むらくも

四国の山歩き

三嶺~西熊山(徳島県)…2/20・一人

2010-02-22 | 剣山系

三嶺・西熊山    みうね又はさんれい・にしくまやま


標高        1893.4m・1815m
登山口       三好市東祖谷山村いやしの温泉郷
下山口       ふるさと林道
駐車場       いやしの温泉郷に広い駐車場あり
          ※下山口・路肩に2・3台程度
トイレ       三嶺山頂にあり
水場        三嶺山頂下(名頃道)にあり




先週は同じ三嶺に名頃から登った。(そのレポートは妻に取られてしまったので、詳細はピオーネの山歩きで見るしかないのですが、報告が遅れている、いつになることか、トホホホ。)
その折に偶然にも山頂で出会った「つむじかぜ」さんがいやしの温泉郷から登って、北西尾根を下ると言うので以前からそのルートに興味津々のわたしたちはたちまち「つむじかぜ」さんに惚れてしまった。
同行させてくださいと申し出たところ、快く引き受けてくれたので感謝感激雨霰、尻尾振り振りついていったのです。
その上に、いやしの温泉郷から名頃までかなりの距離があるのですが、「つむじかぜ」さんはわたしの車で送ってあげるとおっしゃる。
いや~、なにからなにまで感謝感激霙に雪、あまりの親切に恐縮でしたが、わたしたちの顔は嬉しさのあまりに、恐縮など何処吹く風、鼻の下が伸びて口元から涎流してたと思います。

今日もその三嶺に…、「つむじかぜ」さんの先週のルートとまったく同じコースどりで歩こう。最大の理由は北西尾根ルートの再確認、そうしないと、ネズミのノンコほどの記憶力しかない私ですので、経験を積み重ねて学習しないと覚えないのです。

そしてもう一つの理由は、一ヶ月前の大雪の後にいやしの温泉郷から登って1791m峰までしか行けず、敗退しているので、その敵討ち。
前日ライブカメラで剣山山頂の様子を確かめたところ、真っ白になっていた。
もう雪はないかと思ってたので、これは嬉しかった。




いやしの温泉郷登山口7:08-造林小屋8:22-1791m峰10:09-三嶺避難小屋10:43-11:03三嶺山頂11:30-12:59西熊山山頂13:34-15:09ふるさと林道下山口15:25==<車で移動>==15:50いやしの温泉郷登山口



朝4時前に起床。
いつものことですが単独行の時は目覚めが早くて、目覚まし時計の世話にならずに起きてしまう。気の小さい者の宿命です。気持ちのどこかで興奮してるんでしょうね。
気が小さい子やと親に言われながら育った私ですが、それを認識した決定的な瞬間がいまから15年前にありました。
それは阪神大震災、1月17日早朝布団の中でぐっすり眠っていたのですが、四国でも震度4を上回る揺れで、ドンときた瞬間に目覚め、その揺れにもう死ぬと思いました。
頭から布団を被って、小さく丸めた身体はガタガタ震えていました。

話しが北海道のオホーツク流氷に飛び込みました。
引き戻して、というわけで、真っ暗闇の猪ノ鼻トンネルを越え、大歩危から祖谷へ。途中粉雪が舞いだした。
7時前にいやしの温泉郷に到着、小菜家前を通り抜け登山口前の広場に車を止める。温泉前駐車場にも、登山口にも車は一台もない。準備をして7:08出発。
今日の積雪は先月ほどもはない。なのでピッケルもワカンも持たず、簡易アイゼンだけをザックに放り込む。




前回と違って今日の山は静か。
猿も鹿も居ないし、小鳥の鳴き声も聞こえない。
雪は薄く積もっているだけで、サラサラだ。
この様子だと高度をあげても、雪はそう多くはなさそうだし、アイゼンも必要ないかもしれないなとブツブツ呟きながら足を動かし続ける。

モノレールを二回くぐり、やがて監視小屋に。
前回ここまで二時間かかって歩いたことがウソみたい。
一時間で着いた。
やはり積雪量が少ないし、雪質がまったく異なる状況ではリベンジにならないな。
ちょっとがっかりした。




モノレール上部から西へ振り、造林小屋に到着。
なお西へと歩き、やがて植林地を抜けて尾根に取り付く。
高度を上げると目の前は開けてきたが、生憎のガス。
見えるはずの剣山も矢筈山もなんも見えない。
雪の量が増えて、足が滑り出した。
ここでアイゼンを履く。




新雪で足跡が一切ない、と思ってたら、ありました。鹿でしょうか、ガスの向こうに消えていました。11:09分、1791m突先に到着。登りだしてジャスト3時間。若干、雪で足を取られましたが、概ね膝下まで。雪は柔らかくワカンは不要。
青空もガスの中からちょっぴり顔を覗かせるようになった。




1791m峰から一旦鞍部へ下って、そこからまた登り返す。
思いっ切りの北斜面なので、ここの雪は深い。
うっかりすると膝上までズボッと踏み込んでしまう。
ヒョー!霧氷の間を掻き分け掻き分けやっとこさ、避難小屋前の標識のあるところに。




避難小屋がガス間からニュッと姿を表す。
踏み跡もなく誰もいなそう。
こういう姿はどうも寂しくていけない。




池塘も氷の上に白い雪が被さり、真っ白で、縁の境目が分かり難い。
あらま、ここに来てもまだ誰の踏み跡もなく、名頃からもまだ着いていないようだ。
11:03、三嶺山頂に到着。
ところがどっこい、ちゃんと先着の方がおいでたようで、スノーシューのトレースが残っていた。トレースは西の縦走路からのもので、西熊方面へと引き返している。
多分、北西尾根から登ってきたのでしょう。




ザックを降ろし、休憩。
カツサンドをむしゃむしゃ頬張っていると、すらりとした格好のいい単独男性の方が西から登ってきた。
後日に分かったのですが、「讃岐富士」さんでした。
お話しを交わしていると、突然、讃岐富士さんの驚いた声。
その方向を見下ろすと、なんと今までに見たことのない数の鹿の群れ。
ズームしすぎて、画面からだいぶはみ出てしまったほどでした。




讃岐富士さんとお別れして、北西尾根へ。
するとなんとその尾根からワンちゃん連れの方がヌボーッと現れた。
驚いた、先週にこの尾根を一緒に下っていただいた「つむじかぜ」さんではないか。
つむじかぜさん、今度は西熊山へ行き、そこから北尾根を下るという。
アジャー!このままルート再確認のために北西尾根を下るのが本日の目的なんだけど、どうしようか、西熊北尾根、魅力だ。
その言葉が光り輝いている。
えーい!ままよ。
どうせわたしゃジプシー、気ままな人生じゃないか。
吉備団子一個くれたので、お供することにしました。
今日も尻尾振り振りつむじかぜさんの後を追い、とっとと西熊へついていきます。
この構図はどう見てもつむじかぜさんが桃太郎で、ワン(HANA)ちゃん一匹、そしてわたしはお猿さんだわ。




ガスはさっぱりっと退き、遙か向こうに鬼ヶ島が見えてきましたぞ。




ヒーッ!




霧氷も景色も綺麗だけど、西熊へのだらだら坂は相変わらずしんどい。




桃太郎と一番家来のHANAちゃんは吉備団子をたっぷり食べてるのか、グイグイと登っていく。
途中で余裕の風景写真、多分三嶺をバックにして霧氷を入れたのだろう。




グヘーッ!
やっとこさ西熊山頂に。
やれやれここで大休憩だ~♪




サッサとシートを広げ、ザックからいろいろ取り出す。
先ずはホットドッグ、そしていつものチキンラーメン、ほいでもって仕上げはほろ苦いカッヒー♪
もちろん一番家来のHANAちゃんにもお裾分け。
さて、元気が出たところで、目的の北尾根へ向かって下る。




うーっむ!見事な雪の斜面だ。
見ほれてしまう。




うーむっむっむ!
しばし、口チャック。




雪原の向こうに三嶺山頂。




HANAちゃんいずこへ。
一番の元気者だ。
走って走って走り舞。




かなり高度を下げたところで、植林伐採地へ。




作業道をクネクネと適当に下って、林道に降り立つ。
擁壁が少し途切れた処で、車が2・3台止められそうな広めの路肩があった。
二週続けて三嶺の素晴らしい自然に触れることができました。
つむじかぜさんに感謝です。
HANAちゃんもありがとう。また会おうな。