医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

小児科医は自分の子供のワクチンをどうしているか

2009年05月18日 | 小児科
小児に対するインフルエンザワクチンの話ですが、有効という結論ではありますが、接種しても2%はインフルエンザにかかり、接種しなくても85%がかからないのですから「Real World」つまり現実社会としてはどうなのかという事が気になります。それでは実際の小児科医は自分の子供に対してどうしているかというPediatrics. 2005;116:623.からのユニークな報告です。
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

How do physiciams immunize their own chilren? Differences among pediatricians and nonpediatricians.

調査に関するアンケートがスイスの医師2,070人に送られ、1,017人から有効な回答が得られました。90%の医師に1人以上の子供がいました。そのうち24%は5歳以下、50%は5歳から15歳、52%は15歳以上(重複あり)でした。1,017人のうち458人が小児科医で、559人は小児科以外の専門でした。

スイスで推奨されているワクチンを自分の子供にどれだけ接種していたかを小児科医と小児科医以外にわけて調査した結果です。

小児科医、小児科医以外の順です。
ジフテリア、100%、99%
破傷風、100%、99%
百日咳、99%、97%
ポリオ、99%、99%
麻疹、97%、95%
水痘、95%、93%
風疹、96%、95%
B型肝炎、68%、65%

麻疹、水痘、B型肝炎で有意に小児科医の方が多かったのですが、差はわずかでした。

スイスで生後2カ月から6カ月の間に接種を推奨されているジフテリア、破傷風、ポリオの三種混合を生後2カ月から6カ月の間に接種したのは、小児科医で97%、小児科医以外では91%で小児科医の方が多かったようです。逆に小児科以外では5%が生後6カ月から12カ月に先送りしていました。

同様に、生後12カ月から24カ月の間に接種を推奨されている麻疹、風疹、水痘の三種混合を生後12カ月から24カ月の間に接種したのは、小児科医で94%、小児科医以外では86%で小児科医の方が多かったようです。逆に小児科以外では5%が接種させていませんでした。

さて、問題のインフルエンザワクチンですが、小児科医で13%、小児科医以外では14%で両者に差はありませんでした。あくまでもスイスでの話ですが、驚くほど低い数字です。


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