むらくも

四国の山歩き

三ッ足山・カガマシ山…愛媛県

2013-04-16 | 石鎚山脈

三ッ足山、カガマシ山           みつあしやま、かがましやま



登山日                  2013年4月14日
標高                   1105m、1342.7m
取り付き地点               四国中央市新宮町馬立
駐車地点                 ぶなの活き水(土佐北街道沿い・小さな公園)
トイレ                  なし
水場                   なし

メンバ-                 佐々連さん、むらくも
                     三つ足山山頂からつむじかぜさん合流




三ッ足山はこの界隈に二山ある。
一つはカガマシ山の南西、直線距離にしておおよそ2.4km、もう一個も同じくカガマシ山の北北東におおよそ2kmに聳えている。
乱暴に言えば二つの三ッ足山を右から左への斜線を引っ張り、その真ん中辺りに位置するのがカガマシ山と表現したら分かりよい。
因みに国土地理院には南西に位置する三ッ足山は表記されていない。
標高は南西側が1452m、北北西側が1105m。

今回登ろうとする山は標高1105m北北西側の三ッ足山だ。
登るルートは主に西の和田小屋川を遡る林道終点からのものと、東の「ぶなの活き水」ちょい南の貯木場奥から登るのと二つある。
参考にしたのは「四国山岳紀行」さんが登った東ルート。
昨年9月初めに、この東ルートから登ろうとして、下見に出かけた。
そのときは空が一転してかき曇りイナズマが、やがて土砂降りの大雨、登る途中で大慌てで下山した。
あれから半年を過ぎて、やっと行く気になった。

事前にちょっとエサをばらまいた。
美味しくない安い撒き餌だのに、なんと大物が3匹も食らいついてきた。
カツレてる。
アンジーパパさんと佐々連さんに坊主さんだ。
もう一匹大物が大きな目玉をギョロリさせながら辺りを睥睨しているが、いっかな食らいつこうとしない。
つむじかぜさんだ。
三匹のうち二匹は激しい当たりだったが、一匹は相当に擦れている。
一匹は最後まで食らいついてエサを離さない。
獰猛だ。
挌闘している間に、すれっからしともう一匹は安い疑似餌だとわかったのか、あっち向いてホイ、離れて行ってしまった。
ク-!逃げた魚は大きい。

いやいや、まだ獰猛な大物が食らいついたままだ。
当初計画した日とその次の週末はお天気悪く延長戦にもつれ込み、挌闘すること実に三週間、最後まで食らいついて離れなかった
超大物「佐々連」魚とご一緒することとなった。
この魚、ハラペコだったんだ、一ヶ月も山に行ってない。
獰猛なはずだわ。ケヒケヒケヒ
というわけで、三ッ足山に登ってカガマシ山へ足を伸ばし、シャクナゲ尾根を下るルートで周回することにした。

登りはじめを計画より1時間早め、あわよくば、橡尾山まで行き、さらに笹ヶ峰へ抜けて、大きく周回しようと考えた。
午前6時、佐々連さんと待ち合わせをして自宅を出発。

観音寺・大野原IC-新宮IC-県道5号線(土佐北街道)を高知方面に走って、「ぶなの活き水」という小さな公園に駐車。
6:55出発。




貯木場奥の橋を渡って、小屋を通り過ぎ林道奥へ。




ここから右手山側に取りついた。
急斜面で竹が茂っている。
斜面はイノシシが掘り返したのか、ボロボロにおがされている。
筍の季節でイノシシの大好物、全部食べ尽くしたのだろう、筍は一本も生えていない。
この時期のイノシシ喰ったら太って脂がのってうまいだろうな。ブヒブヒ
まだ、ヤブ椿が咲いていた。




うっと暗い岩場の急斜面をひたすら我慢して登るとやがて松の茂る尾根に出る。
境界杭が現れて、そこからは歩きよくなる。
わたしたちが取りついた斜面にはまったく踏み跡はなかったが、この辺りのどこからか登り口があったのではないだろうか、尾根筋にはたしかな踏み跡が残されている。
佐々連さんの話では、昔、この三ッ足山は鉱山だったようで、あちこちに坑道跡があるらしい。
しかい、鉱脈は浅くて、それぞれの坑道はすぐに閉鎖されたとか。

景色が開けてきた。
橡尾山から笹ヶ峰にかけての稜線が見えている。




北にも展望が得られ、眼下の深い谷間には辺地床の馬立PA辺りの橋脚が見えている。
和田小屋川を遡る林道はこの橋脚のすぐ北側のようだ。




早朝は冷え込んでいたが、気温がグングン上昇してきた。
ヤッケを脱ぎ、シャツも一枚脱ぐ。
それでも汗が噴き出る。
仕方がない、パッチも脱ごう。

脱いでいると佐々連さんが呆れ顔をしてわたしを見て一言「よっけこと着とる」
「齢がいくとこうなる、この時期の気温に体がついていけんのよ。」
それより脱いでいるときにダニに取りつかれへんかそれが気になって、シャツとズボンの上から叩いた。

見上げたが、三ッ足山はまだまだ先のようだ。
馬酔木の白い花がいっぱいに咲いている。




ちょっとした岩棚のところにやってきた。
標高おおよそ930m、だいぶ高度を上げた。

栃尾、笹ヶ峰方面。




標高おおよそ970m地点で右への明瞭な踏み跡に出た。
思わずその踏み跡を辿ろうとしたが、考え直しあくまでも尾根を追うことにした。
確信はもてないが、これが四国山岳紀行さんが辿った鉱山跡へと続く道ではなかっただろうか?
しかし、それを思い出したのは時がだいぶ経ってからだった。
山岳紀行さんのレポートによると、美しい林と断崖の下に鉱山跡があるとのこと。
後悔先に立たず。

尾根にはシャクナゲがちらほら、蕾は着いていないようだ。




標高おおよそ1000m、崩壊した崖にでくわした。
崩落はずーっと下まで続いている。
きわぎわを通りながら、尾根を追うと、綺麗な林に出た。




標高1090mを超えた。
三角点まであと一息のところで、南方向にカガマシ山とこれから辿る稜線が見えている。
ここからカガマシ山までどれくらい時間が掛かるだろう。
速足の人なら1時間ちょい程度で行くかも知れないが、わたしには無理だろう。




9:44、三角点・三ッ足に到着。
ここから少しヤブっぽいところを7分ほど歩いて三ッ足山山頂に着いた。
高松軽登山会の設置した、カガマシ山方向への道標が転がっていた。
その方向にはいくつものテープが枝に括りつけられていて、笹もなく歩きよい尾根に見えたが、かなり下るようになる。

突然、ヘルメットを深く被った人が登ってくるのが見えた。
はてな?どこかで見たことある人だが、とりあえず挨拶をしとこ「こんちは」

ドッヒャー!つむじかぜさんでないかい。
いきなりのご挨拶は「来とったんや、中止したのかと思たわ」
登り始めが7時40分だとか、わたしらは7時だから随分と速い。
聞くと、ルートが違うとのこと。
わたしらよりさらに南の位置から取りついている。

それにしても山で一緒になるのは鹿島槍以来のことで、おおよそ半年ぶりだ。
やはり懐かしさが先に立つ。




しばし、歓談した後、三ッ足山をバックにしてカガマシ山へ向かうことにした。
一旦標高差150mほど下って、それから400m近く登ることになる。
歩きよい尾根が続く。




赤くペンキで塗られた界第四号の石杭が斜めに突き刺さっていた。
前方のカガマシ山がジワリッと近づいてくる。




左に塩塚峰、そして先日に歩いた剣ノ山から天狗岳へと続く嫋やかな稜線。




歩く稜線にはテープが施され、シャクナゲが導いてくれる。
983mの小さなコブを過ぎて、鞍部に下り、痩せ尾根を歩く。




少し登り返した標高おおよそ1070m辺りで、尾根を外れて右への明瞭な踏み跡があった。
どこへ行く道か、地理的にはカガマシ山頂への道かとも思えたが、ひょっとして中之川へ下る踏み跡で昔からの鉱山への道跡かもしれない。
あくまでも素人が考えた推測の範疇だ。

どっこいしょ、一休み入れて、コーヒーとバナナ。
つむじかぜさんが沢水の流れる音が聞こえてくると言うが、わたしにはさっぱり聞こえない。
あかん、とうとう耳も遠くなったか。
目も悪い、頭も悪い、態度も悪い、当然性格も悪い、これで耳が悪くなったら言うことないわ。
まだまだ悪くなるところがたくさん出てくるだろうな。
カクゴ-!




踝までしかないような笹原の登りに差し掛かった。
しんどい。
足がもう上がらん。




ヒーッ!やっと縦走路に出た。
ほんのちょいでカガマシ山頂に。
11時半だ。
辺りは茶色く一面笹枯れだ。
昔といってもほんの1年前だが、その頃の笹が生い茂った風景ではない。
山はシカ、サル、イノシシ、ムジナ、アナグマ、カモシカたちが増えているらしい。
翠波高原では菜の花がシカに食べられて全滅だとか、シカたないですね~。




うさんくさいジジイがピース。
なんで頬被りかだって?
変なダジャレばっかり言ってるので、メンが割れたらどつかれるから。

ウソ、虫がやたらと飛んでいて、ご飯食べるにも一苦労、手ぬぐいでも被ってないと、口にも飛び込んでくる。
やっとれん。

コーヒー飲んで、さて下山することにしましょう。
これから1233mPへ。
稜線からは三ッ足山直下の崩落ヶ所。
かなり大規模で、崩落は川まで続いているように見えた。




1233mPからシャクナゲ尾根を下るが、めちゃくちゃ急斜面で、踏み跡が分かり難い。
随分昔にここを一度登ったが、こんなに急だったかな?
ときどき方向を確認しながら下る。




やっとこさなだらかなここまで降りてきた。
やがて三角点・小栃尾(標高892.8m)に到着し、石柱の頭にタッチ。




三ッ足の崩落跡を眺めながら、ひたすら下山。
つむじかぜさんは、あの崩落ヶ所の右側きわきわの尾根を歩いたらしい。
なんとも豪放磊落なお人だ。




前方が急激に落ち込んできた。
林道が見えている。
このまま直進すると、林道の崖法面にぶちあたってしまう。
左の小さな沢に逃げた。




つむじかぜさんは右に逃げている。
ずり落ちないようにおそるおそる下って。




やっとこさ、真新しい出来立てほやほやの林道に降り立った。
左手に大きな堰堤。




しばらく林道を歩いて県道5号線の土佐北街道へ飛び出た。




これが今日歩いた尾根。
右の尾根に取っついて、エンヤコラ、左奥の稜線を辿って霞んで見えるカガマシ山へと歩いた。




つむじかぜさんは途中で止めてあったつむじ風号セローに飛び乗って、土佐北街道を格好よく走り去っていった。
佐々連さんと二人、トボトボと貯木場の横を通り、ぶなの活き水へ。
また、どこかでお会いしましょう。

※アンジイ-パパさん、坊主さん、折角ご一緒するいい機会でしたが、お仕事なり所用が出来て残念。
わたしたちだけで楽しんで、申し訳ないことでした。m(_ _)mペコペコ
またの機会に、撒いたエサに食らいついてきてくださいね。

やっぱり、どつかれそうや。

さ~て、いい季節になりましたよ。
虫除けネットを持って、次のお山へでかけましょうか。




ぶなの活き水6:55-取りつき地点7:04-三角点・三ッ足(h1099.1m)9:44-9:51三ッ足山10:06-11:38カガマシ山12:18-1233mP分岐12:34-三角点・小栃尾(h892.8m)13:16-下山地点(林道)13:57-14:49ぶなの活き水


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