宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

偶然の遭遇:モニク・ルーセル

2016-05-01 | Alternative Universe
(※これは『2300AD』設定のシナリオプロットですが、設定を調整すれば『トラベラー』など他のSF-RPGでも利用することができるでしょう)



(クリックで拡大)


【星系情報】
主星:おおぐま座61番星(61 Ursae Majoris)
空間座標:X-24.4・Y2.2・Z16.7
スペクトル型:G8V
表面温度:5140K
絶対等級:+5.55
規模:0.910
質量:0.868
光度:0.520
惑星数:14(ガスジャイアント1を含む)
小惑星帯数:0
スタッター障壁:0.1G=0.07au、0.001G=2.34au

惑星名:ジョイ(Joi, 61 Ursae Majoris III)
主星からの距離:0.765au(軌道離心率0.014)
公転周期:262.254日(217.545現地日)
自転周期:28時間55分57秒
地軸傾斜角:14度29分53秒8
惑星直径:16992km
表面重力:1.054G(脱出速度:11.8km/s)
表面気圧:1.029気圧
平均気温:20度
表面水界:58%(海洋)
大気組成:窒素78%、酸素19%、他3%
総人口:840万人
生物多様性:多彩
衛星数:3(ブランシュ、アージェント、オル)
スタッター障壁:主星障壁内(0.1G=27525km、0.001G=870430km)
初回探査:西暦2226年
(※公式設定では公転周期は188.39日ですが、計算が合わないため非公式設定の方を採用しました)

国家名:エリシア(Elysia)
序列:中小国(Tier 4)相当
入植開始年:西暦2248年
独立年:西暦2291年
人口:230万人
主要都市:ヴィラデヴェルト(12万人)、エスペランス(97000人)
開拓面積:約5000平方km(※エリシア島全体を領有主張・実効支配)
平均寿命:95歳
大学進学率:64%
通貨:エリシア・フラン
主要貿易先:ハルビンゼル(ジョイ/おおぐま座61番星)、アドラーホースト(フォーゲルハイム星)
統治形態:民主共和政(政治形態コード4)
治安水準:並治安(隠匿可能な携行銃器の所持禁止:治安コード5)
技術レベル:9
軌道到達手段:宇宙往還機(宇宙港コードC)
主な産業:農業、鉱業、重工業
主な施設:陸軍基地、海軍基地、核融合発電所、軌道宇宙港(※2302年のケイファー侵攻の際に破壊される可能性あり)


【プレイヤー用情報】
 ジョイ(C965675-9)はフランス腕にある緑溢れる世界です。この星には現在、ドイツ、イギリス、日本、アザニア、そしてフランス領だったエリシアの5つの国家が入植しています。
 エリシアは9年前に内戦の末にフランスから独立したものの、まだ完全には安定した政府を築けていません。また現地では、日本がこの機に乗じてエリシアへ植民地拡大を狙っている、旧宗主国フランスが日本軍基地を借りて再び攻撃を仕掛けようとしている、某国の工作員がエリシアを不安定化させようとしている、などの噂が飛び交っています。
 一方で日本の植民地は、地球原産の動植物を大規模に放ったことから、長らく環境保護活動家の標的となっています。彼らはこれ以上の地球産生物の拡大はジョイの生態系に悪影響を与えると主張し、「明確な阻止行動」を取り始めています。それに対応して日本人も「自分たちの大陸」に侵入しようとする者に対して(元々他所者をあまり歓迎しない風土ですが)より強硬な態度を取るようになっています。
 活動家たちは問題の地域に近いエリシアからの南側航路を主に利用しますが、実効支配こそしていないもののその海域に対して日本は領有主張を行っており、結果、日本とエリシアの間で緊張は増しています。日本は大陸各地で警備兵を増やし、南岸では軍が高速艇による保安活動を展開しています。逮捕された全ての越境者は収容所へ移送されますが、噂ではそこで何かしらの蛮行が繰り広げられているそうです。
 そしてこの大陸の山岳地域には、俗に「クレバー・ドラゴン」と呼ばれる原生生物が生息し、事態をややこしくしています。研究によってこの生物が地球の大型類人猿と同程度の知性を持つことが判明しており、さらに、ある日本人科学者(現在はエリシアに亡命中)が「おそらく知的種族である」ことを示唆し、その証拠として捕獲したクレバー・ドラゴンに1800語以上の手話を教え込んだと主張しているのです。この学説はエリシア以外の植民地政府には受け入れがたいことでしたが、環境保護活動家はこれに飛び付き、生物の保護のために生息域への進出を図っています(中には大陸から人類入植地を排除しようとする者さえいます)。


【導入】
 プレイヤー・キャラクターたちは今、エリシアに居ます。なぜ居るかについては彼ら自身の背景設定に応じて調整してください。そして彼らはモニク・ルーセルという身なりの良い女性に接触されたか、彼女の出した求人に応じたかして個人事務所で会うように手配されました。

【持っておきたい技能】
 〈隠密〉、〈生存〉、戦闘系技能、操縦系技能


【レフリー用情報】
 ここから下は、プレイヤーをする予定のある人は読まないでください。
 レフリーはモニクの素性についてサイコロを振り、その後の展開を決定してください。

1.モニクは報道記者です。
 モニクは大手恒星間通信社に所属する記者です。彼女は、日本植民地が不法越境者とみなす者への対応を厳しくし、逮捕・投獄どころか時折その場で殺害している、という情報を追いかけています。
 彼女は彼女以外に2人の仲間がいて(カメラマンと音声係)、このネタを追う間の護衛を求めています。彼女は環境活動家に同行し、海上封鎖を越え、大陸で日本人との「遭遇」を撮影しようと考えています。

2.モニクは裏社会の住人です。
 モニクは非合法的組織の代表者で、薬物生成のために大金が動くクレバー・ドラゴンの臓器を求めています。密猟のためには当然ながら日本の警備兵だけでなく、環境活動家の目もやり過ごさなくてはなりません。
(※モニク自身が現場まで同行するかはレフリーが決めてください)

3.モニクは知的生物学者です。
 モニクはクレバー・ドラゴンが知的生命である証拠を求めて、地球から小規模な科学研究チームを連れて来ました。彼女らはクレバー・ドラゴンの生息域での撮影から、生体サンプルの捕獲まで何でもしようとします(彼女はクレバー・ドラゴンに適合した睡眠薬を持っていると言っていますが、本当に効くかどうかはレフリー次第です)。
 彼女はこの目的を達するまで護衛を必要としています。

4.モニクは過激な環境活動家です。
 モニクは日本が引き起こしている生態系に対する「犯罪」に憤っていて、問題の地域で栽培されている地球原産穀物を滅ぼそうとしている団体に属しています。彼女は現地に出向いて実際に「滅ぼす」手伝いを求めています。

5.モニクはエリシア政府の関係者です。
 モニクはエリシア臨時政府の一員です。臨時政府は環境団体がエリシアを抜け道にして日本植民地に侵入しようとするのを止めようとはしていましたが、今までうまくいっていませんでした。活動家がエリシアへの入国目的を正直に申告するはずもないのです。
 そして、環境活動家が日本の警備兵に「武力行使」されることはエリシアと日本の間の緊張の源となっていて、日本政府と(環境保護に熱心な)エリシア市民の双方から別々の意味で「容認しているのではないか」と板挟みに遭っているエリシア政府は、事態への対処に困っていました。
 そこで彼女は、この問題を詳しく調査し、活動家の目録を作り、できればエリシア国内に拠点を置くであろう「首謀者」を特定したいと考えていて、環境団体とは無関係の人員を求めています。

6.モニクは日本の秘密工作員です。
 モニクは実は日本政府のために密かに働いています。そして彼女は表の顔として上記1~5のどれかを普段装っています。
 日本は、植民地に侵入を繰り返しては緊張を拡大させる他所者の流れを止める「事件」を欲しています。エリシアを中立化できれば(もしくはフランス本国が再び取って代われば)、現在進行中のドイツとの領有権争いに全力を注げるという利点が発生するのです。
 彼女は日本領内に「潜入」して「残虐行為」を働く「極悪人」を探しています。もちろん日本が欲しいのは「極悪人」の死体だけで、容易に治安当局が捻り潰せるように少人数であることが求められます(場合によっては「残虐行為」自体も日本側が自作自演するかもしれません)。そしてその「一部始終」は日本軍寄りの新聞社が大々的に報じる手筈になっています。


【ライブラリ・データ】
ズルリュウ Zururyu (Clever Dragon)
種別:雑食類/採集型  体重:30kg
 ジョイ原産のこのトカゲ風の生物は愚鈍ではなく、むしろ知的生命の一歩手前まで来ている可能性があります。大きな脳を持ち、言語らしきものが発達していることから、既に一部の専門家はゴリラよりも知性があると判断しています。またジョイの日本人入植者は、どんなに厳重に柵を張り巡らしてもズルリュウの群れが土地に侵入してくることから、その知性の存在を身にしみて理解しています。
 エリシアは(誰もが思った通り)この「賢き竜」の保護を訴えていますが、各植民地政府に抵抗されているのが現状です。
 なお日本人は、この生物を「チビゴジ(「小さなゴジラ」の意味)」と呼ぶこともあります。


【参考文献】
・Colonial Atlas (Game Designers' Workshop)
・Invasion (Game Designers' Workshop)
・2300AD Core Rulebook (Mongoose Publishing)
・Colonial Times #2 (Stygian Fox Publishing)
・Joi Sourcebook
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