宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

レビュー:『異星人の街カストロバンクラ(Castrobancla, The City of Aliens)』

2016-09-26 | Traveller
 『異星人の街カストロバンクラ(Castrobancla, The City of Aliens)』は、2016年9月にAlex Greene氏がTASライセンス下で公開した作品です。TASではあるのですが、「第三帝国(The Third Imperium)」とは関係のないオリジナル設定であり(もちろん組み込むことは十分可)、TASの利点を活かさないどころか儲ける気すら感じさせないあたりが清々しいです(笑)。ルールは当然マングース版トラベラーが前提となっていますが、トラベラー系システムに限らずスペースオペラSF-RPGであれば転用は問題ないでしょう。
 ちなみにAlex Greene氏は『Book 10: Cosmopolite』の著者でもあるので、Mongoose Publishing社に義理を立てたという可能性も考えられなくもないのですがそれはさておき。


 このPDFにぎっしりと収められた66ページに及ぶ文書は、宇宙のどこかにあるというカストロバンクラという成人人口25万人の街(とその周辺)の解説です。表題のカストロバンクラは惑星アマルジャ(D866684-8)の砂漠地帯の盆地にある街なのですが、実はアマルジャ自体が星間流通網からは外れていて、恒星間商船は主にBクラス宇宙港のある衛星カンドラ(B200333-C)に出入りしているのです。
(※一方でアマルジャにはAクラス宇宙港がある、という矛盾した記述もあるのですが誤植なんだろうか…?)

 そしてカストロバンクラに関する設定は詳細です。宇宙港手続きの通過方法に始まり(〈外交〉で面倒な検査をパスできるって…(汗))、宇宙港から街へのアクセス方法(マグレヴ(磁気浮上式鉄道)に乗ればすぐですが、あらゆる不法侵入手段も網羅)、各街区(Wards)ごとの商店の並びや治安状況、遭遇表(治安の良い地域と悪い地域では出てくる内容が異なるこだわりぶり)、パトロンになってくれそうな市民表(当然結末は6通り)、主な施設(真っ当な商店から奴隷市まで、闘技場にホストクラブも何でもあり!)、そして表題通りに、カストロバンクラに居住する様々な(癖のありまくる)異星人たち、と怪しげなごった煮と化している街が存分に表現されています。

 この星の治安レベルは4、つまり拳銃や散弾銃の携帯は合法、治安の悪い所ならもっと凶悪な武器に出くわすことも想定される水準ですが、ですから常に油断はできません。街に入れば早速ギャングが出迎えて偽造品を売りつけようとし(本物の商店を見分ける判定すら用意されています)、街を歩けば狙撃されそうになったり、火事に交通事故に暴動に出くわしたり、挙げ句の果てには向精神作用のある粉を振りかけられたりと、ハプニングには事欠きません。
 じゃあ警察や軍隊は何をしているのかというと、これでもちゃんと仕事をしていて専用の遭遇表が用意されているので、悪いことをするのも大変です。TL8世界なのにTL10で武装しているので、敵に回すとなかなかの脅威となります(でも所詮治安4なので、〈交渉〉や〈贈賄〉が結構物を言うのも否めません(汗))。
 ごみごみとしたスラムがあるかと思えば上流階層の住む「別世界」もあり、場合によっては近隣の大砂漠や山岳地帯に出向くこともあるでしょう。工業地域も農業地域もちゃんと設定されています。つまり、世界設定自体が生き生きとしているのです。

 タイトルの通り、この街には多くの異星種族が住んでいます(遭遇表の確率から想像するに、人類の方がやや少数派と思われます)。これがまた個性の強い面々揃いで、生まれながらの悪党バンダルク(Bandaluk)、暇があれば悪戯に走るドヴォーザ(Dvora)、街の調停者を自認する戦士種族クボタウラー(Kubotaur)、その「魅力」に人類は決して抗えないペラクー(Pelacur)、対砂漠防護服を決して脱がない謎の原住種族「開拓者(Settlers)」、寄生知的生命体に乗っ取られた「宿主(The Host)」(別名「ウマ(Chevals)」)、のそれぞれに簡単な解説とキャラクター作成ルールが用意されています(まあ演じるのは大変でしょうけど…)。

 あと足りない要素は、キャラクターがこの街に至る動機です。これはレフリーやプレイヤー本人が考えなくてはならないのですが、本文で例示はされています。実はここは意外と観光施設が充実していますし、企業人なら仕事で訪れることもあるでしょう。自然環境の研究に来る学者もいます。一番わかりやすいのは、何かをしくじって一時的な「隠れ家」を求めている人でしょう。金、権力、そして愛…、何でもありのこの街は、あらゆる人々を受け入れてくれます。


 これだけのものがPay What You Want(俗に言う「投げ銭」)制で手に入ってしまうんですから、いい時代になったものです(笑)。ただ惜しむらくは、地図が全く載っていないということです。せっかく詳細に街区の設定が起こされているのに、簡単でもいいから地図がないと逆に使い辛さを感じてしまいます。惑星図もあまり多用しないとはいえイメージを喚起するには十分必要なので、これは欲しかった。コストや手間の面でやれなかったのはわかってはいるんですが…。
 とはいえ、ここを舞台にキャンペーンを組むも良し(TL8世界なのでSF感は薄いですが、逆に外部から持ち込まれた高TLの産品が輝くともいえます)、パトロンとの遭遇や目的地にしても良し、とレフリーにとっては使い勝手は非常に良さそうです。ネタ帳代わりに手元に置いておくには非常におすすめの一冊です。
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『Cepheus Engine』で始めるロールプレイング・ゲーム入門(7)

2016-09-21 | Cepheus Engine
 今回から数回に渡って戦闘に関するルールを解説していくのですが、一つ頭に入れておいて頂きたいことがあります。一般的なRPGでは戦闘シーンはゲームの華ですが、『Cepheus Engine』ではスリルと興奮こそ味わえるもののできることなら避けた方がいいです。
 なぜなら、ルールがプレイヤー側とレフリー側で全くの公平、イーブンに設計されているからです。他のゲームのように雑魚を10人単位でなぎ倒したり、プレイヤー側に強力な逆転手段が用意されていることはありません。よって、基本的に人数で劣る側が勝利するのはかなり難しいです。もちろん戦術を駆使したり、地形を利用したり、不意討ちを決めたりすることで補うことは十分可能ですが、その前に、敵より多くの人数を集め、状況を探り、武器や補給を整えるなど、戦闘前に戦略レベルで勝利の算段をつけておくことこそが大事です。実際に戦闘が始まってしまえば、お互いに無傷では済みませんし…。


 では今回は個人戦闘ルールについて。『Cepheus Engine』の個人戦闘は1.5メートル四方のスクエア(マス)で格子状に戦場が区切られます。移動や射程などの管理もこの1マス単位です。また、1ラウンドは6秒です。
 レフリーが戦闘状態に入ったと考えたなら、戦場マップにユニット(コマ)を配置していきます。その際、交戦しあう集団同士の距離はレフリーの裁量と常識で決定されます。


■不意討ちの確認
 まずレフリーは不意討ちが発生するかどうかを確定させます。状況を考慮してレフリーが不意討ちができると判断した場合は、不意を突いた側全員の行動順を決めるサイコロ(後述)が自動的に12となります(それか、自動的に戦闘を避けることもできます)。

■行動順(Initiative)の決定
 戦闘に参加している全員がここで行動順を確定させます。全員の「2D+敏捷度DM」の結果を確認し、数値が高い順に行動していくことになります。ただし、〈戦術〉技能を持っている場合はここで判定を行い、効果値(8との差)をその者から「連絡のつく全員」の行動値に加えることができます(※複数人が〈戦術〉持ちだった場合の処理は曖昧になってしまいました(原典では「最大値のみを採用」)。指揮官のみが振れる、と定めるのも良いかもしれません。また、〈戦術〉判定の結果が負だった場合に破棄して良いかも曖昧です)。
 「連絡のつく全員」としたのは、何らかの理由で集団が分断された場合に恩恵が受けられないことを意味します。この場合、分かれた集団に〈戦術〉を持つ者がいるなら以後は別個に〈戦術〉判定が行われます。
 この行動順は戦闘開始時に定められますが、戦闘中に行動順が変化する場合があります。例えば、各ラウンド開始時に「急ぐ」を宣言することによって一時的に行動順に+2を得ることができます(代わりにそのラウンド中の全ての行動にDM-1)。
 なお行動順が同点の場合は敏捷力の大きい方から、それでも同じ場合は同時行動(とルールにありますが、順番のあやもあるので何かしらの手段で決めるべき)です。

■行動(Actions)
 行動順が回ってきたら行動を行います。1ラウンド(6秒)の間にできることは、「マイナーアクション(Minor Actions)1回」と「メジャーアクション(Significant Actions)1回」です。どちらを先に行うかはプレイヤーの判断次第です。
 あと、警告を発するとかボタンを押すとか、判定の必要もないような簡単な行為は「フリーアクション(Free Action)」として自分の手番の好きなタイミングで行えます。
 加えて、行動順が回ってきた時に「遅らせる」ことを宣言できます。これを宣言したキャラクターは、他のキャラクターの行動に割り込んで行動ができます(同時に、割り込んだキャラクターの行動順は割り込まれたキャラクターの数値と同じに再設定されます)。ラウンド終了まで行動を「遅らせ」続けたキャラクターは、次のラウンドの最初に行動することができます(そのキャラクターの新しい行動順は、全体で最も早い行動順の数値+1となります)


■マイナーアクション(Minor Actions)
狙う Aiming
 目標を定めて「狙う」を宣言することにより、1回につき命中判定のDM+1を得られます。最大で+6まで溜めることができますが、一度攻撃すると無効となります。

急所を狙う Aiming for the Kill
 これを宣言することにより、1回につき命中判定にDM+2、その目標へのダメージに+2の修正を得ます。これも最大で+6まで溜めることができますし、一度攻撃すると無効になるのは同じですが、加えて、宣言を行っている最中は移動や反応(後述)ができなくなり、他者から攻撃を当てられる(※文章に"hit"とあるので負傷の有無は関係ないと思われますが…?)ことでも溜めた修正は無効となります。

姿勢を変える Changing Stance
 キャラクターの取れる姿勢には3種類あり、「伏せ(prone)」「片膝(crouched)」「立つ(standing)」の状態を切り替えることができます。姿勢によって命中修正やできる行動に影響があります。

構える/装填する Drawing and Reloading
 準備していなかった武器を鞘から抜いて構えたり、弾切れの際に再装填します。武器ごとに弾薬装填にかかるマイナーアクション数が定められていますが、大抵は1回です。

移動する Movement
 基本的に1ラウンドで6メートル(4マス)移動できますが、悪路など移動し辛い地形や「片膝」状態の場合は移動量が半減します(※匍匐前進はルール上できないので、「伏せ」状態では移動不可となります)。

その他 Miscellaneous
 技能判定など、(2~3秒程度で)レフリーが行えると判断したものを行えます。

■メジャーアクション(Significant Actions)
マイナーアクションを2回行う Minor Actions
 メジャーアクションをマイナーアクション2回に変換します。これにより、例えば1ラウンドで移動を3回=12マス移動、ということも可能になります。

攻撃する Attack
 詳しくは後述します。

とどめを刺す Coup de Grace
 近接距離(3メートル)以内の行動不能の相手を自動的に殺害します。

その他 Miscellaneous
 超能力の使用や技能判定など、(6秒以内で)レフリーが行えると判断したものを行えます。


 戦闘の主目的は相手に攻撃を当てることです。これに関するルールは色々ありますので、しっかり把握しておきましょう。
 自分の行動で攻撃を宣言したら、攻撃目標を定めて自分との距離を確認します。斜線など、攻撃が可能であることの確認が取れたら以下の判定を行います。

 白兵戦武器を相手に命中させるには:〈白兵戦〉、筋力か敏捷度、瞬時、難易度は距離次第
 射撃武器を相手に命中させるには:〈射撃武器〉、敏捷度、瞬時、難易度は距離次第
 投擲武器を相手に命中させるには:〈運動〉、敏捷度、瞬時、難易度は距離次第

 まず、命中の難易度は相手との距離に左右されます。これは武器種別ごとに定められていますが、この武器種別は〈白兵戦〉や〈射撃武器〉の技能の種別とは異なりますので気をつけてください。命中における武器種別は、白兵戦武器が「至近(Close Quarters)」と「近接(Extended Reach)」の2種類、射撃・投擲武器が「投擲(Thrown)」「拳銃(Pistol)」「長銃(Rifle)」「散弾銃(Shotgun)」「Assault Weapon(※訳語を迷っています)」「ロケット砲(Rocket)」の6種類で、それぞれ距離ごとに難易度が「命中難易度表(Table: Attack Difficulties by Weapon Type)」で定められています。
 目標までの距離の分類は以下の通りです。

 至近距離(Personal):1.5m以内(0マス)
 近接距離(Close):1.5~3m(1~2マス)
 近距離(Short):3~12m(3~8マス)
 中距離(Medium):12~50m(9~34マス)
 遠距離(Long):51~250m(35~166マス)
 超遠距離(Very Long):251~500m(167~334マス)
 遠方距離(Distant):501m以上(335マス以上)

 0マスの欄があることでわかるように、他者と同じマスに侵入が可能であることに注意してください。
 例えば、9m(6マス)離れた敵をレーザーカービンで撃つ場合、距離が「近距離」で武器種別は「拳銃」ですから、表を見て難易度は「並(±0)」であることがわかります。これが敵に9マスまで離れられると「中距離」になるので難易度は「難(+2)」に上がります。また、武器種別は「拳銃」ですが、射撃に必要な技能は〈ピストル〉ではなく〈エネルギー・ライフル〉です。

 難易度が定まれば、後は武器技能レベルと能力値DMを加えて判定…とはいきません。ここから更に様々なDMがかかります。

狙う Aiming
 目標に対して「狙う」行動で得ていた修正を加えます。

隠蔽効果 Cover
 目標の体がどれだけ障害物で隠されているかで命中に-1~-4の修正が課されます。完全隠蔽で-4、75%隠蔽で-2、50%隠蔽で-1、25%隠蔽で±0ですが、姿勢が「片膝」「伏せ」の場合は隠蔽具合が1段階上になります(よって、無隠蔽状態でただ「片膝」になっただけでは命中に影響は与えないのです)。また、完全隠蔽状態で「片膝」「伏せ」をしていると命中判定は自動的に外れとなります(ただし応射もできません)。

環境効果 Environmental Effects
 暗闇や天候状況など、現在の周囲の環境によって命中に-1~-4の修正が課されます。

武器の電脳化 Intelligent Weapon
 武器にコンピュータを内蔵させることによって、ソフトウェアによる命中補正を受けられるようになります(※「スキルウェア(Expert Skill Software)」によるものなので、「ソフトの技能レベルを代わりに使う」か「ソフト以上の技能レベルを持つならDM+1」のどちらかを得られると思います。ただし、このソフトは「知力か教育度ベースの技能のみ」とも書いてありますし、武器に搭載できるコンピュータのメモリ量との兼ね合いで最大0レベルしか得られないように読めますが…?)。

照準器 Laser Sight
 (レーザーに限らず)照準器を搭載した銃器の場合、「狙って」攻撃した際に命中に+1の修正を得られます(※明記はされていないので、+6の上限を越える唯一の手段ではないかと思います)。

移動補正 Movement
 目標がこのラウンドで移動している場合、10mごとに命中に-1が課されます。

目標が反応した Reactions
 攻撃の目標となった者はそれに「反応」して「回避(Dodges)」または「受け(Parries)」を宣言することができます。命中に不利なDMを課させる代わりに、目標の行動順はそのラウンド中一時的に2下がり、そのラウンドの全ての行動にDM-1が課されます。また、この負の補正は同じラウンドで反応を繰り返すごとに累積します。
 射撃武器で狙われたのなら「回避」を宣言することで、命中判定を-1させます。
 白兵戦武器で狙われたのなら「受け」を宣言することで、命中判定に「受ける側が今装備している白兵戦武器の技能レベル」だけマイナスDMを課せます。
(※逆に言えば、そのラウンドで行動済みのキャラクターは気兼ねなく反応ができるということになりますが…)

目標の姿勢 Target Stance
 目標が「伏せ」ている場合、中距離以上からの攻撃には命中判定にDM-2が課せられますが、逆に至近距離(1.5m以内)まで詰めるとDM+2となります。

武器の反動(無重力環境のみ) Weapons with Recoil (in Zero Gravity)
 反動(Recoil)のある武器を無重力状態で使用した場合、命中に-2されます。


 こういったあらゆるDMを加味して8+を出せば命中、出せなければ外れとなります。命中した場合は当然ダメージ処理に移行します。武器ごとに定められたダメージの数だけサイコロを振り、その合計値から目標の装甲値(Armor)を引いたものが最終的に与えるダメージとなります。なお、命中判定が例外的成功(14+)だった場合は最低でも1ダメージが保証されます。

 ダメージを受けた場合、そのダメージはまず耐久力に入ります。耐久力が0になってもまだダメージが残っているのなら、筋力か敏捷力のどちらかが(負傷するキャラクターが選んで)減らされます。2つ目の能力値が0になってもまだダメージが溢れているのなら、残るもう1つを減らしていきます。
 ダメージを受けた結果、現在の能力値の状態によって負傷の度合いが決まります。

 1点でも能力値が減った:軽傷(wounded)
 3つの能力値が全て1点以上ずつ減っている:重傷(seriously wounded)
 2つの能力値が0になった:気絶(unconscious)
 3つの能力値が0になった:死亡(dead)

 例えば、耐久力が0になって軽傷となり、筋力も減った状態で更にダメージを受けた場合、筋力を削れば気絶するが敏捷力を削れば重傷で留まる、というケースも考えられます。重傷状態でも戦闘続行は可能ですが、1回の移動量は1.5m(1マス)にまで落ち、手番で与えられるマイナーアクションは自動的に放棄されます(よって、マイナーアクションを行うためにはメジャーアクションをマイナー2回に変換するしかありません)。
 ここで注意が必要なのは、2つの能力値がぴったり0になって気絶した場合は重傷ではなく軽傷だということです。この負傷具合の違いは治療の際に影響しますので間違えないようにしてください。

 『Cepheus Engine』はヒットポイント制ではなく能力値自体が削れる方式なので、ダメージを受けると必然的に能力値DMも変化します(と言うより、変化しなければヒットポイント制を採用するのと変わらないです)。間違えないように処理してください。
 ちなみにルールの都合上、筋力の重要性は敏捷力に劣るため、よほど筋力に自信があって敏捷力が少ないのでなければ、耐久力→筋力→敏捷力の順に削っていくのが定石となるでしょう。筋力は荷物の運搬力にも関わるので、常に筋力を削ればいいというわけでもないですが…。
(※敏捷力DMが減った場合に行動順が変わるかどうかは不明確ですが、変化させない方が混乱がないと思います。どのみち「待つ」ことでいくらでも変化させられますし)


 こうして自分の手番が終了したら、次の行動順の人が行動して…を繰り返し、(行動を遅らせ続けている人も含めて)全員が行動を終了したら次のラウンドが始まります。また行動順の数値が一番大きい人から行動を開始します。

■特別ルール(Special Considerations)
乱射 Blind Firing
 目標を見ないでとにかく(オート射撃を含めて)撃つため、技能レベルは0レベル扱いとなり、命中判定のサイコロは「3Dのうち一番高い目を捨ててから合計」したものが使われます。また、射程内の敵味方関係なく全ての対象の中から目標がランダムに選ばれます。
(※隠蔽具合などによる命中修正を確定させないといけないため、まずランダムに目標を決めてから判定を行うべきです。また、完全隠蔽状態から乱射ができるかどうかは明記が無いですが、乱射の目的を考えるに状況がおかしくなければ許可してもいいでしょう)

バースト射撃 Burst Fire
 複数のRoF(Rate of Fire)値を持つ銃器は「バースト射撃」が可能です。1回の攻撃でRoF値と同じだけ弾薬を消費することにより、命中やダメージが上方修正されます。どれだけ修正されるかはバースト射撃効果表(Table: Burst Fire Effects)を参照してください。
(※おそらく「通常/バースト/オート」の各モード切り替えはフリーアクションなのでしょう)

爆発物 Explosions
 手榴弾やロケット砲など爆発を伴う武器は、着弾地点の周辺に影響を及ぼします。爆風に対して回避反応を行えばダメージは1Dだけ減らされます(当然行動順は減少します)。隠れ場所を求めて「飛び込む」のならダメージを半減させられますが、代わりに自動的に「伏せ」姿勢となり、次のラウンドのメジャーアクションが放棄されます。

誤射 Firing into Combat
 射撃目標と同じマス(至近距離)に他のキャラクターが居る場合、目標への命中にDM-2が課されます。更に、それで攻撃が外れた場合は1Dで4+を出すと目標から最も近い対象に誤って命中します。

格闘 Grappling
 至近距離の対象への〈生得武器〉攻撃が成功し、更に対象の〈生得武器〉判定に勝利した(出目で上回った)場合、通常のダメージを与える代わりに以下の行動1つが成功したことにしても構いません。

  • 判定が例外的成功なら対象の武器を奪う、成功なら対象の武器を地面に落とさせる。
  • 対象を3メートルまで引きずる。
  • 現在の格闘状況から逃れる。
  • 対象に「2+〈生得武器〉判定の効果値(※おそらく自分と相手の判定の出目の差)」ダメージを与える。
  • 打撃により対象を伏せ姿勢にさせる。
  • 対象を3メートルまで投げ飛ばして1Dダメージを与え、格闘状況を終わらせる。

 なお、これらの行動後に判定の勝者側は現在の格闘状況を終わらせるか続行させるかを選択できます。続行させた場合はこの状況が続く限り、〈生得武器〉の対抗判定に勝利した方が上記の行動を選択できます。

パニック射撃 Panic Fire
 命中にDM-2され、弾薬を全て消費する代わりに、バースト射撃と同じダメージ補正を得られます(おそらくバースト不可な銃器でも)。

散弾の拡散 Shotgun Spread
 散弾銃で中~遠距離の目標を攻撃した場合、ダメージが2Dに減らされる代わりに命中に+1されます。また、目標から至近距離(同じマス)にいる全ての対象に命中します(※おそらく上記の誤射ルールの例外と思われます)。

〈リーダー〉技能の使用 Leadership
 戦闘中にメジャーアクションで〈リーダー〉技能を使用すると、8を上回った数値だけ対象1人の行動順を増加させることができます。

 他にも、戦場における通信手段(Battlefield Comms)、戦場の天候(Battlefield Conditions)、探知機(Battlefield Sensors)、制圧射撃(Suppression Fire)のルールがありますが割愛します。


 さて、個人戦闘ルールをざっと解説してきたわけですが、このルールで生き残るには「できるだけ奇襲をかける」「先手を取る」「防具や遮蔽物をちゃんと確保する」のが大事だということがお分かりいただけたでしょうか。とはいえファンタジーRPGと違って、よほど治安の悪い所でもなければ街中を防具を着て歩くわけにもいきませんから、そもそも戦闘にならないように行動するのが肝心です。
 あと、レフリー側のダメージ管理も結構負担になるルールなので、管理シートを用意するなり、雑魚敵のUPPは一律555555、一般兵で777777…という具合に手抜きするのもありでしょう。
 それとルールに記載はないですが、何も全滅するまで戦う必要もありません。真っ当な物の考えをしているなら全体の25%も戦闘不能になったら逃げるか降伏するかを考えます。〈リーダー〉技能を使った士気判定ルールを用意するのもいいと思います。


 続いて、傷を負ったなら回復しなくてはなりません。〈医学〉技能持ちがここで大活躍します。が、ゲームなので現実よりも回復は早いとは言え数日間の離脱を強いられるので、やはりそもそも無駄に怪我をしないのが第一です。

■自然治癒(Natural Healing)
 負傷したキャラクターは、丸一日静養に努めれば「1D+耐久力DM」点だけ能力値が回復します(※回復させる能力値はポイント内で好きなように選んで構いません)。一方、何か行動しながらだと回復量は「1+耐久力DM」点、重傷状態だと静養していても「耐久力DM」点となります。ここで気を付けるべきなのは、耐久力DMがマイナスとなっている場合、自然治癒に任せていては逆にダメージを受けてしまうということです。特に重傷状態では必ず耐久力は0になっているはずですから、放置すれば毎日3ダメージを受けてしまいます。

■医療による治癒(Medical Treatment)
 自然に任せては治らないことを理解したところで、〈医学〉技能を使用した治療について解説します。この場合、以下の手法が可能です。

応急手当て First Aid
 怪我をしてから5分以内に応急手当てを受けたなら、「〈医学〉判定の効果値(8との差)の2倍」点ほど失われた能力値が回復します。5分を過ぎてしまっても1時間以内なら〈医学〉効果値と同じ点だけ回復します。なお、自分自身を応急手当てする難易度は難(-2)です。
 この段階で「軽傷」まで回復させられれば自然治癒も見込めるのですが、そうでない場合は…
(※『Cepheus Engine』では明記がありませんが、応急手当ての判定書式は「〈医学〉、教育度、1D分、並(±0)」です。よって、判定を急がない限り戦闘中の応急手当ては現実的ではありません。また、装備品の「医療キット(Medical Kit)」は必要だと思います)
(※応急手当てに失敗するとダメージを受けるのか?という疑問については、おそらく「失敗は回復しないだけ」と思われます。そして戦闘後5分以内に最初の判定機会があり、失敗したら1時間以内に最後の判定機会がある、と解釈していいと思います)
(※気絶状態から意識を取り戻すタイミングが不明ですが、おそらく応急手当てで気絶状態を脱すればその時点で、できなければ自然回復などで軽傷状態に戻らなければ眠りっぱなしなのでしょう)


手術 Surgery
 応急手当てを施してもなお重傷状態であるのなら、手術が必要となります(重傷でないのなら手術は意味がありません)。手術には病院や(船の)病室が必要で、執刀医の〈医学〉効果値だけ回復しますが、効果値がマイナスならダメージとなります。手術を繰り返して1つの能力値が全快すれば「軽傷」状態となるので(※後のことを考えれば耐久力から回復してもらうべきですが、あえて元の能力値が低い所を手術して全快を急ぐ手もあります)、術後は入院して治癒に専念することになります。
 なお、自分自身を手術する難易度は至難(-4)です。
(※手術費用は1回につき「1D✕50✕TL」クレジットだそうです)

入院 Medical Care
 入院ということなので、当然病院や病室の寝台で静養する必要があります。回復量は1日ごとに「2+本人の耐久力DM+担当医の〈医学〉技能レベル」点で、損害を受けている能力値が均等に回復していきます(※手術後なら能力値1つは完全回復しているはずですから、残る2つで半々に分け合うことになるわけです)。
(※入院費用は1ヶ月で「100✕TL」クレジットだそうですが、30日以上も入院することはないでしょう)


 最後に、現在『Cepheus Engine』SRDに掲載されている武器を、技能別に「推測して」分類してみました(重火器は全て〈重火器〉で扱えるので割愛)。まあ見たまんまではあるのですが、なぜかルールではその分類が曖昧なまま放置されているので…。

〈白兵戦〉武器
〈生得武器〉:非武装攻撃(Unarmed Strike)
〈殴打武器〉:棍棒(Cudgel)
〈刺突武器〉:槍(Spear)、矛(Pike)、槍斧(Halberd)、銃剣(Bayonet)、フルーレ(Foil)
〈斬撃武器〉:短剣(Dagger)、剣(Sword)、長剣(Broadsword)、小剣(Blade)、カトラス(Cutlass)

〈射撃戦闘〉武器
〈弓術〉:弓(Bow)、クロスボウ(Crossbow)
〈エネルギー・ピストル〉:レーザーピストル(Laser Pistol)
〈エネルギー・ライフル〉:レーザーカービン(Laser Carbine)、レーザーライフル(Laser Rifle)
〈散弾銃〉:散弾銃(Shotgun)
〈ピストル〉:レボルバー(Revolver)、オートピストル(Auto Pistol)、ボディピストル(Body Pistol)、ジェットピストル(Snub Pistol)
〈ライフル〉:カービン(Carbine)、ライフル(Rifle)、オートライフル(Auto Rifle)、アサルトライフル(Assault Rifle)、ジェットライフル(Accelerator Rifle)、戦闘ライフル(Advanced Combat Rifle)、磁気ライフル(Gauss Rifle)、短機関銃(Submachinegun)


 次回は順当なら車両戦闘ルール…なのですが、とりあえず遊ぶのに必要なルールは一通り解説できたのでもういいかなぁ、という気もしてきています(汗)。むしろこの『Cepheus Engine』を一回総括してしまおうかとも考えたりしています。
 では反響次第でもうちょっと頑張る、ということで。
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『Cepheus Engine』で始めるロールプレイング・ゲーム入門(6)

2016-09-08 | Cepheus Engine
 宇宙船を動かすには何かとお金がかかります。今回は、自分で貿易商船を購入して運用する場合の支出(Starship Expenses)と収入(Starship Revenue)について解説していきます。


 まず支出の方から。前回紹介した200トン貿易商船の場合、購入金額は約35メガクレジットという大金がかかっています(というか「たった」35億円で恒星間宇宙船が買えるぐらいに「安くなった」と考えることもできますが)。一括購入できるような富豪でもなければローンを組むことになりますが、この場合でも購入金額の20%は頭金として支払わないといけません。34.929✕20%=6.9858ということで、約7メガクレジットは用意する必要があります。
 今回はこれはどうにかして払ったとして、残る返済額は船体価格の240分の1ずつを480ヶ月かけて払うことになります。つまり頭金と合わせて船体価格の220%が利息を含めた総支払額となるのです。
 前回解説した通り、商用宇宙船の運行は2週で1セットとなるため、精算も2週あたりで計算することにします。2週分の返済額は34.929÷240÷2=0.07276875、単位をメガクレジットからクレジットに直すとCr.72769となります。
(※頭金のくだりは『Cepheus Engine』では曖昧なのですが、総支払額が購入額の220%と明記されているので間違いなく頭金は20%です)


 続いて運行経費について。精製済燃料(Refined fuel)は1トンあたりCr.500ですので、満タンにするにはCr.500×24トン=Cr.1200かかります。ここをCr.100の非精製燃料(Unrefined fuel)にしたり無料の燃料スクープなどによって浮かすこともできますが、ここでは一応ちゃんと支払っておきます。
 船室の環境維持費(Life Support)は1室ごとに1月あたりCr.2000かかります。これは酸素供給や食料など、その船室で生きていくのに必要なコストが全て含まれます。一方冷凍寝台はそういったコストを抑えられるので、1月Cr.100で事足ります。この船の場合は、船室10・冷凍寝台20ですから((Cr.2000✕船室10)+(Cr.100✕寝台20))÷2=Cr.11000が2週間あたりのコストとなります。
 宇宙船の安全運行のためには、年1回の定期補修(Routine Maintenance)も欠かせません。それにかかる金額は購入額の0.1%で、造船所で行う必要があります(つまりAかBクラス宇宙港の星系に出向くのです)。(『Cepheus Engine』では明記がありませんが)作業には2週間かかり、当然その間の収入は全くなくなってしまいますが乗組員の給与などは支払わなくてはなりません(一応「月給」ですし…)。この定期整備を怠ると船がどんどん破損してしまうので、いざという時にお金がなくて困らないように積み立てておきましょう。船体価格Cr.34929000✕0.1%÷25(※1年=52週で整備に2週ですから動かすのは50週、計算は2週単位ですからさらに半分)≒Cr.1398が1回あたりの積立額となります。
 先程も出ましたが、乗組員への給与(Crew Salaries)も必要です。今回は自分が航法士を兼ねるとして、操縦士1名、機関士1名、接客係2名、船医1名を雇用することにします。砲手は諦めます(笑)(現実的に見て、商船の砲門ごときで海賊船に対抗できるとは思えません)。2週間あたりの支払額は(6000+4000+3000✕2+2000)÷2=Cr.9000です。
 宇宙港では停泊料(Port Fees)も必要です。これは6日間でCr.100、延長料は1日でCr.100です。今後どうなるにせよとりあえずCr.100は払います。

 この時点で総コストは72769+1200+11000+1398+9000+100=Cr.95467。損益分岐点は10万クレジット弱ということになりますので、それを目指してこれから商売に励みましょう。


 続いて収入について。商業宇宙船の収入源は、主に旅客(Passengers)、貨物(Bulk Cargo)、郵便(Mail)の各輸送業務が柱となります。旅客と貨物は、現在停泊中の宇宙港の規模に応じてサイコロを振って船荷・乗客表(Table: Available Freight And Passengers)を参照し、船に積めることのできる分だけの運賃収入(貨物は1トンでCr.1000、旅客はチケット通りの価格)が得られます。
 一方、郵便輸送業務は恒星間政府や自治体との契約によって行われるもので、契約した場合は船倉を常に5トン空けておくことが義務付けられ、代わりに1ジャンプ運ぶごとにCr.25000を受け取ります(実際に運ぶ郵便物は1D-1トンです)。ただし郵便物を運ぶには船が武装しており、一定の通商路を行き来することが条件です。
 他に、私的な(えてして秘密の)郵便物や小荷物を預かって目的地で引き渡す(謝礼はCr.20~Cr.120が相場)、船の貸し切り(Charter)を引き受ける(非恒星間宇宙船なら船体1トンにつき1時間でCr.1(最低12時間)、恒星間宇宙船なら満杯にした際の収入の9割(2週間契約))ことで収入を得ることもあります。

 では実際に乗客や貨物を募ってみましょう。今、Aクラス宇宙港に停泊しているとして、表を参照しながら期待値通りの反応があったとすると、貨物が100トン、特等船客が10人、一等船客も10人、二等船客が30人集まります。船の輸送能力は貨物が85トンと船室が7、冷凍寝台が20ですから満杯どころか溢れます。ということは、貨物からの収入がCr.85000、特等船客からCr.70000(そして一等船客は全員断る)、二等船客からCr.20000が得られます。合計でCr.175000ですから、約8万クレジットが1ジャンプの儲けとなります。

 しかし飛んだ先がCクラス宇宙港で、そこで募集をかけたらどうなるでしょう。同じく期待値通りなら貨物が20トン、特等船客が2人、一等船客が7人、二等船客が10人しか集まりません。貨物収入がCr.20000、旅客収入が一等船客4人に2人部屋に入ってもらっても、特等Cr.20000+一等Cr.16000+一等2人部屋Cr.26000+二等Cr.10000=Cr.82000です。総計Cr.102000ですからかろうじて黒字といったところでしょうか。ちょっと募集が振るわないと赤字もありえます。その際には再募集をかける(サイコロを振り直す)手もありますが、1回の募集で3日が経過するので注意してください。

(※『Cepheus Engine』の貨物・旅客募集ルールは、出発星や到着星の人口や宇宙港やTLの差、旅行安全情報の有無、乗組員の技能レベルが一切考慮されない単純なものとなっています。また、2人部屋でいいかどうかはレフリーの裁量次第のようです。基本的にはNPCが夫婦や家族である場合のみに2人部屋を認めるか、始めから船室を2人部屋仕様に設計した場合だけでいいのではないでしょうか)


 このように、Aクラス宇宙港同士をずっと飛んでいればだいたい儲かりそうな気もするのですが(プレイヤーに悪用されそうだ…)、そればっかりとはいかないでしょう。やはりリターンが欲しければリスクを負わないといけません。そこで投機貿易(Speculative Trading)です。
 投機貿易とは、自分で商品を仕入れて自分で運び、自分で売って差額を利益で得る商売方法で、うまく当てられれば大儲けも可能というのが魅力です。

 では実際にやってみましょう。まず売り手を探すところから始めます。これは本来〈ブローカー〉(や、闇市場の商品なら〈交渉〉)を使って1D日かかる行為なのですが、TL8+の世界にいるのならネットで〈コンピュータ〉を使って1D時間でささっと見つけてしまうこともできます(笑)。難易度は並(±0)ですが、宇宙港の規模に応じてプラスDMが入るので、だいたい見つかるでしょう。

 続いて売り手が何を売りたがっているか、『Cepheus Engine』116頁の一般商品表(Table: Common Goods)か貿易商品表(Table: Trade Goods)でサイコロを振って決めます。前者か後者のどちらの表を振るかはレフリーの裁量だそうですが、前者は宇宙のどこでも産出されてどこでも需要のある安定した商品、後者は星々によって価値の変わってくる商品が並んでいます。

 貿易商品表で一番注目すべきなのは、購入(Purchase)と売却(Sale)にかかるDMです。これはその星の貿易分類によって支払い時の判定に掛けられるDMが記されているのですが、例えば26番の「反重力機器(Grav Vehicles)」だと基本価格は16万クレジット、トン数は1D、購入DMは「高人(Hi)+3、富裕(Ri)+2」、売却DMは「非工(Ni)+2、貧困(Po)+1」と書いてあります。購入・売却のDMはプラスの分だけ安く購入/高く売却できる可能性が増えるので、高人口や富裕世界で買い付けて非工業や貧困世界に持って行けば儲けられそうな商品だ、ということがわかります。
(※『Cepheus Engine』ではマイナスDM、つまり農業世界で農産物を売ろうとすると買い叩かれる、ようなことはなくなりました)

 では実際に買い付けてみます。〈ブローカー〉技能による判定を行い、その結果で価格修正表(Table: Modified Price Table)を見るのですが、先程の貿易分類によるDMに該当していたらそれも加えられます(複数該当する場合は一番高いDMのみが適用)。そして簡単に言えば結果が8+なら基本価格よりも割り引いて仕入れることができます。価格に不満なら断ってもいいのですが、再交渉は1週間後になってしまいます。

 そして商品を別の星に運んで今度は買い手を探し(判定は売り手を探すのと同じです)、売却金額を先程と同様に価格修正表で決めて実際に売るかどうかを考慮します。
 反重力機器の例だと、〈ブローカー-1〉を持つ船長なら期待値的には高人口世界から非工業世界に運ぶだけで8万クレジットの儲けが期待できます(70%で買えて120%で売れそうなため)。しかもたった3~4トン程度の商品を運ぶだけで、です! そううまくいかないのが世の中ではありますが。

 また、買う際売る際に地元の仲買人(Local Brokers)を雇うこともできます。これなら自分が〈ブローカー〉を持たなくても仲買人の〈ブローカー〉技能レベルで判定を行うことができますが、当然高い技量を持つ仲買人の手数料は高額です。しかも、その地の宇宙港クラスで〈ブローカー〉技能レベルの最大値が決められます(例えば4レベルの仲買人はAクラス宇宙港にしかいません)。
 仲買人の手数料は最終価格の(技能レベル✕5)%で、その分が直ちに持って行かれますが、DMと表の兼ね合いで損をすることはありません。自分の目利きに自信がないのなら絶対に雇いましょう(ただし価格に不満があっても手数料は払わなくてはなりません)。もちろん腕利きの仲買人をレフリーが素直に出してくれるかどうかは別ですが…。
(※『Cepheus Engine』では、地元の仲買人を介さない取り引きは御法度、という設定は紹介されていません)

 このように旨味も大きい投機貿易ですが、買い手が見つからなければいつまでも船倉に置かれて場所を食うだけになってしまいますし、シナリオ進行の過程で商品が破損してしまう可能性もあります。臨検で書類の不備を見咎められて没収、なんてことはレフリーのよく使う手口です(笑)。
 そもそも売り手の登場がランダムである以上、商品を狙って安く買えるチャンスは意外と少ないのです。それでも狙って高く売ることは可能ですから、やってみる価値は十分にあります。

 他のRPGでは類を見ないこの「貿易ゲーム」は、一人遊びにも向いています。貿易分類を参照することから自然とUWPの読み方も身につきますし、無味乾燥な星域図に経済の流れを感じ取ることができるようになります。貿易産品からその星の産業をイメージしたりと、UWPに「命を吹き込む」にはもってこいです。
 この貿易を中心にキャンペーンを組み、うまく情報を流したり小荷物で目的地へ誘導したりするのが王道中の王道の遊び方ではあるのですが、プレイヤーが金儲けに夢中になり過ぎないようにレフリーは気をつけてください。冒険そっちのけでは本末転倒ですし、あまり懐が豊かすぎると、人間、危ない橋は渡ってくれませんしね(笑)。


 次回はようやく個人戦闘について。
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『Cepheus Engine』で始めるロールプレイング・ゲーム入門(5)

2016-09-02 | Cepheus Engine
 今回は予告通り「宇宙旅行(Off-World Travel)」についてです。宇宙旅行と一口に言っても「惑星間旅行(Interplanetary Travel)」と「恒星間旅行(Interstellar Travel)」がありますが、やはりSF-RPGとしての『Cepheus Engine』に求められているのは後者でしょう。

 前回書いた通り、『Cepheus Engine』で取り扱われる「ジャンプ航法」は数パーセクの距離を「たった7日間(厳密には148+6D時間)」で跳躍するものです。宇宙船に搭載されたジャンプドライブの性能次第で一度に飛べる距離が1~6パーセクの範囲で定められ、例えば「ジャンプ-2」の性能なら一度に2パーセク以下の距離を飛べることを示しますが、どんな距離を飛ぼうとかかる時間は同じ7日間です。
 光よりも速く移動できる手段が宇宙船のみである以上、情報が伝わる速度と旅の速度は同じということになります。星域規模ならまだしも、宙域規模以上の恒星間国家では国境付近で何か変事が起きても首都にそれが伝わるまでに数週間、十数週間、下手すれば1年後ということもありえます。それゆえに恒星間国家では1日でも早く情報を得るために様々な工夫をしているのですが、それは設定次第ですので割愛します。

 ジャンプを行うためには条件があります。惑星や恒星の重力場の影響を避けるために「直径の100倍圏」から離れてジャンプしないと失敗する危険が大幅に増します。また、安全にジャンプを行うためには宇宙船の定期整備を怠らず、できれば純度の高い燃料を使い、最新の航路情報を入手し、腕の良い機関士を雇うのが欠かせません。
 仮にジャンプに失敗すると「ミスジャンプ(Misjump)」となり、完全にランダムな方角に飛ばされてしまいます(しかも距離は1D✕1Dパーセクで求められるので、ありえない距離をジャンプしてしまう可能性が大)。生還できるかどうかは、ジャンプした先にたまたま恒星系が有るかどうか、そこで燃料補給ができるか、できなくても生存に必要な水や空気が揃っているかどうかにかかっています。
(※原典のマングース版『トラベラー』ではミスジャンプ=即死であり、レフリーの温情措置としてランダムジャンプが用意されていましたが、『Cepheus Engine』ではランダムジャンプに一本化されました)

 さて、宇宙旅行をするには宇宙船が必要ですが、旅客として乗り込むのが一番手軽です。宇宙港の規模にもよりますが、停泊している大手企業の定期便や個人の商船と目的地が合えば、そこへのチケットを購入して搭乗するわけです。
 宇宙船に旅客として乗り、7日強の旅をするには以下の5つのパターンがあります。なおルールの便宜上、チケットの価格は「ジャンプ1回につき」であってジャンプの距離とは関係ありません。

特等船客 High Passage
チケットは1枚10000クレジット(2人部屋なら16000クレジット)。乗務員や船から最高のサービス(食事・娯楽提供など)を受けられ、手荷物も1000kgまで持ち込めます。目的地で下船する際も再優先で降りられます。
一等船客 Middle Passage
チケットは1枚8000クレジット(2人部屋なら13000クレジット)。特等船客で客室を埋められなかった際に、割引価格で販売されるチケットです。部屋は特等と同じですが、受けられるサービスや食事の質は落ちます。持ち込める手荷物も100kgまでです。何よりも一等船客には、出航前に後から来た特等船客に部屋を「追い出される」リスクがあります。返金こそされますが、その後の補償は何もありません。その場合はすぐさま停泊中の別の宇宙船に乗り換えるか、差額運賃を払って特等船客となり、他の一等船客を自分が「追い出す」しかありません。
二等船客 Low Passage
チケットは1枚1000クレジット。客室ではなく冷凍寝台で仮死状態になって運ばれることによって、低価格かつ主観時間で「あっという間に」到着することができます(老化も停止するので数年かかるような超長距離の旅行に向いています)。ただし冷凍睡眠特有の危険性があり、蘇生の際に「難易度簡易(+4)で耐久力の判定」に失敗すると生命の危機に陥ります。その際は船医が「〈医学〉、教育度、易(+2)」で判定して成功すれば助かりますが、それも失敗なら本当に死亡します(賠償金も責任追及も発生しません)。手荷物は10kgまで持ち込めます。ちなみに下船は貨物搬出の後です。
雇用船客 Working Passage
チケットを購入するのではなく、宇宙船の臨時雇いとして働くことで目的地に到達する手段です。給料こそ運賃と相殺で出ませんが、船員室(基本2人部屋です)での就寝と船員と同じ食事が約束されます。ただしあくまで臨時雇いなので、連続4ジャンプ以上勤めると正規雇用されたことになります。また乗り込むためには船長が許可を出し、求められる技能を持っていないといけません。手荷物は1000kgまで持ち込めます。
密航 Stowaway
宇宙船に密かに忍び込み、無賃乗船を企てることも一応可能です。宇宙港当局や船員の目を盗み、宇宙船の与圧区画のどこかで7日間をやり過ごせばいいのですが、捕まれば禁錮刑や重い罰金は避けられません。また、目的地で密航が発覚して強制送還される際の費用は、密航をみすみす許した船の持ち主か船長に請求が回るため、密航者は発見され次第「なかったこと」にされがちです。それと、宇宙船の「乗っ取り行為(Hijack)」もこの範疇に入るでしょうが、当然宇宙船側にも物理的・電子的な乗っ取り対策が施されていることを忘れないでください。

 船にもよりますが、大多数の商船は1週を航行に、1週を停泊(乗務員の休暇、貨物の搬出/搬入、宇宙船の補給整備など)に充てて2週を一組にした運用がされます。同じ船に乗り続けるなら2週で1ジャンプしかしないことになりますので、急ぐ旅なら毎回宇宙港で乗り継ぎが必要となりますね。

 宇宙船内で過ごす7日間ですが、客船なら娯楽設備も充実しているでしょうし、豪華な談話室で他の船客とゆったりと話し込むことも可能でしょう。しかし貨物船に同乗したり、個人経営の自由貿易商船では大手並のサービスは望めませんし(簡易な談話室や立体映画の配信ぐらいはあるでしょうけど)、そもそもRPG的には毎回毎回ジャンプ空間内でプレイヤーを惹きつけるようなNPCを出したり事件を起こすのも無理があります。
 「何事もなく目的地に着いたよ」でも十分なのですが、「ファストドラッグ(Fast Drug)」を使って解決する手があります。これは元々は医療用に延命措置を施す際に用いられる薬なのですが、代謝速度を60分の1に落とすのを利用して7日間を主観時間で3時間弱に感じさせることができるのです(周囲が60倍速で動いているように見えるので「ファスト」です)。これならちょっと船室で横になっているだけで目的地に着いてしまえるのですが、問題は外部からの干渉に全くの無抵抗になってしまうことです。乗り合わせた全員が一斉に服用するか、個々人の安全を確保した上で用量を守って使用してください。


 旅行者が必ず立ち寄る宇宙港がどういった施設なのかについては、『Cepheus Engine』では不思議と言及がないのですが(まあ何があるかは現実の国際空港を思い浮かべればいいでしょう)、覚えておくべきなのは多くの恒星間国家では宇宙港を星系自治の範囲外と定めていることです。治外法権線(Extraterritoriality Line)こと通称「XT線」を越えると地元政府の法権力は及ばなくなるので、よって、その星の珍妙な法律をうっかり犯してしまって追われる身になった場合は、何としてでも宇宙港に駆け込むのです(とはいえ殺人等の重犯罪ともなるとさすがに送還されるでしょうけど…)。
 また、宇宙港の付近には長旅を終えた旅行者や船員を色々な意味で癒やすべく、「宙港街(Startown)」と呼ばれる猥雑とした歓楽街がだいたいどこもあるものです。地元の治安レベルよりもやや低いのが常なので興味本位で歩き回るのは避けた方がいいですが、依頼などによる冒険への導入や情報収集、違法合法問わない物品の入手、そして一時的に身を隠すには便利な街でもあります。


 では続いて、自分で宇宙船を動かして自由に旅をする場合について。
 唐突ですが、あなたは貿易商船(Merchant Trader)を40年ローン(※厳密には480ヶ月なので、完済まで1月=4週計算で約37年かかります)で手に入れました。頭金は自分でどうにかしたか、共同出資者を募ったかとしましょう。これから長く付き合うことになる「相棒」のカタログスペックは以下の通りです。


 この200トン貿易商船は主要通商路線でよく見られる型です。ジャンプドライブA、通常ドライブA、パワープラントAを搭載し、ジャンプ-1と1G加速が可能です。燃料タンクは24トンを貯蔵し、1回のジャンプと4週間分のパワープラント稼働を支えます。
 艦橋にはモデル-2のコンピュータが搭載されています。この船には標準民生用探知機(DM-2)が装備されています。船室は10室で、二等寝台を20基備えています。武装設置点が2箇所があるため、火器管制に2トンが割り当てられています。積載貨物は85トンです。
 チタン鋼(防御点2)の船殻は標準船体です。加えて、2トンの燃料生成装置(1日につき40トンの燃料を生成可能)と燃料吸入装置が装備されています。
 この船には操縦士1名、航法士1名、機関士1名の計3名の乗組員が最低必要です。さらに、武装が搭載されたなら砲手が2名、旅客運行を行うなら船医と接客係が必要となります。
 この船は8名の特等船客(もしくは2人部屋にして16名の一等船客)と20名の二等船客を運ぶことができます。
 船体価格は34.929メガクレジット(割引価格かつ設計料込み)で、建造に44週間を必要とします。



 色々細々書かれていて混乱するかもしれませんが、要点だけかい摘むと、まず「ジャンプ-1」ということは1パーセク、つまり星図の隣のヘクスの星系に飛ぶことが出来るということです。1回のジャンプで燃料は使い切ってしまいますから、星系のない深宇宙のヘクスにジャンプしたり、連続ジャンプすることはできません。
 「燃料吸入装置」というのは、星系内にガス惑星がある場合にそこから低純度の燃料を「すくい取る」ための機械です。また、燃料は水素ですので生成装置を使って海洋からも燃料を作り出すことができます。これによって燃料代を浮かせることも可能ですが、この船は「標準船体」であって「流線系船体」ではないので、ガス惑星や大気圏内航行での操縦感に難があります。操縦士には慎重な操舵が求められます。
 船室が10で旅客用に8が割り当てられていますが、旅客運行のためには船医と接客係が必要なので船室を1つ基本2人部屋である乗務員用船室に回して3室に5名が、砲手も雇うなら4室に7名が住む形にする必要があります。船長は特権で1人部屋ですね。ただ、そもそも設計段階で乗務員室と客室は交わらないように配置すべきではありますが…。
(※〈スチュワード〉技能で1人が接客できる範囲は、特等船客が「1レベルごとに2人」、一等船客が「1レベルごとに5人」(両方とも0レベルから数え始める)と定義されているため、〈スチュワード-3〉の人を雇えば1人で全部接客できますが、2レベル以下だと最低2人で回さないといけません。また、レベル3でも特等2人部屋を2つ認めると1人では回せなくなるので、結局接客係は2名は必要になります…残念ながら船長も2人部屋に入ってもらいましょう)

 さて、1人ではこの宇宙船が動かせないことがはっきりしました。信頼できる乗組員を雇わなくてはなりません。宇宙船を動かすために必要な役職は以下の通りです。

操縦士 Pilot
〈パイロット〉技能で宇宙船を動かします。月給はCr.6000です。
航法士 Navigator
〈航法〉技能でジャンプ計画を作り、船を導きます。小さな船では操縦士が兼任することが多いです。月給はCr.5000です。
機関士 Engineer
〈エンジニアリング〉技能で船を補修し、各種ドライブを操作します。大きな船では補佐役として数名の機関士が雇用される場合もあります。機関士長の月給はCr.4000、機関助手はCr.1000です。
船医 Medic
宇宙船に旅客を乗せる場合には〈医学〉技能を持つ医師が必要となります(同時に何らかの医療設備が設置されます)。月給はCr.2000です。
接客係 Stewards
〈スチュワード〉技能で乗客の世話をし、食事を作り、楽しく旅行ができるよう手助けをする仕事です。月給はCr.3000です。
砲手 Gunner
武装船は砲門を操作するために〈砲門〉もしくは〈砲塔〉を持つ砲手を雇用しなくてはなりません。月給はCr.1000です。

 加えて、以下の役職も必要となることがあるかもしれません(通常は上の役職と兼務されるでしょう)。

船主/船長 Ship's Master/Captain
船主もしくは船長は、船と乗組員の安全に責任を持ちます。小型の船では操縦士や航法士を自ら兼務することが多いです。月給は基本Cr.6000ですが、多くの商船では船で得た利益の一部を給与代わりに受け取っています。
事務長 Ship's Purser
商用宇宙船ではしばしば、(他の役職と兼務されることも多いですが)金銭や物品の管理をする事務員を雇用します。月給は基本Cr.3000ですが、船から得られた利益の一部から支払われるのが通常です。(※おそらく必要な技能は〈管理〉や〈ブローカー〉でしょう)
その他
貨物係(Cargo Handlers)、甲板員(Deck Hands)、保安員(Security)などは必要に応じて雇われます(※砲手が保安員を兼務するのは経歴を考えても自然でしょう)。月給はそれぞれCr.1000です。

 なお、船上での乗組員の生活費は船の諸経費に組み込まれているものとします。また「月給」とありますが、船の運行単位が「週」なので「4週分の給料」とすると計算が楽になります。貰う方としても給料日が年13回やってくるので嬉しいですし(笑)。給料といえば、技量と給与が比例していないのも不自然です。上に挙げた月給は1レベルの場合として、2レベル以上の者には1レベルごとに1割増しで給与を出してあげるべきです。
 『Cepheus Engine』では役職兼任に関するルールが見当たらないため、恒星間宇宙船を動かすには操縦士・航法士・機関士の3人は必須となりました。従来1人で動かせた偵察艦も「3人が必要」と明記されています(おそらくマングース版やTraveller SRDで曖昧だった部分を明確にしたことによるものだと思われます)。プレイヤーで賄いきれない場合はNPCにしたりロボット化を検討しないといけないでしょう。


 では実際に船を動かしてみましょう。宇宙港での点検・補給を終え、貨物や乗客、郵便輸送契約を行っているなら郵便物も積み込み、入金を確認し、宇宙港の管制から出発許可も得られました。機関士が、温めていたパワープラントから通常ドライブに電力を供給して起動します。
 まず、操縦士は宇宙船を軌道上まで運びます。続いて航法士がジャンプ点(Jump Point)までの航路を策定します。前述した通り、ジャンプ点は安全のために惑星・恒星の直径の100倍離れた空間に設定されます。操縦士がその航路に宇宙船を乗せている間、航法士は今いる星系と目的地の星系のジャンプ計画(Jump Plot)を立てます。ジャンプ点に到達したら、機関士がジャンプドライブを稼働させてジャンプ空間に突入します。
(※ちなみにジャンプ空間を直視すると精神に悪影響が出るため、ジャンプ中の「窓の外」には満天の星々を模した立体映像が映し出されます)
 何事もなければ、7日後には無事目的星系の通常空間に宇宙船は出てきます。目的星系が安全かどうかを船長が確認したら、進発の指示が出されます。航法士が目的地を設定するのですが、場合によっては巨大ガス惑星に立ち寄って燃料補給をすることもあります。その場合は操縦士が上手くガス惑星の大気圏に船を「横付け」し、燃料をすくい取ります。ただしガス惑星は多くの宇宙船が立ち寄ることから、海賊たちの格好の待ち伏せ場所ともなっています。そこで多くの星系では惑星防衛艦(System Defence Boat)をガス惑星に配備し、警備をしているのです。そしてここや道中では様々な宇宙船と出会えるでしょう。何か情報を交換できるかもしれません。
 星系に軌道宇宙港があるのなら、操縦士はまずそこへ向かいます。宇宙港管理局(Port authorities)による検疫や立入検査はまず軌道上で行われるからです。停泊料を支払って宇宙港に停泊したら、乗客や貨物や郵便を降ろし、補給や整備点検を行います。乗務員はつかの間の休暇を楽しんだり、儲けになりそうな商品を探して仕入れたりします。余計なトラブルに巻き込まれたり、幸運な出会いもあるかもしれません。次の目的地を定めて、乗客の募集もしなくてはなりません。停泊期間の6日間(星系内移動に片道でだいたい半日かかるため。また、宇宙港の停泊料も「6日でCr.100」となっている)はあっという間に過ぎていきます……。


 もちろんジャンプ計画の策定や、ジャンプドライブの起動、宇宙船の操縦には判定が付いてくるのですが、いちいち行うのも面倒ですし、うっかり失敗すると致命的です(しかもゲームなのでその可能性は現実よりも遥かに高く誇張されている)。こういった描写は雰囲気を出すための演出として扱い、適度に省略していくのがいいでしょう。

 恒星間の移動には7日間かかりますが、ジャンプ点や他の惑星に移動するにはどれだけかかるのでしょうか。『Cepheus Engine』104頁の「航行時間表(Table: Common Travel Times by Acceleration)」を見れば一目瞭然ですが、数時間から十数時間というのが相場だというのがわかると思います。この表は「目的地の中間点まで加速を続け、中間点からは減速を続ける」前提で計算が行われているので、加速したままジャンプするような状況では自分で計算する必要があります(早い話が2倍の距離で公式に入れて結果を半分にすればいいのです)。


 次回は宇宙船の経済面、収入と支出について。
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