宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

星の隣人たち(1) スピンワード・マーチ宙域の知的種族

2017-02-25 | Traveller
 「星の隣人たち(Interstellar Neighbours)」とは、アラミス(スピンワード・マーチ宙域 3110)のアラミス博物館(The Museum of Aramis)にある展示コーナーの1つで、帝国内外の様々な種族について特性や歴史について紹介しています。本記事でも同様に、既知宙域(Charted Space)に生きる多種多彩な知的種族を紹介していきます。
 今回は、特にスピンワード・マーチ宙域に絞って解説をします。
(※文中の「T5SS」とはTraveller5 Second Surveyの略で、「現在の」公式な宙域設定です。しかしながら、この場ではT5SSから漏れた「過去の」公式設定もなるべく取り込んで解説していきたいと思います)


【人類】 Humaniti
ヴィラニ人 Vilani
ゾダーン人 Zhodani
ソロマニ人 Solomani
ヴェックス人 Vexx
ダリアン人 Darrian
トレクセン人 Trexen
トンドウル人 Tondouli
ジョンカー人 Jonkeereen
ネクシー人 Nexxies
ネイキッジ人? people of Nakege

 それぞれの詳細については『「人類」総まとめ』を参照のこと。これら以外に、ジェオニー人の商人やモーラ(3124)のシレア人コミュニティなど、群小人類を見かける場合はある。
 1105年現在、帝国とゾダーンの間の緊張状態によりゾダーン人を帝国内で見る可能性はかなり低いと思われる。
 テラから遠く離れているので、この宙域ではソロマニ主義は浸透していない(むしろ「敵国の」思想と捉えられている)。しかしながら、移民社会ゆえに前星間文明時代のソロマニ文化が理想化されて(もしくは歪んで)伝わっているのもこの宙域の特色である。一方でヴィラニ文化はほとんど継承されていない(例外として、ヴェインジェン(3119)の原住民は退行こそしたもののヴィラニ人の純粋な末裔である)。帝国市民のほとんどは混血だが、植民の経緯から中には純血のソロマニ人もいるかもしれない(特にソード・ワールズ人やガルー(0130)のガルー人は、純血のソロマニ人である可能性が高い)。
(※T5SSでは群小種族としてガルー星系に「ガルー人(Garoo)」の記載がありますが、確かに原典の『Behind the Claw』では群小種族の項目で解説があり、「human minor race」との記述があるものの、その内容は「ガルー人は多かれ少なかれ帝国の人間と同じ」「ガルーは-1508年にソロマニ人によって入植された」とあり、ソード・ワールズ人と同様にソロマニ人入植者の末裔であることは明らかです)


【主要種族】 Major Races
 身体的・精神的特徴については、この場では割愛する。
 「主な居住世界」はその世界人口の数%以上を占める場合に記載しているが、当然これらの世界以外で居住している場合もある(※T5SS設定とGURPS版設定では差異が大きいので、事前に確認した上で採用するか否かを決めてください)。

アスラン(フテイレ) Aslan (Fteirle)
主な居住世界:ベリーゾ(3015)、エクトロン(0326)、ザマイン(0421)、アングルナージュ(0425)、ロジェ(0427)、ローレ(0526)、マイア(0527)、ダリアン(0627)、クーノニック(0822)、ミューエイ(0838)、リジャイナ(1910)、ニュー・ローマ(1938)
 嗜好品の砂胡椒(dustspice)や各種貿易産品を求めて、トロージャン・リーチ宙域方面から貿易商人がやって来ている。また、傭兵部隊の勇猛な兵士として見かけることもある。中には戦った後そのまま定住した者もおり、リムワード方面の星系にはそういった帰化した(中にはイハテイによる不法占拠があるにしても)アスラン居住世界が点在している。
 またダリアン連合では、第一次辺境戦争(589年~604年)に協力した後帰化定住したアスラン傭兵の子孫が、今では連合の人口の8%を占めるまでになっている。彼らは長い時間をかけてダリアン文化を一部受け入れて融和したため、逆に生粋のアスランからは裏切り者とみなされる程である。

ヴァルグル Vargr
主な居住世界:ルーシュー(0215)、コンドイル(0901)、プパーキン(0902)、ウォルストン(1232)、ファーリーチ(1402)、エクストーレイ(1711)、リジャイナ(1910)、ジェセディピア(3001)
 コアワード方面の国境外から海賊行為で侵入してくることで悪名高い彼らだが、統一行動を不得手とする彼ららしく善良な者も多くいる。商売や就職などの理由で帝国に定住した者も少なくないし、海賊による迫害から逃れてきた難民もいる。帝国に帰化したヴァルグルの多くは、「同胞」による海賊行為を受け容れがたく感じている。
 とはいえ、コアワード方面星系にはヴァルグル海賊の拠点がいくつも存在するのもまた事実である。

ドロイン Droyne
主な居住世界:アンドー(0236)、キャンドリー(0336)
 ドロイン社会はいくつもの職業階層に分けられているが、ドロイン世界の外で出会うドロインは「特異階層(Sport)」に属する者が大半である。中には「シーヨ・スプド(Thyo Supud)」のように自由貿易商人としてスピンワード・メインを旅する者もいる。ドロインは相手の社会の流儀に合わせられるため、たいていどんな所でもうまくやっていける(※ククリー相手を除く)。
 なお彼らの母星には、現在キャンドリーが有力視されている。
(※『Behind the Claw』でのみサンシバー(0412)とスピレール(1927)にも居住していることになっていますが、一方で同じGURPS系統の『Alien Races 3』では否定されているので、ここでは外しました)

ハイヴ Hiver
ククリー K'kree
 彼らの生息圏はスピンワード・マーチ宙域から遥か遠いが、長距離商人や文化使節団が宙域を訪れることも稀にある。
(※ハイヴに比べてククリーは更に稀です。必ず群れで行動し、閉所恐怖症かつ肉食種族を憎むククリーが遥々やって来るのはよほどのことでしょう)


【群小種族】 Minor Races
 多くの群小種族は人類ほどには別環境への適応が難しく、母星や居住星系以外で見かけることは少ない(が、何事にも例外はある)。
 このリスト以外に、ブワップ(Bwap)の官僚や研究者、ヴィルシ(Virushi)の医師など、帝国のどこにでも居る種族は当然この辺境宙域で見かけてもおかしくない。

アミンディー Amindii
母星:リジャイナ(1910)
 「森の人」を意味するアミンディーは平均身長2.2メートル、体重110キログラムの昆虫型知的種族で、大きなバッタのように見える(なお実際に彼らを「バッタ」と呼ぶことは侮辱ではない)。8脚のうち4脚が「腕」、2脚が「足」であり、残る2脚はかつては歩行に用いられていたが今は単なる痕跡である。食生は草食で、野菜や植物由来の食材を好む。社会階層と一体化した性別は「孵卵役(Egg-layer)」「活性役(Activator)」「運搬役(Bearer)」の3つに分けられる。それらの内、社会を動かしているのは運搬役のみである。
 アミンディー社会は非常に協調性が高く、人類の個人主義とは相容れないが、帝国との接触以後彼らは個人主義をそれなりに理解はしている(しかし習慣として採り入れることはなかった)。
 彼らの会話は身体言語(body language)が基本であり、少なくとも肉声に感情が乗せられることはない。彼らの銀河公用語を聞いた者は無機質的と感じるだろう。
(※アミンディーはTraveller5以降(厳密にはFFEが試作したトレーディングカードが先)にその存在が明かされた種族で、その外見はJTAS誌第7号(1980年)で既に掲載されていた「ことになりました」)

ヴィジ Viji
母星:ゼータ2(0919)
 顕微鏡サイズ程ではないにしろ、結晶昆虫に似た小さな珪素-弗素生命体らしい。彼らは「巣」に群がって生活し、地獄のような世界の致死性大気から栄養を得ているようだ。彼らの社会構造は不明であり、おそらく「巣」単位の集合意識と思われる。
 ……と、曖昧な記述となっているのは、実は今のところ研究や接触が試みられているものの、ヴィジの存在自体が疑われているような有様だからである。
(※こんなのを入れていいのか迷いましたが、一応公式設定なので…)

ウルスティ Ursty
母星:ユースト(2309)
 体重約60キログラムのウルスティは、3つの非常によく見える目と灰色のスポンジ状の皮膚を持つ、タコのような雑食水棲生命体である。彼らには7つの肢があり、そのうち1つは交尾と求愛行動のために確保されている。
 彼らは海中の他の生物や植物を、まるで人類が道具を使うように使役する文化を持つ。また、ウルスティには所有の概念がなく交易も理解することができない上に、生息域が深海のため、人類からは半ば無視されている状態である。

エボキン Ebokin
母星:イェバブ(3002)
 4対の足と2対の腕を持つ知的種族。女性は体重150キログラム程で、男性はそれよりいくらか小さい。
 彼らはとても保守的で、厳しい法律に縛られた女性支配の社会を構成している。多くのエボキンは故郷の星を去ることなく、遠くに旅行すらしない(※エボキンは母星の異種大気に適応しているのも理由です)。エボキンは帝国市民であるが、厳格な法に生きる彼らにすれば帝国は泥棒と嘘つきの集まりで、急速な変化で混沌とした無法の社会にしか見えない。

オベイエリー Obeyery
母星:スターヴ(0710)
 短く美しい毛皮に覆われた、外見はオオトカゲに似た約400キログラムの雑食両生類種族。
 スターヴの沼地で群れを作っていた祖先からの習性で、彼らの社会は常に誰がボスであるかを示そうとする。これはヴァルグル社会に似てはいるが、遥かに安定している。

オターリ Otarri
母星:ファルドー(1131)
 多くの人類から「肺魚(lung fish)」と呼ばれるオターリは、手や足にヒレを持ち外見が鱗に覆われた、魚のように見える人類型両生類である。しかしその大きな目は人類にはどことなく不気味に感じられる。
 彼らはファルドーの沼地に産業化前の原始的社会を構成し、世襲でない終身女王によって統治されている。最高統治者は常に女性であるが、彼らの社会は非常に男女平等的である。

サウリアン Saurian
母星:サウルス(1320)
 体重は100キログラム程、尻尾と鱗を持つ直立二足歩行の温血生命。通称は「トカゲ人(Lizard-men)」。彼らの爪はポケットナイフ並に頻繁に利用されている。サウリアンは雑食だが、彼らの肉体を維持するために主に肉を食している。
 彼らは人類には部分的にしか理解されていない複雑な社会構造を持っているが、彼らの故郷の星への人類入植者の影響も受けていて、現在では部族ごとの村を築き、作物の収穫を学び、かつては狩っていた獣を家畜化している。知性の低さゆえに思想家ではないが、同族同士や人類とは帝国市民として好意的な関係を保っている。
(※サウリアンという名前に引きずられてか、挿絵ではまるで「恐竜人」です。とはいえ、そういう外見だからこそ偵察局が星系名をサウルスとしたのかもしれません)

シェオル Sheol
母星:ケリオン(0614)
 ケリオン星系の巨大ガス惑星に生息する「シェオル」は、共生関係にある2つの生命体の総称である。
 「スキッドマザー(Squid Mothers)」は直径2キロメートル強の球体生物で、その巨大な体の下に長さ800メートル、幅30メートルの20本の触手が垂れ下がっている。体内の多くは中空で、熱されたガスで満たされている。生ける風船であるスキッドマザーは、アンモニアの雲の中を浮遊して餌を探す。
 「メッセンジャー(Messengers)」はスキッドマザーと連携する知的生命で、大きさが人類に近いので他種族と接触・交渉する際はこちらが表に出る。メッセンジャーはスキッドマザーに従順で、異星生物学者は知性を獲得する前のメッセンジャーをスキッドマザーが家畜として意図的に繁殖させたのではないかと考えている。

シックス Six
母星:ティオナーレ(1511)
 ティオナーレの密林地帯の奥地に住む、6肢であることから通称「シックス」と呼ばれるこの知的種族は、TL0の原始狩猟採集文化を持つ。政治機構も戦士族長が部族を治める初歩的なものである。部族間の抗争や確執は彼らの間では日常茶飯事だが、少なくともごく最近までは植民者たちとの関係は平穏だった。
 近年では謎の理由によってシックスによる農場への一連の襲撃が拡大しており、トラベラー協会はこの星をアンバーゾーンに指定して旅行者に注意を呼びかけている。
 彼らの人口は数百万単位としか見積もられておらず、数十種類の方言を含む言語は基本的なものしか解明されていない。研究が進んでいないことが、彼らが敵意を抱く理由の解明を妨げている一因となっている。
(※ティオナーレ星系の知的種族の存在自体は、JTAS誌第9号掲載「Amber Zone: Soft Bunk」で示唆されています。このシックスの設定はそれを非公式に膨らませたものです。これが公式設定化していないのか、T5SSではただ「minor」とのみ記載があります)

ズーファニ Zhurphani
母星:不明
居住星系:ヨーリ(2110)
 ヨーリ星系の人口の6割はこのズーファニで、彼らは自らを「ズーフ(Zhurph)」と呼んでいる。考古学研究により、彼らは約3000年前に亜光速宇宙船でヨーリに降り立ったことが判っているが、その宇宙船も今では失われてしまい、彼らがどこから来たのかは謎となっている。
 身長は2メートル、体重は150キログラムで、爬虫類のように見えるが雑食の温血動物である。そして彼らは通常光と赤外線の両方を見ることができる。
 現在、ヨーリの人類文化とズーファニ文化は一体化が進み、地元方言も双方の言葉が入り交じったものになっている程である。よって種族間に緊張は存在しない。
(※初出は『Guildsman』というAD&Dとトラベラーの両方を扱うファンジンで、2000年秋発行の第7号にこの記述があります。本来なら非公式設定ですが、後にT5SSで公式設定に採用されたようです。ところで気のせいか、ヨーバンド(2303)にピラミッドを建設した未知の種族に特徴が似ているような…??)

タシャキ Tashaki
母星:レティネイ(0416)
 レティネイの全ての生命と同じく、体の維持に高放射性元素を必要とする珪素生命体。研究によって、タシャキを含む全ての動植物は太古種族より25万年も早い60万年前にレティネイに持ち込まれたことが判っている。
 タシャキの社会どころか性別や性格の有無すらよく解っておらず、会話が「ノード」を様々な色に点滅させて行うことが判明しているぐらいである(ちなみにコンピュータによる翻訳は可能)。
(※レティネイには帝国研究基地デルタがあり、25人が勤めています。その実態は従来は「情報伝達に関する研究」とされてきましたが、このタシャキの設定が追加されたことで、敵国国境付近でわざわざ研究を行う別の解釈が可能になった…かもしれません)

チョカリ Chokari
母星:フォーレン(1401)
 「水の民」を意味するチョカリは、太古種族がテラのイルカに遺伝子改良を施して生み出した水棲種族(海中でしか生きられないわけではないが、やはり水中や水辺を好む)。イルカ起源でありながら大きさや外見は人類に似ており、もはやイルカやドルフィンとは別の種である。手足にヒレを持ち、肌は緑や青系統の暗い色をしている。別言語を容易に学ぶが、基本はクリック音での会話である。また、彼らには鼻がないので匂いは感じられない。
 太古種族によって持ち込まれて以後、社会は発展させたものの、帝国暦189年にゾダーン人が接触した時点でもTL2止まりであった。更に、852年になってチョカリが強力な超能力を持つことが判明したため、ゾダーンは研究目的でフォーレンを併合した。併合後もチョカリ社会には影響はなかったが、しばしば超能力研究の目的で個人が連行されるのが悩みの種となっている(※めったに怪我はしないが苦痛らしい)。
 チョカリは平和を好み、ゾダーン人とは友好的ではないにも関わらず抵抗活動を行おうとはしない。しかし身を守るためには超能力を使用することもある。
 チョカリ社会は部族制で、フォーレンには数千ものチョカリ部族が存在する。部族ごとに文化や考えはまちまちで、ゾダーン人に従順な部族もいれば、ゾダーン人の弱体化を目論む部族もいる。伝統の生活様式を守る部族もあれば、生活向上のために新技術を受け入れる部族もあるが、部族同士はチョカリ本来の平和志向のために敵意を持つことはない。
 ゾダーン人に対する嫌悪感ゆえに外世界人に対しては警戒しているものの、非ゾダーン人は彼らの信頼を得られやすい傾向がある。
(※『Spinward Marches Campaign』によると、ゾダーンが帝国からこの星系を併合したのは986年の第三次辺境戦争終結時となっています。この星への帝国市民の入植は400年代(「History of the Spinward Marches」参照)ですから、189年にゾダーン人が先に接触した設定はありえるとしても、852年時点では帝国領だったのは間違いありません(今もフォーレンに住むドルフィンは帝国時代に移住したのでしょう)。しかし800年代といえば超能力弾圧以後なので、「852年にチョカリに超能力が発覚して帝国はアンバーゾーン指定で隔離→986年にゾダーンが併合」という流れになったと考えられます。原文ではゾダーンによる併合は853年となっていますが、以上の理由により設定ミスと考えて削除しました)

テスマリ Tethmari
母星:ギョマー(0108)
 硬い革の皮膚を持ち3本足の、体重100キログラム程のずんぐりとした生命体。前肢は視覚・聴覚・嗅覚の感覚器官に更に消化器官を兼ね、肢で道具の使用や機器操作を行う際には残る後方の2肢で立つことができる。
 テスマリには男性、女性、そして許性(enabler)の3つがある。許性のテスマリは一回り大きく(125キログラム)、8000名に1名の割合で生まれてくる。そして許性は社会の全てを動かし、思い付き次第で男女を生涯の職業(階層)に配置するのである。テスマリにとって、社会的選択や自由意志は非常に異質なものとなっている。

ミューエイ Mewey
母星:ミューエイ(0830)
 短く細かい毛皮に覆われた体重80キログラム程の、外見は人類に似た種族。ミューエイの両手には、3本の指に加えて拇指対向性のもう1指が付属している(※親指と3本の指を思い浮かべてください)。
 彼らはゆっくり慎重に社会を核分裂技術まで進歩させた攻撃的でない種族で、その後アスランとの接触でジャンプドライブ技術を入手し、隣接するオキケイト(0829)への入植を果たして「ミューエイ帝国(Mewey Empire)」を自称している。そういった経緯から彼らはアスランとは非常に友好的な反面、帝国には「強大さ」への警戒心を抱いている。

ラリアン Larianz
母星:バイレット(2523)
 バイレットの飛行生物が進化した、計4本の手足を持つ知的生命。平均身長は1.2メートル、体重は35キログラム程。上肢は大きな翼となっているが、彼らは翼を折り畳んで「肘」で効率的に立ったり歩いたりすることができる。下肢の一組は、道具などを扱えるように進化している。
(※ラリアンの存在自体は『Spinward Marches Campaign』が初出ですが、実はこの詳細設定の出処がよくわかりません。HIWGニュージーランドが制作した『Meshan Saga』第7号掲載の設定は全く異なりますし…)

ルルウィロリィ Llellewyloly
母星:ジュニディ(3202)
 一本足で立つ姿がテラの「タンポポ(dandelion)」なる植物に似た、手や足そして感覚器官の役目を持つ5肢を備えた知的種族。中心に当たる球体の身体には毛が生えていて、ジュニディの厳しい夜の寒さから身を守る役目がある。成人は身長2~3メートルになり、非常に特徴的な食習慣を持つ。また、彼らは優れた弁舌者であり聴取者である。
 彼らの社会は個人が立場ごとに様々な地位を持ち、信じられないほど複雑な社会秩序が保たれている。相手の地位に相応しい儀礼や喋り方も定められているので、誤った接し方をすると大きな社会的失点につながる。


【知性化種族】 Uplifts
ドルフィン Dolphin
母星:テラ(ソロマニ・リム宙域 1827)
主な居住星系:フォーレン(1401)、イクゥース(2417)、ネクシーン(3030)他、海洋のある世界
 テラのイルカを遺伝子改良して知的種族として創り上げられたドルフィンは、水の豊富な世界に多く入植している。彼らは空気を呼吸する海棲哺乳類で、通常、色は灰色である。彼らは呼吸なしで約30分間の活動ができ、非常に優れた音波探知能力を持つ。
 彼らは人類に好意的で、どんな訪問客ともうまくやれるほど社交的なのにも関わらず、旅行自体はあまり行わない。旅行用のスーツを身に着けなければならない面倒さもあるし、今いる環境に満足しがちな面もあるかもしれない。
(※詳細についてはこの回も参照してください。しかしT5SSでは、なぜか居住世界から一番しっかりした設定のあるネクシーンが外されています。確かにネクシーンの環境はドルフィンには住み辛いという設定もありますが…)


【準知的種族】 Semi-intelligent Race
チャーパー Chirper
母星:不明
居住世界:ヴェインジェン(3119)
 体重25キログラム程度の雑食採集生命。彼らには翼の痕跡があり、低重力・高密度大気世界でなら短距離飛行の助けとなる。彼らは単純な道具を用いることができる3本の指と、対置する親指を持つ。
 彼らの知性は「動物以上人類の平均以下」程度の一方で、光沢のある物体や興味を示した小物を盗み取るだけの狡猾さを兼ね備えている。そして彼らは非常に素早く、捕まえることはほぼ不可能である。
 彼らは社会組織とは言い難い小集団で生き、野の果物や木の実を集めて回っているが、時折栄養を原始的な道具で捕獲した小動物で補うことがある。チャーパーは人類の言葉を理解し、扱うことができるが、基本的には彼らの名の由来となった「甲高いチーチー音(chirping sounds)」で会話を行う。
 なお、チャーパーは帝国政府(※とゾダーン)により知的種族と同等の保護を受けていて、彼らのほとんどは保護居留地で他種族と接することなく住んでいる。既知宙域各地にチャーパーが点在している理由については謎が多い。
(※『Behind the Claw』ではイヴェンドゥ(2319)、シャモワ(3139)、フェンルス・グレン(3228)にも居住していることになっています。Traveller Wikiでは更に加えてヒーノズ(2912)にもチャーパーが居住している記載がありますが、おそらく『Alien Module 5: Droyne』で星図のヒーノズらしき位置に印が打たれているのが根拠なのかもしれません(個人的にはヴェインジェンから位置がずれただけと思いますが))

ディフォーン Dphone
母星:トリフュージ(0723)
 テラのチンパンジー並の単純な知性を持ち、現在ダリアン人による学術研究対象となっている。
(※T5SSでは知的種族とみなされていますが、初出の『Behind the Claw』で群小種族としての解説がないことと、この文面で知的種族とは思えないためこちらに回しました)


【絶滅種】 Exinct
ケオ・ネセブ Keo Neseb
母星:ペンクワァー(2128)
 蟷螂に似た昆虫型種族だった。彼らの文明は約800万年前に頂点に達し、隣接するペルセフォネ(2228)とハーヴォセット(2129)まで拡大して採掘を行っていたと考えられている。そして彼らがどのような運命を辿ったかは不明である。
(※初出はTraveller Mailing Listで流通したRICE Paperという文書の一つです。この設定を採用すると、彼らによって3星系の資源は採掘し尽くされたことになります)

ダッカム Daccam (Daccamites)
母星:ルー(1809)
 ルー星系のネベルソーン国(Nebelthorn)内には10万年前に滅亡したダッカムの遺跡が存在するが、まだまだ彼らについては大雑把にしかわかっていない。ちなみに「ダッカム」は遺跡を発見した考古・地質学者の名前であるが、現在では学術用語として定着している。


【非定住種族】 Nomads
テントラッシ Tentrassi
母星:不明
 艦隊を組んで宇宙を流離う放浪種族で、失われた故郷を探し求めている。彼らは旗艦を兼ねた工場船(120万トン)を自前で持ち、貿易産品を生産しながら行く先々で交易をして旅を続けている。
 彼らの第8放浪艦隊(Nomad Fleet No.8)は1100年頃にラウェー(0139)を一旦訪れ、その後100パーセク彼方のシータ・ボレアリス宙域に向かったと噂されている。
(※ですが、1122年に彼らは再びラウェーに戻ってきます。地元では歓迎式典が開かれたので、以前から関係は良好なのだと思われます)


【設定不明】 Unknown
クロウニ? Crawni
母星:クロウ(1939)
 皮のような肌と樽のような胸部を持ち、乾燥した薄い大気の厳しい母星の環境に適応した(人類ではない)人類型種族。
(※初出はJTAS誌第10・11号掲載の「A Referee's Guide to Planet Building」です。これは標準世界データからどう惑星の設定を起こしていくかを解説する企画で、そのためか先住民クロウニの設定は不思議と作り込まれずに今に至っています。ただし、JTAS第11号に「獣を使役しているように見える二足歩行生命」の絵があるので、これがクロウニかもしれません)

ペルージアン Pelousian
母星:457-973(3019)
 種族名は、彼らが自分たちの星を「芝生」と呼ぶことから、それを叙情的に翻訳した星系名から付けられている。彼らが持つTL4の文明を保護するため、帝国偵察局は現在457-973星系を侵入禁止に指定している。
(※初出は『Regency Sourcebook』で、T5SSでは「minor」とのみ記載、GURPS版設定では「この星のことはほとんど何もわかっていない」と記されています。しかし、1105年時点でも457-973星系はレッドゾーン指定されているので、偵察局は彼らの存在を知っており、外部には隠している可能性があります。なお、人類と断定できる文章がないので、ここでは一応群小種族扱いとします)
(※種族名はTraveller Wikiでは「Pelosian」とありますが、帝国暦1200年代にこの星は「Pelouse(フランス語で「芝生」)」と呼ばれていることから、誤植の可能性を考えて独自に修正しました)



【レフリー情報】
シュリーカー Shriekers
母星:567-908(1031)
 発声が高周波音であることから「シュリーカー」と名付けられたこの知的種族は、4対の肢と3対の目を持つ擬哺乳類(pseudo-mammals)である。そしてそれぞれの目は近視界・遠視界・赤外線に対応している。3対の肢は移動のために使われ、残る1対で道具を扱うことができる。それぞれの肢は短いため彼らはゆっくりとしか動くことができないが、一部のシュリーカーは移動速度を補うために「歩行脚(walking-legs)」を外科措置で装着している。なおシュリーカーは卵生であり、その卵こそが人類にとって重大な関心事となっている。
 街に住むシュリーカーは聖職者を頂点とする階層社会に生き、残る者は遊牧生活を送っている。
(※1105年時点ではシュリーカーが知的種族であるとは判明していません、と言うより、1110年までは567-908星系には誰も見向きもしていませんでした)

チャーパー
 チャーパーは実は、部族階層から外れて未成熟のまま定着してしまったドロインである。性的成熟はしているので繁殖はできるが、外見や頭脳は幼児同様に留まってしまうのだ。そして、彼らを捕まえるのが不可能なのは素早いからではなく、超能力を使うからである。

ドロイン
 彼らの本当の母星については、シナリオ『Secret of Ancients』を参照のこと。
 ドロインが超能力を使うことは帝国政府が秘匿している。またドロインの側も、帝国市民の反超能力的な偏見を考慮してなるべく超能力を隠している。
(※「続・黄昏の峰へリプレイ」において、ドロインを「超能力を使う気持ち悪い連中」と毛嫌いする人物が登場しますが、きっと噂を真に受けてしまったのでしょう(笑))



【参考文献】
Journal of the Travellers' Aid Society #9,#10,#11 (Game Designers' Workshop)
Supplement 11: Library Data (N-Z) (Game Designers' Workshop)
Alien Module 5: Droyne (Game Designers' Workshop)
Spinward Marches Campaign (Game Designers' Workshop)
Traveller Adventure (Game Designers' Workshop)
Regency Sourcebook (Game Designers' Workshop)
Megatraveller Journal #3 (Digest Group Publications)
GURPS Traveller: Behind the Claw (Steve Jackson Games)
GURPS Traveller: Alien Races 1 (Steve Jackson Games)
GURPS Traveller: Alien Races 3 (Steve Jackson Games)
GURPS Traveller: Alien Races 4 (Steve Jackson Games)
GURPS Traveller: Humaniti (Steve Jackson Games)
Spinward Marches (Mongoose Publishing)
Alien Module 3: Darrians (Mongoose Publishing)
Tripwire (Mongoose Publishing)
Rescue on Ruie (Mongoose Publishing)
Guildsman #7 (Jim Vassilakos)
Traveller Wiki
Traveller5 Second Survey
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