太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

意味もなく怖いもの

2024-05-12 12:21:12 | 日記
昔、仕事仲間に誘われて「13日の金曜日」などの怖い映画をよく観ていた。
若者のグループが古い館に泊まりに行き、一人ずつ消されていくというお決まりのストーリーの映画はいくつもあって、最後の一人が命からがら館の外に停めてある車に辿り着いて助かる結末をみて、その翌日に自動車学校に申し込んだ。
ホラー映画のおかげで今も車を運転しているわけだけれど、
今ではそういう映画は絶対に観ない。
怖いからというよりも、幽霊屋敷や肝試しのように、いきなり脅かされて、見たくもないような残忍なものを見せられるのがバカバカしいからだ。
なぜあんなものを若い頃は観ていたのかわからない。


私が怖いものは、他にある。

外国人作家の地底探検に行く小説を読んでいたとき、背筋を下から撫でられるような恐怖を感じて、読み終えることができなかった。
地底にある湖のそばで、外へ出られなくなって遭難した人たちが息絶えていく。
人ひとりがようやく入れるほどの穴に入っていくドキュメンタリー番組も、見ていられずにチャンネルを変えてしまう。
鍾乳洞も、だからどちらかというと苦手で、富士山のまわりにいくつもある風穴にも入ったことはない。

何度も記事にしているが、足がつかない深さの水中も怖い。
私が入れるのは遠浅の海だけ、シュノーケルをするときはライフジャケット必須で、夫の水着をしっかり持って離せない。
深いところは下を見ないようにして、心で念仏を唱えている。
何のためにシュノーケルしているのかわからないが、それなのに、潜ることへの憧れはあったりするのだからめんどくさい。
夫が以前、ハワイ島で夜のダイビングをして、車ぐらいの大きさのマンタレイを見た、なんていう話を聞いただけで、ゾゾー!と来る。


海や川で溺れたことも、洞窟で迷ったこともないのに、それらに対する恐怖は半端ない。
人が何度も生まれ変わるのだとしたら、私はどこかの人生で、深い水中で溺れ、また別の人生では洞窟で遭難したとでもいうのか。

意味もわからずただ怖いという恐怖は、説明できないだけに不気味であり、克服のしようがないように思える。







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