メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

世界フィギュア国別対抗戦2013 男女シングルほか

2013-04-11 23:55:55 | フィギュアスケート
世界フィギュア国別対抗戦2013@代々木体育館
これがほんとの今シーズンの最終演技になるのかな。
世界上位6カ国の代表が参加。去年優勝した日本の連覇がかかっている。
男女シングル各2名、ペア、アイスダンス各1組で合計ポイントを争う。
チームごとに選手紹介されて、それぞれ決めポーズしたり、
応援してる時のお祭り騒ぎや、選手の素の表情が見れるのも楽しい♪
日本人と中国人は応援席にいても比較的大人しくて、礼儀正しい感じなのが分かるねw
日本は今年ペアは出場しないんだ。どうしたんだろ???



団体戦は、来年のソチ五輪から正式種目になる。
荒川静香さん、松岡修造さんが司会で、今回も似てるかどうかビミョーな人形や、
男子シングルの解説者・佐野さんも見どころのひとつw


【アイスダンス】
キャシー&クリス・リード

3大会連続出場。♪略奪された七人の花嫁 
ツイズル、サーキュラーステップ(2人の距離が一定なほど評価される)、ダンスの課題もキッチリ決められてるんだ。
今回のパターンダンスはヤンキーポルカ?最後の見せ場はリフト。ローテーショナルリフト。姉弟の爽やかで明るい演技が魅力。

●チョック&ベイツ(アメリカ)

♪シルク・ド・ソレイユ「キダム」 ワルツのサーキュラーステップからスタート。
アイスダンスのほうが衣装が華やかでデザインが自由だね。
パターンダンスはエッジの正確さ、音楽との調和などが求められる。

日本は4位。


【男子ショート】
●コンスタンティン・メンショフ(ロシア)

♪ピナ・バウシュ トリプルアクセルの後の4×3、キレのある正確な演技が続く。
今大会、最年長の30歳かあ。こうゆう現役の先輩がいるって貴重だなあ!

●ケビン・レイノルズ(カナダ)

♪チェンバーメイド・スイング 最初の4回転コンビネーションは失敗。次の4回転は転倒!
個人戦と団体戦のプレッシャーの違いみたいなのもあるのかな?

●ブライアン・ジュベール(フランス)

♪ジェネシス 4×3は軸がズレて4+2に。トリプルフリップはキレイ。スピンもフシギな形がいろいろ入ってる。
女性ファンの黄色い歓声が上がる。SFアクション映画のヒーローものみたいなプログラム
応援席ではイジラれキャラ?w 鍛え上げられた肉体、実力ある技術力の中にも繊細さが感じられる選手。

無良祟人

コーチのお父さんと二人三脚。ソックリだねv ♪マラゲーニャ 4×3は転倒。まだ誰も決められないねえ!
トリプルアクセルは見事に挽回。コンビネーションもしっかり決めた。
他の選手にもじっくり見られるってゆうのも今大会ならではか?
徐々にテンポアップしてゆくステップも丁寧に落ち着いている。佐野さんいわく「図太さ。貫禄。自覚が成長した」

●ジェレミー・アボット(アメリカ)

♪スパイ このプログラムはカッチョいいよね 3×3は転倒。皆どうした???
次にコンビネーションを入れた。ちょっと映画盗撮禁止のカメラ男を思わせる振り付けw
これまでの静のイメージが塗り替えられた別の人格が覗ける演技。最後、銃をしまうところまで芸が細かいしw

高橋大輔

チーム日本のキャプテン。「チャンの演技には目が離せない」なんか仲が良さそうな2人の様子がステキ
♪月光(ヴェートーヴェン) 4回転は両足着氷?回転不足?アクセルはキレイ。
逆に高橋くんは、これまでの動のイメージから、ここ最近は静のイメージに変えてきてるのもイイ。
最後のコンビネーションもちょっと崩れつつなんとか踏ん張った。
「最高の演技は出来ないかもしれないけど、仲間を支えたい」てなんとも気弱で謙虚すぎるコメント。
「不調な中、本番でここまで出来るのは彼だから」て佐野さん、いいこと言うねえ。

●パトリック・チャン(カナダ)
 
髪切ったんだ。「ダイスケは最大のライバルだ」ってゆってくれるのも嬉しい。カナダキャプテン。
♪エレジー 静かに流れるようなフォームから4×3は、チャンも跳べなかった
次のジャンプもバランスを崩した。3×3は成功。会場がしぃーーーんと静まり返って、ピアノ曲と氷上を滑る音が響く。
残念な表情で終わった。練習は完璧に跳べてたみたいだが、フシギ。

それでも1位はやっぱりチャン。2位高橋、無良は5位。この時点で日本とアメリカが同1位。


【女子ショート】
●ケイトリン・オズモンド(カナダ)

♪マンボ 3×3は転倒。会場が一気にあだっぽい雰囲気になる色っぽい曲と演技
スピードアップしてキレのある動きと笑顔のステップ。高揚感の中にも冷静さがうかがえる。
海外チームのあのテンションの高さはなんだろうねw

●グレイシー・ゴールド(アメリカ)

ファッション全部ゴールドって! ♪ヘルナンドの隠れ家 若手の注目株が続く。彼女も3×3は転倒。
フリップは成功。ダブルアクセルも前半。これまたアダっぽい雰囲気で華やかさは負けてない。
観客へのアピールも笑顔も度胸ある。バリエーション豊富なスピンも見どころ。ほんとカワイイ
荒川さんもゆってたけど「ジャッジ向けにアピールする選手が多いけど、観客にも向けているところが素晴らしい」


最終グループの6分間練習でシクンとワグナーが接触したり、転倒する選手がいたり、いろいろハプニングがあってドキドキ

●リ・シクン(中国)

♪黒い瞳 最初の3×3は転倒。イヤな雰囲気をひきずらなきゃいいな、彼女のいつも完璧で涼しい笑顔が好きだ。
表情が固いような?でもスピンはキレイ。後半のダブルアクセルは問題なし。スピードが上がってのステップも丁寧に滑ってる。
深いレイバック、ほぼ90度に曲がってる ちょっと沈んだ表情。パンダ帽子可愛い

●エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)
 
♪アディオス・ノニーノ 3×3失敗。誰も跳べないってどゆこと ループも転倒。
彼女も好きな選手の1人だから頑張ってほしい。品のあるプライド高い艶やかさ、高い美意識。
ダブルアクセルはOK。みんな悔しい表情。ロシアのウサギみたいなゆるキャラはなんだろw

●アデリーナ・ソトニコワ(ロシア)
 
♪スペイン奇想曲 3×3ジャンプの種類を変えて成功!フリップ、スピンもキレイ。
笑顔に余裕と自信がうかがえる。ダブルアクセルも成功。のびやかなスピンも魅せる。
“プーチン大統領にも期待されている天才少女”てゆう触れ込みを背負って、この堂々とした演技はお見事。完璧な出来栄え!

●アシュリー・ワグナー(アメリカ)
 
応援団の声援に笑いも出た演技前。♪レッドバイオリン 3×3跳んだが、どうか?!
ルッツとフリップの3×3にチャレンジする選手が増えたのも来年のソチを見据えてのこと。
安定したフォームでのスピン。1つ1つのエレメンツを丁寧にこなしていく。
後半にトリプルループ、ダブルアクセルは惜しい失敗。最後までリラックスした表情なのも国別ならでは。

浅田真央
 
練習では3度ほどトライしたトリプルアクセルは跳べてなかったが、どうか。
最近は演技前のコーチとの会話もマイクに拾うようになったよね。集中には影響ないのかな。
♪アイ・ガット・リズム トリプルアクセルは挑戦するも転倒。大きな歓声が沸きあがる。
3×2、スピンで気持ちを整えてから、トリプルループは決まった。元気いっぱいのステップで盛り返し。
ちょっと首をかしげながらも、後半の挽回が良かった。
ソチでもきっと完璧に3×3を決めるであろうキム・ヨナに勝つためには、
なんとしてもこのアクセルを完璧に決めないといけないからねぇ。。

鈴木明子
 
そして最終滑走の鈴木に会場全体が拍手喝采。♪キル・ビル 3×2に変更。トリプルフリップ。
やっぱり鳥肌もののプログラムだなあ、ホレボレする ダブルアクセルも余裕があった。
この観客の盛り上がりを一番力につけられるのは彼女かも。
会場のエネルギーを自身のパワーに変換しているかのようだ。「日本の影のキャプテン」とアナ。

1位ソトニコワ、2位鈴木、真央ちゃんは5位。日本・アメリカが47点で並んだ!暫定トップ。
「チーム・スピリット賞」ってゆう応援団の評価もあるんだw

 

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ドラマ『夜行観覧車』

2013-04-11 17:03:17 | ドラマ
ドラマ『夜行観覧車』
原作:湊かなえ
出演:鈴木京香、石田ゆり子、宮迫博之、田中哲司、夏木マリ、高橋克典、安田章大、杉咲花、宮香蓮、中川大志 ほか
主題歌:♪VOICE/AI

『贖罪』『告白』を観て、すっかり湊かなえさんの描く世界にハマってしまった。
それぞれが告白するって形はかなえさんのスタイルなんだね。

▼あらすじ(ネタバレ注意 ぜひ読む前に観てくださいませ

1話「高級住宅街の殺人!渦巻く悪意…家族崩壊」
ずっとマイホーム、自分の町って言える環境を夢見ていた遠藤真弓は、サラリーマンの夫・啓介、一人娘・彩花と3人で、
ちょっと背伸びをして35年ローンで高級住宅街のひばりが丘に引っ越してきた。
しかし、そこには「何もなかった頃からこの街を作り上げた」という小島をリーダーとした古いグループがあり、
ゴミの出し方からすでにバトル炸裂 唯一、守ってくれたのは、向かいの高橋淳子
彼女も一般家庭に育って、開業医の夫・弘幸とともに引っ越してきたから親近感を持ち2人は友だちになる。
高橋家は長男・良幸、次男・慎司、長女・比奈子の5人家族。
バザーの時も、子どもの音楽演奏会の時も助け舟を出してくれた。
(小島演じる夏木マリさんの演技がとにかく怖すぎるっ!

 

すでに高橋弘幸が何者かによって殺されたところから始まり、
引っ越してきたばかりの4年前に遡りつつ、ミステリーが進行してゆく。
時間の移り変わりが観覧者の建設模様であらわされるのが興味深い。
事件を担当するのは結城という刑事(高橋克典)。
坂の上の私立中学を受けて、彩花は落ち、慎司は合格した。そこから2つの家族の関係が少しずつズレてゆく。。


2話「美しい街に隠された秘密…謎の失踪」
彩花ちゃんがすっかり荒んでしまっってビックリ
近所では貧乏者扱い、学校ではお金持ち扱いの板ばさみ状態でイジメを受ける。
バスケ部で活躍する慎司は女生徒の人気を集め、彩花の友だちも好きになり、慎司から声をかけられた彩花に嫉妬する。
1度や2度、友だちからのけ者にされただけで、もう生きていけない世界なんだろうか、今の学校って
母が「彩花があすこの制服着たところ見てみたいなあ」てゆったたったのひと言がきっかけって、なんて脆い。
小島も海外に住む息子にやたらと電話してるけど、きっと煩がられて孤独の塊なんだ。夫もずっと海外出張だし。
嫉妬心、見栄、プライド、大人の歪んだ価値観の中で、傷つき、翻弄され、枠にはめられてがんじがらめになる子どもたち。
湊かなえさんの物語は怖い。これが現実に起こっているから、なおさら怖い。
長男、長女は先妻の子で、後妻の淳子は次男の慎司が平凡な自分に似たんじゃないかと心配でたまらない。




3話「狂い始める家族の歯車…逃亡する母子」
近所づきあいの結婚祝いに10万円、町内会費なども高額で、真弓は貯金も尽き、スーパーでパート仕事を始めるが、
小島はそれも嗅ぎ付け、また嫌味を言われる。
街が見渡せるベンチで再び淳子に会い、彼女も慎司のことで悩んでいる様子だった。
同時に慎司もまた秘めた悩みを持ち、以前は雰囲気のよかった彩花にも心を閉ざす。
彩花は友だちに嫌われまいとするストレスで保健室によく行くようになり、
家では母にキレて毎晩のように大声で罵声を浴びせるのが近所の評判になってしまう。
だが、事件当日は慎司の大声と、淳子の叫び声が聞こえ、真弓はコンビニで慎司とその後会ったが、結城には話さなかった。
逆に、高橋家から出てきた犯人かもしれない男が、小島が言うには夫の啓介で、
しかも真弓に内緒で弘幸から独立資金として1000万円も借りていたことも初耳で動揺する。
慎司も、淳子も姿を消し、重要参考人として捜索される中、弘幸に淳子から電話がかかってくる。

 

 
(哲さんが印象に残っていると言っていた川釣りのシーン


4話「夫の秘密と嘘…兄妹たちの残酷な現実」
「わたしの人生、こうなるはずじゃなかったのに」比奈子は父の死を自分のせいだと責める。
叔母は姉・淳子を心配するが、叔父は人目を気にして比奈子をいつまで泊めておくのかと嫌がる。
それを聞いた比奈子はいたたまれず、長男のいる京都に向かう。
家族を亡くしたコにこんなに冷たくする友だちや親戚がいるだろうか? それもこれも僻みが原因?
高級住宅街に住んでる人たちも、それに憧れる人たちも、どっちもどっちなんだな。

成績が上がらない慎司に淳子は「大丈夫。あなたはお父さんの子だから」と暗にプレッシャーをかけていた。
啓介は淳子と会っていたことは隠したが「事件の当日、高橋家から出てきたのは小島さんだった」という。
彩花は一人佇む慎司を見かけて「私はあなたを助けたい。どうしたらいい?」と声をかけるが逃げられる。

 
(比奈子は父が果たせなかった建築家の夢を代わりに叶えてあげるってシーンもよかった。「じゃあ、比奈子に家を建ててもらおうか!」


5話「加速する悪意…暴走する娘と母の叫び」
なんだか彩花の視界が歪む感じや過呼吸の感じがパニ障的。友だちから「母の働くスーパーで万引きしてこい」と命令される。
愛息・まあくんが外国からやっと帰って有頂天になる小島。息子が家に帰らないのは事件のせいだと高橋家を呪う。
兄に自殺をほのめかす電話をかけてきた慎司。良幸は「オレのせいだ」と自責する。

真弓の独白。
「事件になる家と、ならない家はそう変わらない。いつなるか分からない」
「人に家族の問題を話せないのはどうしてだろう。一番そばにいる家族の心が他人より遠い。
 誰かに打ち明けて泣けば、少しは何かが変わるのだろうか」
「どうして家族の事情を人に言えないんだろう。
 それは、おまえの家は壊れていると、後ろ指をさされるのが怖いからだ」
「死ね」とか「一家心中しろ」とか書かれたビラが家全面に貼られてるって・・・どう見ても異常。




6話「悲しい罪の告白…ついに、犯人逮捕!?」
土手に座っていた彩花に結城は「お母さんとオレは同級生だったんだ」と声をかける。
「難しいよなあ家族ってのは、思ってもみないほうに転がって、
 こんなはずじゃなかったってあがいても、どうやって戻っていいか分からない」

淳子は真弓とショッピングモールで会い、子どもたちの無事を確かめ、メールをした慎司とも再会するが
見張っていた警官らに捕らえられ、「夫を殺したのは私です」と自白する。
結城いわく「いるんだよ。弱った人間が頼りたくなる人種ってのが」
でも、凶器を持ってるのは啓介。

ドラマのなぜなぜ:差し入れってゆうと必ず缶コーヒーだよね。嫌いな人もいるだろうに



7話「事件の夜夫が見たモノ…狂った母2人」
ついに、結婚したら嫁の実家に世話になると母親からの別離を伝えたまあくん。

「二世帯住宅にしてくれなんて頼んでないよ、やらなくていいって言ったのに勝手にやったんでしょ
 そんなになんでもかんでも先回りして、頼んでもないことやるでしょ。息が詰まるんだよ
 家に帰ったらくつろぎたいんだ。母さんがいたらくつろげないんだよ」

啓介は事件当日、騒ぎを聞いて高橋家に行き、淳子から凶器を捨ててきて欲しいと頼まれた。
尾行されていることが分かって、出張先の裏山に埋めながら
「なんでこんなことしなきゃいけないんだ? 誰かオレをもっと労わってくれよ」と叫ぶ。
凶器は良幸の賞でもらったトロフィだった。

彩花ちゃんのキレっぷりがハンパない 現代の積み木崩し。
それにしても、学校の友だちには卑屈なほど隷従して、母親には異常なほど反抗するって心理やいかに
母には何をしても家族だから許されるってゆう安心感?みたいなものが根底にあるからか?
保健室にいりびたってしまう時点でもう保健士さんは気づくべきでしょう
両親も子どものために、第三者に相談するって方法もあるのに、他人に言えないのもやっぱり見栄か。
昔みたいな殴り合ったりするケンカじゃなくて、集団で無視されるだけで居場所がまったくなくなってしまう狭い世界。



8話「殺された父の本性!?許し合えない親子」
淳子は自分が殺したと言い続け、慎司は家に帰っていて、兄妹が揃い、真実が話される。
慎司が言うには「父は自分が勉強ができないことを責め、自分と母に日常的に暴力をふるっていた」という。
あんなに理想的な旦那さんがDV男で、同じ家で暮らしながら兄妹がまったく知らなかったなんてことがあり得るだろうか?!
淳子はいつも慎司に「兄弟仲良くしなさい。1人で解決できないことも、兄弟3人なら乗り越えられる」と言っていた。
マスコミに曝される3人は固く手を繋ぎ、警察に同行される。

真弓は怒りで我を忘れて彩花を殺しかけて小島に止められたことで「自分が母親でいいのだろうか?」と自責する。
「これまで殺人事件て理性の問題だろうって思ってたけど、そばに止めてくれる人がいたか、いないかなんだね」
啓介も彩花から「逃げつづけていたのは、あんただろうが」と言われて気づく。
「帰りたくない」という真弓に「帰っておいでよ。お母さん」と声をかける啓介。

小島さんもとうとうリーダーシップも息子も夫もなにもかも失ってから、ちょっと丸くなった?
旦那さんは出張じゃなくて愛人の家にいるらしいし。
まあ、他のおばさんが頭にすげ代わったってだけで、町はなにも変わっちゃいないんだけど。


9話「最終章~前編~事件の夜の家族の悲劇」
慎司の独白。
言いたいことを言えない自分がずっとイヤでした。
 だから、毎晩暴れてる向かいのあのコがちょっと羨ましかったんです。
 あんな風に全部をぶち壊すことができたらって」

慎司も犯行が自分だと言い張り、家に戻らず、児童保護施設に身柄を預けたいと頼む。
彩花は同級生にカバンを川へ放り込まれたのを取るため、冬の川に入ろうとしてたところを真弓に必死に止められる。
あんなに分かりやすい自殺願望があるのに、まだ専門科にみせないってのが信じられない・・・
「私、大事なこと忘れてた。彩花がいてくれるだけで、生きててくれるだけで幸せなんだって」

近所がまた慎司のことを悪く噂しているのを見て、真弓は
「そうゆうのもう止めませんか? 無責任な噂話がどれだけ人を傷つけるか。
 もし、本当に心配しているなら手を差し伸べてあげたらどうですか?
 それが出来ないなら、黙って見守ってあげるのが思いやりなんじゃないですか?」と提言して無視される。

いつまでも貼られた中傷ビラを剥がし始めた真弓に啓介も加わり、それを見た良幸と比奈子も加わる。
彩花は比奈子の通う学校に行き、友だちを連れてきて、比奈子、そして両親の溝も少し埋められる。
その様子を見て、良幸は真弓に頼む「なにがあっても、この家を見守っていてくれませんか?」と言い残す。
翌日、良幸は真相をすべて語るとマスコミに電話をした。



10話(最終回)「犯人が語る事件の動機…家族の未来」
良幸は父がDVをしていたということで世間の同情を集め、きょうだいの未来を守ることにする。

真弓のセリフ
「許すとか、許さないとか家族の間で使う言葉じゃないんじゃないかな
 一人で抱え込んで苦しまないで。本当に辛い時は弱いとこ見せてもいいんじゃない。
 子どもから見ると親は大人で、なんでも受け入れてくれるって思うかもしれないけど、
 親も完璧じゃないの。迷うし、毎日精一杯なんだよ」



「観覧者はフシギな乗り物だ。どこにも行けない。
 どこにも行けなくたっていい。
 昨日から今日、今日から明日、変わらずに周り続けることがどれほど幸せか今なら分かる」


わたしなら、まず高級住宅街に家を持ちたいとは思わないな。
ローン返済に一生追われるのも、近所づきあいの面倒さも、考えただけで耐えられそうにない
それでも、この物語は、すべての家庭に起こり得る、すべての人間関係に当てはまる。

既存グループなどの絶対的にゆるがない古くからある価値観や慣習に真正面からぶつかって
家庭崩壊寸前までギリギリまで粘って、最終的にその場に残る決断をして、
これまでよりもっと居心地のいい環境に変えてゆく、苦手な人もひっくるめて懐のど真ん中に突っ込んでいける
この真弓って母親と、その気質を受け継いだ娘は強いなあ! 現実はなかなかそうはできない。
みんな迎合して、妥協して、ストレスをためて、愚痴を言い合って、その場限りで処理していくだけで何も変えられないんだ。


湊かなえさんは凄い作家だ。
みんな頭では分かってるけど、言いたくても言えない問題を正面から突きつけてくる。
時に目を背けたくなるような人間の弱さ、エゴ、醜い部分を激しい形で「どうだ!」とばかりに見せつけてくる。
物質主義、所有物で優劣を決めるココロ、他人の不幸は蜜の味ってゆう無責任な野次馬根性、
恨み、妬み、嫉み、僻みなどに支配された大多数の世間に対して、
それでも、なにか少しでも意識を変えることは可能なんだろうか?

最後まで真相、真犯人はだれか?って謎も残しつつ、ラストまでミステリーとして引っ張るのも見事。
後妻のひけ目、自分の子どもが劣っているという劣等感は、なぐさめの言葉ですら自分の思い込みひとつで真逆に受け取ってしまう怖さ。
人の心理って本当に不思議だ。。
でも、それもひっくるめて“気づけた”こと、前を向いて今日1日を生き抜いていくことが重要なんだ。

 
「もう夫が淳子って呼んでくれることもない」と嘆くシーンも辛かった。いつも手をつなぐ仲のいい夫婦だったのに。

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萩原朔太郎『猫町』(パロル舎)

2013-04-11 11:50:17 | 
『猫町』(パロル舎)
萩原朔太郎/作 金井田英津子/画
同じくパロル舎から出版されている『冥途』を読んで、初めて金井田英津子さんの画を見て惚れ込んでしまった。
早速、図書館で検索して他の本も借りてみた。

もうこの装丁自体ステキすぎて、ただただ持っていたくなる。
そして1ページ目の旅へのロマンの喪失の理由から始まって、
現在の自分自身とあまりにリンクして苦笑してしまった。

どこかにずっと座っていなければならない仕事を始めると、
やたらと町歩きへの憧憬が高まってくるのに、
去年、行きたいと思っていたところに大体行ってしまった今となっては、
旅が新たな体験どころか、単なる場所の移動にしか思えない気がまさにしていたからだ。


▼あらすじ
旅に飽きた主人公の男は、麻薬中毒から体力作りのために医者から散歩をすすめられていた。
男には歩きながら瞑想に耽る癖があり、自ら言うところによる“三半規管の疾病”のためかかなりの道オンチでもあった。

「なぜなら学者の説によれば、方角を知覚する特殊の機能は、耳の中にある三半規管の作用だと言うことだから。」

そして道に迷うたび、風景の裏側にいるような感覚に襲われるのだった。

「前に見た不思議の町は、磁石を反対に裏返した、宇宙の逆空間に実在したのであった。」
「つまり一つの同じ景色を、始めに諸君は裏側から見、後には平常の習慣通り、再度正面から見たのである。」

これから話すことも幻覚だと言われればそれまでだが、小説家ではない男はただ経験した事実だけを記事に書いたという。


北越の温泉地に滞留していた男は、「軽便鉄道」でちょっと離れたU町へと歩いていく。
そしていつもの癖で「口碑(古くからの言い伝え。伝説)」のことを考えていた。
タブーや迷信、犬神につかれたとか、「憑き村」と呼ばれ忌み嫌われた人々とは、
たぶん風習の異なる移住民、帰化人、キリシタン衆徒らのことだろう、などと考えているうちに道に迷ってしまう。



焦ってたどり着いた町はとても静かで、なんとも言えない風情に男は最初魅了されたが、
どこか異様な雰囲気を感じ取り、戦慄する。

  

「町全体が一つの薄い玻璃で構成されてる、危険な毀われやすい建物みたいであった、
 ちょっとしたバランスを失っても、家全体が崩壊して、硝子が粉々に砕けてしまう。」

「それは大地震の来る一瞬前に、平常と少しも変らない町の様子を、
 どこかで一人が、不思議に怪しみながら見ているような、おそろしい不安を内容した予感であった。」


その町は猫の町だった。どこを見ても猫、猫、猫、猫、猫。

  

「私自身の宇宙が、意識のバランスを失って崩壊したのだ。」

しかし、次の瞬間、男は意識を取り戻す。町は表の顔に戻り、いつもの埃っぽい、平凡な田舎に戻っていた。
「通俗的に言えば、自分は狐に化かされた」のだった。

「そもそも形而上の実在世界は、景色の裏側にあるのか表にあるのか。だれもまた、おそらくこの謎を解答できない。」

男は宇宙のどこかに確かに猫の精霊ばかりがすんでいる町が実在しているに違いないと結論する。

   


猫ばかりの町なんて住んでみたい。まるで『アタゴオル』の世界!
昭和の日本文学の味わい深さの一片を今さらながら分かり始めてきた。
著者は本書に書いている通りモルヒネやコカインの常習者だったのだろうか?


【気になった言葉】
余事:本筋以外の事柄。他事。
鋪石(しきいし):通路・玄関先・庭などに、敷き並べた平らな石。
情趣:しみじみと落ち着いた気分やおもむき。
メタフィジック:形而上学
乗合馬車:多人数がいっしょに乗る馬車。ふつう、一定の路線を一定の運賃をとって走った。
オクラ「魔神の正体」
満目荒寥:見わたすかぎり荒れ果ててものさびしいこと。
高楼:高く造った建物。たかどの。
アトモスフィア:雰囲気


【金井田英津子のほかの著書】
「水に棲む猫」パロル舎
「のら猫交友記」潮文社






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「大江アナ卒業記念スペシャル」

2013-04-11 11:19:19 | 日記
モヤさま「大江アナ卒業記念スペシャル」鎌倉&ニューヨーク
大江アナの本当に最後の国内ロケは、これまで暴風雨にたたられ続けた鎌倉
そこで後任アナが狩野恵里さんだとやっと明かされた。
後半の大江アナの引越しも兼ねたN.Y.では、まさかジョンの聖地が紹介されるとはビックリ/驚

  

大江アナは、すぐに「モーニングサテライト」て番組でニュースを担当するらしく、職場へも挨拶しに行った。
そして、そこで本当に最後のお別れ。三村も思わず涙する感動のラストでした~/泣
新天地でもがんばってくださいね~!

 


吉祥寺音楽祭
4月29日にブラサキが15時20分頃から出演するってメールが届いた。
ほかにも、クアトロでなんとっ 吾妻さんとの対バンあり 豪華だなあ!


浜野謙太の妻Agatha、第1子妊娠!現在9か月/祝×5000
ハマケンジュニア きっと可愛いだろうなあ!おめでとうございます!
「ムジカ・ピッコリーノ」もまた再開?
ハマケンがなんとアコギを弾きながら♪上を向いて歩こう を歌ったのにはビックリしたのと同時にじぃ~んとした/涙

 


ちなみに、「鷹の爪団」もニューバージョンが始まるのか???


その他のトピックス。

先日の8日に、3年に1度のガス点検の方がやってきて、外のメーターの位置を教えてもらったり、
地震などで万一ガスが止まったら、階段脇にある元栓?のスイッチを押せばいいとか色々教えてもらって、
今回は異常も見られず無事終了v
部屋に入るってことで若干、緊張気味だったんだけど、若くて明るい女子でひと安心。
1軒1軒回るのかな?ご苦労さまです/礼


その後、図書館に行ったら、不定期で手作り風のパンやお菓子が売られているから、買って食べたら美味しかったv
お店もあるとのことでチラシを見たら、知的障害者の方たちが作って、喫茶店もしているとのこと
いろんな地域のサポートがあるんだってことも分かった。


「lyrics」もアップしました。

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