この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

観に行って本当によかった『漁港の肉子ちゃん』。

2021-06-21 22:52:54 | 新作映画
 Cocomi主演、渡辺歩監督、『漁港の肉子ちゃん』、6/20、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2021年27本目。

 三本目に何を観るか、非常に迷いました。
 猟奇殺人物の『キャラクター』にするか、明石家さんまプロデュースの人情アニメ『漁港の肉子ちゃん』にするか、両極端でしたからね。
 最終的に『漁港の肉子ちゃん』にしたのは単純に上映時間が短かったからなのですが、この選択は大正解でした。
 『漁港の肉子ちゃん』、個人的にはとても面白かったです。

 男に少しだらしない肉子ちゃんとその娘である「きくりん」の、漁港での何気ない暮らしを描いた作品です。
 クライマックスで飛行船が墜落しかけたり、大嵐が町を襲ったりすることもなく、淡々と物語は進んでいきます。
 クラスの中で仲間外れがあったり、きくりんには気になる男の子がいたりと、何もないわけではないのですが、それでもよくこのお話をアニメにしようと思ったな!というぐらいには劇的なことは起こらないです。
 でも作品の持つ空気がすごくいいんですよ。
 例えばきくりんの気になる男の子には挙動不審のところがあるんですよね。
 おそらくは何らかの精神的な疾患があると思われます。
 でもだからといって、彼のそういった一面が否定されることはないのです。
 これってすごいことじゃないですかね。
 普通だったら「そんな気持ち悪いことはしてはいけない」と矯正されそうなものですが、この作品ではそれを個性と捉え、否定することがないのです。

 この作品、自分は非常に良いと思いましたが、ネットでの評価は必ずしも高いものではありません。
 どういった評価をしようがそれは個人の勝手だとは思いますが、低い評価の理由が肉子ちゃんの声を大竹しのぶが、きくりんの声を木村拓哉の娘であるCocomiが当てていることだったりするんですよね。
 プロデューサーの明石家さんまが元嫁や友人の娘を声優として起用するのが許しがたいという人が少なからずいるようなのです。
 確かに大竹しのぶは明石家さんまの元嫁ではありますが、同時に日本でも指折りの演技巧者の女優じゃないですか。
 元嫁だから起用してはならないというのは如何にも勿体ないと思います。
 それにCocomiの声もよかったですよ。
 どこにでもいそうな女の子を地に足がついた演技で演じていました。
 この演技でダメ出しをする人は普段どんなアニメを見ているんでしょうね。

 この日は三本映画を観ました。
 三本ともどうしても観たい映画というわけではありませんでしたが、三本のうち二本は本当に観てよかったです。
 やっぱりたまには観たい映画以外の作品も観ないといけないな、と思いました。
 
 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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