東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

春の野草の花を探して

2011年05月21日 | 花,野草

 春の畑で農作業しながら、時々野草の花を観賞しています。今は一年で一番野草が賑やかに花を咲かせる季節です。春の日差しを浴びながら野草探しをするのは気持ちがいいものです。子供の頃から見馴れた野草もあれば、名も知らない野草もあります。

        スイバ(すかんぽ)の花実、子供の頃に茎をかじったことがあります


 野草は生えている場所に特徴があります。大きく分けて田んぼ付近の湿地帯に生える野草。畑など比較的乾燥したところに生える野草。人の手がかかっている畑などに主に生える野草。林の中のやや暗い場所に生える野草などです。

       オヘビイチゴ                        キツネノボタン
 

 一番花が多く咲いているのは田んぼの畦付近です。各種類の野草がバラバラに咲いているのではなく、群生して咲いていいます。シロツメクサ,トキワハゼ,オオジシバリなどがその代表です。群生しているので遠くからでもよく見えます。

                     田んぼの畦に群生しているトキワハゼ


 この時期は野草が微妙に交代する時期でもあります。初春にたくさん咲いていたタンポポは少なくなりました。代わって背が高いスイバやヒメジョオンなどが勢いよく咲き始めました。初夏の野草花も咲き始めました。

         ヒメジョオン                    アメリカフウロ
 

 一方で田んぼ内は少ない種類の野草が占めています。一番多いのはスズメノテッポウです。この雑草が田んぼ全体を占領しているほどです。この花を取って口に当てて息を吹き込むとピーっと音が出ます。

                   田んぼに一番多いスズメノテッポウ


 土手などの斜面にはスイバやヒメジョオンなど背が高い雑草が多いように思います。雑草間の競争があるので、どうしても背が高い種類が優勢になるのだと思います。面白いのは、雑草間の競争が少ない場所では雑草の葉は横に広がり、競争がある場所では上に伸びる傾向があることです。太陽光の占有競争に関係があるからなのでしょう。

       カラスのエンドウ                    シロツメクサ
 

 ほとんどのタンポポは白い綿毛になりました。一ヶ月ほど前はさかんに花が咲いていましたが、今は種が綿毛と共に飛ぶ時期です。風が吹くたびに白い綿毛が空に舞い上がります。なお、ここで咲くタンポポは関東タンポポです。全国的に一番多い西洋タンポポではありません。なお私は山口県出身なのですが、そこには白い花のタンポポがあったように思います。

               白い綿毛に包まれたタンポポの種子

 春の七草の一つが田んぼに咲いていました。ハハコグサです。実は私は食べたことがありません。黄色のコケのような花が特徴です。また、白い綿毛につつまれた葉も特長です。ひっそりと咲いていました。

         オオジシバリ                     ハハコグサ
 

  園芸種とも考えられるレンゲが田んぼの隅に群生して咲いていました。このレンゲは、去年花が咲いて種が散ったものが育ったものだと思います。さらに言えば、3年前の秋に種をまいて2年前の春に咲いたレンゲの種を採取して、2年前の秋に種をまいて去年花が咲いたレンゲから自然に散った種から芽生えたものが、今年再び花を咲かせています。

                     群生して花を咲かせているレンゲ


 野草の花が咲く時期にはいろいろありすま。今が盛りと花を咲かせている野草もある一方で、そろそろ花が終わりの野草もいます。また、ずっと咲いている野草もあります。今は5月ですが、4月に咲く野草と比較するよくわかります。例えば、ツクシ(花ではないのですが)はもう見ることはありません。タンポポは花が終わって種を散らす時期になっています。早春にひっそりと咲いていたオオイヌノフグリやナズナ(通称ペンペン草)もそろそろ終わりです。

          オオイヌノフグリ                                         はこべ
 

 野草は一般的にそうですが、赤い花はどうしてか分かりませんが少ないです。どちらかと言うとピンク色です。代表的なのがレンゲです。しかし、花は赤ではなくても実が赤いものはぐっと多くなります。その代表がヘビイチゴです。花は目立たない黄色ですが実は毒々しいほど真っ赤です。

                         ヘビイチゴの実


 子供の遊びに欠かせない野草があります。口に含むとすっぱいスイバ、笛のように鳴らすことができるカラスのエンドウやスズメノテッポウ、そして実の根元を軽く引き裂いて耳元で振るとぱちぱち鳴るナズナなどです。ペンペン草の由来もここから来ているとのこと。
 一方で食べることが出来る野草もあります。時期が過ぎましたが、フキノトウはその代表です。以前ボーイスカウトの副隊長していたことがありますが、訓練中に隊員を指導して食べることができる野草を集めさせて調理したことがあります。

            ナズナ                       ナズナの種    
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする