医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

SNSを使用すると頭が悪くなっていく

2023年07月11日 | 神経
私はSNSを全く使用していませんが、「SNSを使用すると頭が悪くなっていく」エビデンスは、多く発表されています。

頭が悪くなってもよいからSNSの利便性を享受したいと思う人は使用してもかまわないと思います。
それと、情報リテラシーの優れているヒトはスマホ(SNSとは別です)を利用するのは有益です。

しかし、子供達の脳は確実に蝕まれています。
「SNSを使用すると頭が悪くなっていく」というエビデンスはたくさんあります。その多くは、アンデシュ・ハンセンの著書「スマホ脳」に書かれています。

「スマホ脳」

SNSで闇バイトに群がる若者、SNSで知り合い別れ話が出るとバーチャルなスマホゲームのように現実世界でも平気で他人を殺してしまう、最近そんな事件が多発するようになっています。

なぜ私たちはSNSに夢中になるのか、「スマホ脳」に書かれていることをご紹介します。

ホモサピエンスとして私たちが地球に登場した十数万年前、死因の10~15%は他人から殺されること、そして15~20%は餓死だった。

10数万年前から私たちは約150人の集団で暮らしていて、他人からどう思われているか、たとえ無意識であっても常に気にかけていました。大勢から嫌われてしまうことは他人から殺されてしまう、あるいはその集団に変な奴がいるとその集団が絶滅してしまうことを意味するからです。このDNAが私たちに刻まれていて、私たちは「いいね」や「ハートマーク」や「フォロワー数」や「既読」を常に気にする中毒になってしまう。


この習性を利用してツイッターで「いいね」システムを開発したローゼンスタインは、当時は会社の利益のために開発に努力していましたが、今ではとんでもないものを開発してしまったと深く後悔している。

(私の私見)自殺した元女子プロレスラーは、こういう人間の習性やそれを利用したSNSのシステムの犠牲になってしまったのだと思います。

ヒトは太古の昔から、常に新しい食べ物の有りかを知るほど生き延びる可能性は増えた。ヒトには新しい環境を渇望するドーパミン(報酬物質)産生細胞が存在し、スマホのページをめくるごとに脳がドーパミンを放出し私たちはクリックが大好きになる。

1日に何百回もドーパミンを放出してくれる存在を無視しようとすると、脳は知能の容量の一部を無視しようとすることに割かなくてはならない。現に、試験問題を解くのにスマホを持たせない群と、試験中に一回だけメールがあるのでそれに対応するように言われスマホを脇に置いておく群とでは、スマホを置いた群で(対応にはほんの少しの時間を割いただけであったが)3倍間違いが多かった。

イェール大学の研究者が5,000人を超える人々の心の健康を2年間調査したところ、SNSに費やした時間が長いほど、その後の数ヶ月間、人生に対する満足感が下がっていた。

すぐ目の前に相手がいると、相手の気持ちを察知して、時には先回りして気を遣い、コミュニケーションを円滑にしようと努力する。これはヒトにしかない行為であり、前頭前野の発達を促すが、子供がSNSを利用するとこの発達が阻害され、相手の気持ちを察知できない大人になってしまう。

SNSは常に他人と比較することでストレスとなり、私たちの心に不調をもたらす。

英国のロンドン、マンチェスター、バーギンガム、レスターで学校でのスマホの使用を禁止したところ成績が上がった。その他100件以上の研究が同様の結果を示している。

ヒトはこれまで1万世代を過ごしてきたが、SNSは誕生してわずか1世代も経過しておらず、ヒトの太古からのDNAの性質が追いつけるはずがない。



SNSをやらないヒトの特徴

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