メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

パセラった

2013-04-15 23:55:55 | 音楽&ライブ
前日フリマを一緒にやったライブ友さんのお誕生日月ってこともあって、久々パセラで歌ってきた
なにせ、バンバンバザールの曲が4曲もついにカラオケに入ったという記念もあったし/祝×5000
8階の密室ってことで、ちょっとチャレンジだったけど、「大丈夫、大丈夫」と心の中で唱えつつ、
歌ってる時は集中してるし、お喋りしたり、美味しいランチを食べたりで気も紛れるし、なんとか克服。がんばった自分v

 

パセラは登録しておくとバースデー特典がいろいろあって、まずはなんといってもこの店の看板メニューのハニトープレゼント
以前はパチパチと花火をつけて、テーブルに置いて、写真を撮る前には消えてしまうってのがオチだったけど、花火は止めたらしいw
味は選べないけど、今回は抹茶クリームたっぷり+シュークリームかと思いきやたこ焼きみたいなドーナツ/驚 がのっかってゴージャス
ボリューミーだからいつも食べ切れた試しがないんだよね
写真も前はポラでたしか1枚分しかもらえなかったのが、デジカメで撮って、すぐ人数分配ってくれるv

きっとハニトーが甘いだろうから、塩気のある食べものも頼もうってことで
アボカドディップとチリソースがついたチップスも追加して美味しかった
以前はリモコンで注文してたのが、スマホ的端末に変わってあわあわする2人
リモコンもあるんだけど動かないから電話したら、電池が切れてたらしい。
取り替えてくれたけど、やっぱり音量とかは変わらなかった気がした



ところで、バンバンを全部歌ってみたけど、ツイッタでファンの方々がつぶやいていた通り、実際歌ってみるとほんと難しかった
♪恋はねずみ色
♪夏だったのかなぁ
♪ハッとして!Good
♪FRIDAY NIGHT エビフライ

ほかには、♪ネモ(マイスティース)、♪恋の胸騒ぎ(TUFF SESSION)、♪ありふれた言葉(ロッキングタイム)、
友だちに手伝ってもらいながら源くんにも挑戦したり、「しろくまカフェ」のオープニング曲も2曲♪
バースデーつながりで、♪バースデー(ビートルズ)、♪バースデー(シュガーキューブス)などなど。
普段歌わないから音域もどんどん狭まってくるし、声が枯れて、ノドが痛い
そんなこんなでラストは♪いい事ばかりはありゃしない(RCサクセション)で締めてみました/泣

友だちは、わたしの♪恋はねずみ色 の後にすかさず、細野さんの♪恋は桃色 を入れるあたりが粋です
あとは、最近ハマりまくっている「マメシバ一郎」の曲満載
ペットショップ店長さんの名曲♪スブタにパイナップル が入ってなくて残念すぎ!
他には、♪女々しくて(ゴールデンボンバーのビデオクリップ付/爆)、100s、オザケン、中村一義、源くんなどなど。




3時間で入って、最初はランチ食べたりして1時間くらいはすぐ過ぎちゃうから、結局1時間延長して、最終的には4時間いたw
6時間1500円パックみたいなのもあったけど、どっちがお得なのかねえ???


追。
なぜか、いつでもご実家に帰ると必ず九州の素晴らしい明太子が溢れかえっているライブ友さん宅
今回ももっちり極太な明太をいただいて、家で早速焼いたら、これまたこの世のものとは思えない美味しさで感涙・・・
「かば田食品」て書いてあったから、きっと有名な老舗なのかも?
いつも、いつも、ありがとう明太~感謝×∞


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内田百『サラサーテの盤』

2013-04-15 11:01:13 | 
『サラサーテの盤』(六興出版)
内田百/著

閉架扱いなのが惜しいほど、本書も私好みの手におさまるサイズなのにハードカバーで可愛い1冊。
ライブ友さんから、この「サラサーテの盤」が、私の好きな映画『ツィゴイネルワイゼン』の基になっていると聞いて興味を持った。
本書には、タイトルのほかにも短編がいくつか収録されていて、夢幻の世界、オカルトちっくだったり、
発売当初から傑作の誉れ高い「実説卅 平記」には、師の夏目漱石門下生である先輩・森田草平氏との思い出を語っていて、
内田さんて意外と細かいことに気づかずにおっとりしてたのかなぁ、とか、
平素で正直な描写のエッセイも書いていたりして人となりが徐々に見えてきて面白かった。
本書は初版が昭和56年、昭和57年第2刷発行のもの。
この六興出版からは内田さんの同シリーズがほかにもいろいろ出ていて、「阿房列車の車輪の音」等々、興味深いものがいっぱいある。

ちょくちょく登場する甘木さんて「某」つまり名前を伏せているというわけだってことを昨日、友から聞いてなるほどと思った。


【目次と簡単なあらすじメモ】

サラサーテの盤
あの映画はいろいろと短編やらを合わせたのかもしれないな。この話自体はいたって短いものだと分かった。
友人の中砂の年来の恋女房は、まだ乳飲み子の女の子・きみこを残してスペイン風邪であっけなく亡くなり、
旅先で会ったおふさという芸者が後妻に入るが、家を訪ねるととても静かで陰気である。
数年後、中砂は病死。その後、内田のもとに、おふさが主人の貸した本やレコード盤を返してくれとしょっちゅう来るようになる。

とほぼえ
友人の家を訪ねてから、帰りに寄った氷屋で「すい(氷水?)をくれ」というと、中国系の主人は分からない。
仕方ないのでラムネを飲んでいると「ちょっと後ろを見て御覧なさい」と言われる。
向こうの墓地に時々光るものを見るのだそうだ。人魂や鬼火の類だろうと言うと、
つい最近、妻を亡くしたばかりで怖いから焼酎を飲んでゆっくりしていってくれと頼まれる。
氷屋の主人は、その妻の霊も見るらしく、火の玉を見る時はきまって犬が鳴くという。
それも、小型犬で、同じ声なのに、あっちからこっちからと聞こえてくるのだそうだ。
主人がしつこく「あなたはどちらから来たのか」とか「どこへ帰るのか」と聞くので怖くなる。
「友人の家だ」といっても「向こうには家などない。墓地だけだ」とのことだった。

枇杷の葉
見かけない女と会って、座敷で麦酒を飲む。やけに馴れ馴れしくて訝っていると「猪之吉さんが饅頭岩の上に座っていたり」とからかう。
何度も停電になり、酔いが回った頃合に電気が消えた時、女もかき消えてしまう。

雲の脚
昔いじめられた教員上がりの高利貸し・山井の妻に会う。家に上がる風でもなく、風呂敷包みをほどいている。
山井が亡くなったのもずっと後になって人づてに聞いていた。「どうか召し上がってください」と紙包みを置いて行ってしまったので、
重たい得体の知れない包みをあけると、生きた兎が紐でくくってあり、手元をすり抜けて縁側に逃げていった。

ゆふべの雲
家内がいない間に知人の甘木が家にいた。知らない大きな女と一緒で、家内だと紹介される。
「私、子どもの遊びが大好きですの」といって、訳の分からない文句をゆっては「ウフッ」と笑う。

由比駅
東京駅で知人と待ち合わせをしたが待っても来ない。八重洲口のほうだろうかと移動するがやっぱりいない。
列の中から声をかけられるが見知らぬ男で名を聞くと「いちという犬だ」という。
駅員からの言伝で「先に行ってるから」と言われ、とりあえず列車に乗り、由比まで行くことにする。
ぼんやり昔の記憶が戻ってきて、そういえばいちという名の犬を追い込んでよく叩いたりしていた。
今度は知らない女から声をかけられ、いちの家内だという。
「あまり古い事が、中途までそう思ったままで、そのままになっていると、いろいろいけませんですわねえ」
ボーイから通された部屋に待ち合わせしていた助役がもういるという。

すきま風
夜中に甘木さんが来て、謎の男女2人が一緒。女は触ってみたくなるほど色っぽいのだが、
まともに顔を見ていると憎くて胸糞が悪くなってくる。

神楽坂の虎
深夜ではあるが、どうしても寿司が食べたくなり家内と歩いている通りに5、6頭の虎が群れている。
赤いものが欲しいというから、前掛けの所を裂いて投げる。
銃で追い払ってくれた者もいたが、一番大きな虎がやって来たので、慌てて押し入れの上の段に身を潜める。

亀鳴くや
芥川龍之介との交流の話。彼とも親しかったのか?驚 帰りの汽車賃を借りて、その後1、2日後に彼が自殺したと聞く。
著者は山高帽子が好きでかぶっていたら、よく芥川が見るたび「こわいよ君」と言っていた。
芥川の親しい友人の頭が変になって、その筋の病院に入院したという事件は芥川をひどく脅かしたようだった。
一緒に見舞いに行こうということになり、途中で自分の新作をあげると本屋に寄ると、もう客に渡ってしまい
「自分の本を本屋で金を出して買うのは変なものだね。第一、惜しいよ」といった。それが「湘南の扇」。
別の日は部屋を訪ねると、「僕の婚礼がある」という。電車内で新夫人を紹介され、著者は狼狽する。
芥川が自殺した夏は酷い暑さが続いていたため、
「彼は余りの暑さで死んでしまったのだと考え、またそれでいいのだと思った。
 原因や理由がいろいろあっても、それはそれで、矢っ張り非常な暑さであったから、芥川は死んでしまった」

実説卅 平記
大正5年。著者は陸軍士官学校の独逸語の教官になったが当時でもとても薄給だった。
しかし、主任教授から「本校の教官は日常フロックコオトを著ているのが立て前だ。帽子も山高帽子をおかぶりなさい」と注意される。
矢来の蝙蝠傘張り替え直し屋で安い山高帽子を見つけて即買いする。

その翌年の秋、夜中に大変な風が吹いて、蝙蝠傘張り替え直し屋は吹き倒されて潰れてしまった/驚 赤城下では人死にもあったという。
近所の草平さんを心配して訪ねたら、彼は天変地異に余り感心のない性質だった

漱石先生が亡くなり、全集出版が出されることになり、草平さんら門下の主だった人らが編纂委員となり、
一期下の著者は校正を手伝うことになったが、元来仕事が遅いほうなのでなかなか捗らず、
岩波書店から再三催促されるが、仮名遣い、送り仮名、用字の癖を調べたりして、結局7校、8校ほどにもなり出版が遅れた

神保町の電車通に面した岩波書店は大正12年の大地震の火事で焼けたが、
焼ける前の2階の風通しの悪い部屋に監禁されて仕事した。
草平さんの女好きは自他共に認めるところで、奥さんにも薄々感づかれてもめていた。
笠子という女性がその部屋に毎日のように通うようになったが、著者らも慣れてしまった。

酔って交番に小便をかけようとして著者が慌てて物陰まで押したり、
人の奥さんや、店の女中ばかりでなく、飛んでもない事には、
当時の皇后陛下まで好きで好きで堪らないなどというエピソードが笑ったw

岩波書店は古本屋時代に、大正の大地震の前にも、神田の大火で焼けたことがある。
三崎町の電車通にあった救世軍の本営から出た火で神保町一体が焼けた。
当時掛け値売りが当然だった時代に、正札で売るといういうのが岩波古本屋の看板だったが、
ある時、バイブルを値切った奴がいて、烈火の如く憤ったという。
草平さんの言い分は
「正義は犠牲を伴う筈のものだ。それが岩波の場合はそうでない。正義を真向に振りかざしてそれでちっとも損なぞしやしない。
 段段に得をして、結局産を成したのが岩波だ。正義で儲けたのは岩波だけだろう」

草平さんには、なんだかイジワルな面もあったり、興奮すると大声で泣いたり、いろんな変な癖もあったみたい
でも、本人は意外とあっけらかんとしているところがあるから、それで救われていた部分もあった。
それに、なんでも一流にこだわり、服や料理などいろんな事を彼から教わったとも書いてある。

彼に「銀縁はおよしなさい。見っともないだけでなく、外した後に黒い形がついたり、さはりが悪い。眼鏡は金縁に限ったものですよ」
と言われて、新橋のメガネ屋で金縁を買った。
そこの主人がインフルエンザ風邪をひいていて、著者も、同行していた千戸さんも一家で伝染ってしまう
細巻の傘が流行った時も、絹張りの傘は太いほどいいんだとか、
メリヤスのシャツは駄目だ。厚いのは混ぜ物が織り込んであるからで、純粋の毛で織った物は薄くて温かいとか、
でも、薄給の著者には手の出ないものばかりだった。

そんな草平さんも忙しい中頼まれた講演の代金のかわりに2度も同じ巻きタバコセットを提げてきて困った話で大笑いした。
大地震の後に、円本時代が来て、草平さんもその波に乗り、手許の都合が好くなり、笠子さんと青山に居を構え、子どもも出来ていた。
でも、女好きと、お金などにうるさいのは変わらないw

猥本に関しても、活版本より、木版本のほうが味わい深いことを知っていて馴染みの貸本屋に連れてってくれた草平さん。
大衆雑誌、娯楽雑誌の広告に変態性欲に関する記事を出し、婬具屋が流行りだし、築地の暁橋辺りにある店に一緒に行くことになった。
思っていたより風雅がなくてガッカリした2人は、仕方なくいくつか買って、草平さんだけ店員からすすめられた薬を買ったが、
何かの手違いで薬が包みに入っていなかったと、後でねちねちと葉書に書いてきた/苦笑

物が物だけに因縁をつけられて気にさわった著者は直接話しに行くが、「そんなことはもういいんだ」という。
部屋に見慣れない青年が2人いて、紹介もされずその日は帰った。
その当時、大学を卒業しても職に就けないのは、年老いた教授らがいつまでも後輩に譲らないからだと煽る学生運動がおこり、
野上理事を追い出して、気のいい草平さんを推して、学内がすっかり二分してしまった。
「無能老朽は正に私なぞの適役(はまりやく)であったが、新鋭と云うのは、法政大学を出たけれど、職が得られないので、
 うろうろしている卒業生の事であって、草平さんの二階でおとなしくしていた二人なぞがそうなのであった」

著者も含めた野上派の講師が一緒に辞表を出した。その署名者が47人で、以前、草平さんと話した赤穂浪士の小説とかぶる。
辞表を出したのに「クビにした」と貼り紙が出て、退職金も出ず、またそんな資金も大学になかったため、
辞めた講師らはみんな生計に窮した。そして、草平さんの新政権も三日天下に終わった。
学校に戻って、無言の反目を続けた者もいたが、著者は戻らなかった。
「草平さんは、自分は事成り、又事破れてやめるけれど、自分の犠牲によって、下積みだった教師が昇格し、
 職を求めて所を得なかった卒業生が母校で月給に有りついたのだから、本望だという所だったかも知れない」
だが、そのために年来の古い友だちを大勢失い、著者との間柄もギクシャクしたまま会うこともなくなってしまった。

小石川のお寺で漱石先生の何回忌かが営まれた際、噂通りすっかり腰が曲がって百なり爺さんになってしまった草平と再会する。
「君は、なぜ、さう、えらさうなのだろう」と云われ、前のように冗談で答える気にもなれず黙ってすませた。
疎開先で亡くなったことを聞いたが、行ったら人前で泣き出す気がしたので、風邪をひいていたのを理由に代理人をたてた。
臨終まで付き添った青年が「森田先生は何度も貴方の事を思い出して話をなさいました」と言った。
偉そうになぞしていないという事を見せに行かなければいけなかったかと思う。



【気になった言葉】
ラインのローレライ
オックスタンの塩漬
左様なら
亭亭(ていてい)とした樹=樹木などが高くまっすぐ にそびえているさま。
到頭=とうとう
中中=なかなか
月旦
八釜しい
マゾラ油=トウモロコシ油。植物油脂。
磊々落々(らいらいらくらく)=心が非常に大きく朗らかなこと。小さなことにこだわらないさま。
馬糞紙=わらなどを原料とした黄色い粗悪なボール紙。
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