太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

「Fried Green Tomatoes」

2021-05-08 08:01:17 | 勝手な映画感想
30年前に映画館で観た。
私は映画や本でどんなに感動しても、すぐに忘れてしまう。
それを観た、読んだという記憶はあっても、中身が抜けてしまう。
読んだ、観たことすら忘れていて、半ばほどまで進んでから気づくこともある。


義両親が買ってきたDVDを借りてきた。
これも、すごくよかった、という思い出しかなく、ストーリーなどすっかり忘れているので新鮮。

個人的には、これはキャシー・ベイツのベストロールだ。


Evelynは、老人ホームにいる夫の叔母を訪問したときに、Ninnyという老女に出会う。
最初は付き合い程度に老女の話の相手をしていたが、だんだんとその話に引き込まれ、彼女に会いに行くようになる。
その老女の物語が、この映画のストーリーだ。


子供が巣立ち、夫婦だけになったが、夫はまったく自分のことを顧みず、Evelynは味気ない結婚生活をなんとかしようとするが空回り。
ストレスで食べることをやめられず、Ninnyの前で大泣きするEvelynが言うセリフがある。

I'm too young to be old, but I'm too old to be young

(年寄りになるには若すぎて、若くなるのには年を取り過ぎてる)


このセリフは、30年前には心に引っ掛からなかった。
当時、私はまだ独身で、30にもなっていなかった。


1930年代のアラバマと、1990年代のアラバマの、女の友情の話。
ドキドキしてジンとして、クスリと笑って、最後にホッと温かくなる。
そんな、観てよかった、と思う映画。


タイトルのフライドグリーントマトだが、これはアメリカ南部の料理だ。
その名の通り、まだ緑のトマトを輪切りにして、パン粉をつけて焼いたもの。
この映画が封切られたあと、話題になった。
私の同僚に、テネシー州出身の人がいる。
テネシーも南部地方。
「もう100万回たら聞かれたわよ、フライドグリーントマトって食べたことある?ってね」
「私も聞こうと思ってた。それで、あるの?」
「答えは、NO!。アラバマとテネシーは違うんだってば」

そういう勝手な思い込みや誤解はよくある。
つい先だって、別の同僚に
「芸者って高級な売春婦なんでしょう?」
「芸者は女性と口をきいてはいけないってほんとう?」
と聞かれて驚いたところだ。
舞妓も芸者も花魁もごちゃまぜじゃないか。




まだ観たことがない人はぜひ。
観たけど忘れている私のような人にも、ぜひ。
老人になるには若すぎて、若者になるには年を取り過ぎている人にも、ぜひ。