宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

トラベラー40年史(3) 新時代、そして暗黒時代へ…(1993~1997年)

2017-09-04 | Traveller
【1993年】
「フランクが最初にコンピュータウイルスのアイデアを述べた時の皆の反応は、『不可能だ。今はウイルス保護ソフトがあるので、ウイルスで〈帝国〉が滅びるのはありえない』だった。しかしそれでは『自分が見ていない・理解できないことは起こり得ない』というのと同じことだ。そうだ、我々は『Signal GK』という冒険をしていたのだ……」
(デイビッド・ニールセン)


緊急速報 緊急速報 緊急速報

セスタオ(レフト宙域 1301 A120675-C アンバー)発   1130年312日付

 デネブ領域海軍は、領域境界を即時無期限で封鎖すると発表しました。今後デネブ領域への侵入を試みる者は誰であろうと捜査、押収もしくは発砲の対象となります。通信は全て拒否されます。
 繰り返す、デネブ領域は直ちに応答を停止す。我々は文明の炎を守る。さらば。以上通信終了。

緊急速報 緊急速報 緊急速報

全TNSデータノードを対象

 ウイルスは通信に乗って宇宙船で運ばれるものと判明。Xボート網とトラベラー・ニュースサービスも既に感染しており、これを読むことでウイルスがそちらのデータシステム内に広まる可能性も考えられる。
 唯一の対処方法はあらゆる通信を遮断することである。全システムを落とし、通信を受けるな。更なる報 告 告 ................. . . . . . . . . . . .m1√0TUT .... ... .. äE@>]K0√0√... ......A%aÜcƒÅ...HX'ö"(...a¯...J@-ÇíÄD...'δ) R_CËâ*‡Δ 1ÄP...Cr=!D....±?2ìA0'F(Ñ(Ê(íΔä ...â" Ç...HBÄx√)|...... ...... . . . ±√årT'â JÖ@AÇå Fä1«q«0√
 %a __________Üg9ÃÄ»∞\. . . . . .. .. h.. . . DCr6¯I K@±« ...@B0Q#Ñ(......HA) i'ƒâ)'—F1Ä.. .. PÄ...#8íC>......–ÃåîC»;œÉê/âΔr a q ÇBO–ÄΣ<Î..............»ÏIqΩs±íHä......ı@AÇw-qŒЛ......ÆʃÛœ<ı%ûyÁö+CrÄ_[8CÓ .NCr(Z@ÓπË. ....@B-¯ð0NÔx.... ... .... .B@)!Hç†.˘(–é9Œ... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .

 凶王ルカンが創らせた「超兵器」コンピュータウイルスは、そうとは知らないデュリナー大公によって奪取され、宇宙船間通信によって帝国全土に拡散しました。自殺衝動を組み込まれていたウイルスはあらゆる人を、建物を巻き込んで破壊の嵐を引き起こし、恒星間文明は瓦解しました。一方で、いち早く事態を察知したデネブ領は境界を封鎖してウイルスの侵入を何とか食い止め、文明の炎を守りました。
 「大崩壊(Collapse)」から約70年後、オールド・エクスパンス宙域の人類は友朋種族ハイヴらと共に文明再建の第一歩を再び宇宙に踏み出しました。しかし彼らの前に立ち塞がるのは、より進化してロボットや宇宙船どころか知的生命をも支配下に置くウイルスだけでなく、荒野星域に取り残された人々に蔓延する「技術恐怖症」、そしてそんな人々を扇動して貴重な技術の独占を目論む組織の暗躍だったのです……。

 そんな帝国暦1201年、改め「新暦元年(New Era 1)」を舞台とする新作『Traveller: The New Era』(通称「TNE」)は、設定だけでなくゲームシステム自体に全面変更が施されました。当時のGDWは自社製RPGのシステムを、『Twilight: 2000』第2版に改良を加えた「ハウス・ルール」に統一を進めていました。これには一つのルールに習熟すれば他のゲームの習熟も容易となり、全体として売り上げが増えるであろう、そして新ゲームを出す際にも開発費を削減できるであろうという(よくある甘い)目論見があったようですが、従来から掛け離れたシステムへの移行と宇宙設定の激変への反発は強く、中には「The New Error」と陰口を叩かれる始末でした。一方で熟成を重ねたゲームシステム自体に対しての評価は高く、この年付のオリジン賞(Best Roleplaying Rules部門)を受賞もしています。

 そしてもう一つ、TNEで加えられた重大な変更点に「スラスター駆動の廃止」があります。ジャンプ航法・反重力といった『トラベラー』の根幹を成す「大ボラ」は残し、残る部分は現実的な物理法則に則って装備品や輸送機器のルールが再構築されたため、もはや反重力は「重力を打ち消す」だけで推進力を持たず、宇宙船だけでなくエア・ラフトに代表される反重力機器すら燃料の残りに神経をすり減らすようになりました。地表からジャンプ可能となる距離への到達にも数十時間、下手すれば百時間越えと、従来と同じ宇宙とは思えないほどです。
(※スラスター駆動には「燃料が続く限り無限に加速できかねない」という物理的に見過ごせない問題点があったために、今回の変更となったようです)

 そんな『The New Era』と『メガトラベラー』を繋ぐ本として『Survival Margin』も発売されています。皇帝暗殺以降の全ニュース(に加えてルカン、デュリナー、ストレフォンの回想録付き)や「When Empires Fall」を再録し、「新時代」の大まかな解説とさらに『メガトラベラー』のキャラクターを『The New Era』のシステムに合わせて変換するルールを載せています。

 『Fire, Fusion, & Steel』は設計に特化した本で、車両や宇宙船だけでなく武器も緻密に設計可能です。また、様々なものに事細かく動作理論や科学的根拠が示されているのも特徴です。ちなみに『トラベラー』では扱われないワームホール航法やスターゲート利用、『2300AD』のスタッターワープ航法どころか「超能力駆動機関」の宇宙船すら制作できてしまいます。

 『Brilliant Lances』は『メイデイ』の系譜に連なる艦船戦闘ゲームで、TNEの世界観に合わせて武器や燃料関係などのルールが調整・精密化されています(反重力のない『2300AD』に合わせて出された『Star Cruiser』(1987年)での進化を踏まえた、とも言えます)。

 『Traveller: The New Era Deluxe Package』(※資料により商品名にかなりの表記揺れがありますが、現在はこの名前で出されています)も発売されています。これは本体ルールブックに『Fire, Fusion, & Steel』と補助カード類、そしてスピンワード・マーチ宙域図(帝国暦1130年版)を同梱したもので、箱絵はかつての『Deluxe Traveller』の内側からTNEが破り出て来る、という構図でした。ちなみにこの商品は、当初は『Brilliant Lances』を同梱する計画でしたが、価格面を考慮して『FF&S』に差し替えられた、という裏話があります。

 「Reformation Coalition Manual」シリーズの第1弾『Path of Tears』は、プレイヤー・キャラクターが基本的に所属する〈再建同盟(Reformation Coalition)〉の歴史、組織、加盟星系それぞれの文化、友朋種族シャリィ(Schalli)の解説、同盟の誇る「スター・ヴァイキング」の作戦行動の対象となりうる星系の設定などなど、様々な設定が収められています。
(※この『Path of Tears』は資料ごとに発売時期のずれが有り、1994年初頭の発売だった可能性もあります)

 ちなみに本体ルールブックは12月に、『Fire, Fusion, & Steel』は翌年1月に誤植修正や微調整が施された「Mark 1, Mod 1」版が発売されています。この版の『FF&S』には『Upgrade Booklet』という小冊子が付属しており、初版の本体ルールブックを「Mark 1, Mod 1」版に合わせるために必要でした。

 激動の新時代とは別に、『Luna: Travellers Guide』という小冊子がStar Quest Gamesというところから出ています。これは1984年にマーク・ミラーが雑誌『Dragon』第84号に書き下ろした原稿の単行本化で、表題通り惑星テラの衛星ルナについての設定が記されたものです。
 また、ドイツのIBR Productionsというところからは『The Traveller's Aid Society Alien Encyclopedia』が200冊限定で出版されました。これは『トラベラー』時代のエイリアン・モジュールの総集編で、全てに製造番号とマーク・ミラーのサインが入っていたようです。


【1994年】
 「Reformation Coalition Manual」シリーズでは『Smash & Grab』『Reformation Coalition Equipment Guide』『Star Vikings』が発売されました。
 『Smash & Grab』はTNEで新たに導入された遊び方「一撃強奪(Smash & Grab)」を解説するもので、少人数のスター・ヴァイキング精鋭部隊(つまりプレイヤー)が強襲をかけ、短時間で目標を襲撃もしくは対象の奪取を図ります。そういった作戦任務シナリオ数本と追加装備品が収録されています。
 『Reformation Coalition Equipment Guide』はその名の通り装備品集です。〈再建同盟〉に限らず、〈旧帝国〉の遺産や荒野星域の低TL世界で使用されるもの(といっても戦車や対空ミサイルも十分「低TL」の範囲ですが)も収められています。
 『Star Vikings』は『トラベラー』史上初と言ってもいい、人物像に主眼を置いたNPC集です。頼もしい味方から憎らしい敵まで、様々なNPCが収録されています。後に明かされたことですが、一部の重要人物は「砂漠の嵐」作戦に参加した実在の軍人の顔と性格を取り入れているとのことです。
(※余談ですがこの縁が巡り巡って、後に『熱砂の進軍』(トム・クランシー、フレッド・フランクスJr.著)の参考文献に『Command Decision』が加えられることになります)

 チャドウィック作のウォーゲームは2作品が出されています。『Battle Rider』は、一艦船単位の戦いだった『Brilliant Lances』をさらに小艦隊単位にまで拡大させたゲームで、艦隊戦を再現するためにカードによる戦闘解決ルールが導入されています。
 『Striker II』は、同じくチャドウィック作で1986年度H・G・ウェルズ賞(Best Miniatures Rules部門)を受賞した傑作ミニチュアゲーム『Command Decision』を、TNEの世界観に合わせて(といっても懐かしの「第4518反重力化歩兵連隊(リジャイナ公直属部隊)」など、旧帝国時代の部隊編成も付録で収録して)改良したものです。『Command Decision』は小隊規模の地上戦ゲームでしたが、こちらは旧『Striker』と同じく1車両・1班規模に縮小されています。また、『Fire, Fusion, & Steel』で設計した車両を登場させることも可能でした。

 他に『World Tamer's Handbook』が発売されていますが、これには詳細な探査活動ルールや上級星系作成ルールに加えて、経済面も含めた入植ルール、大規模戦闘ルール、シナリオ2本、さらに「黒色火薬」銃器の設計ルールやデータを収録しています。

 ちなみに『Star Vikings』発売の後、TNEの公式グッズとしてTシャツ(大きさはLとXLのみ)が発売されたのですが、その図柄はTNE最大の秘密である「ブラック・カーテンの内側」をイメージしたもの、ということが後に明かされています。おそらく今後の展開を睨んでの伏線だったのでしょう。

 『Traveller Chronicle』誌も第5号からTNEへの対応が進みます。リーヴァーズ・ディープ宙域の解説記事も帝国暦1201年を舞台とするようになりました。


【1995年】
 この年から〈再建同盟〉だけでなく、ウイルスを瀬戸際で食い止めたデネブ領域の〈摂政領(The Regency)〉を扱う「Regency Manual」シリーズが始まり(※その存在自体はルールブックや『Survival Margin』に記されています)、『Regency Sourcebook』と『Regency Combat Vehicle Guide』が発売されます。前者はデネブ領域の全UWPデータや各知的種族の設定などが収められ、後者はその名の通り〈摂政領〉で使用される戦闘車両のデータ集です。
 〈摂政領〉は従来のファン向けに基本的にウイルスとは無縁の旅が可能なように設定されていますが、それでもゾダーン人難民の受け入れに伴う超能力解禁や、Xボート網を廃止してより情報伝達を効率化した「Xウェブ」の導入など、「大崩壊」から70年を経た変動は避けられませんでした。

 〈再建同盟〉側の資料集としては、知的種族ハイヴなどを解説した『Aliens of the Rim』、「Virus Redux Epic」と銘打たれた新キャンペーン・シナリオの第1部『The Guilded Lilly』、そしてTNE最大の謎と敵であるウイルス自体を解説する『Vampire Fleets』が発売されました。
 他に、『トラベラー』初の公式小説『Death of Wisdom』『To Dream of Chaos』が発売されています。これらはTNE設定の3部作構成の物語でしたが、この時は未完に終わっています。

 HIWG-NZによるファンジン『Meshan Saga』が創刊され、彼らの管轄だったメシャン宙域などについて設定を掘り下げています。1999年までに全10号が発行され、2007年には(主要会員のマーティン・レイト(Martin Rait)が経営する)FSpace PublicationsからCD-ROMに収録されて再販されています。

 しかし、『Challenge』誌が第77号をもって休刊となりました。季刊から始まり、隔月刊化を経て1991年には月刊化もされた雑誌でしたが、1993年には季刊に戻っていることからその衰退ぶりが伺えます(※しかし1995年から再月刊化する計画だったようです)。ただし第78号の予告は誌面に掲載されていたので、発行後に休刊の判断があったのでしょう。また、ローレン・ワイズマン本人が「1995年に失業した」と語っていることから、休刊に合わせて編集者たちは皆GDWを退社したと思われます。

 低迷を続けていたGDWの業績はこの年も回復せず、それどころか10月~12月期は突如35%も急落します。決断の時が、迫っていました。


【1996年】
「市場が失敗したのではない、我々が市場で失敗したのだ。我々は変化に適応しなかった」
(フランク・チャドウィック)

 2月29日、資金繰りに行き詰まったGDWがついに事業を停止します(※声明発表は1月5日でした)。予告されていた『Reformation Coalition Player's Handbook』『Regency Starship Guide』は当然ながら発売中止となりました。
 ミラーは「皆が燃え尽きていた」と当時を振り返っています。会社に郵便や電話で押し寄せる質問への対応が追いつかず、昼食時間を削って対応するよう指示が出されたほどでした。

「GDWでの最初の1年は週77時間働いていた。2年目は78時間働き、3年目は79時間働いた(それ以降は数え切れないぐらい悪化した)。結果として、私は離婚した」
(デイビッド・ニールセン)

 それでいて末期のGDWは売上不振が社員の解雇を呼び、それがまた売上不振を呼ぶという悪循環に陥っていました。最後の社員は、社長のチャドウィックの他に経理担当のもう1人だけでした。

 事業が行き詰った理由は、まず、1991年の『Desert Shield Fact Book』の大成功を受けて同年春に刊行した『Gulf War Fact Book』が、その年の後半には大量の返本に遭って逆に大損してしまったことです。GDWは流通取次への返本代金を支払えず、書店への販路も失われました。

 加えて、1993年に発売された『Magic: the Gathering』に始まるトレーディング・カードゲーム(TCG)の世界的大流行により(※余談ですが、マーク・ミラーは1994年に『Super Deck!』なるTCGを出しています)、縮小を続けていたRPG市場にとどめの一撃が加えられたことですが、アニメ原作で軽妙さが求められた『Cadillacs and Dinosaurs』に重くて現実的な「ハウス・ルール」を載せてしまったように、GDWの打ち出す施策自体がファンどころか市場にも受け入れられていませんでした。
 ただし、別の見解を持つ者もいます。

「『The New Era』に移行した本当の理由は“混沌”を導入することだった。宇宙全体が混沌としていれば敵と戦って勝利することができ、プレイヤーは盛り上がれる。しかしその実装が成功しなかったのは、第一にGDWの制作陣が混沌よりも秩序を好み、混沌を深めようとしている時でも混沌を減らそうとする物語を書いていたからだ」
(マーク・ミラー)

 そしてもう一つは、「RPGの父」ゲイリー・ガイギャックスを迎えて1992年に大々的に発売した『Dangerous Journeys』が、『Dangerous Dimensions』からの題名の変更(略称がDDとなるので)や、広告で「これは『AD&D』第2版ではない!」と再三連呼する労力をかけたにも関わらず、結局『D&D』のシステムの権利を持つTSRから訴えられて、1994年の和解で販売を停止するはめになったことでした。在庫分の金銭は得られたものの、将来の利益は永遠に失われました(ガイギャックスによると、ようやく軌道に乗ってきた矢先の和解だったようです)。

 しかしGDWは最後に「ゲームの版権をデザイナーに譲渡する」という英断を見せます。これにより、『トラベラー』全シリーズの版権はマーク・ミラーに帰属することになりました。また、声明では『2300AD』『Twilight: 2000』『Dark Conspiracy』の版権は当初チャドウィックに帰属していましたが(後ろ2つはチャドウィック作なので当然です)、販売か何らかの事情でこれらもミラーが持つことになりました。
(※『Dark Conspiracy』の版権は直後にDark Conspiracy Enterprises社に売却され、ミラーはGDW版の販売権のみを持つ形になっています)
 その後、『Space: 1889』などの版権を得たフランク・チャドウィックはミニチュアゲーム作家として活動を続けながら、版権管理会社Heliographを設立します。2009年には『Volley & Bayonet: Road to Glory』でオリジン賞の候補作にも選ばれています。

 さて、GDWの解散を受けてミラーの取った動きは素早いものでした。2月には早くも『トラベラー』シリーズの新作制作に着手し、4月には『トラベラー』などの著作権管理会社「Far Future Enterprises(FFE)」を自宅のあるイリノイ州ブルーミントンに設立しています。そして8月頭には新作ゲーム『Marc Miller's Traveller』(通称「T4」)の完成に驚異的な早さでこぎつけているのです。
(※加えてミラーは、この年1月から地元の反人種差別運動の広報担当に就き、2月からは児童音楽学校Pratt Music Foundationの主宰を務め、3月には妻が経営するHeartland Publishing Servicesの副社長にもなっています)

 ここでケネス・ホイットマン(Kenneth E. Whitman Jr.)について語らねばなりません。彼は1989年に最初の会社を興してRPG業界に参入し、2つ目の会社が1994年に買収された後はゲーム大会Gen Conの役員としてTSRに雇われ、RPG業界内に多くの知己を得ることになりました――その中にはマーク・ミラーも含まれます。
 やがてTSRを退社したホイットマンはミラーと合流し、1996年2月にImperium Gamesを共同設立します。ただしホイットマンは特段『トラベラー』をやりたかった訳ではなく、「自分が経営する」RPGの出版社で「何か」をやりたかったものの、様々な所に持ち掛けた交渉が上手く行かなかっただけであったことが関係者の証言で明らかになっています。

 そしてミラーは、船出したばかりのImperium Gamesの出資者として映画会社Sweetpea Entertainmentとの提携にこぎつけます。経営者にして映画監督(※ただし監督デビュー作はこの4年後です)のコートニー・ソロモン(Courtney Soloman)は当時『D&D』の映画化権を持っていましたが、加えてテレビドラマやMMORPGの題材になりそうなSF作品を欲していました。両者の思惑が合致し、『トラベラー』の映像化権とImperium Gamesの株式と引き換えに、Imperium Gamesに資金が投じられました。

 共同経営者ながら、ミラーがゲーム開発に専念したために社長となったホイットマンは、持てる人脈を駆使して執筆者を集めました(正規雇用ではなく個人契約ですが)。元GDW社員として『Traveller: 2300』『2300AD』の開発や『Challenge』誌の編集に参加し、1989年にTSRへ移籍すると「Ravenloft」や「Dark Sun」の設定制作に関与した経歴を持つティモシー・ブラウン(Timothy B. Brown)。同じく元GDW社員で、TSR移籍後に開発したトレーディング・ダイスゲーム『Dragon Dice』でオリジン賞を受賞したレスター・スミス(Lester W. Smith)。後に『Dragonlance Campaign Setting』を執筆するドン・ペリン(Don Perrin)など、自ら「ドリーム・チーム」と称するほどの陣容でした。
 特に表紙絵には小説『ファウンデーション』や『レンズマン』などの表紙や、映画『エイリアン』で宇宙船デザインを手掛けた巨匠クリス・フォス(Chris Foss)を、挿絵には『D&D』や『Magic: The Gathering』で名を成して2000年にオリジン賞殿堂入りするラリー・エルモア(Larry Elmore)を起用するなど、気合の入ったものでした。ただしエルモアは基本ルールブックのみの参加に留まり、クリス・フォスは従来の宇宙船デザインとは掛け離れた独自の絵のタッチだったので、残念ながらシリーズの好評価には繋がりませんでした。

 『Marc Miller's Traveller』制作の驚異的な早さの裏には、ブラウンは異星人について、ペリンは宇宙船、ホイットマンは超能力、と、「ドリーム・チーム」が完全分業制で自分の仕事「のみ」を完遂したことが挙げられます。彼らは2月に一度集合して会議を行うと、それ以降はインターネットと電話ですり合わせを行う程度で、次に顔を合わせたのは最終作業に入ってからでした。全ては8月14日から始まるゲーム業界の一大商戦である「Gen Con 19」に間に合わせるためです(※広告では8月1日発売になっていましたが、印刷所から納品されたのは8月2日でした)。確かに短期間での制作にはこの体制は合理的でしたが、試遊や推敲をする時間は全くありませんでした。そして編集を担当したホイットマンは、ローレン・ワイズマンのような優秀な編集者ではなかったのです。
 かくしてT4は、またしても大量の誤植を誘発してしまいました。単語の打ち間違いや文法ミスに始まり、時間短縮のために過去の『トラベラー』から転写された文章が不整合を起こしていたり、挙句の果てにはISBNコードや価格表記すら取り違えていました。

 T4はゲームシステムにも大きな変更が加えられました。『メガトラベラー』までは、技能レベルと能力値(修正値)にサイコロの出目を加えて目標値を上回るかどうかで判定する「上方ロール」でしたが、T4では能力値+技能レベル+修正値以下を難易度で定められた数のサイコロの合計値が下回るかどうかで判定する「下方ロール」となりました(※TNEで採用されたハウス・ルールも下方ロールです)。しかし失笑を買ったのは下方ロールへの移行自体ではなく、難易度によって振るサイコロの数に小数点以下が存在する、つまり6面体サイコロと「3面体サイコロ」を併用するという不格好な発想でした。
 ちなみに、初代『トラベラー』を指して「Classic Traveller」と表記したのは、このT4ルールブックが最初だと思われます。

 予告では翌月からすぐさまサプリメント展開が始まるはずでしたが、第1弾の『Starships』が出るまでに間隔が空いてしまいます。この時期、事務所をウィスコンシン州レイク・ジェニーバ(※ちなみにここはTSR創業の地であり、Gen Con発祥の地です)からカリフォルニア州ビバリーヒルズに移転させていた影響もありますが、一番の問題は売上金をImperium GamesとSweetpea Entertainmentのどちらが使っていいのかが不明確だったことにつきます。これにより完成した原稿を印刷に回すことができなかったのです。発売計画の遅れは財務面での不安を呼び、Sweetpea側が原稿料の3割削減を命じてくるなど混迷は深まりました。その頃、社長のホイットマンはインターネット(のメーリングリスト)上で、発売の遅れに苦情を申し立てた顧客への「まあ落ち着けよ!(GET A GRIP!)」発言で批判の矢面に立たされていたのですが、加えて会社の会計に使途不明金を発生させたことで早くも辞任に追い込まれます。
 Sweetpea側はImperium関係者が持っていた株式を買い取る形で再建に乗り出し、後任の社長にティモシー・ブラウンを据えました(同時にImperium Games唯一の正規社員となりました)。

 かくして11月になってようやく発売された艦船設計ルール集の『Starships』でしたが、内容の6割がデッキプランなのはともかく、美麗だが内容とは特に関係のないクリス・フォスによるカラー挿絵が1割強も占めていました。
 それは置いておくとしても、Imperium Games作品全てに言えることでしたが、GDW時代と比べてT4の本はページ数が減った上に価格はむしろ高くなっており、商品の魅力を更に損なっていました。

 その後は遅れを取り戻すべく、異星人(ただし母星の位置をあえて特定しない「汎用の」)設定集『Aliens Archive』、追加装備集『Central Supply Catalog』と立て続けに出版されました。しかし、編集力の無さが年末発売の『First Survey』『Milieu 0』(およびハードカバー合本版『Milieu 0 Campaign』)でまたも露呈します。T4が扱う新設定である「帝国暦0年代(Milieu 0)」の解説、という重要な役割を担うこの本で、収録した9宙域約4000星系分のUWPデータを全て誤る(※政治形態コードと治安レベルの数値が皆同じ)というとんでもない失敗をしてしまったのです(偶然合ったものもあるかもしれませんが、確認する術はありません)。後の有志による正誤表作成でもこの本だけは匙を投げられ、「存在自体が誤植」との不名誉な烙印を押されてしまいました。
 一方で好評だった作品もあります。前述の『Central Supply Catalog』と、復刊された『Journal of the Travellers’Aid Society』です。特に新JTAS誌は旧JTASとの継続性を示すべく「第25号」と銘打たれていました。

 一方『Traveller Chronicle』誌の第10号からは、元HIWG会員のハロルド・ヘイル(Harold D. Hale)による新企画「Children of Earth」が開始されています。これは「新時代」のソロマニ・リム宙域を解説し、GDWが全く触れなかった空白地帯を埋めるものです。これは事前にデイビッド・ニールセンの査読を受けてから発行されているので、扱いとしてはほぼ公式と言っていいでしょう(※ただし、フランク・チャドウィックは「Virus Redux Epic」の結末をテラ方面で迎えさせる構想を持っていたそうなので、実際に続いていた場合は「設定の衝突」が起きたはずです。またニールセンも、〈再建同盟〉とテラ共和国が復興と拡大を続けた場合、両者の対立でTNEの主軸(ブラック・カーテンとの戦い)がぶれることを懸念していました)。
 大崩壊後に成立した「ガブリール教(Gabreelism)」を拠り所にソロマニ党との激しい内戦を経て復興を果たした「テラ共和国(Terran Republic)」や、暗黒時代以来の復活となった「ディンジール連盟(Dingir League)」、知的種族ヴェガンの設定や、変わり果てたソロマニ・リム宙域全星系のUWPデータ、シナリオなどが掲載されていきました。

 またこの頃、Traveller Mailing List(TML)上で作られていた「摂政領文化教育学会文書(RICE Paper)」と呼ばれるTNE設定などをまとめた『B.A.R.D.(Bureau of Aggregate Reference Data)』がウェブサイト上に公開され始めています。

「新しい『トラベラー』の持続的な発展のために、ブリテン島(British Isles)と合衆国(United States)が共に手を取り合って働けることを嬉しく思う」
(マーク・ミラーが贈った序文)

 1993年にDGPやSGSが撤退して以来、久々のサードパーティとしてBritish Isles Traveller Support(BITS)がこの年から参入します。BITSは1995年に結成され、イギリス国内で『トラベラー』のゲーム大会を開催するなどで普及に努めている団体です(後に法人化されますが、これは米国内で製品を販売する際に必要だった措置で、形式上は今もアマチュア団体です)。
 BITSが最初に出版事業に乗り出したのはキャンペーン・シナリオ『Long Way Home』で、これは9月に行われたEuropean Gen Con 1996に合わせ、T4普及のために制作されたものです。制作にはHIWGでグシュメグ宙域の設定を起こしていたデイビッド・ワイズ(David Wise)や、『Signal-GK』誌のジェイ・キャンベル(Jae Campbell)、レイトン・パイパー(Leighton Piper)らの協力を得ており、会場で実際に販売された140部は非常に好評をもって受け入れられました。
 そしてこの『Long Way Home』の刊行には、新設された団体「CORE」を宣伝する目的も持っていました。COREはHIWGに並ぶアマチュア執筆者集団を目指して、BITSの会員に加えて外部から様々な国籍の執筆者が集いました。そんなCOREは10月には、代表作となる「101シリーズ」の第1弾として『101 Cargos』『101 Plots』を発表します。
 この「101シリーズ」は、様々な遭遇・異星生物・貨物・団体などを101個ずつ収録したものです。これらはT4対応で出されましたが、全『トラベラー』シリーズで利用可能な汎用性の高さが魅力です。COREは早くも翌1997年には訳あってロゴだけ残して解散状態となるのですが、それでも残った会員らが1998年にかけて集中的に7作品を出し続け、2001年以降に発売された3作品は初めから「トラベラー汎用」資料集として出されています。

 もう一つ、この年は重要な出来事があります。1995年末から新生Digest Group Publicationsのロジャー・サンガーは動きを活発化させていました。各方面にDGPの復活を宣言する文書を流し、DGPの過去作品をまとめたCD-ROMの販売を約束します。それどころか、あの『A.I.』だけでなく新作SF-RPG『Infinite Earths』『Interstellar』『MetaSpace』の発売計画も発表しました。全ては、10月のマーク・ミラーとの直接会談の結果次第でした。
 しかし交渉は決裂します。新生DGPがT4のサプリメント本を「版権料なしで」出す用意があることを告げ、旧DGP書籍の版権を数十万ドルという法外な価格での購入を求めたため、当然ながらミラーに拒絶されたのです。
 かくしてサンガーは、貴重なDGPの版権を抱えたままRPG業界から姿を消しました。最後にサンガーは11月になって、DGPが起こした設定について今後の利用を妨げない声明を発表しましたが、あくまで口約束にすぎないため、膨大で極めて質の高いDGP設定は「無視もできないが触れもできない」デリケートなものとなってしまっています。ましてや、電子復刻の可能性はほぼ皆無です。
 ロジャー・サンガーがこの後どうなったのか、今どこで何をしているのか、誰も知りません。


【1997年】
 ところで、1997年に入ってから発売されたT4製品には「Edition 4.1」という表記が入っています。これはImperium Gamesが早くも誤植修正と微調整を施した「第4.1版」ルールへの移行を進めていた証であり、BITSの書籍には「第4.1版」の判定システムが記載されていましたが、結局11月に計画されていた「第4.1版」の発売は幻に終わりました。会社の状況が、それを許さなかったのです。

 Imperium Gamesからはこの年だけでも、資料集『Emperor's Arsenal』『Emperor's Vehicles』『Psionic Institutes』、設計ルール『Fire, Fusion, & Steel』、デッキプラン集『Naval Architect's Manual』、シナリオ本『Anomalies』『Missions of State』『Long Way Home』『Gateway!』『Annililik Run』、小帝国運営ゲーム『Pocket Empires』『Imperial Squadrons』と、驚異的な速度での刊行が続きます。この間、Imperium Gamesは個人の執筆者と次々と契約を交わし(その中には後の『トラベラー』を牽引するマーティン・ドハティ(Martin J. Dougherty)も含まれます)、中には外部団体のBITSから原稿そのものを入手してまで刊行を急ぎました。
 これにはSweetpeaから出資を受ける際に交わした契約が関係しており、Imperium Gamesは毎月1冊以上の新刊発行を義務付けられていたのです。製品の質は二の次でも、彼らは本を出し続けるしかありませんでした。原稿の執筆体制自体には決して無理はなかったのですが、売り上げは上向くことはなく、続々と出るはずだった新JTAS誌も刊行が早くも第26号で停止していました。

「Imperiumの関係者は良い人ばかりだったが、全体的に私の印象はひどいものだ。彼らの製品の多くは『トラベラー』を知る者が書いておらず、『トラベラー』の基本設定すら守られていなかった(例えば、通信をした4~5日後に宇宙船がやって来るなど)。編集に関しても誰かがスペルチェッカーで何も考えずに置換していたらしく、スペルチェッカーが知らない単語は文意が通らなくなるように改悪されていた。どうやら最終校正をする者はいなかったようだ」
(マーティン・ドハティ)

 しかし彼らの努力に原稿料で報いることができないほどに、この年に入ってからのImperium Gamesに余力は残されていませんでした。会社の資金は明らかに欠乏していたのですが、訳あってSweetpea側からの支援は先延ばしにされていました。というのも、当時のSweetpea Entertainmentは大逆転の博打のために資金が必要だったのです。
 それは、あのTSR社の買収でした。『トラベラー』に加えて『D&D』をも手に入れ、その強力な知名度を活かして映像化やコンピュータゲーム化など知的財産ビジネスに打って出ようとしました。

 しかし1997年4月10日、あの『Magic: the Gathering』のWizards of the Coast社がTSRの買収を発表します。Sweetpeaは入札に敗れていたのです。すぐさま『World of Darkness』シリーズで名高いWhite Wolf Publishing社の買収も目指しましたが、これも失敗に終わりました。
 これら買収の失敗で余計に資金は失われ、もはや打つ手はなくなりました。7月にアジア通貨危機が会社を直撃し、8月のGen Conの頃にはImperium Gamesは死の淵に瀕しており、その後は細々と在庫処分が続けられました……。

 1998年3月31日、マーク・ミラーはTMLにて公式にImperium Gamesの閉鎖と、Sweetpea Entertainmentに与えた『トラベラー』ライセンスの失効を宣言します。T4に関する版権は全てFFEに戻され、こうして短かったT4の時代は終わりました。最後の製品は、3月にByron Preiss社から出されたばかりの小説『Gateway to the Stars』でした(これも物語としては未完に終わっています)。
 予告されていて発売されなかった「Nobles」「Aliens, Volume 1」「The Vilani Hypothesis」以外にも、1997年夏の段階で企画されていたT4製品は多数に上りました(とはいえ企画した本人が原稿料の遅れに悩まされていたので、実現したかどうかは怪しいですが)。マッシリア宙域を舞台にしたシナリオ、再接触や大裂溝探査をテーマにした資料集、ジュリアン戦争や融和作戦の解説本、太古種族や遺跡に関する設定集……、さらに新展開として「帝国暦200年代(Milieu 200)」、つまりアスラン国境戦争時代のダーク・ネビュラ宙域やソロマニ・リム宙域の設定集、年代に関係のないものとしては主要種族や人類の設定集、追加経歴部門、都市や宇宙港の解説本、等々……。
 特に「The Vilani Hypothesis」は、0年代と200年代と400年代を繋ぐ3部作キャンペーン・シナリオの序章として設計され、まずこの話で学者の調査に協力して「ヴィラニ仮説」の証拠を集め、第2部「The Solomani Hypothesis(ソロマニ仮説)」で学者の子孫がヴィラニ仮説の隠蔽された真実に迫り、第3部でソロマニ仮説を証明すべくテラに探検に赴く……という展開でした。

 そもそもT4は「30万年前から宇宙の熱的死まで」を扱うという壮大な構想を掲げて旗揚げされました。帝国暦0年代を前提としていた本体ルールでも、帝国暦1105年を舞台にするあの懐かしのシナリオ「Exit Visa(出国ビザ)」を収録していたほどです。しかし掲げた理想の天文学的な大きさに対して、制作の現実があまりにお粗末だったことが製品の寿命を縮めてしまいました。彼らは、過去にGDWが犯した失敗から何も学んでいませんでした。

 他社の方でも『Traveller Chronicle』が第13号で休刊しています。この第13号からハロルド・ヘイルに編集長が交代し、第15号までにTNE誌から総合『トラベラー』誌への転換が宣言されていた矢先の出来事でした。翌1998年には出版元のSword of the Knight Publicationsが閉鎖されます。

 そして最後にHIWGについても記しておきます。元々HIWGは〈帝国〉の歴史と地誌を編纂するための団体でしたが、1991年の『ハードタイムズ』、そして1993年登場のTNEによって〈帝国〉自体が滅亡してしまい、存在意義を無くしてしまいました。
 会としては存続したものの目的を失った影響は大きく、次第に求心力が失われていきます。HIWG-UKとHIWG Australiaは1995年の時点で休眠状態となっていました。会員はそれぞれの道を歩みます。TNEに協力した者(会員の起こした設定の一部は公式に採用されています)、個人の活動に切り替えた者(「Children of Earth」や『Signal-GK』など)、単純に離れていった者……。
 現時点で残されているHIWGの活動記録は1999年9月末が最後です。末期のHIWGは恒星間戦争時代の設定を細々と起こしていました。

 こうして『トラベラー』20年の歴史は幕を閉じました。皮肉なことにこの年、オリジンズにて『トラベラー』がオリジン賞殿堂入りを果たし、『Adventure Gaming』誌の創刊20周年企画でも殿堂入りしています。まるで一つの時代に終止符を打つかのように……。
 しかしそれは新たな20年の幕開けでもあります。そう、『トラベラー』は終わってなどいなかったのです。

「これは我々とファンが長く、長く待ち望んでいたことだ。我々はついにそれを実現できてとても嬉しく思う。とりわけ、『トラベラー』を偉大にした人々と共に働けることに」
(スティーブ・ジャクソン)


(「トラベラー40年史(4) 夜明けの時代」に続く)
(文中敬称略)



 その後のSweetpea Entertainmentですが、コートニー・ソロモンは念願叶って2000年に『Dungeons & Dragons(邦題:ダンジョン&ドラゴン)』で映画監督デビューを果たしたものの、評価は散々でした。それでも諦めずにプロデューサーとして2005年には低予算映画ながら第2作、2012年には第3作を公開し、翌2013年には劇場から法廷に舞台を移してWizards of the CoastやHasbroとの戦いを始めました。2015年に訴訟が解決した後は、製作中の『D&D』最新作映画のプロデューサーとして参加しているようです。
Comments (2)
この記事をはてなブックマークに追加