抗議した人」を合わせると28%
それは多い数字だなと私は思いました 立派だなと思った
イノッチ:それだけ言ってくれないということですね
さやか:言わないほうがいいのかなと思ったりしちゃう
ヤナギー:
「セクハラだと思わなかった」って言う人も相当いるんじゃないかな
例えば、さっきのカラオケで肩を組んでる上司を止められなかったっていう意見があったけれども
写メや動画を撮って「証拠です」って言えばいいのでは?
竹花:
上司と同じような立場の方にちょっと相談をしてひと言言ってもらうのが重要なんですね
さきほどの VTR のケースでは、女性の上司に相談をして、男性役員にも相談していました
あれは対応としてはとても適切だと思います 周りの味方を増やすことが重要
●周囲の対応が大切
リポーター:
先ほどの VTR の会社を解雇された田中さんと、先輩の山本さんは
会社の同僚たちに「一緒に会社に抗議をしよう」と声を上げたけれども
周りの人たちの対応がどうだったのかご覧ください
山本さんは、以前、一緒に社長に抗議してくれた役員に声をかけましたが
その役員は「これ以上、協力できない」と答えたと言います
「自分が被害者側についちゃうと、会社に居づらくなる」
決して若くない方で、再雇用で、できるだけ長く勤めたいという気持ちなんですね
なので、「このまま、何もなかったかのように、穏便にいきたい」と言ってました
会社にいた年配の女性社員たちも態度を変えたと言います
「女性たるもの、男性に対して正論をぶつけちゃいけない」
いくら社長が間違っていても「そこは飲み込んで従うべき」という風潮がありました
「何言ってるんですか あなたにも娘がいるでしょう 彼女が娘だったら同じことを言うんですか?」と言ったら
「私たちの娘はこんなことにはならないから」
「主人も定年退職して、自分が一家の大黒柱なので辞めるわけにはいかない」と言われました
さやか:
私にも娘がいますけれども、娘のことを考えると
やっぱりここで何か変えていかなきゃいけないんだな、ととても感じますけれども
穏便に仕事がしたいのが正直なところですね
竹花さん:
このVTR を前提とすると「解雇」は「無効」になります その後も働き続けることができる
イノッチ:
認められたとしても、またそこに行くのかって思いますよね
今の日本の社会に根強く残っている問題
リポーター:
実際、今回は周りを巻き込んで、役員にも相談したケースなんですけれども
こういう結果になってしまった 方法は間違ってはいないですよね?
●男性が間に入ることで問題解決の方向に行くことがある
(まさに差別社会じゃん
金子:
周りに広めることと、もう一つ大事なことは、男性役員の方が動いたら、この状況はかなり動いただろうと思う
女性の価値観だけで言うと「何言ってんだお前」ってなるけれども
男同士の話で「お前、それまずいよ」と言われたら、議論が出てくる
それによって問題が解決の方向に行くことがある
いろんな相談をやっている中で、会社に行って相談をすると
男性役員の方が出てきて「これはマズい うちの会社にとってマイナスだ よしやろう」
と言ってくれたところはうまく解決する
その方が「何言ってんだ あんな女は嘘つきだし、しょっちゅう会社を騒がしているいい加減な女だから」
と言うところは、なかなか解決に結びつかない
イノッチ:
会社の偉い人がそんなことを言い出したら、他の人は何も言えなくなっちゃいますよね
<FAX>
広島県 40代女性:
私は、7年前に上司にセクハラ被害を受けて裁判を起こしました
裁判に向けての準備は精神的にとても辛く、7年経った今でも男の上司が怖いです
当時、別の女性の上司にも相談しましたが「水に流せ」と言われました
立場を利用してセクハラしてくるので、上の人たちの意識が変わらないとなくならないと思います
東京都 45歳女性:
先輩がいつもセクハラされて泣いていた
しかし私は「そんなことで泣いてもしょうがないよ」と言った
彼女が辞めてから、それがどんなに悲しかっただろうと思うと反省している
大阪府 41歳女性:
入社したばかりの頃、男性ばかりの職場で、日常的に飛び交う下ネタも
うまくさばいている先輩を見て、それが“デキる女”なんだなと憧れるようになった
うまくかわせない後輩の女性をバカにしていた
(男女差別問題に同性も加害者になるから、余計に解決が遠のくんだよね
50歳の女性:
上司がスタッフの胸や肩を触ろうとしていた
抗議しようと思ったが、可愛い、若い子ばかりがされており
可愛いとは言えないおばさんが発言すると
「セクハラもされないおばさんの発言」と捉えられるのが癪なのでやめた
イノッチ:周りを取り巻く人たちはどういう対応したかということですね
FAX:
セクハラで休職しています
今日の特集で、私だけじゃないんだと少し勇気が出ました
セクハラをなくすには、被害者を責めないこと、見て見ぬふりをしないことではないでしょうか
いじめと似ていると思いました
イノッチ:
「お前も悪い」と言われちゃうパターンは、いじめもそうじゃないですか
「いじめられるほうも悪いんだよ」と言われた時の傷は、セクハラと似ている
ヤナギー:いじめるほうが100%悪いんだよね
リポーター:
2人は、今、再び動き出しています
田中さんは、弁護士事務所に向かいました
会社にセクハラの事実と、不当な解雇だったことを認めてほしいと考えてのことでした
山本さんも同行しました
田中さん:
やっぱりこのまま終わらせたくない
解決しないと、後々思い出した時にいんじゃないかと
山本:
昔、自分もセクハラを受けたことがあって、その時に何の解決もしないまま我慢してしまった
彼女には絶対そんな思いをさせたくないと思っています
事務所に入る
田中さんは、弁護士に、一連の経過を9枚にわたってまとめたメモを持参しました
弁護士:これだけまとめてくださると、弁護士としては楽だと思います
セクハラを受けて、山本さんに相談していた時のLINEのやりとりも見せました
弁護士:
やっぱりLINEは、かなり具体的なやり取りがありますし
日付も出ているので、日記やメモより証拠としての価値は高いと思います
総合的に見れば十分戦える気はします
セクハラと、「不当解雇」を主張するだけの根拠があるということが分かり、
会社側と引き続きどう交渉していくのか検討することになりました
田中さん:
だいぶ気持ちがすっきりしました
会社をクビになった日に、山本さんと一緒に帰ったんですけれども
「絶対あなたは間違ってないよ 大丈夫だよ」と言ってくれて
そう言ってくれたことに対して、自分もケリをつけて終わらせて
2人で「間違ってなかったね」と思いたい ただそれだけです
Q:弁護士に相談したことが骨折り損になることはないんでしょうか?
竹花さん:
「精神的な苦痛に対する慰謝料請求」ができます
もう一つは、会社に対して「上司を懲戒処分にしてほしい」と言うこともできます
もし竹花さんが被害者の代理人として請求するとしたら、ということで目安を出してくれました
竹花さん:
お尻を触るというセクハラであれば、1回行っただけでもアウトです
会社に対して「上司をもう近づけないでほしい」「異動させて欲しい」という請求も、全く不当ではないと思います
そういう声が継続的に続くと、私が代理人であれば、これくらいは請求すると思います
有働:なんか安いな・・・
イノッチ:アメリカとかのケースを見るとね
ヤナギー:
考え方によっては、金額の問題ではないと思うけれども
1億とか10億とかにすれば、次はなくなるような気もするけれども、そうならないんですか?
アメリカほどの「訴訟社会」ではないとは思いますけれども
竹花:
これはあくまでも目安であって、もっと請求できるケースはあると思う
ここで強調したいのは、被害者が請求できるものというのは
「慰謝料」という金銭的なものだけではなくて、会社に対しての「懲戒処分を求めること」
つまり、上司に社会的な制裁を与えるということも会社に促すことができる
加害者としては、金銭的な部分+社会的な身分を失う可能性があるということは重要だと思います
ヤナギー:男だとそこが辛いところがあるかもしれない
●SNS、写メ、動画、メモなどの証拠が重要
リポーター:実際、重要になるのが証拠なんですね 写真を撮るとか
竹花:
録音ですとか、加害者からのメール これは「直接的な証拠」ですので、そのまま使えます
ただ、なかなかそういう証拠がない場合が多いので
そういう時は、セクハラを受けた時の日付や場所の詳細なメモも「間接的な証拠」になります
イノッチ:監視カメラとかも写っている可能性もありますよね
竹花:
それも使えますね
SNSも証拠になる
LINEの場合は、まず日付が基本的に改ざんできない形で残っています
なので、その時に相談したことが証拠になります
LINEって会話に近いので、その時の状況が、具体性、確信性をもって
感情も分かる形で記録されるということで、後から思い返した時に
当時の状況を立証する「間接的な重要な証拠」になる
ヤナギー:
これは、言ってみれば「対症療法的」なものだと思うんですけれども
加害者の場合、男性がなぜこういうことをしたのか
男性の側に色々と突きつけていくことが、次への展開への入り口のような気がするんですけれども
金子:
そうですね 今の状況は「女性問題」だと思われているけれども、そうではないですね
99%男性がやるから、原因は男性側にあるんです
男性の被害者もいるけれども、99.8%ぐらいは女性 男性はほんの少しです
男性がやめれば終わりって言うぐらいの話ですから
どちらかと言うと「男性問題」としてきちんと向き合えるかどうか
私自身も、「行為者」の男性と色々と話し合ったことがあるんですけれども
「何でやったの?」って単純な質問ですよ なんて答えたか
「魔がさした」「お酒の勢いで」「相手も合意してると思った」 この程度ですよ
酒の勢いでそんな事やっていいの?っていう話
「魔がさした」って、悪魔が「やれ、やれ」って言った? そんな答えはありえない理由で
せいぜい合意があったかないかでしょう
●男性側のイエスのサインの受け止め方は、非常にハードルが低い
金子:
この間、ちょっとびっくりしたんですけれども
メールで「素敵な上司と出会えて、非常に良い仕事ができて感激しました」って書いたら
もうそれだけで、男性側は「恋愛感情」を持ってしまった
イノッチ:
女性がどんどん社会に進出していくわけじゃないですか、これから
この状態でどうなるんだろう?
さやか:
今、社会的地位のある男の人が一人、この問題で落とされてみたらいいんですよ
そうなると、みんな「マズい」となっていくけれども それをしないでしょ日本は
金子:
アメリカでは、最高裁の判事が、大学の女性教授に訴えられている 大きな裁判がありまよね
経験者からのメール:
男性の性について、もっと早く教育したほうがいいんじゃないか
見て見ぬふりをしないでほしい 多くの人が声を上げないとなくならない
見て見ぬふりも加害者なんです